窃盗罪と微罪処分

2019-02-24

窃盗罪と微罪処分  

福岡県春日市に住むAさんは,スーパーで万引きし,福岡県春日警察署で事情を聴かれることになりました。Aさんのご両親は,今後のことが不安になって刑事事件に強い弁護士に相談すると,弁護士から微罪処分のことを教えてもらいました。
(フィクションです)

~ 微罪処分とは ~

微罪処分とは,警察が事件を検察庁を送致せず,被疑者への厳重注意,訓戒等で終了させる手続きのことをいいます。本来,警察が立件した事件は警察→検察へと送致することが基本です(刑事訴訟法246条本文)。

刑事訴訟法246条
 司法警察員は,犯罪の捜査をしたときは,この法律に特別の定がある場合を除いては,速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し,検察官が指定した事件については,この限りでない。

しかし,刑事訴訟法246条但書では,検察官が指定した事件については,この限りでない,つまり「送致しなくてもよい」とされており,これが微罪処分の根拠規定となっています。

~ どんな事件が対象となるの? ~

なお,「検察官が指定した事件」とありますが,検察官がいちいち事件が立件された都度指定しているのではなく,通常は,各都道府県を管轄する地方検察庁の検事正という役職の人が,各地域の実情に合わせて予め指定しています。一般的に,

窃盗罪
・横領罪
・占有離脱物横領罪
・暴行罪

などの事件は微罪処分の対象とされていることが多いでしょう。
ただ,微罪処分の対象事件であっても,概ね,次の基準を満たす必要があります。

・ 犯情(犯罪事実そのものの情状)が極めて軽微であること
・ 被害弁償,示談済みであること
・ 被害者が処罰を望んでいないこと
・ 前科,前歴がないこと

~ 微罪処分のメリット ~

微罪処分となれば,どんなメリットがあるのでしょうか?

= 検察庁からの呼び出しがないで済む =

微罪処分となれば,事件が検察官の元に送致されませんから,検察庁から呼び出しを受けることはありません。お勤めの方であれば,休みをとって出頭するという手間が省けます。

= 刑事処分を受けないで済む =

検察庁に送致されないということは,検察官の刑事処分を受けることもありません。一番,不利な刑事処分は「起訴されること」ですが,微罪処分となれば,もちろん,起訴されることはありません。

= 裁判を受けないで済む =

起訴されることがないということは,裁判を受けなくて済むということを意味します。正式裁判されれば,裁判所が指定した日に出廷しなければなりませんが,その手間が省けます。

= 刑事処罰を受けなくて済む = 

起訴され,有罪となり,その裁判が確定すれば刑事処罰を受けなくてはなりませんが,微罪処分となれば起訴されませんし,裁判を受ける必要もありませんから,刑事処罰を受けなくて済みます。

= 前科が付かない =

裁判で言い渡された刑事処罰の判断が確定すれば前科となりますが,微罪処分となれば裁判を受ける必要はありませんから,前科が付くこともありません。

~ 微罪処分獲得のための弁護活動 ~

これまで見てきたように,微罪処分となるためには,被害者弁償,被害者との示談が必要であることが分かります。よって,微罪処分獲得に向けた弁護士の弁護活動も,被害弁償や被害者との示談が中心となってきます。そして,微罪処分とするか否かは警察が決めますから,被害弁償,被害者との示談は,警察が事件を検察官へ送る前に済ませ,その結果を警察官へ示す必要があります。
被害弁償,被害者との示談をスピーディーに,かつ適切な内容でまとめるには弁護士の力が必要です。当事者間で行おうとすると,感情の縺れなどから,交渉が難航し,交渉中に事件を検察官の元へ送られてしまう可能性もあります。被害弁償,被害者との示談交渉は弁護士にお任せください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,窃盗罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

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