【窃盗】糸島市~車いす生活の父親が万引きで逮捕②

【窃盗】糸島市~車いす生活の父親が窃盗罪万引きで逮捕②

車いす生活の父親が万引きした件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県糸島市に住む高齢の男性Aさん(79歳)は、5年前に脳梗塞を患い半身不随となって電動車いす生活を余儀なくされていました。Aさんは、10年前にすでに妻に他界され一人暮らしを送っていましたが、自宅から車で約10分のところに長男夫婦が住んでおり、週末に食事などの世話を受けていました。ある日、Aさんは、食料の買い出しに、所持金5000円をもって自宅から電動車いすに乗って近いスーパーに出かけました。Aさんはスーパーに入ると旬のカキを見つけました。ところが、Aさんは「お金を使うのがもったいない」と思い、電動車いすに乗ったまま車いすにかけていた手提げ袋にかき2個を入れ、レジで精算することなく店外に出ました(万引き)。そうしたところ、Aさんは、Aさんの行動を一部終始みていた保安員に「おじいちゃん、精算がお済でないですよ。」などと声をかけられその場で窃盗罪で現行犯逮捕されてしまいました。そして、Aさんは、スーパーに駆け付けた福岡県糸島警察署の警察官に身柄を引き渡されそのまま警察署内の留置場に収容されてしまいました。一方、逮捕の通知を受けた長男夫婦はこれを聞いて驚き、父親を釈放してもらうため弁護士に接見とその後の弁護活動を依頼しました。

~ はじめに ~

前回の「車いす生活の父親が万引きで逮捕されました①」では、

・万引きは窃盗罪に当たる立派な犯罪であること
・万引きで逮捕される可能性は十分あること
逮捕の条件として「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」が必要とされること

を解説しました。
本日は、逮捕後の流れなどについて解説します。

~ 逮捕されると留置場に収容される ~

逮捕されると留置場(正式には留置施設)に収容されます。
留置場は、全国の各都道府県警察署内に設けられた、主に被疑者の逃走、罪証隠滅行為を防止するための施設です。
一定の場合(運動、診断、入浴等)を除き、8畳ほどの簡素な居室の中で生活することになります。規則正しい生活を強いられ、場合によっては共同で狭い居室の中で生活しなければなりません。また、食事は出ますが、警察署内に調理する場所はなく、専ら外注した弁当を配膳されます。当然、好きなもの、食べたいものが配膳されるわけではありませんし、冷めていて温めることもできません。入浴は、夏場は週に2回、冬場は週に1回とされていることが多いようです。

~ 逮捕後の流れ ~

留置場(正式には留置施設)に収容されると、警察署内で、司法警察員による弁解を聴く手続、すなわち「弁解録取」の手続が取られます。その上で、身柄を拘束する必要があるか否かを判断され、警察官が拘束する必要がないと判断したときは釈放され、必要がある判断したときは逮捕から48時間以内に、犯人及び事件を検察官の元に送致する手続を取られます(送検)。また、送致を受けた検察官によっても「弁解録取」という手続が取られます。そして、身柄拘束の必要がないと判断された場合は釈放され、必要があると判断された場合は、犯人を受け取ってから24時間以内に、裁判官に対し勾留請求の手続を取られます。勾留請求されると裁判官による「勾留質問」を受け、勾留するか釈放するか判断されます。勾留決定が出た場合は10日間拘束されます(ただし、不服申し立ての制度あり)。

逮捕→(警察での)弁解録取→送致(送検)→(検察での)弁解録取→勾留請求→裁判所での勾留質問→勾留

~ 逮捕された場合はただちに釈放に向けて動き出そう ~

留置場の生活は自由がきかず過酷なものです。また、その期間が長引けば長引くほど過酷さを極め、逮捕された方にとっては相当な負担となるでしょう。
近年は、Aさんのような高齢者が比較的軽微と言われる万引きを繰り返し、留置場に収容されることが多いようです。しかしながら、対応する留置場はバリアフリー化が進んでおらず、留置場内では介護に不慣れな警察官が対応しなけばならないため、逮捕された方にとっても警察官にとっても大変な苦労をされているとのことです。

そもそも、その前に、Aさんのような一見して罪証隠滅や逃亡のおそれが認められそうにもない方がなぜ逮捕されたのか、そしてなぜその後釈放されないのか疑問の残るところです。
今年6月には同様の高齢者の方が17日間も留置場に拘束されていたと報道されています。
一見逮捕の必要のない事案についてはただちに釈放に向けて動き出す必要があります。
父親などのご家族が逮捕され、いっこくもはやい釈放をお望みの場合は弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、窃盗罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。専門のスタッフが無料法律相談、初回接見の「予約」を24時間体制で受け付けております。お気軽にお電話ください。

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