万引きと微罪処分① 福岡県太宰府市での万引きに刑事弁護士が対応
福岡県太宰府市に住むAさんは,スーパーで万引きし,福岡県筑紫野警察署で事情を聴かれることになりました。Aさんから依頼を受けた弁護士は,微罪処分獲得に向けてお店側と示談交渉を始めました。
(フィクションです)
~ 微罪処分とは ~
微罪処分とは,警察が事件を検察庁を送致せず,被疑者への厳重注意,訓戒等で終了させる手続きのことをいいます。本来,警察が立件した事件は警察→検察へと送致することが基本です(刑事訴訟法246条本文)。しかし,「検察官が指定した事件」については例外的に送致する必要がありません(刑事訴訟法246条但書)。例外といいますが,微罪処分で処理される人員は意外と多いです。平成29年犯罪白書によれば,平成28年に微罪処分で処理された人員は6万7,346人で,全検挙人員の29.7%(約3割)を占めているとのことです。なお,「検察官が指定した事件」とありますが,検察官がいちいち事件が立件された都度指定しているのではなく,通常は,各都道府県を管轄する地方検察庁の検事正という役職の人が,各地域の実情に合わせて予め指定しています。
~ 微罪処分の対象事件 ~
あくまで微罪処分は例外措置ですから,どんな事件でも対象となるわけではありません。微罪処分の対象事件については,各都道府県で異なるとも思われますが,通常,窃盗罪,横領罪,占有離脱物横領罪,暴行罪などは対象とされています。なお,万引きは窃盗罪に当たりますから,万引きは微罪処分の対象事件ということになります。
~ 微罪処分となりうる基準 ~
しかし,微罪処分の対象事件だからといってすべての事件が微罪処分となるわけではありません。概ね以下の基準を満たす必要があります。
1 犯罪事実(犯情)が極めて軽微か
→窃盗罪,横領罪であれば被害額が2万円以下,暴行罪であれば凶器を使用していないことが基準となります。よって,同じ万引きであっても,被害額が2万円を超える万引きについては微罪処分の対象とはなりません。
2 被害弁償,示談ができているか
3 被害者が処罰を望んでいないか
4 前科,前歴がないか
万引きで微罪処分なら刑事事件の弁護士へお任せください。次回以降の「万引きと微罪処分」では,微罪処分の対象事件の刑事手続きなどについてご説明いたします。