北九州市門司区の虚偽の誘拐事件で逮捕 偽計業務妨害罪とは
20代女性のAさんは、家族と口論になり、家族を困らせようと、誘拐犯を装って家族にLINEで身代金5千万円を要求する虚偽のメッセージを送りました。
メッセージを受け取ったAさんの家族は、慌てて福岡県警察門司警察署に通報し、誘拐事件の捜査をしてもらうことにしました。
しかし、誘拐事件自体がAさんの自作自演だったということが発覚し、Aさんは福岡県警察門司警察署に偽計業務妨害の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、ただ家族を困らせるためだけににやってしまったのだと、反省しています。
(10月20日の中日新聞を基にしたフィクションです。)
~偽計業務妨害とは~
偽計業務妨害とは、人を欺く、または人の錯誤や不知を利用して人を誘惑したりする、あるいは計略や策略を講じるなど、威力以外の不正な手段を用いて、業務を妨害することをいいます。
そのため上記事例のAさんは、Aさんの家族に虚偽のメッセージ送って誘拐事件を計り、警察の業務を妨害していますので、偽計業務妨害にあたる可能性は十分に考えられます。
偽計業務妨害の法定刑は、刑法233条で「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっています。
偽計業務妨害で、逮捕・起訴されても初犯の場合や犯行態様が悪質でない場合には、略式手続により罰金となる可能性が高いです。
しかし、前科が複数ある場合や、犯行態様が悪質であるといった場合には、正式裁判となる可能性が高くなりますが、その場合においても、よほど悪質な情状がない限り、執行猶予がつく可能性が高いです。
偽計業務妨害か否かを検討していくと「妨害の様子」が、威力によるものか偽計によるものかの線引きが非常に微妙です。
一応の基準としては、「行為の態様や結果が公然性を有する場合には、威力」とされ、「非公然と行われた場合には、偽計」によるものと判断されています。
近年では、インターネットの普及により、ネットやSNS上の書き込みによる業務妨害で立件される事例が増えてきています。
ネットによる書き込みが業務妨害となる場合には、「威力」に当たるか、「偽計」に当たるかの判断は非常に難しいところです。
ネット上やメール、SNSで、特定の企業などを対象に、爆破予告などをする行為は、脅迫にあたる行為ですので、威力業務妨害罪に当たるものと思われます。
逆に、「○○駅で人を殺す」というような犯行予告がなされたような場合は、偽計業務妨害罪に問われる可能性があります。
偽計業務妨害のように、法的な判断が微妙な時こそ、法律のプロである弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
また、早い段階に弁護士に依頼することで、事件自体、早期に解決することも可能となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門で取り扱っている法律事務所です。
偽計業務妨害事件の容疑で逮捕されお困りの方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
(福岡県警察門司警察署への初見接見費用:41,940円)