【事例解説】監禁罪とその弁護活動(飲食店で知り合った女性を自宅に連れ込み監禁したケース)

【事例解説】監禁罪とその弁護活動(飲食店で知り合った女性を自宅に連れ込み監禁したケース)

今回は、飲食店で知り合った女性を自宅に連れ込み監禁したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:飲食店で知り合った女性を自宅に連れ込み監禁したケース

福岡市西区にある自宅マンションに、飲食店で知り合った女性Vさんを監禁したとして、福岡県警西警察署は、Aさんを監禁の疑いで逮捕しました。
監禁の疑いで逮捕されたのは、福岡市西区に住む会社員Aさんです。
警察によりますと、Aさんは、飲食店で知り合ったVさんを自宅マンションに連れ込み監禁した疑いが持たれています。
Vさんから「Aさんから部屋から出たら痛い目に合わせると言われている。助けてほしい。」という旨の連絡を受けた友人が警察に通報し、事件が発覚しました。
その後、駆け付けた警察官がAさんから事情を聴き、その場で現行犯逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは「部屋から出たら痛い目に合わせるなどと脅すようなことは言っていない」などと供述し、容疑を否認しています。
(事例はフィクションです。)

1,監禁罪について

〈監禁罪〉(刑法220条後段)

不法に人を…監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

監禁罪とは、不法に人を監禁した場合に成立する刑法の犯罪です。
不法に」とは、違法にという意味であり、例えば被害者が監禁されることを承諾しているなど違法性が排除される事情が無ければ、当該監禁行為は「不法に」監禁したものと考えられます。
監禁」とは、一定の場所から脱出できないようにして被害者の場所的移動の自由を奪うことをいいます。
場所的移動の自由とは、逮捕監禁罪の保護法益であり、被害者が移動しようと思えば移動できる自由をいいます。(可能的自由説)
また、可能的自由説からは、被害者に意思能力は不要であり、被害者に場所的移動の自由が奪われていることの認識も不要であると考えられています。
そのため、被害者が監禁されていることを理解できない幼児や認知症などの精神疾患を患っており意思能力が欠如している場合でも監禁罪は成立します。
一定の場所は、必ずしも壁などによって囲まれた場所であることは必要ではありません。
また、脱出についても、脱出が全く不可能でなくても著しく困難であればいいとされています。
脱出できたか否か、脱出がどの程度困難であったかなどは、物理的障害の有無や程度、被害者の年齢や性別など具体的事情の下で、一般人を基準にして客観的に判断されます。
被害者を自分が運転する第2種原動機付自転車の荷台に乗せたまま1キロメートルほど走行した事件では、後部荷台に外囲いなどはなかったものの監禁罪の成立を認めています。(最高裁判例昭和38年4月18日
監禁の方法としては、暴行・脅迫を用いて被害者を部屋に閉じ込めるなど被害者を外部への場所的移動を不可能・困難にする場合や、被害者を騙して睡眠薬を飲ませて眠らせることで室内に留め置いた場合などが監禁罪になり得ます。
脅迫による監禁とは、被害者を脅迫することによって被害者に恐怖心による心理的拘束を加えて脱出を不可能または困難にすることをいいます。
上記の事例のように、AさんはVさんに対して「部屋から出たら痛い目に合わせる」などの脅迫し、Vさんに恐怖心による心理的拘束を加えて脱出を不可能または困難にしているため、Aさんに監禁罪が成立することが考えられます。

2,否認事件における弁護活動

上記の事件のように、被疑者が容疑について否認しており、逮捕によって身柄拘束を受けている場合の弁護活動としては取調対応についてのアドバイスをすることが考えられます。
逮捕により身柄拘束を受けている被疑者は、捜査機関からの取調べを受けることになりますが、取調室という密室で一人きりで取調べを受けなければならないこと、家族や友人など外部との接触がとれなくなることなどから不安や恐怖を抱え、冷静な状態で取調べに臨むことが難しくなることがあります。
また、やみくもに黙秘権を行使すれば取調官の取調べが厳しくなったり、勾留を匂わせて被疑者の不安や恐怖を煽り立てて被疑者に自白を誘導するような取調べが行われることも考えられます。
そして、取調べにおける被疑者の供述は、その後裁判が開かれた場合には証拠して重要な役割を果たすことになるため、取調べでは慎重な供述が求められます。
もっとも、先述した被疑者の精神状態や適切な黙秘権の行使については、刑事事件についての専門的な知識や経験が要求されると言えます。
そこで、弁護士が被疑者と接見し、適切な黙秘権の行使など取調対応についてアドバイスいたします。
また、弁護士は身柄拘束を受けている被疑者のご家族などからの伝言を預かり被疑者に伝えることができるため、被疑者との接見は被疑者の不安や恐怖の解消にも繋がります。
もし被疑者に対して違法または不当な取調べが行われた場合には、被疑者が適切に黙秘権を行使することが難しくなります。
そのような違法または不当な取調べが行われたとの報告を受けた場合には、然るべき機関(警察の場合には捜査官や警察署長)に対して抗議します。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内においてご家族等が監禁罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
ご家族等が監禁罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

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