いん行・児童買春,児童ポルノ摘発上半期最多!福岡の刑事弁護士解説
時事ニュースによれば,今年上半期(1月~6月)に全国の警察が摘発した淫行,児童買春,児童ポルノ事件が,前年同期比281件増の1423件と過去最多であったことが,今月4日,警視庁のまとめで判明したようです。被害に遭った18歳未満の児童の数は615人で,うち4割の240人が自画撮り被害,156人が盗撮被害,児童買春・淫行の被害が92人ということでした。ここで,改めて自画撮り,盗撮,児童買春・淫行がどんな犯罪で,罰則はどうなのか確認したいと思います。
(10月4日付時事通信社ニュースを引用)
~ 自画撮り犯罪 ~
児童ポルノ製造の罪で,罰則は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です(児童ポルノ法7条4項)。加害者自らが児童の裸などの写真・動画を撮影することはもちろん,児童自身に撮影させて,これを端末に送らせる行為も製造に当たります。
~ 盗撮犯罪 ~
これも児童ポルノ製造の罪で,罰則も自画撮り犯罪の場合と同様ですが,適用される条文は児童ポルノ法7条5項になります。同項によれば,ひそかに児童ポルノを製造した場合に成立する犯罪です。ひそかにとは,撮影等されないことの利益を有する児童に知られないで,ということを意味します。これが盗撮と呼ばれる所以です。
~ 児童買春・淫行の罪 ~
児童買春の罪は,相手方を児童(18歳未満の者)であると認識しながら,児童等に対し,対償を供与し,又はその供与の約束をして,当該児童に対し,性交等をした場合に成立する犯罪で,罰則は5年以下の懲役又は300万円以下の罰金(児童買春法4条)です。他方,淫行の罪とは,各都道府県が定める青少年(18歳未満の者)健全育成条例に定める,青少年に対するみだらな淫行・性交・性行為等の罪で,規定や罰則の内容は各条例により異なります。ちなみに,福岡県では「何人も,青少年に対し,いん行(略)をしてはならない」と定め,罰則を2年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定めています。
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