DV法と保護命令②

2019-04-08

DV法と保護命令②

~ 先日の続き ~

北九州市小倉北区に住むAさんは,妻Vさんと口論となり,Vさんの顔面や腹部等を足蹴にするなどの暴行を加え,Vさんに加療約1か月間を要する傷害を負わせた傷害罪で福岡県小倉北警察署に逮捕されてしまいました。その後,Aさんは勾留期間中に,VさんからDV法に基づき保護命令の申し立てをされました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

先日の「DV法保護命令①」のコラムでは,Aさんから暴力を加えられた妻Vさんが申し立てた「保護命令」の解説をいたしました。では,申し立てられた側のAさんは,それに対し,不服を申し立てることはできないのでしょうか?また,Aさんが保護命令に違反した場合はどんな刑罰が科されるのでしょうか?

~ 保護命令に対する不服申し立て ~

保護命令に対して不服がある場合は,高等裁判所に対して不服申し立て(即時抗告)をすることができます。即時抗告は決定があった日から1週間以内に,抗告状という書面を原裁判所(保護命令を出した裁判所)に提出しなければなりません。ただし,即時抗告をしただけでは保護命令の効力が失われるわけではありませんから注意が必要です。

~ 保護命令に違反した場合の刑罰 ~

保護命令に違反した場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられます。
ここで保護命令とは,

①接近禁止命令
②退去,はいかい禁止命令
③電話等禁止命令
④子への接近禁止命令
⑤親族等への接近禁止命令

のことをいいます(ただし,③から⑤については,①の接近禁止命令が発令されている場合のみ発令されます)。

* ①接近禁止命令 *

接近禁止命令は,命令の効力が生じた日から起算して6か月間,被害者(※)の住居その他の場所において被害者の身辺につきまとい,又は被害者の住居,勤務先その他のその通常所在する場所の付近をはいかいしてはならない旨の命令を指します。

※ 被害者

DV法では,被害者を「配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた者」と定義しています。

* ②退去命令 *

②退去命令は,命令の効力が生じた日から2か月間,被害者と生活の本拠としている住居から退去すること及び当該住居の付近をはいかいしてはならない旨の命令を指します。

* ③電話等禁止命令 *

③電話等禁止命令は,命令の効力が生じた日から6か月間,電話などをかけてはならない旨の命令を指します。電話の他にしてはならないことの代表として,面会要求,著しく粗野又は乱暴な言動,メールの送信などがあります。

* ④子への接近禁止命令 *

④子への接近禁止命令は,命令の効力が生じた日から6か月間,当該子の住居,就学する学校その他の場所において当該子の身辺につきまとい,又は当該子の住居,就学する学校その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならない旨の命令を指します。
当該命令の発布には,次の要件が必要となります。

・被害者が子と同居していること
・配偶者が子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があること
・被害者がその同居している子に関しては配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めること

* ⑤親族等への接近禁止命令 *

⑤親族等への接近禁止命令は,命令の効力が生じた日から6か月間,当該親族等の住居,その他の場所において当該親族等の身辺につきまとい,又は当該親族等の住居,勤務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならない旨の命令を指します。
当該命令の発布には,次の要件が必要となります。

・配偶者が被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者の住居に押し掛けて著しく粗野又は乱暴な言動を行っていることその他の事情があること
・被害者がその親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めること

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