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【事例解説】窃盗罪とその弁護活動(勤務先のコンビニエンスストアから売上金を盗んだケース)
【事例解説】窃盗罪とその弁護活動(勤務先のコンビニエンスストアから売上金を盗んだケース)
今回は、勤務先のコンビニエンスストアから売上金を盗んだという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:勤務先のコンビニエンスストアから売上金を盗んだケース
福岡県警は、福岡市内にあるコンビニエンスストアVから現金30万円を盗んだとして、元従業員のAさんを窃盗の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、勤務していたVで売上金として金庫で保管されていた現金のうち30万円を盗んだ疑いが持たれています。
Vの店長が売上金の送金業務をしようと金庫内の現金を確認したところ、保管されていた現金が減っていることに気づき、警察に被害を相談しました。
警察は店舗内の防犯カメラの映像を確認するなどの捜査を経て、Aさんの犯行を特定し逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「借金の返済に充てた」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,窃盗罪について
〈窃盗罪〉(刑法第235条)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
刑法の窃盗罪は、①他人の財物を②窃取した場合に成立します。
また、上記の他に③故意(刑法第38条第1項)と条文上明記されてはいませんが④不法領得の意思が必要になります。
①他人の「財物」とは、所有権の対象であれば広く保護の対象となります。
②「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己又は第三者の占有に移すことを言います。
③故意とは、犯罪事実の認識・認容をいい、窃盗罪の場合は他人の財物を窃取することを認識し、窃取することになっても構わない(認容)と考えていることをいいます。
④不法領得の意思とは、(A)権利者を排除して他人の物を自己の所有物として(権利者排除意思)、(B)その経済的用法に従いこれを利用・処分する意思(利用処分意思)を言います。
(A)の権利者排除意思は、窃盗罪と使用窃盗(例えば、他人の自転車を数分間勝手に乗り回すことなど)を区別するために必要とされます。
(B)の利用処分意思は窃盗罪と毀棄・隠匿罪との区別のために必要とされます。
例えば、会社の同僚を困らせる目的で、仕事で使うパソコンを持ち帰った場合は、窃盗罪ではなく器物損壊罪(刑法第261条)の成立が検討されることになります。
上記の事例では、Aさんは、Vにて売上金として金庫で保管されていた現金の中から30万円を、Vの意思に反して自分の占有に移しており「窃取」しています(①,②)。
また、30万円を盗んだのは借金返済のためであり、窃取することにつき故意も不法領得の意思も認められるといえます(③,④)。
したがって、上記事例のAさんの行為には窃盗罪が成立することが考えられます。
2,示談の重要性
窃盗罪は、被害者が存在する犯罪です。
そこで、被害者と示談交渉を試みます。
被害者との示談成立は、検察官の処分や量刑判断などに影響を与えるだけでなく、被疑者勾留からの早期の身柄解放や被疑者勾留による身柄拘束の回避などが期待できます。
このことから、被害者との示談成立はとても重要であるといえます。
示談交渉は、事件の当事者同士でも行うことはできます。
しかし、事件の被害者は、加害者側に対して恐怖や怒りなどから強い処罰感情を有しており、示談交渉に応じてもらえないこともあります。
もっとも、弁護士であれば、被害者の方に加害者側が反省・謝罪の意思を有していることや、被害の弁償を行う準備があることなどを冷静かつ丁寧に説明することで、示談交渉に応じていただけることも少なくありません。
そのため、示談交渉を事件の当事者同士で行うことはあまり得策とは言えず、交渉は法律の専門家であり交渉に強い弁護士に依頼することがオススメです。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内において窃盗罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が窃盗罪の当事者となりお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験してきました。
窃盗罪の当事者となりお困りの方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が窃盗罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
刑事事件や少年事件に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
【事例解説】業務上横領罪とその弁護活動(経理として務めていた会社の口座から現金を引き出し着服したケース)
【事例解説】業務上横領罪とその弁護活動(経理として務めていた会社の口座から現金を引き出し着服したケース)
今回は、経理として務めていた会社の口座から現金を引き出し着服したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:経理として務めていた会社の口座から現金を引き出し着服したケース
福岡県警は、福岡市にある会社Vの口座から合計で現金50万円を引き出し着服したとして、経理担当として勤めていたAさんを業務上横領の疑いで現行犯逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、犯行当時、Vに経理として勤めており、Vの口座から複数回にわたって現金50万円を引き出し、着服した疑いが持たれています。
Vが口座からの不審な出金に気づき、警察に被害を相談していました。
そして、警察が捜査をした結果、Aさんの犯行が明らかになったため、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「横領したことに間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)
1,業務上横領罪について
〈業務上横領罪〉(刑法第253条)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の拘禁刑に処する。
業務上横領罪は、刑法に定められた通常の横領罪(刑法第252条第1項)を業務者という身分を有する者が犯した場合に成立する犯罪です。
そのため、まずは横領罪について解説致します。
横領罪は、①自己の占有する他人の物を②横領した場合に成立します。
横領罪は窃盗罪などとは異なり、既に行為者のもとに他人が所有権を有する物が存在しているため、他人の占有を侵害する犯罪ではありません。
そのため、横領罪の保護法益は、第一次的には所有権であり、また、横領行為は物を預けた人に対する裏切り行為といえるため、第二次的には委託信任関係であると考えられています。
①「自己の占有する他人の物」にいう、「物」とは財物を意味し、窃盗罪における財物と同じですが、横領罪の場合は不動産も含まれます。
「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力をいい、具体的には、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態をいいます。
法律上の支配とは、法律上自己が容易に他人の物を処分し得る状態をいいます。
また、その占有は他人からの委託信任関係を原因とすることが必要となります。
仮に、その占有が委託信任関係によらずに開始した場合、その物は誰の占有にも属していない、あるいは偶然自分の占有に属したことになり、その場合は遺失物等横領罪(刑法第254条)が成立します。
そのため、横領罪における占有は他人からの委託信任関係が必要となります。
委託信任関係は委任(民法第643条以下)などの契約に基づく場合のほか、取引上の信義則に基づく場合などがあります。
②「横領」とは、不法領得の意思を発現する一切の行為を言います。
横領罪における不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに、その物の経済的用法に従って、所有者でなければできないような処分をする意思を言います。
横領行為は、費消、着服、拐帯などの事実行為のみならず、売却、貸与、贈与などの法律行為も含まれます。
以上が横領罪の成立に必要な要件となり、業務上横領罪は、業務者という身分を有する者が横領行為を行った場合に成立します。
業務者とは、委託を受けて他人の物を保管・管理する事務を反復又は継続的に行う者を言い、質屋や運送業者などがその典型ではありますが、職務上公金を管理する公務員や会社や団体などの金銭を管理する会社員や団体役員なども業務者に含まれます。
上記の事例では、Aさんは犯行当時、Vの経理担当として勤めていたため、金銭を管理し得る立場にあったといえます(「業務上」①)。
そして、会社の口座から合計で現金50万円を引き出し着服した行為は「横領」に当たります(②)。
したがって、上記事例におけるAさんの行為には、業務上横領罪が成立することが考えられます。

2,身柄拘束の回避にむけた弁護活動
業務上横領罪で逮捕・勾留されると、最長で23日間、身柄拘束されて捜査機関の取調べを受けることになります。
その間、被疑者は生活を厳しく管理・規制され、家族や友人など外部との自由な接触も制限され、捜査機関の取調べにも一人きりで臨まなければならないなど、身体的・精神的に多大な負担を被ることになります。
しかし、勾留による身柄拘束を回避すれば、そのような負担を被らずに済むかもしれません。
勾留による身柄拘束は、被疑者に勾留の理由と必要性があると検察官が判断した場合、検察官が裁判所に勾留請求します。
検察官の勾留請求を裁判所が認めると、被疑者は勾留されることになり、最長で20日間身柄を身柄拘束されることになります。
もっとも、弁護士であれば、検察官と裁判所に対して、意見書を提出することで被疑者勾留をしないようはたらきかけることができます。
勾留の理由とは、被疑者が住居不定、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合を言うため、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集し、意見書と一緒に提出することで、被疑者勾留による身柄拘束の回避を目指します。
以上のような弁護活動は、被疑者勾留が決定する前に行う必要があるため、ご家族等が業務上横領罪で身柄拘束されてしまったら、少しでも早く弁護士に依頼することがオススメです。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内で業務上横領罪の当事者となりお困りの方、ご家族等が業務上横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に関する知識・経験が豊富な弁護士が在籍しており、これまでに業務上横領罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を取り扱ってきました。
業務上横領罪の当事者となりお困りの方は初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が業務上横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

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当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
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【事例解説】遺失物等横領罪とその弁護活動(放置されていた自転車を勝手に乗り回したケース)
【事例解説】遺失物等横領罪とその弁護活動(放置されていた自転車を勝手に乗り回したケース)
今回は、放置されていた自転車を勝手に乗り回したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:放置されていた自転車を勝手に乗り回したケース
福岡県警は、路上に放置されていた自転車を勝手に乗り回したとして、福岡市に住むAさんを遺失物等横領の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、福岡市の路上に放置されていた自転車を持ち去り、約2カ月にわたって勝手に使った疑いが持たれています。
放置されていた自転車は元の持ち主Vさんが別の人物から盗まれていたもので、Vさんは警察に盗難届を出していました。
警察の調べに対して、Aさんは「間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,遺失物等横領罪について
〈遺失物等横領罪〉(刑法第254条)
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
遺失物等横領罪は、遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した場合に成立します。
そして、刑法に定められた単純横領罪(刑法第252条)や業務上横領罪(刑法第253条)と比べ、所有者との委託信任関係を裏切ることはなく、また、遺失物横領罪が他人の占有を侵害しないことから、法定刑が軽くなっていると考えられています。
遺失物とは、占有者の意思によらず、その占有を離れ、まだ誰の占有にも属していないものを言い、いわゆる落とし物などがこれに該当します。
漂流物とは、遺失物のうち、水面又は水中に存在するものをいいます。
もっとも、これらは例示されたものであり、遺失物等横領罪の客体となるか否かは、他人の占有を離れたものであるかどうかによって判断されます。
占有とは、物に対する事実上の支配力が及んでいる状態をいい、「占有を離れた他人の物」とは、占有者の事実上の支配力が及んでおらず未だ誰の占有にも属していない物で、その占有が委託信任に基づかずに始まった物と考えられます。
「占有を離れた他人の物」にあたると判断されたものとして、電車内に乗客が置き忘れた荷物や被害者が無施錠のまま自転車を長時間空き地に放置して遠くへ出かけてしまった場合のその自転車などがあります。
なお、その物に占有が及んでいる場合、すなわち「占有を離れた他人の物」に当たらないものを自分の物にしてしまった場合には、それは占有者に意思に反してその占有を自分の占有下に移すことになり、遺失物等横領罪ではなく窃盗罪が成立する可能性があります。
横領とは、不法領得の意思を発現する一切の行為、すなわち、その物の経済的用法に従って所有者でなければできないような処分をすることをいいます。
上記の事例では、Aさんは路上に放置されていた自転車を持ち去っていますが、当該自転車は、元の持ち主Vさんが別の人物から盗まれたものであり、Vさんの意思によらず占有を離れたといえるため「占有を離れた他人の物」に当たります。
そして、当該自転車を持ち去り勝手に乗り回すことは、自転車の経済的用法に従い所有者でなければできない処分であり「横領」したといえます。
したがって、上記事例におけるAさんの行為には遺失物等横領罪が成立することが考えられます。
2,不起訴処分獲得に向けた弁護活動
遺失物等横領罪の法定刑は1年以下の懲役若しくは10万円以下の罰金と定められているため、遺失物等横領罪で逮捕され、その後起訴を経て裁判になり有罪判決を受けると、懲役刑で刑務所に服役しなければならなくなる可能性があります。
また、罰金刑でも前科が付くため、職場からの解雇や就職活動の採用面接時に前科の有無を確認され、不利に働くことも考えられます。
しかし、不起訴処分を獲得できれば、裁判が開かれることはなくなり前科が付くこともありません。
遺失物等横領罪は被害者が存在する犯罪であるため、被害者との示談が成立すれば、不起訴処分獲得への期待が高まります。
示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできます。
もっとも、犯罪被害者は、被害を受けたことで加害者側に対して恐怖や怒りから強い処罰感情を有しており、また加害者側から直接連絡されることに抵抗感を覚えることなどを考えると、当事者同士での示談交渉は上手くいかないことや、そもそも示談交渉に応じてもらえないこともあり得ます。
しかし、弁護士であれば、被害者の連絡先が加害者に伝わることは無いこと、加害者が反省・謝罪の意思を有していることなどを冷静かつ丁寧に説明することができることから、示談交渉に応じてもらえることや、示談成立の期待が高まります。
以上より、不起訴処分獲得のためには、被害者との示談成立は重要な役割を果たしますが、当事者同士での示談交渉はあまり得策とは言えず、法律の専門家であり交渉に強い弁護士に依頼されることをオススメします。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内において遺失物等横領罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が遺失物等横領罪の当事者となりお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験しており、当該分野において高い実績を誇ります。
逮捕などにより身柄拘束を受けていない方には初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が逮捕等により身柄拘束を受けている方には初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

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刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
刑事事件や少年事件に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
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【事例解説】恐喝罪とその弁護活動(知人に対してさらって山に埋めるなどと言い、現金を脅し取ったケース)
【事例解説】恐喝罪とその弁護活動(知人に対してさらって山に埋めるなどと言い、現金を脅し取ったケース)
今回は、知人に対してさらって山に埋めるなどと言い、現金を脅し取ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:知人に対してさらって山に埋めるなどと言い、現金を脅し取ったケース
福岡県警は、知人Vさんから現金5万円を脅し取ったとして、福岡市に住むAさんを恐喝の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、Vさんに対し「さらって山に埋める」「それが嫌なら金よこせ」などと脅迫し、現金5万円を脅し取った疑いが持たれています。
被害に遭ったVさんが警察に被害を届け出て事件が発覚しました。
警察の調べに対して、Aさんは「間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです)
1,恐喝罪について
〈恐喝罪〉(刑法第249条)
第1項 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
刑法の恐喝罪は、人を恐喝して、財物を交付させた場合に成立します。
「恐喝」とは、相手方の反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫・暴行を加えることを言います。
脅迫とは、相手方を畏怖させる程度の害悪の告知を言い、相手方の反抗を抑圧させるに足りない程度のものを言います。
暴行とは、相手方を畏怖させる程度の有形力の行使を言い、相手方の反抗を抑圧させるに足りない程度のものを言います。
暴行は、相手方を畏怖させる性質のものである限り、直接に相手方に加えられることを要しません。
なお、相手方の反抗を抑圧させる程度の脅迫・暴行が加えられた場合、強盗罪(刑法第236条)の成立が検討されることになります。
「交付させ」る行為(交付行為)とは、相手方を恐喝行為によって畏怖させ、畏怖に基づいて財産または財産上の利益を犯人自身または第三者に移転させることを言います。
そして、恐喝罪は、恐喝行為→相手方の畏怖→畏怖に基づく交付行為→財物の移転が、それぞれ原因と結果の関係を有していることが必要となります。
例えば、お金に困った犯人が被害者を脅迫してお金を渡すように要求したが、被害者は畏怖せず、犯人がお金に困っているという事情を知っており、憐みからお金を犯人に渡した場合には、脅迫行為と犯人の畏怖、畏怖に基づく交付行為の間に因果関係が認められないため、恐喝罪は既遂とならず、未遂にとどまることになります。
上記の事例では、AさんはVさんに対して「さらって山に埋める」などVさんを脅迫した行為は、Vさんの反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫といえるため「恐喝」に当たります。
そして、VさんはAさんの恐喝行為により畏怖し、それに基づき現金5万円をAさんに渡し(交付行為)、Aさんのもとに現金5万円が移転しています。
以上より、上記事例のAさんの行為には恐喝罪が成立することが考えられます。

2,実刑判決を回避するための弁護活動
恐喝罪の法定刑は10年以下の懲役刑のみであり、起訴されて有罪判決を受けると刑務所に服役することになります。
服役することになれば、職場から解雇されることや家族や友人と自由に会えなくなるなど外部との交流を制限されることになり自由な社会生活を大幅に制限されることになります。
しかし、執行猶予付判決を獲得することができれば、刑務所に服役せずに済むため、社会生活への影響を抑えることができます。
執行猶予は、判決によって言い渡される量刑が3年以下であることが条件の1つです。
そのため、量刑を3年以下にする必要がありますが、被害者に対して被害弁償をしているか、被害者の被害感情が緩和されているかなどの事情は量刑判断に影響を持ちます。
したがって、被害者との間で示談が成立していることは執行猶予付判決を獲得するうえで非常に重要となるため、被害者との示談交渉を試みます。
示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできますが、恐喝罪の被害者側は加害者から怖い思いをしている、あるいは財産的な被害を受けたことに強く憤りを感じているなどの事情があることを考えると、加害者が直接連絡しても示談交渉に応じてもらえない可能性があります
しかし、弁護士が相手であれば、被害者も示談交渉に応じてもらえることも珍しくなく、また弁護士であれば、示談交渉において加害者が反省していることや被害弁償の意思があることなどを冷静かつ丁寧に伝えることができるため、示談の成立が十分に期待できます。
そのため、示談交渉は当事者同士で行うことはあまり得策とは言えず、法律の専門家であり交渉に強い弁護士に依頼することがオススメです。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内において恐喝罪の当事者となりお困りの方、ご家族等が恐喝罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、恐喝罪をはじめとする刑事事件・少年事件に関する豊富な実績があります。
恐喝罪の当事者となりお困りの方は初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が恐喝罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
刑事事件や少年事件に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
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【事例解説】空き巣をした場合に成立する犯罪とその弁護活動(面識ある知人宅に侵入し現金を盗んだケース)
【事例解説】空き巣をした場合に成立する犯罪とその弁護活動(面識ある知人宅に侵入し現金を盗んだケース)
今回は、面識ある知人宅に侵入し現金を盗んだという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:面識ある知人宅に侵入し現金を盗んだケース
福岡県警東警察署は、同区に住むVさんの自宅に侵入し、金庫に保管してあった現金30万円を盗んだとして、福岡市中央区に住む会社員のAさんを住居侵入と窃盗の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Vさんは犯行時刻に不在で、その後帰宅した際に何者かが入った形跡があり金庫を調べたところ、金庫内に保管してあった現金30万円が無くなっていることに気付き警察に通報しました。
通報を受けた警察は、現場検証や付近の防犯カメラの映像を解析するなどの捜査を行い、Aさんの犯行を特定し逮捕に至りました。
また、2人は面識がありました。
警察の調べに対して、Aさんは「間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,事例に成立する犯罪について
上記事例のAさんの行為は、一般的には空き巣といわれる行為であり、空き巣をしたときに成立する刑法の犯罪を2種類、それにより科せられる刑罰について解説致します。
(1)住居侵入罪について
正当な理由がないのに、人の住居…に侵入し…た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。(刑法第130条前段)
住居侵入罪は、一般的には不法侵入という言葉で広く社会で使われており、①正当な理由がないのに、②人の③住居に④侵入した場合に成立する犯罪です。
②の「人の」とは犯人自身がその住居の居住者ではないことを意味します。
③「住居」とは、人が起臥寝食に利用する場所のことをいいます。
起臥寝食とは起きたり寝たり食べたりすることを言うので、分かりやすく言えば、人が生活するために使う場所のことであり、具体的には家やマンション、さらに一時的に利用するホテルの部屋であっても「住居」に含まれます。
④「侵入」とは、住居権者の意思に反する立ち入りをいいます。
最後に、①「正当な理由がないのに」とは、侵入の違法性を排除する理由がないことを意味します。
立ち入りに対して住居権者の承諾がある場合には、そもそも「侵入」に当たらず住居侵入罪は成立しないので、この要件は、住居権者の意思に反する立ち入りであることを前提に、例えば刑事訴訟法に基づく捜索のための立ち入りなど「侵入」を正当化する理由がないことを言います。
上記の事例でいえば、Aさんは、Vさんが不在にしている自宅に、Vさんの意思に反して立ち入っています(②,③,④)。
また、侵入の目的は金庫内に保管されている現金を盗むことであったことが推認されるところ、それをVさんが知っていたら面識があるといえどもAさんの立ち入りを許すことはなかったと考えられます。
そのため、AさんのVさんの自宅への立ち入りには正当な理由は無かったといえます(①)。
したがって、Aさんには住居侵入罪(刑法第130条前段)が成立することが考えられます。
(2)窃盗罪について
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。(刑法第235条)
窃盗罪は、①他人の財物を②窃取した場合に成立します。
①他人の「財物」とは、所有権の対象であれば広く保護の対象となります。
②「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己又は第三者の占有に移すことをいいます。
上記の事例では、Aさんは、Vさんの自宅の金庫で保管されていた現金30万円(①)を、持ち主であるVさんの意思に反してAさん自身の占有に移しています(②)。
したがって、Aさんには窃盗罪も成立することが考えられます。
(3)牽連犯について
…犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。(刑法第54条第1項後段)
牽連犯とは、数個の行為が手段・目的または原因・結果の関係にある場合をいいます。
例えば、上記の事例のように、窃盗のために住居侵入をした場合には、住居侵入は窃盗を遂行するための手段となっているため、牽連犯が成立します。
そして、牽連犯が成立する場合、その最も重い刑により処断されます。
上記事例では、Aさんには住居侵入罪と窃盗罪が成立しますが、住居侵入罪の法定刑は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金、窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金と定められています。
したがって、Aさんはその最も重い刑である窃盗罪の刑罰により処断されることになります。
以上より、上記事例のAさんには住居侵入罪と窃盗罪が成立し、窃盗罪の刑罰が科せられることになります。
2,身柄拘束からの早期解放を目指す弁護活動
逮捕・勾留されると、最長で23日間身柄拘束され、捜査機関による取調べを受けることになります。
身柄拘束されると、被疑者は一挙手一投足が厳しく規制・監督される環境に身を置くことになり、また、家族や友人など外部との接触も厳しく制限されることになります。
そして、被疑者勾留は原則10日(延長されればさらに10日)続きますが、その間は会社に出勤することもできなくなるため、無断欠勤が10日間も続けば会社をクビになり職を失う可能性もあります。
以上より、被疑者勾留にはさまざまな不利益が生じるため、そのような不利益を回避するために、身柄拘束から少しでも早く解放を目指すことが重要となります。
そもそも被疑者勾留による身柄拘束は、被疑者が定まった住居を有しない場合や、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そのため、被疑者勾留による身柄拘束からの早期解放を実現するためには、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集・主張する必要があります。
例えば、被疑者の家族や親族が被疑者の身元を監督し、裁判所や捜査機関への出頭を確保することを約束する身元引受を行い、それを書面化すれば、被疑者による逃亡のおそれを否定し得る客観的な証拠となります。
そのような弁護活動を行い、被疑者勾留による身柄拘束からの早期解放を目指します。
ご家族やご親族が逮捕・勾留されてしまった場合には、少しでも早く弁護士に依頼して身柄拘束による不利益を回避することが重要といえます。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内において住居侵入窃盗事件の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が住居侵入窃盗事件の当事者となりお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
【事例解説】業務上横領罪とその弁護活動(勤務先の口座から自分の口座に金銭を移して引き出したケース)
【事例解説】業務上横領罪とその弁護活動(勤務先の口座から自分の口座に金銭を移して引き出したケース)
今回は、勤務先の口座から自分の口座に金銭を移して引き出したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:勤務先の口座から自分の口座に金銭を移して引き出したケース
福岡県警は、勤務先の口座から自分の口座に金銭を送金して引き出したとして、同社に経理として勤めていた従業員Aさんを業務上横領の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、福岡市にある会社で経理として勤めていた約1年の間に、複数回にわたって会社の口座から合計約5000万円を自分の口座に送金し、引き出して費消した疑いが持たれています。
別の経理担当の従業員が会社の口座に不審な動きがあることを発見し、会社に報告。
報告を受けた会社が警察に相談し、事件が発覚しました。
その後の聴き取り捜査などを経てAさんの犯行を特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「借金の返済やギャンブルに使った」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)
1,業務上横領罪について
〈業務上横領罪〉(刑法第253条)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
業務上横領罪は、刑法に定められた通常の横領罪(刑法第252条第1項)を業務者という身分を有する者が犯した場合に成立する犯罪です。
そのため、まずは横領罪について解説致します。
横領罪は、①自己の占有する他人の物を②横領した場合に成立します。
横領罪は窃盗罪などとは異なり、既に行為者のもとに他人が所有権を有する物が存在しているため、他人の占有を侵害する犯罪ではありません。
そのため、横領罪の保護法益は、第一次的には所有権であり、また、横領行為は物を預けた人に対する裏切り行為といえるため、第二次的には委託信任関係であると考えられています。
①「自己の占有する他人の物」にいう、「物」とは財物を意味し、窃盗罪における財物と同じですが、横領罪の場合は不動産も含まれます。
「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力を言い、具体的には、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態を言います。
法律上の支配とは、法律上自己が容易に他人の物を処分し得る状態を言います。
また、その占有は他人からの委託信任関係を原因とすることが必要となります。
仮に、その占有が委託信任関係によらずに開始した場合、その物は誰の占有にも属していない、あるいは偶然自分の占有に属したことになり、その場合は遺失物等横領罪(刑法第254条)が成立します。
そのため、横領罪における占有は他人からの委託信任関係が必要となります。
委託信任関係は委任(民法第643条以下)などの契約に基づく場合のほか、取引上の信義則に基づく場合などがあります。
②「横領」とは、不法領得の意思を発現する一切の行為を言います。
横領罪における不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに、その物の経済的用法に従って、所有者でなければできないような処分をする意思を言います。
横領行為は、費消、着服、拐帯などの事実行為のみならず、売却、貸与、贈与などの法律行為も含まれます。
以上が横領罪の成立に必要な要件となり、業務上横領罪は、業務者という身分を有する者が横領行為を行った場合に成立します。
業務者とは、委託を受けて他人の物を保管・管理する事務を反復又は継続的に行う者を言い、質屋や運送業者などがその典型ではありますが、職務上公金を管理する公務員や会社や団体などの金銭を管理する会社員や団体役員なども業務者に含まれます。
上記の事例では、Aさんは会社Vの元経理担当で金銭を管理し得る立場にあったといえます(「業務上」)。
そして、会社の口座から合計で約5000万円を自分の口座に送金した時点でその金銭につき法律上の支配力が及んでいるため占有が認められます(①)。
また、当該金銭を引き出し借金の返済やギャンブルに使った行為は横領に該当します(②)。したがって、上記事例におけるAさんの行為には、業務上横領罪が成立することが考えられます。

2,実刑判決を回避するための弁護活動
業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役刑のみであり、起訴されて有罪判決を受けると刑務所に服役することになります。
服役することになれば、職場から解雇されることや家族や友人と自由に会えなくなるなど外部との交流を制限されることになり自由な社会生活を大幅に制限されることになります。
しかし、執行猶予付判決を獲得することができれば、刑務所に服役せずに済むため、社会生活への影響を抑えることができます。
執行猶予は、判決によって言い渡される量刑が3年以下であることが条件の1つです。
そのため、量刑を3年以下にする必要がありますが、被害者に対して被害弁償をしているか、被害者の被害感情が緩和されているかなど事情は量刑判断に影響を持ちます。
したがって、被害者との間で示談が成立していることは執行猶予付判決を獲得するうえで非常に重要となるため、被害者との示談交渉を試みます。
示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできますが、業務上横領罪の被害者側は加害者から財産的被害を受けるだけでなく、加害者との間にあった信頼関係も破壊されているといえるため、加害者が直接連絡しても示談交渉に応じてもらえない可能性があります
しかし、弁護士が相手であれば、被害者も示談交渉に応じてもらえることも珍しくなく、また弁護士であれば、示談交渉において加害者が反省していることや被害弁償の意思があることなどを冷静かつ丁寧に伝えることができるため、示談の成立が十分に期待できます。
以上より、示談交渉は当事者同士で行うことはあまり得策とは言えず、法律の専門家であり交渉に強い弁護士に依頼することがオススメです。
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福岡県内で業務上横領罪の当事者となりお困りの方、ご家族等が業務上横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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【事例解説】恐喝罪とその弁護活動(知人を電話で脅し、胸や腹部を殴るなどの暴行を加えて金銭を脅し取ったケース)
【事例解説】恐喝罪とその弁護活動(知人を電話で脅し、胸や腹部を殴るなどの暴行を加えて金銭を脅し取ったケース)
今回は、知人を電話で脅し、胸や腹部を殴るなどの暴行を加えて金銭を脅し取ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:知人を電話で脅し、胸や腹部を殴るなどの暴行を加えて金銭を脅し取ったケース
福岡県警は、知人Vさんに対して電話で脅し、胸や腹部を殴るなどの暴行を加えて金銭を脅し取ったとして、福岡市内に住むAさんを恐喝の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、Vさんに対して、電話で「金を払わないと痛い目にあわすぞ」などと脅迫して金銭を要求し、また、電話を掛けた後Vさんと会い、胸や腹部などの暴行を加えて、現金10万円を脅し取った疑いが持たれています。
2人は知人同士で、Vさんにけがはなく、被害に遭ってすぐに警察に被害を届け出ました。
警察の調べに対して、Aさんは「金に困ってやった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです)
1,恐喝罪について
〈恐喝罪〉(刑法第249条)
第1項 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
刑法の恐喝罪は、人を恐喝して、財物を交付させた場合に成立します。
「恐喝」とは、相手方の反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫・暴行を加えることを言います。
脅迫とは、相手方を畏怖させる程度の害悪の告知を言い、相手方の反抗を抑圧させるに足りない程度のものを言います。
暴行とは、相手方を畏怖させる程度の有形力の行使を言い、相手方の反抗を抑圧させるに足りない程度のものを言います。
暴行は、相手方を畏怖させる性質のものである限り、直接に相手方に加えられることを要しません。
なお、相手方の反抗を抑圧させる程度の脅迫・暴行が加えられた場合、強盗罪(刑法第236条)の成立が検討されることになります。
「交付させ」る行為(交付行為)とは、相手方を恐喝行為によって畏怖させ、畏怖に基づいて財産を犯人自身または第三者に移転させることを言います。
そして、恐喝罪は、恐喝行為→相手方の畏怖→畏怖に基づく交付行為→財物の移転が、それぞれ原因と結果の関係を有していることが必要となります。
例えば、お金に困った犯人が被害者を脅迫してお金を渡すように要求したが、被害者は畏怖せず、犯人がお金に困っているという事情を知っており、憐みからお金を犯人に渡した場合には、脅迫行為と犯人の畏怖、畏怖に基づく交付行為の間に因果関係が認められないため、恐喝罪は既遂とならず、未遂にとどまることになります。
上記の事例では、AさんはVさんに対して「金を払わないと痛い目にあわすぞ」などVさんを脅迫し、また、胸や腹部を殴るなどの暴行を加えてVさんの反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫・暴行といえるため「恐喝」に当たります。
そして、VさんはAさんの恐喝行為により畏怖し、それに基づき現金10万円をAさんに渡し(交付行為)、Aさんのもとに現金10万円が移転しています。
以上より、上記事例のAさんの行為には恐喝罪が成立することが考えられます。
2,示談交渉の重要性

恐喝罪は被害者が存在する犯罪であるため、被害者と示談交渉を試みることができます。
もし被害者との間で示談が成立すれば、検察官の処分(例えば、起訴猶予による不起訴処分)や身柄拘束の回避・解放などに影響を持つことになります。
そのため、被害者との間で示談を成立させることが重要となります。
もっとも、示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできますが、被害者側は加害者に怖い思いをさせられており、直接連絡されることに抵抗を覚えることも少なくありません。
しかし、相手が弁護士であれば、安心して交渉に応じていただける場合があり、示談成立に期待が持てます。
また、示談と言っても、事件を当事者間で解決することを約束し将来の民事訴訟を予防する単なる示談や、宥恕(加害者を許し、刑事処罰を望まないことの意)付示談や被害届の取下げや刑事告訴の取消しを内容とする示談など、内容は多岐にわたります。
どのような内容で示談を成立させることが最善であるかの判断には、刑事事件に専門的な知識や経験が要求されること、また被害者側の怖い思いをさせられ強い処罰感情を有していることなどから、当事者同士での示談交渉はあまり得策とは言えません。
以上より、示談交渉は、刑事事件に関する専門的な知識や経験を持ち、交渉に強い弁護士に相談されることをオススメします。
3,まずは弁護士に相談を
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、恐喝罪をはじめとする刑事事件・少年事件に関する豊富な実績があります。
恐喝罪の当事者となりお困りの方は初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が恐喝罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
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【事例解説】窃盗罪とその弁護活動(スーパーマーケットで商品を万引きして現行犯逮捕されたケース)
【事例解説】窃盗罪とその弁護活動(スーパーマーケットで商品を万引きして現行犯逮捕されたケース)
今回は、スーパーマーケットで商品を万引きして現行犯逮捕されたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:スーパーマーケットで商品を万引きして現行犯逮捕されたケース
福岡県警東警察署は、福岡市東区にあるスーパーマーケットで食料品など商品10点(約5000円)を盗んだとして、同区に住むAさんを窃盗の疑いで現行犯逮捕しました。
警察によりますと、Aさんが持っていたバッグに食料品など商品を詰め込み店を出ていく様子を警備員が目撃し、Aさんが店外にでたところで声をかけて確保していました。
警察の調べに対して、Aさんは「お金を払うのがもったいなかったから盗んだ」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,窃盗罪について
〈窃盗罪〉(刑法第235条)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
一般的に万引きと呼ばれる行為は、刑法での窃盗罪に該当します。
そして、窃盗罪は、①他人の財物を②窃取した場合に成立します。
また、上記の他に③故意(刑法第38条第1項)と条文上明記されてはいませんが④不法領得の意思が必要になります。
①他人の「財物」とは、所有権の対象であれば広く保護の対象となります。
②「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己又は第三者の占有に移すことを言います。
③故意とは、犯罪事実の認識・認容を言い、窃盗罪の場合は他人の財物を窃取することを認識し、窃取することになっても構わない(認容)していることを言います。
④不法領得の意思とは、Ⓐ権利者を排除して他人の物を自己の所有物として(権利者排除意思)、Ⓑその経済的用法に従いこれを利用・処分する意思(利用処分意思)を言います。
Ⓐの権利者排除意思は、窃盗罪と使用窃盗(例えば、他人の自転車を数分間勝手に乗り回すことなど)を区別するために必要とされます。
Ⓑの利用処分意思は窃盗罪と毀棄・隠匿罪との区別のために必要とされます。
例えば、会社の同僚を困らせる目的で、仕事で使うパソコンを持ち帰った場合は、窃盗罪ではなく器物損壊罪(刑法第261条)の成立が検討されることになります。
上記の事例では、Aさんは、スーパーマーケットが所有する「財物」である商品を、自分のバッグに入れて会計を済ませず店を出た行為はスーパーマーケット側の意思に反して商品に対する占有をAさん自身に移していると言え「窃取」に当たります(①、②)。
また、Aさんは「お金を払うのがもったいなかったから」と容疑を認めていることから、スーパーマーケットの商品を窃取することを認識しているといえ、窃盗罪の故意と不法領得の意思があるといえます(③、④)。
したがって、上記事例のAさんの行為には窃盗罪が成立することが考えられます。
2,身体拘束の回避に向けた弁護活動
窃盗罪で逮捕され、その後勾留されると、原則10日間、延長が認められた場合にはさらに10日間、最長で20日間身柄拘束されることになります。
そして、被疑者勾留による身柄拘束中は、被疑者は留置施設内で生活を厳しく管理・規制され、家族や友人など外部との交流も制限されるなど、身体的・精神的に多大な負担を被ることが考えられます。
また、身柄拘束により職場への出勤や学校への出席などできなくなるため、職場からの解雇や、犯罪の被疑者として捜査されていることが学校へ発覚することで、学校側から停学処分や退学処分を下されてしまう可能性もあります。
しかし、被疑者勾留による身柄拘束を回避することができれば、そのような不利益を被らずに済むかもしれません。
被疑者勾留は、検察官が勾留請求し、裁判官が請求を認めることで行われます。
そこで、弁護士は、検察官や裁判官に対して意見書を提出することで被疑者を勾留しないようはたらきかけます。
そもそも、被疑者勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合や、被疑者による逃亡や証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そのため、例えば、上記事例におけるAさんの家族や親族がAさんを監督し、捜査機関や裁判所への出頭の機会を確保することを約束する身元引受を行うという事情があれば、Aさんの逃亡のおそれを否定し得る客観的な事情となります。
以上のような弁護活動を通じて、被疑者勾留による身柄拘束の回避を目指します。
もっとも、意見書の提出は、検察官が勾留請求して裁判官がその請求を認めて身柄拘束を決定するまでに行う必要があるため、ご家族等が逮捕されてしまった場合には、少しでも早く弁護士に相談されることをオススメします。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内において窃盗罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が窃盗罪の当事者となりお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験してきました。
窃盗罪の当事者となりお困りの方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が窃盗罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
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【事例解説】業務上横領罪とその弁護活動(取締役を務めていた会社の金銭を自己の口座に送金し横領したケース)
【事例解説】業務上横領罪とその弁護活動(取締役を務めていた会社の金銭を自己の口座に送金し横領したケース)
今回は、取締役を務めていた会社の金銭を自己の口座に送金し横領したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:取締役を務めていた会社の金銭を自己の口座に送金し横領したケース
福岡県警は、取締役を務めていた会社Vから不正に送金した100万円を着服したとして、Aさんを業務上横領の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは自身が取締役を務めていた会社から自己の口座に送金した上で引き出していたとのことです。
会社Vの口座を管理する担当者が不正に送金されていることに気付き、警察に相談したことで事件が発覚しました。
その後、聴き取り捜査を経て、Aさんを逮捕するに至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「ギャンブルにつかってしまった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,業務上横領罪について
〈業務上横領罪〉(刑法第253条)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
業務上横領罪は、刑法に定められた通常の横領罪(刑法第252条第1項)を業務者という身分を有する者が犯した場合に成立する犯罪です。
そのため、まずは横領罪について解説致します。
横領罪は、①自己の占有する他人の物を②横領した場合に成立します。
横領罪は窃盗罪などとは異なり、既に行為者のもとに他人が所有権を有する物が存在しているため、他人の占有を侵害する犯罪ではありません。
そのため、横領罪の保護法益は、第一次的には所有権であり、また、横領行為は物を預けた人に対する裏切り行為といえるため、第二次的には委託信任関係であると考えられています。
①「自己の占有する他人の物」にいう、「物」とは財物を意味し、窃盗罪における財物と同じですが、横領罪の場合は不動産も含まれます。
「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力を言い、具体的には、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態を言います。
法律上の支配とは、法律上自己が容易に他人の物を処分し得る状態を言います。
また、その占有は他人からの委託信任関係を原因とすることが必要となります。
仮に、その占有が委託信任関係によらずに開始した場合、その物は誰の占有にも属していない、あるいは偶然自分の占有に属したことになり、その場合は遺失物等横領罪(刑法第254条)が成立します。
そのため、横領罪における占有は他人からの委託信任関係が必要となります。
委託信任関係は委任(民法第643条以下)などの契約に基づく場合のほか、取引上の信義則に基づく場合などがあります。
②「横領」とは、不法領得の意思を発現する一切の行為を言います。
横領罪における不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに、その物の経済的用法に従って、所有者でなければできないような処分をする意思を言います。
横領行為は、費消、着服、拐帯などの事実行為のみならず、売却、貸与、贈与などの法律行為も含まれます。
以上が横領罪の成立に必要な要件となり、業務上横領罪は、業務者という身分を有する者が横領行為を行った場合に成立します。
業務者とは、委託を受けて他人の物を保管・管理する事務を反復又は継続的に行う者を言い、質屋や運送業者などがその典型ではありますが、職務上公金を管理する公務員や会社や団体などの金銭を管理する会社員や団体役員なども業務者に含まれます。
上記の事例では、Aさんは会社Vの元取締役で金銭を管理し得る立場にあったといえ(「業務上」)、会社の口座から100万円を自己の口座に送金した時点で当該100万円につき法律上の支配力が及んでいるため占有が認められます(①)。そして、当該金銭を引き出しギャンブルにつかった行為は横領に該当するため(②)、上記事例におけるAさんの行為には、業務上横領罪が成立することが考えられます。
2,示談交渉の重要性
業務上横領罪は、被害者が存在する犯罪です。
そこで、被害者と示談交渉を試み、示談成立を目指します。
被害者との間で示談が成立すれば、検察官の処分や裁判になった場合には判決に影響を持ちます。
また、被疑者が身柄を拘束されている場合には、身柄拘束からの解放も期待できます。
そのため、被害者と示談交渉を試み、示談の成立を目指すことは重要な弁護活動であると言えます。
示談交渉は、事件の当事者同士で行うこともできます。
しかし、上記の事例のような業務上横領事件では、行為者は被害者の財産などの所有権を侵害するだけでなく、被害者との間の信頼関係を破壊することにもなります。
そのような事情を考慮すると、被害者は加害者側に対して強い処罰感情を有し、当事者同士での示談交渉は上手くいかないこともあり得ます。
以上より、示談交渉は当事者同士で行うよりも、法律の専門家であり交渉に強い弁護士に相談することがオススメです。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内で業務上横領罪の当事者となりお困りの方、ご家族等が業務上横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に関する知識・経験が豊富な弁護士が在籍しており、これまでに業務上横領罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を取り扱ってきました。
業務上横領罪の当事者となりお困りの方は初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が業務上横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
刑事事件や少年事件に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
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【事例解説】横領罪とその弁護活動(返却期限を過ぎてもレンタカーを返さずそのまま乗り捨てたケース)
【事例解説】横領罪とその弁護活動(返却期限を過ぎてもレンタカーを返さずそのまま乗り捨てたケース)
今回は、返却期限を過ぎてもレンタカーを返さずそのまま乗り捨てたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:返却期限を過ぎてもレンタカーを返さずそのまま乗り捨てたケース
福岡県警は、レンタカーを返却しなかったとして、横領の疑いで福岡市在住のAさんを逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは福岡市内のレンタカー店Vで乗用車1台(60万円相当)をレンタルし、返却期限を1カ月過ぎても返却しなかった疑いが持たれています。
乗用車は、市内のコインパーキングに乗り捨てられているところをコインパーキングの管理会社の職員が発見し、レンタカー店Vに連絡。
その後、レンタカー店Vが警察に被害を届け出、捜査を経てAさんを特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「足代わりに使っていた。」「自分が乗り捨てたことに間違いない」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,横領罪について
〈横領罪〉(刑法第252条)
第1項 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
刑法の横領罪は、①自己の占有する②他人の物を③横領した場合に成立します。
また、窃盗罪や強盗罪など、他人の占有をその占有者の意思に反して自身または第三者の占有に移転する奪取罪とは異なり、横領罪は既に他人の物が自身の占有下にあるため、保護法益は第一次的には所有権であり、第二次的に物を預けた人との信任関係も保護の対象となります。
そのことから、横領罪は、委託信任関係により他人の物を占有している者という身分を持っている人に成立する犯罪と言えます。
①「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力をいい、具体的には、物に対して事実上または法律上支配力を及ぼす状態にあることを意味します。
法律上の支配とは、法律上自身が容易に他人の物を処分し得る状態にある場合を言います。
例えば、不動産の登記名義人は、当該不動産を自由に処分できる地位にあるため、法律上の支配が認められます。
②「他人の物」とは、他人の所有に属する物を言います。
③「横領」行為とは、不法領得の意思を発現する一切の行為をいいます。
不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思をいいます。
「横領」行為は、費消(使い込むこと)、着服(バレないように盗むこと)、拐帯(持ち逃げすること)、抑留(借りたものを返さないこと)などの事実行為だけでなく、売却、貸与、贈与などの法律行為も含まれます。
上記の事例では、Aさんはレンタカー店Vとの賃貸借契約により乗用車を借りており、当該乗用車の所有者はレンタカー店Vです。(②)
また、借りているAさんには当該乗用車に対して事実上の支配力が認められます。(①)
そして、Aさんは、返却期限を1カ月過ぎても当該乗用車を返却することなく足代わりに使い、乗り捨てています。(③)
以上より、Aさんには横領罪が成立することが考えられます。
2,身体拘束の回避にむけた弁護活動
横領罪で逮捕・勾留されると、最長で23日間、身体拘束されて捜査機関の取調べを受けることになります。
その間、被疑者は生活を厳しく管理・規制され、家族や友人など外部との自由な接触も制限され、捜査機関の取調べにも一人きりで臨まなければならないなど、身体的・精神的に多大な負担を被ることになります。
また、身体拘束期間中は当然のことながら職場に出勤することもできなくなるので、そのような長期間を無断欠勤すれば、職場から解雇される可能性もあり、身体拘束前の社会生活を送ることができなくなるかもしれません。
しかし、勾留による身体拘束を回避すれば、そのような不利益を受けずに済むかもしれません。
被疑者に勾留の理由と必要性があると検察官が判断した場合、検察官が裁判所に勾留請求します。
検察官の勾留請求を裁判所が認めると、被疑者は勾留されることになり、最長で20日間身柄を身体拘束されることになります。
もっとも、弁護士であれば、検察官と裁判所に対して、意見書を提出することで被疑者勾留をしないようはたらきかけることができます。
勾留による身体拘束の理由とは、被疑者が住居不定、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合を言うため、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集し、意見書と一緒に提出することで、被疑者勾留の回避を目指します。
以上のような弁護活動は、被疑者勾留が決定する前に行う必要があるため、ご家族等が身体拘束されてしまったら、少しでも早く弁護士に依頼することがオススメです。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内で横領罪の当事者となってしまった方、あるいは横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
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