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【事例解説】覚醒剤取締法違反とその弁護活動(自宅で覚醒剤を使用したところ、別件で駆け付けた警察官に逮捕されたケース)

2024-09-02

【事例解説】覚醒剤取締法違反とその弁護活動(自宅で覚醒剤を使用したところ、別件で駆け付けた警察官に逮捕されたケース)

今回は、犯人と同居する家族が別件で警察官に通報し、臨場した警察官が異変を感じて尿検査をしたところ、覚醒剤の反応が出たため逮捕されたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:自宅で覚醒剤を使用したところ、別件で駆け付けた警察官に逮捕されたケース

福岡県警察博多警察署は、福岡市博多区の自宅において、複数回にわたり覚醒剤を使用した疑いで福岡市の職員Aさんを逮捕しました。
事件はAさんと同居する家族が別の用件で警察に通報があり、臨場した警察官がAさんの様子に異変を感じ、簡易検査キットを用いて尿検査をしたところ覚醒剤の反応が出たことをきっかけに発覚しました。
Aさんはその場で覚醒剤取締法違反となり逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは「覚醒剤を使ったことに間違いありません」と容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,覚醒剤取締法違反(使用)について

覚醒剤取締法(以下「法」と言います。)に言う「覚醒剤」とは、フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及び各その塩類を言います。(法2条1項1号
覚醒剤は、一定の場合を除き、何人も、その使用を制限されており(法19条柱書)、使用した場合には覚醒剤取締法違反となり、10年以下の懲役刑が科されることになります。(法41条の3第1項1号
覚醒剤の「使用」とは、覚醒剤をその用法に従って用いる一切の行為を言い、自己又は他人の身体への使用だけでなく、鶏・豚などの家畜への使用や、研究、薬品の製造のための使用も含まれます。
また、他人から自己の身体へ注射してもらうような場合にも「使用」に該当します。
なお、覚醒剤を使用するにあたって、覚醒剤を所持することになりますが、これらは別の罪であるため、所持罪と使用罪の両方が成立し、併合罪(刑法45条)となります。

2,弁護活動

覚醒剤をはじめとする薬物犯罪では、犯罪の被害者が存在しません。
そのため、傷害罪窃盗罪のように被害者が存在する犯罪とは異なり、示談をする相手が存在せず、示談を試みるといった弁護活動はできないことになります。
そのような場合の弁護活動としては、贖罪寄付を行うことが考えられます
贖罪寄付とは、被害者のいない刑事事件や、被害者との示談ができない刑事事件などにつき、刑事手続の対象となっている方の改悛の真情を表すために日本弁護士連合会(日弁連)に贖罪寄付を行うことをいいます。
その他にも、法テラスが独自で受け付けているものや日弁連交通事故相談センターが交通事故被害者に特化した交通贖罪寄付を受け付けています。
また、覚醒剤など薬物事件の場合には、全国にあるダルク(薬物依存者の回復を目指す回復施設)をはじめとした薬物等依存者の自助グループへ贖罪寄付を行うことが考えられます。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において覚醒剤取締法違反の当事者となり在宅捜査を受けている方、あるいは家族・親族が覚醒剤取締法違反の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件を専門的に取り扱う弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験しております。
覚醒剤取締法違反の当事者となり在宅捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
家族・親族が覚醒剤取締法違反の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】覚醒剤取締法違反とその弁護活動(自宅において複数回にわたり覚醒剤を使用して逮捕されたケース)

2024-06-17

【事例解説】覚醒剤取締法違反とその弁護活動(自宅において複数回にわたり覚醒剤を使用して逮捕されたケース)

今回は、自宅で覚醒剤を複数回にわたって使用した後、警察に自首して逮捕されたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:自宅において複数回にわたり覚醒剤を使用して逮捕されたケース

福岡県警察博多署は、福岡県の県立高校職員Aさんを覚醒剤取締法違反使用)の疑いで逮捕しました。
警察によると、Aさんは複数回にわたり、覚醒剤を使用した疑いがある。
Aさんは、自宅近くの交番に「覚醒剤を使いました」と出頭し、尿検査で陽性反応が出たとのことです。
警察は入手経路や所持品を調べています。
(事例はフィクションです。)

1,覚醒剤取締法違反(使用)について

覚醒剤取締法(以下「法」と言います。)に言う「覚醒剤」とは、フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及び各その塩類を言います。(法2条1項1号
覚醒剤は、一定の場合を除き、何人も、その使用を制限されており(法19条柱書)、使用した場合には、10年以下の懲役刑が科されることになります。(法41条の3第1項1号
覚醒剤の「使用」とは、覚醒剤をその用法に従って用いる一切の行為を言い、自己又は他人の身体への使用だけでなく、鶏・豚などの家畜への使用や、研究、薬品の製造のための使用も含まれます。
また、他人から自己の身体へ注射してもらうような場合にも「使用」に該当します。
なお、覚醒剤を使用するにあたって、覚醒剤を所持することになりますが、これらは別の罪であるため、所持罪使用罪の両方が成立し、併合罪刑法45条)となります。

2,併合罪について

併合罪とは、確定裁判を経ていない2個以上の犯罪が成立する場合を言い、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする刑罰が科されることになります。(刑法47条本文
つまり、覚醒剤の所持罪使用罪が成立する場合には、両罪とも刑罰は10年以下の懲役であるため、10年に2分の1を加えた15年以下の懲役が科されることになります。

3,覚醒剤取締法違反で逮捕された場合の弁護活動

(1)取調対応

覚醒剤取締法違反で逮捕・勾留されると、最長で23日間、身柄を拘束されて捜査機関による取調べを受けることになります。
覚醒剤をはじめとした薬物事案は、被疑者において余罪がある場合があり、取調べにおいて余罪について供述してしまうと再逮捕や追起訴のおそれがあります。
そのため、弁護士は、被疑者に対して、被疑事実に関すること以外は話さない等の取調べに対するアドバイスを致します。
また、被疑者が容疑を認めている場合であっても、覚醒剤取締法違反事件は起訴率が高いため、被疑者段階から公判を見据えた弁護活動を行うことが中心となります。

(2)起訴後の保釈に向けた弁護活動

被疑者が起訴されると、被告人勾留に切り替わります。
被告人勾留は、原則として2カ月、さらに継続の必要があると判断された場合には、1カ月ごとの延長が認められます。(刑事訴訟法60条2項
また、被告人勾留は、保釈されないかぎり判決まで続くのが一般的です。
被疑者勾留が最長で20日間であることに比べると、被告人勾留はより長期にわたって身柄を拘束されることになることが考えられます。
被告人勾留は、被告人において、住居不定や証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合に認められます。(刑事訴訟法60条1項各号
そこで、早期の身柄解放に向けた弁護活動としては、それらの要件を否定し得る客観的な事情や証拠の収集・主張活動を行います。

(3)情状弁護

薬物事件は再犯率の高い事件類型です。
そのため、再犯防止に向けた策を講じている場合には、量刑判断に影響するため、それらを主張して少しでも被告人に有利な結果になるよう働きかけます。
被告人がなぜ薬物と接点を持ってしまったのかを知り、どうすればもう2度と薬物を利用しない生活を送れるのかを考える必要があります。
また、家族をはじめとした周囲のサポートも必要不可欠といえるでしょう。
しかし、かならずしも家族や周囲が薬物の専門家であるとは限りません。
そのため、薬物依存者の回復支援を行っている病院やダルク といった団体の援助を受けることも選択肢の一つとなります。
特に再犯で実刑の見込みが高い事案では、薬物依存症の根本からの治療の必要性などを考慮し、その観点から保釈を請求し、被告人を身柄拘束から解放させる必要があります。
そして、保釈請求が認められれば、被告人を病院やダルクの治療・支援を受けることができ、
病院やダルクのスタッフの方に証人となっていただき裁判で証人尋問をしたり、意見書を書いてもらうことを視野に入れた弁護活動を行うことも挙げられます。
それらの再犯防止策を講じていることを公判において主張し、被告人にとって少しでも有利な判決の獲得を目指します。

(4)無罪弁護

被告人が罪を認めている場合でも、もし捜査機関による捜査の過程や証拠の収集方法に違法があれば、それを主張していくことで無罪判決を獲得できる可能性があります。

4,まずは弁護士に相談を

福岡県内において覚醒剤取締法違反の当事者となり在宅捜査を受けている方、あるいは家族・親族が覚醒剤取締法違反の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件を専門的に取り扱う弁護士が在籍しており、これまでさまざまな刑事事件・少年事件を経験しております。
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お気軽にご相談ください。

【事例解説】覚醒剤使用事件における別件逮捕の違法性(後編)

2023-10-14

 前回に引き続き、軽犯罪法違反(凶器携帯)の容疑で逮捕中に行われた強制採尿により、覚醒剤取締法違反(使用)の容疑で逮捕された架空の事件を参考に、覚醒剤使用事件における別件逮捕の違法性とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡市在住の自営業男性A(32歳)が深夜、同市中央区中洲の路地に佇んでいたところ、巡回中の福岡県中央警察署の警察官Pに気づき慌てた様子で立ち去ろうとしました
 PはAを呼び止め、Aの様子から覚醒剤使用の疑いがあると考え、職務質問を行ったところ、Aは氏名や住所を明らかにしませんでした。
 また、PはAの承諾を得て所持品を検査したところ、覚醒剤などの薬物は発見できませんでしたが、ポケットに刃渡り5.5センチメートルのカッターナイフを所持していたことから、軽犯罪法違反(凶器携帯)の容疑でAを現行犯逮捕しました。
 警察署で取調べを行ったPは、Aに任意での尿検査を提案しましたが応じなかったため、令状により強制採尿したところ、覚醒剤の陽性反応が出たことにより、Aは覚醒剤取締法違反(使用)の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

前回の前編では、軽犯罪法違反での逮捕について解説しました。

別件逮捕の違法性について

 別件逮捕とは、警察等の捜査機関が本来目的としている事件(「本件」)の取調べなどを行うことを狙いとして、逮捕の要件を充たす、別の軽微な事件(「別件」)で被疑者を逮捕することとされます。
別件逮捕の問題点として、(1)身体拘束に関する令状主義(憲法第33条、刑事訴訟法第199条)を実質的に犯すものであること、(2)厳格な定めのある身体拘束期間(刑事訴訟法第203条以下)を潜脱するものであること、が指摘されます。

 (1)について、逮捕による身体拘束は被疑者の人権の重大な制約であることとの均衡から、逮捕の要件を充たすかは、被疑事実ごとに裁判官の逮捕状発付の手続き(司法審査)を受けなければならないにも関わらず、別件逮捕によれば、本件について全く司法審査を経ることなく、実質的に本件による逮捕を行うことができるという問題があります。

 (2)について、再逮捕・再勾留による例外を除き、1つの被疑事実における逮捕・勾留による身体拘束期間は、最長23日間と厳格に定められているにもかかわらず、別件逮捕によれば、実質本件のために、最長46日間の身体拘束を行うことができるという問題があります。

 よって、本件取調べ目的での別件逮捕は違法と解すべきですが、本件取調べ目的の有無は、捜査機関の主観の問題であるため、(ア)別件での逮捕の必要性の程度、(イ)本件と別件との関連性(被害者、犯行日、犯行態様、法定刑の軽重等)、(ウ)逮捕後の取調状況(取調べ時間の比率等)、(エ)本件についての捜査状況、などの客観的資料から事後的に判断することになると考えられます。

覚醒剤使用事件で別件逮捕が行われた場合の弁護活動

 覚醒剤使用が疑われる事件においては、被疑者が任意採尿に応じない場合、裁判官の強制採尿令状を得られるまでの間、被疑者を身体拘束する法的な根拠がないことなどから、被疑者を実質的に拘束する手段として別件逮捕が行われ、別件逮捕の違法性が争われる事例が見受けられます。

 別件逮捕の違法性が認定されたことにより、違法な別件逮捕による身体拘束を利用して得られた証拠の証拠能力が否定された結果、無罪となった裁判例が数多くあります。

 他方で、別件逮捕の違法性を認定しつつも、得られた証拠の証拠能力までは否定せず有罪とされた裁判例もあるため、公判で別件逮捕の違法性を主張することにより無罪を争うことは容易ではありませんが、弁護人が、起訴される前の段階で検察官に対し、別件逮捕の違法性を十分な説得力をもって主張することで、検察官が不起訴処分を選択する可能性を高めることができると考えられます。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、覚醒剤使用などの薬物事件で、不起訴処分を獲得した実績があります。
 ご家族が覚醒剤使用の容疑で逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

【事例解説】覚醒剤使用事件における別件逮捕の違法性(前編)

2023-10-11

 軽犯罪法違反(凶器携帯)の容疑で逮捕中に行われた強制採尿により、覚醒剤取締法違反(使用)の容疑で逮捕された架空の事件を参考に、覚醒剤使用事件における別件逮捕の違法性とその弁護活動について、前編・後編に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡市在住の自営業男性A(32歳)が深夜、同市中央区中洲の路地に佇んでいたところ、巡回中の福岡県中央警察署の警察官Pに気づき慌てた様子で立ち去ろうとしました
 PはAを呼び止め、Aの様子から覚醒剤使用の疑いがあると考え、職務質問を行ったところ、Aは氏名や住所を明らかにしませんでした。
 また、PはAの承諾を得て所持品を検査したところ、覚醒剤などの薬物は発見できませんでしたが、ポケットに刃渡り5.5センチメートルのカッターナイフを所持していたことから、軽犯罪法違反(凶器携帯)の容疑でAを現行犯逮捕しました。
 警察署で取調べを行ったPは、Aに任意での尿検査を提案しましたが応じなかったため、令状により強制採尿したところ、覚醒剤の陽性反応が出たことにより、Aは覚醒剤取締法違反(使用)の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

軽犯罪法違反での逮捕について

 Aは、正当な理由がなく刃物を隠して携帯していた、として軽犯罪法違反で逮捕されました(同法第1条第2号参照)。
 軽犯罪法違反の法定刑は、拘留又は科料のみ規定されているため、いわゆる「軽微犯罪」として、通常の要件に加えて、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合、に限り現行犯逮捕が認められます(刑事訴訟法第217条)。
 Aは、職務質問に対し氏名や住所を明らかにしなかったため、現行犯逮捕の要件を一応充たしていたものと考えられます。

 軽犯罪法違反での逮捕が、要件を充たすため逮捕時点では違法でないと認められたとしても、取調べにおいて、Aに任意での尿検査を提案し、Aが応じなかったため強制採尿するなど、軽犯罪法違反での逮捕による身体拘束を利用して、覚醒剤取締法違反(使用)での捜査を行っていることから、違法な別件逮捕と言えないでしょうか。

次回の後編では、別件逮捕の違法性について、解説します。

覚醒剤使用事件で別件逮捕が行われた場合の弁護活動

 覚醒剤使用が疑われる事件においては、被疑者が任意採尿に応じない場合、裁判官の強制採尿令状を得られるまでの間、被疑者を身体拘束する法的な根拠がないことなどから、被疑者を実質的に拘束する手段として別件逮捕が行われ、別件逮捕の違法性が争われる事例が見受けられます。

 別件逮捕の違法性が認定されたことにより、違法な別件逮捕による身体拘束を利用して得られた証拠の証拠能力が否定された結果、無罪となった裁判例が数多くあります。

 他方で、別件逮捕の違法性を認定しつつも、得られた証拠の証拠能力までは否定せず有罪とされた裁判例もあるため、公判で別件逮捕の違法性を主張することにより無罪を争うことは容易ではありませんが、弁護人が、起訴される前の段階で検察官に対し、別件逮捕の違法性を十分な説得力をもって主張することで、検察官が不起訴処分を選択する可能性を高めることができると考えられます。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、覚醒剤使用などの薬物事件で、不起訴処分を獲得した実績があります。
 ご家族が覚醒剤使用の容疑で逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

【事件解説】覚醒剤を麻薬と誤認して所持した被疑者を麻薬取締法違反で起訴

2023-09-11

 覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕されていた被疑者が、覚醒剤を麻薬と誤認していたことなどから、罪名が切り替えられ麻薬取締法違反(所持)で起訴された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件概要

 福岡県宗像市内の自宅で覚醒剤を所持していたとして、覚醒剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕されていた会社員男性A(32歳)が、麻薬取締法違反(所持)で起訴されました。
 Aは、覚醒剤の成分が入った錠剤0.2グラムを所持していたとして覚醒剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕されていました。Aは取調べにおいて、「錠剤は以前大麻を購入した際に、おまけでもらったものであり、覚醒剤とは知らなかったMDMA(合成麻薬)だと思っていた。」と供述していたとのことです。
(過去に報道された実際の事件に基づき、一部事実を変更したフィクションです。)

覚醒剤取締法違反(所持)と麻薬取締法違反(所持)について

 「覚醒剤」とは、「覚醒剤取締法」において、フエニルアミノプロパン及びフエニルメチルアミノプロパン、又は同種の覚醒作用を有する物などと定義されています。
 覚醒剤の所持は重大犯罪であり、10年以下の懲役に処するとされています(同法41条の2第1項)。

 「麻薬」とは、「麻薬及び向精神薬取締法」(「麻薬取締法」)において規定される麻酔作用を持つ薬物の総称であり、ジアセチルモルヒネ等(ヘロイン)、コカイン、モルヒネなど、76種の薬物が指定されています。
 麻薬の所持は、ジアセチルモルヒネ等の場合は特に重く10年以下の懲役、それ以外の麻薬の場合は7年以下の懲役に処するとされています(同法第64条の2、第66条)。
 本件で、Aが誤認していたと主張するMDMA(合成麻薬)の所持は、それ以外の麻薬所持の場合にあたり、7年以下の懲役の対象となります。
 

覚醒剤を麻薬と誤認して所持した場合に成立し得る罪

 本件Aは、法定刑が7年以下の懲役の麻薬取締法違反(所持)(「軽い罪」)の認識で、法定刑が10年以下の懲役の覚醒剤取締法違反(所持)(「重い罪」)を犯していることになりますが、この場合、Aに何罪が成立し得るのか問題となります。

 「重い罪」に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその「重い罪」に当たることとなる事実を知らなかった者は、その「重い罪」によって処断することはできない、と規定されています(刑法第38条第2項)。

 Aが、対象薬物が覚醒剤であると本当に知らなかったのか、関係者の証言や客観的証拠も踏まえて事実認定されることとなりますが、その立証ができない場合、同条により「重い罪」である覚醒剤取締法違反(所持)は成立しないこととなります。

 しかし、覚醒剤取締法違反(所持)麻薬取締法違反(所持)は、薬物の濫用による保健衛生上の危害を防止するために、禁止された薬物の所持に対する取締規定である点で共通していること、取締りの方法、対象薬物の有害性や外観等が類似していることから、罪名の異なる犯罪ではありますが、実質的に重なり合う犯罪であると考えられます。

 このような場合、「重い罪」が成立しないとしても、「重い罪」と「軽い罪」が実質的に重なり合う限度で「軽い罪」が成立し得るとされることから、本件では、「軽い罪」である麻薬取締法違反(所持)が成立し得るとされるため、罪名が切り替えられ麻薬取締法違反(所持)で起訴されたと考えられます。

薬物事件で故意を否認する場合の弁護活動について

 薬物事件において、対象薬物であることを知らなかったとして故意を否認する場合は、弁護活動としては、被疑者(被告人)の主張に合理性が認められるよう、被疑者(被告人)から事件の経緯を聴き取り、客観的な証拠を収集した上で、嫌疑不十分による不起訴処分などを求めることが考えられます。

 このような否認事件の場合は、捜査機関による取調べが厳しくなる可能性が高くなるため、被疑者(被告人)と綿密な接見を行い、自己に不利な供述をしないよう取調べ対応についてのアドバイスを行うことが考えられます。

 また、薬物事件では、逃亡や罪証隠滅の恐れがあるとして、勾留が決定・延長され身体拘束が長期化したり、接見等禁止決定が付いたりする可能性が高いため、身体拘束からの解放や接見等禁止決定の解除に向けた弁護活動も重要となってきます。

 事件の内容によって対応も様々に異なるため、刑事事件に強く、薬物事件の刑事弁護の経験豊富な弁護士への相談をお勧めします。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

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 ご家族が覚醒剤などの薬物所持の容疑で逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

【事例解説】所持品検査に違法性の疑いのある覚醒剤所持事件

2023-08-03

 職務質問に伴う所持品検査により、覚醒剤所持が発覚し現行犯逮捕された架空の事件を参考に、所持品検査の違法性と押収された証拠の証拠能力について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡市在住の自営業男性A(28歳)が深夜、同市中央区天神の路地に佇んでいたところ、巡回中の福岡県中央警察署の警察官Pに気づき慌てた様子で立ち去ろうとしました
 PはAを呼び止め、Aの挙動不審な様子から、何らかの犯罪の嫌疑があると考え、Aに職務質問を行い、所持しているバッグの中身を見せるように言いました。
 Aが拒否してその場を去ろうとしたため、PはAの進路を塞ぎ、Aのバッグを掴んで開き、中から粉末入りの小袋と注射器を発見しました。その場で検査したところ、粉末が覚醒剤であると判明したため、Aは覚醒剤所持の容疑で現行犯逮捕され、覚醒剤と注射器は証拠として押収されました。
(事例はフィクションです。)

所持品検査の違法性について

 警察官は、何らかの犯罪の嫌疑がある者に対し、職務質問を行うことができます(警察官職務執行法第2条第1項)。
 職務質問に伴い所持品検査を行うことは、職務質問の効果をあげる上で必要性、有効性の認められる行為であるとして、許容される場合があるとされますが、任意の職務質問に附随する行為として許容される以上、所持人の承諾を得て、その限度で行うのが原則とされます。

 本件で、Aは所持品検査を承諾しておらず、Pはその場を立ち去ろうとするAの進路を塞いだ上、Aのバッグを掴んで開いています。
 詳細な状況次第ではありますが、本件所持品検査は、Aの意思に反して、所持品の捜索・押収を受けることのない権利(憲法第35条)を侵害する強制処分(個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するもの)であるとして、捜索・差押令状なく行うことが違法と判断される可能性があります。

 また、強制処分に至るものではないと判断された場合でも、本件所持品検査必要性・緊急性を考慮の上、具体的状況の下で相当と認められる限度を超えた処分として、なお違法と判断される可能性はあります。

違法な所持品検査により押収された証拠の証拠能力

 本件所持品検査が違法と判断されたとしても、Aが押収された覚醒剤を所持していた事実に変わりはないため、Aはこれを所持していたことによる覚醒剤取締法違反(所持)で有罪と認定され得るでしょうか。

 これについて、証拠収集手続に令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法捜査抑止の見地からして相当でないと認められる場合、証拠能力を否定すべきと解されています。
 証拠能力とは、証拠として公判廷に提出して事実認定に供しうる能力とされますので、証拠能力が否定される場合、当該証拠に基づく有罪認定はできなくなります。

 本件に照らすと、所持品検査に、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これによって押収された覚醒剤等を証拠として許容することで、将来同様の違法な所持品検査が繰り返されるおそれがあり相当でないと認められる場合、押収された覚醒剤等の証拠能力が否定され、これらを証拠としては覚醒剤取締法違反(所持)で有罪と認定されないことになります。

所持品検査に違法性の疑いのある覚醒剤所持事件の弁護活動

 覚醒剤使用・所持などの薬物事件では、令状又は本人の許可なく行われた居室への立ち入りや、実質逮捕に相当するような任意同行などについて、捜査の違法性が認定され、違法な捜査により得られた証拠の証拠能力が否定された結果、無罪となった裁判例が数多くあります。

 他方で、捜査の違法性を認定しつつも、得られた証拠の証拠能力までは否定せず有罪とされる場合もあるため、公判で捜査の違法性を主張することにより無罪を争うことは容易ではありませんが、弁護人が、起訴される前の段階で検察官に対し、所持品検査の違法性を十分な説得力をもって主張することで、検察官が不起訴処分を選択する可能性を高めることができると考えられます。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件に強く、覚醒剤所持などの薬物事件で、不起訴処分を獲得した実績があります。
 ご家族が覚醒剤所持の容疑で逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

【事件解説】覚醒剤共同使用 保護責任者遺棄罪で逮捕

2023-06-16

 覚醒剤を共同使用し、容態が悪化した知人を放置したとして、保護責任者遺棄罪で逮捕された事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件概要

 覚醒剤を共同使用していたところ、容態が悪化した知人男性V(28歳)に対し適切な措置を怠り放置したとして、福岡市中央区在住の会社員男性A(32歳)が保護責任者遺棄罪の容疑で逮捕されました。
 福岡県警中央警察署の調べによると、Aは、Aの自宅で覚醒剤を共同使用していたVの容態が悪化したにもかかわらず4時間ほど放置し、その後消防に通報しましたが、救急隊が駆け付けたときにはVの意識はなく、その後くも膜下出血で死亡が確認されたとのことです。
 警察の調べに対し、Aは保護責任者遺棄罪の認否を明らかにしていません。
(過去に報道された実際の事件に基づき、一部事実を変更したフィクションです。)

保護責任者遺棄罪とは

 老年者、幼年者、身体障害者又は病者保護する責任のある者が、これらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する、と定めています(刑法第218条)。

 保護責任者遺棄罪は、ある場所から別の場所へ運ぶという作為的な行為(移置)のみならず、置き去りや不保護といった不作為をも処罰対象とする犯罪のため、犯罪の成立には、「保護する責任」(作為義務)を有する者であることが求められます。

 「保護する責任のある者」とは、子どもの親権者や老人ホームの介護職員など、法令や契約により義務を負う者のみならず、人気のない道路で倒れている他人を介抱した通行人や、飲み会で泥酔した人と同席の友人など、善意で引き受けた場合や社会通念上相当な場合(条理)に保護義務が生じることもあります。

 本件のような薬物の共同使用の場合、元男性俳優が、MDMAを共同使用して薬物中毒で意識不明になった女性への適切な処置を怠ったとして保護責任者遺棄罪で有罪となった例があるなど、状況次第で、条理により「保護する責任のある者」と認定されることがあります。
 本件で、例えば、当時Aの自宅にAとV以外の者がおらず、容態の悪化したVの保護はAが行うほかない状況だったとすれば、Aは「保護する責任のある者」と認定され得ます。

 その場合、容態が悪化した「病者」のVを、「保護する責任のある者」であるAが4時間ほど放置したことは、「遺棄した」(置き去り)又は「生存に必要な保護をしなかった」ものとして、保護責任者遺棄罪が成立する可能性が高いです。

 なお、逮捕時点での容疑は保護責任者遺棄罪ですが、今後の捜査で、Aが適切な措置をしていればVが死亡しなかった疑いが強まれば、被疑罪名が保護責任者遺棄致死罪、AがVへの殺意を持って放置した疑いが強まれば被疑罪名が殺人罪、となる可能性もあります。

覚醒剤共同使用による保護責任者遺棄罪の刑事弁護

 保護責任者遺棄罪でも懲役刑しかない重い罪でありますが、保護責任者遺棄致死罪で有罪になると、3年以上20年以下の懲役が科せられる可能性があります。

 本件では、Aは保護責任者遺棄罪の認否を明らかにしていないとのことですが、早めに弁護士と接見し、事件の見通しや取調べ対応などについて法的な助言を得ることが重要です。

 また、被害者対応や覚醒剤取締法違反(使用)容疑への対応など、行うべき弁護活動が多岐にわたるため、刑事事件に強い弁護士に依頼し、適切な弁護活動を早く開始してもらうことをお勧めします。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件に強く、保護責任者遺棄罪薬物事件の弁護活動の実績が多数あります。
 覚醒剤共同使用による保護責任者遺棄罪でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

【福岡県の薬物事件】警察で採尿されました…逮捕されますか?

2023-05-31

『警察で採尿されました…逮捕されますか?』
このご質問に、福岡県の薬物事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士がお答えします。
 

相談内容

私は覚醒剤の前科があります。
昨日、博多警察署の警察官に職務質問された際に任意採尿を求められたので、警察署に移動して自然排尿した尿を提出しました。
実は1週間前に友人からもらった覚醒剤を使用していたのですが、簡易鑑定では覚醒剤反応が出ずに帰宅することができました。
本鑑定では覚醒剤反応が出るのでしょうか?もし覚醒剤反応が出た場合、逮捕されますか?

(この相談内容は実際にあったご相談を基にしたフィクションです。)

この相談はフィクションですが、同じような内容の相談が、薬物事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部によくあります。
今回は、この質問に薬物事件に強い弁護士がお答えします。

Q1 本鑑定で覚醒剤反応が出るのか?

採尿直後に、警察官が行う鑑定は、簡易鑑定です。
もし、覚醒剤の使用直後から15日までの間に採尿された場合は、簡易鑑定で覚醒剤反応が出なかった場合でも、科学捜査研究所で行う本鑑定で覚醒剤反応が出る可能性はあります。

Q2 本鑑定で覚醒剤反応が出た場合逮捕されますか?

逮捕される可能性は非常に高いです。
覚醒剤の使用事件の取調べは、覚醒剤を使用した経緯や、覚醒剤の使用時期、使用量、使用方法だけでなく、覚醒剤の常習性や、使用した覚醒剤の入手先に至るまで幅広く行われるため、逮捕、勾留される可能性が非常に高いです。

またQ2の質問に続いて、多い皆様からの質問が
「採尿されてどれぐらいで逮捕されますか?」
といった内容です。
科学捜査研究所での本鑑定に要する時間や、逮捕状を請求するまでの時間が法律的に定まっていないことから、逮捕までの時間はハッキリとお答えできません。
採尿から数日後に逮捕された方もいますし、遅い方は採尿から1カ月以上経過して逮捕された方もいます。

まずは弁護士に相談を

覚醒剤の使用事件で警察に逮捕されるか不安のある方、福岡県で薬物事件に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、薬物事件に関するご相談を初回無料で承っておりますので、ご相談を希望される方は フリーダイヤル 0120-631-881 までお気軽にお問い合わせください。

【即日対応可能】福岡県若松警察署に弁護士を派遣※電話予約OK

2022-11-28

【即日対応可能】福岡県若松警察署への弁護士派遣について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県若松警察署への弁護士派遣(初回接見サービス)

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

までお電話ください。

参考事件

Aさんは、1カ月ほど前に、北九州市若松区の路上に駐車した車内で仮眠をとっていたところ、警ら中の福岡県若松警察署の警察官に職務質問されました。
実はこの時Aさんは、インターネットで知り合った密売人から購入した覚醒剤を車内に隠し持っており、職務質問の際に、この覚醒剤が見つかってしまったのです。
ただ見つかった覚醒剤はもう2週間以上前に使用した際の残りで、1回の使用分にも満たない量でした。
そのため、警察官はその場で簡易鑑定せず押収して、一度持ち帰ったのです。
そして今朝、Aさんは、自宅を訪ねて来た福岡県若松警察署の捜査員に逮捕されてしまいました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

福岡県若松警察署

〒808-0066
福岡県北九州市若松区くきのうみ中央1番1号
電話番号 093-771-0110

福岡県若松警察署に弁護士を派遣する費用

交通費込み 44,110円

覚醒剤所持事件

皆さんご存知のとおり覚醒剤所持することは犯罪です。
覚醒剤取締法で覚醒剤の所持は禁止されており、違反して有罪が確定すると10年以下の懲役が科せられます。
初犯であれば、ほぼ執行猶予付きの判決となりますが、覚醒剤等の薬物事件は再犯率が高いのが特徴で、実際に、複数回、同種の薬物事件で有罪判決を受ける方は珍しくありません。
再犯の場合は、執行猶予が付きにくくなり、実刑判決が言い渡されることも珍しくないので注意しなければなりません。

覚醒剤所持事件の弁護活動

覚醒剤所持事件等の薬物事件の弁護活動においては、まず違法薬物を押収された捜査の過程をしっかりと検討する必要があります。
違法捜査によって、証拠品である覚醒剤等の違法薬物が警察に押収されていた場合は、それを理由に無罪判決を勝ち得ることもできるので、まず証拠品が適法に押収されたのか、採尿に至るまでの捜査が適正だったのか等をしっかりと検討する必要があるのです。
また裁判までに、監視監督体制を整えて、再発防止策を講じることも重要な弁護活動の一つとなります。

福岡県若松警察署に弁護士を派遣

福岡県若松警察署に派遣できる即日対応可能な弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
福岡県若松警察署に弁護士を派遣する 初回接見サービス のご予約については、24時間対応しているフリーダイヤルでお待ちしております。

【即日対応可能】福岡県早良警察署に弁護士を派遣※電話予約OK

2022-10-23

【即日対応可能】福岡県早良警察署への弁護士派遣について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県早良警察署への弁護士派遣(初回接見サービス)

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

までお電話ください。

参考事件

無職のAさんは、1年ほど前に仕事をクビになったことから生活が荒れてしまい、半年ほど前にSNSで知り合った売人から覚醒剤を購入し、それ以降、定期的に覚醒剤を使用していました。
そんな中、覚醒剤を使用した際の副作用からか、幻覚や幻聴が出てきたAさんは、ある日、自ら覚醒剤を持って福岡県早良警察署出頭したのです。
警察署で覚醒剤簡易鑑定が行われて、陽性反応が出たことから、Aさんは、その場で覚醒剤取締法違反現行犯逮捕されてしまいました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

福岡県早良警察署

〒814-0006
福岡市早良区百道1-5-15
電話番号 092-847-0110

福岡県早良警察署に弁護士を派遣する費用

交通費込み 36,300円

覚醒剤所持で逮捕

覚醒剤所持は、覚醒剤取締法違反となります。
覚醒剤は白色の結晶であることがほとんどですが、その結晶が本当に覚醒剤かどうかは、特殊な機械やキットを使用して鑑定しなければ分かりませんので、覚醒剤所持罪逮捕されるということは、事前に鑑定されていることになります。
通常、Aさんのように覚醒剤所持罪で現行犯逮捕される場合は、警察官による簡易鑑定が行われてその結果で陽性反応を示しているのですが、その後、再び科学捜査研究所において、より精密な鑑定が行われます。
過去には、警察官による簡易鑑定陽性反応を示したものの、その後の科学捜査研究所で行われる本鑑定で陰性反応を示したことから、誤認逮捕事件となった事例もあるので、あらゆるケースを想定して、どういった取調べ対応をするかは弁護士に相談することをお勧めします。

覚醒剤所持罪で現行犯逮捕されると…

覚醒剤所持罪現行犯逮捕されると、必ずと言っていいほどの確率で、尿検査が行われます。
尿検査は覚醒剤を使用しているかどうかを調べるために行うのですが、ここで多くの方が気にしているのは『最後に覚醒剤を使用してからどれぐらい経てば尿検査で陰性反応になるのか?』ではないでしょうか。
結論から言いますと、絶対にこの期間が空けば大丈夫というのはないでしょうか、捜査機関の共通認識は、覚醒剤を使用した直後から約2週間は陽性反応が出る可能性があると言われています。

覚醒剤取締法については、こちらで解説 ⇒⇒クリック

福岡県早良警察署に弁護士を派遣

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