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【事例解説】傷害罪とその弁護活動(生後半年の幼児をベッドに投げつけるなどして頭に数か月の大けがを負わせたケース)

2024-11-09

【事例解説】傷害罪とその弁護活動(生後半年の幼児をベッドに投げつけるなどして頭に数か月の大けがを負わせたケース)

今回は、生後半年の幼児をベッドに投げつけるなどして頭に数か月の大けがを負わせたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:生後半年の幼児をベッドに投げつけるなどして頭に数か月の大けがを負わせたケース

生後半年の長女Vさんをベッドに投げつけるなどして頭に全治数か月の大けがを負わせたとして、福岡県警察博多警察署傷害の疑いで福岡市博多区に住む会社員で父親のAさんを逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは自宅で生後半年の長女Vさんをベッドに投げつけるなどして頭に急性硬膜下血腫や脳の神経損傷など回復に数か月かかる大けがを負わせた疑いが持たれています。
警察の調べに対して、Aさんは「泣き止まないことにイライラしてストレスが溜まっていた」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,傷害罪について

〈傷害罪〉(刑法第204条)

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法傷害罪は、人の身体を「傷害」した場合に成立します。
傷害」するとは、人の生理的機能を侵害することをいいます。
例えば、創傷、打撲傷や擦過傷のような外傷の他に、めまい、失神、嘔吐、中毒などの症状を引き起こさせることや、病気に罹患させたり、PTSDを発症させることなども「傷害」に該当します。
傷害」は、通常、殴る・蹴るなどの有形的方法によってなされますが、「傷害」の結果を発生させるものであれば、無形的な方法によるものでも傷害罪は成立します。
ただし、無形的方法による場合には傷害の故意が必要になります。
傷害の故意とは、人の生理低機能を侵害することへの認識、つまり自分の行為が相手の生理的機能を侵害すること認識しながら行為に及ぶことをいいます。
無形的方法による「傷害」と認められたものとして、無言電話を掛け続けて相手を精神衰弱症に陥らせた場合(東京地裁判決昭和54年8月10日)や、性病に罹患している者が自己の性器を他人の性器に押し付けて性病に罹患させた場合(最高裁判決昭和27年6月6日)、睡眠薬等による約6時間の意識障害の症状を生じさせた場合(最高裁判決平成24年1月30日)などがあります。
上記の事例では、Aさんは、Vさんをベッドに投げつけるなどしてVさんに急性硬膜下血腫や脳の神経損傷など「傷害」しているため、Aさんに傷害罪が成立することが考えられます。

2,身柄拘束からの早期解放を目指す弁護活動

傷害罪で逮捕・勾留されると、最長で23日間身柄を拘束され、捜査機関による取調べを受けることになります。
その間、被疑者は一挙手一投足が厳しく規制・監督される環境に身を置くことになり、また、家族や友人など外部との接触も厳しく制限されることになります。
そして、被疑者勾留原則10日(延長されればさらに10日)続きますが、その間は会社に出勤することもできなくなるため、無断欠勤が10日間も続けば会社をクビになり職を失う可能性もあります。
以上より、被疑者勾留にはさまざまな不利益が生じるため、そのような不利益を回避するために、被疑者勾留から少しでも早く解放を目指すことが重要となります。
そもそも被疑者勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合や、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そのため、被疑者勾留による身柄拘束からの早期解放を実現するためには、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集・主張する必要があります。
例えば、被疑者の家族や親族が被疑者の身元を監督し、裁判所や捜査機関への出頭を確保することを約束する身元引受を行い、それを書面化すれば、被疑者による逃亡のおそれを否定し得る客観的な証拠となります。
そのような弁護活動を行い、被疑者勾留による身柄拘束からの早期解放を目指します。
ご家族やご親族が逮捕・勾留されてしまった場合には、少しでも早く弁護士に依頼して身柄拘束による不利益を回避することが重要といえます。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において傷害罪の当事者となりお困りの方、またはご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
傷害罪の当事者となり身柄を拘束されていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(駐車場に停められた車のタイヤにアイスピックを突き刺しパンクさせたケース)

2024-11-03

【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(駐車場に停められた車のタイヤにアイスピックを突き刺しパンクさせたケース)

今回は、駐車場に停められた車のタイヤにアイスピックを突き刺しパンクさせたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:駐車場に停められた車のタイヤにアイスピックを突き刺しパンクさせたケース

福岡市内の駐車場に停められた車のタイヤにアイスピックを突き刺しパンクさせたとして、福岡市の職員Aさんが器物損壊の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、被害車両の所有者Vさんがパンクに気付き警察に通報し、事件が発覚しました。
その後、犯行現場や付近の防犯カメラの映像を解析するなどの捜査を経てAさんの犯行を特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「自分がやったことに間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,器物損壊罪について

〈器物損壊罪〉(刑法第261条)

前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊罪は、他人の物を損壊し、又は傷害した場合に成立します。
他人の物」とは、前3条に規定するもの以外のすべての他人の物、すなわち公用文書等毀棄罪私用文書等毀棄罪建造物等損壊罪の客体となる物以外の他人の物すべてが器物損壊罪の客体となります。
土地や動植物が含まれるだけでなく、例えば公職選挙法に反する選挙ポスターなど法律上違法なものであっても、刑法において保護に値するものであれば、「他人の物」に含まれることになります。
損壊」とは、その物の効用を害する一切の行為をいいます。
過去の裁判例で、効用を侵害して「損壊」に当たるとしたものは、食器に放尿する行為(大審院判決明治42年4月16日)や自動車のドアハンドルの内側やフェンダーの裏側に人糞を塗り付ける行為(東京高裁判決平成12年8月30日)などがあります。
上記の事例では、AさんはVさんの車のタイヤにアイスピックを突き刺しパンクさせており「損壊し」たといえるため、Aさんには器物損壊罪が成立することが考えられます。

2,前科回避に向けた弁護活動

器物損壊罪は被害者が存在する犯罪であり、また、器物損壊罪で公訴を提起するためには被害者の告訴が必要となります。
公訴の提起に被害者の告訴を必要とする犯罪のことを親告罪といいます。
そして、公訴を提起されないということは刑事裁判が開かれず判決を言い渡されることはないということであり、前科が付くこともありません。
そのため、被害者との間で示談を成立させることが、前科回避には必要不可欠といえます。
示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできます。
もっとも、器物損壊罪の被害者は、被害を受けたことに対して強い憤りや恐怖や不安を抱えているため、当事者同士での示談交渉は上手くいかないことが考えられます。
しかし、弁護士であれば、加害者が被害者に対して、反省・謝罪の意思を有しており、被害弁償や示談金を支払う準備があることなどを被害者の方に冷静かつ丁寧に説明することができるため、被害者に方に安心していただくことで示談交渉に応じてもらえる期待が高まるといえます。
また、示談にも内容はさまざまありますが、上記のような器物損壊罪の場合には、刑事告訴の取消しや刑事告訴をしないことを内容に加えた示談を成立させることが必要不可欠といえます。
被害者の意向を汲み取りながら加害者にとって最大限有利なかたちで示談を成立させるには、刑事事件に関する高度な知識と経験が要求されるため、事件の当事者同士での示談交渉はあまり得策とはいえません。
そのため、示談交渉は、刑事事件に関する高度な知識や経験を有した弁護士に依頼されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において器物損壊罪の当事者となってしまった方、あるいはご家族等が器物損壊罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した法律事務所であり、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験しており、示談交渉についても豊富なノウハウや実績がございます。
器物損壊罪の当事者となり在宅捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が器物損壊罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)をそれぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】脅迫罪とその弁護活動(知人に対してインターネット掲示板で殺害予告をしたケース)

2024-10-31

【事例解説】脅迫罪とその弁護活動(知人に対してインターネット掲示板で殺害予告をしたケース)

今回は、知人に対してインターネット掲示板で殺害予告をしたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:知人に対してインターネット掲示板で殺害予告をしたケース

福岡県内に住む知人のVさんに対し、インターネット掲示板で殺害予告をしたとして、福岡県警察南警察署脅迫の疑いで福岡市南区に住むAさんを逮捕しました。
南警察署によりますと、AさんはVさんに対し、「町で見かけたら殺す」「家に火をつけて殺す」などと投稿しました。
その投稿を見つけたVさんが警察に通報し、IPアドレスなどを捜査した結果、Aさんを特定したとのことです。
警察の調べに対して、Aさんは「自分が書き込んだことに間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,脅迫罪について

〈脅迫罪〉(刑法第222条第1項)

生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

刑法脅迫罪は、①生命、身体、自由、名誉又は財産に対して②害を加える旨を告知して③人を④脅迫した場合に成立します。
脅迫罪における③「」とは、自然人を言い、④「脅迫」とは、一般に人を畏怖させるに足りる害悪を告知することを言います。
また、害悪の告知が相手方に伝わった時点で既遂となり、その結果として相手方が現実に畏怖したかどうかは問われません。
そのため、例えば、職場の同僚に殺害予告を内容とするメールを送ったところ、それを一読した同僚が豪胆な性格であったために畏怖しなかった場合でも、脅迫罪が成立することになります。
また、①加害の対象は、生命、身体、自由、名誉または財産に限定されています。
そして、②告知の方法については何の制限もありません。
そのため、文書、口頭、態度などいずれの方法でもよく、また、行為者が直接相手方に告知する場合でだけでなく、第三者を媒介にして間接的に告知する場合でも脅迫罪は成立します。
上記の事例では、AさんはVさんに対して、町で見かけたら殺すや家に火をつけて殺すなど一般に人を畏怖させるに足りる害悪を告知しており「脅迫」に該当するため、Aさんには脅迫罪刑法第222条1項)が成立することが考えられます。

2,不起訴処分獲得に向けた弁護活動

脅迫罪は、被害者が存在する犯罪です。
被害者との間で示談が成立していれば、不起訴処分獲得の期待が高まると言えます。
そのため、被害者との示談交渉を試みます。
もっとも、示談交渉は、事件の当事者同士でも行うことはできますが、被害者は加害者に対して恐怖や憎悪の念を抱いていることもあり、当事者同士での交渉はあまり得策とは言えません。
そこで、弁護士が間に入り、加害者が反省・謝罪の意思を有していること、被害弁償や慰謝料を支払う準備があることなどを被害者に対して冷静かつ丁寧に説明することにより、安心して交渉に臨んでいただければ、示談が成立する可能性が高まるといえるでしょう。
また、示談と一口に言っても、将来の民事訴訟を予防する単なる示談や、宥恕条項(加害者の謝罪を受け入れ、加害者に対する刑事処罰を望まないことを意味する条項)付き示談、被害届の取下げや刑事告訴の取消を内容に加えた示談など、さまざまな種類の示談があります。
これらを考慮しながら最大限有利な示談を成立させるためには、刑事事件に関する高度な知識や経験が要求されるといえ、当事者同士での示談交渉は難しいといえます。
そのため、示談交渉は、法律の専門家であり、刑事事件に関する知識や経験が豊富な弁護士に依頼することがオススメです。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において脅迫罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が脅迫罪の当事者となり身柄拘束されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験しており、当該分野において高い実績を誇ります。
脅迫罪の当事者となり在宅事件で捜査機関の捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が脅迫罪の当事者となり逮捕・勾留により身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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【事例解説】傷害罪とその弁護活動(知人に睡眠作用のある薬物を摂取させて意識障害を負わせたケース)

2024-10-24

【事例解説】傷害罪とその弁護活動(知人に睡眠作用のある薬物を摂取させて意識障害を負わせたケース)

今回は、知人に睡眠作用のある薬物を摂取させて意識障害を負わせたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:知人に睡眠作用のある薬物を摂取させて意識障害を負わせた

福岡市内の飲食店で、知人に睡眠作用のある薬物を摂取させ、意識障害を負わせたとして、会社員のAさんが傷害の疑いで逮捕されました。
Aさんは、同僚の女性Vさんと飲食店で食事していたところ、Vさんがお手洗いで席を離れた際に、Vさんの飲み物に睡眠作用のある薬物を混入し、摂取させて意識障害を負わせた疑いが持たれています。
Vさんは病院に救急搬送されて手当を受け、3日程度で症状は回復しました。
警察の調べに対して、Aさんは「薬を飲ませたことに間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,傷害罪について

〈傷害罪〉(刑法204条)

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法傷害罪は、人の身体を「傷害」した場合に成立します。
傷害」するとは、人の生理的機能を侵害することをいいます。
例えば、創傷、打撲傷や擦過傷のような外傷の他に、めまい、失神、嘔吐、中毒などの症状を引き起こさせることや、病気に罹患させたり、PTSDを発症させることなども「傷害」に該当します。
傷害」は、通常、殴る・蹴るなどの有形的方法によってなされますが、「傷害」の結果を発生させるものであれば、無形的な方法によるものでも傷害罪は成立します。
ただし、無形的方法による場合には傷害の故意が必要になります。
傷害の故意とは、人の生理低機能を侵害することへの認識、つまり自分の行為が相手の生理的機能を侵害すること認識しながら行為に及ぶことをいいます。
無形的方法による「傷害」と認められたものとして、無言電話を掛け続けて相手を精神衰弱症に陥らせた場合(東京地裁判決昭和54年8月10日)や、性病に罹患している者が自己の性器を他人の性器に押し付けて性病に罹患させた場合(最高裁判決昭和27年6月6日)、睡眠薬等による約6時間の意識障害の症状を生じさせた場合(最高裁判決平成24年1月30日)などがあります。
上記の事例では、Aさんは、睡眠作用のある薬物をVさんに摂取させ、加療約3日を要する意識障害を負わせており、Vさんを「傷害」したといえるため、Aさんに傷害罪が成立することが考えられます。

2,不起訴処分獲得に向けた弁護活動

傷害罪は、被害者が存在する犯罪です。
そのため、被害者との示談交渉を試み、示談が成立すれば、不起訴処分獲得の期待が十分に持てます。
示談と一口に言っても、内容は多岐にわたり、事件を当事者で解決することを約束し将来の民事訴訟を予防するという単なる示談や、宥恕(加害者の反省・謝罪を受け入れ、加害者に対する刑事処罰を望まないことを意味)付き示談や、被害届の取下げや刑事告訴の取消しを内容に加えた示談などがあります。
示談交渉は当事者同士でも行うことはできますが、事件の被害者は、加害者に対して強い恐怖や憎悪の感情を有していることも少なくないため、加害者から直接連絡されることに抵抗感を抱き、そもそも示談交渉に応じていただけない可能性もあります。
そのため、被害者の意向を汲み取りつつ、少しでも有利な内容で示談を成立させて不起訴処分の獲得を実現するには、刑事事件に関する高度な知識や経験が要求されるため、当事者同士での示談交渉はあまり得策とは言えません。
示談交渉は、法律の専門家であり、刑事事件に強い弁護士に依頼するのがオススメです。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において傷害罪の当事者となりお困りの方、またはご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
傷害罪の当事者となり身柄を拘束されていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】傷害罪と弁護活動(タバコを注意されて面識のない男性の顔面を拳で殴り怪我をさせたケース)

2024-10-12

【事例解説】傷害罪と弁護活動(タバコを注意されて面識のない男性の顔面を拳で殴り怪我をさせたケース)

今回は、タバコを注意されてトラブルとなり、面識のない男性の顔面を拳で殴り怪我をさせたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:タバコを注意されて面識のない男性の顔面を拳で殴り怪我をさせたケース

福岡市のマンションの敷地内で、面識のない住人の男性Vさんの顔面を拳で殴り怪我を指せたとして、自営業のAさんが傷害の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、マンションの敷地内が禁煙だったにもかかわらずAさんがタバコを吸っていたことから、Vさんが注意するとトラブルになり、Vさんの顔面を拳で殴ったとのことです。
Vさんは、唇を切る怪我を負いました。
トラブルを見ていた周囲の人が警察に通報し、Aさんはその場で逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは「注意されたことに腹が立った」と容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,傷害罪について

〈傷害罪〉(刑法204条)

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法傷害罪は、人の身体を「傷害」した場合に成立します。
傷害」するとは、人の生理的機能を侵害することをいいます。
例えば、創傷、打撲傷や擦過傷のような外傷の他に、めまい、失神、嘔吐、中毒などの症状を引き起こさせることや、病気に罹患させたり、PTSDを発症させることなども「傷害」に該当します。
傷害」は、通常、殴る・蹴るなどの有形的方法によってなされますが、「傷害」の結果を発生させるものであれば、無形的な方法によるものでも傷害罪は成立します。
ただし、無形的方法による場合には傷害の故意が必要になります。
傷害の故意とは、人の生理低機能を侵害することへの認識、つまり自分の行為が相手の生理的機能を侵害すること認識しながら行為に及ぶことをいいます。
無形的方法による「傷害」と認められたものとして、無言電話を掛け続けて相手を精神衰弱症に陥らせた場合(東京地裁判決昭和54年8月10日)や、性病に罹患している者が自己の性器を他人の性器に押し付けて性病に罹患させた場合(最高裁判決昭和27年6月6日)などがあります。
上記の事例では、AさんはVさんに対して顔面を殴るという暴行を加えて、唇を切る怪我を負わせており「傷害」しているといえるため、Aさんには傷害罪が成立することが考えられます。

2,不起訴処分獲得に向けた弁護活動

傷害罪は、被害者が存在する犯罪であるため、被害者と示談交渉を試みます。
被害者との間で示談が成立すれば、不起訴処分の獲得が十分に期待できます。
示談交渉は、事件の当事者同士でもできますが、被害者は加害者から直接連絡されることに恐怖や不安を感じている場合も多く、加害者に対して強い処罰感情を有していることから示談交渉に応じてもらえない可能性もあります。
しかし、弁護士が間に入り、加害者が反省・謝罪の意思を有していること、被害弁償を行う準備があることなどを被害者に丁寧かつ冷静に説明すれば、示談交渉に応じてもらえる可能性が高まります。
また、示談と一口に言っても内容は様々であり、宥恕(加害者の謝罪を受け入れ、加害者に対する刑事処罰を望まないという意味)付き示談や、被害届の取下げや刑事告訴の取下げを内容に加えた示談などがあります。
これらを内容に加えた示談を成立させるには、刑事事件に関する知識や経験が豊富で、交渉に強い弁護士に依頼することがオススメです。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において傷害罪の当事者となりお困りの方、またはご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
傷害罪の当事者となり身柄を拘束されていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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【事例解説】偽計業務妨害罪とその弁護活動(「爆弾を仕掛けた」と虚偽の110番通報をして警察の業務を妨害したケース)

2024-10-09

【事例解説】偽計業務妨害罪とその弁護活動(「爆弾を仕掛けた」と虚偽の110番通報をして警察の業務を妨害したケース)

今回は、「爆弾を仕掛けた」と虚偽の110番通報をして警察の業務を妨害したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:「爆弾を仕掛けた」と虚偽の110番通報をして警察の業務を妨害したケース

福岡市博多区にある事務所に爆弾を仕掛けたと虚偽の110番通報をして警察の業務を妨害したとして、福岡県警博多警察署は、福岡市博多区に住むAさんを偽計業務妨害の疑いで逮捕しました。
Aさんは自宅の固定電話から「爆弾を仕掛けた」などと虚偽の110番通報をして警察の業務を妨害した疑いが持たれています。
博多署によると、通報を受けて署員は事務所に臨場しましたが爆弾は見つからず、Aさんの通報が虚偽であることが発覚し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「生活が上手くいかないストレスでやってしまった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,偽計業務妨害罪について

〈偽計業務妨害罪〉(刑法233条後段)

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

偽計業務妨害罪は、刑法信用毀損罪とともに第233条に定められており、虚偽の風説を流布または偽計を用いることにより、人の信用を毀損した場合には信用毀損罪が、業務を妨害した場合には偽計業務妨害罪が成立することになります。
虚偽の風説を流布」とは、客観的真実に反する噂や情報を不特定又は多数人に伝播させることをいいます。
例えば、そのような事実は無いのに、「あのスーパーで取り扱っている生鮮食品はすべて消費期限が切れている」という噂を、不特定又は多数人に広めた場合などが「虚偽の風説を流布」に該当します。
偽計」とは、人を欺き、あるいは人の錯誤・不知を利用したり、人を誘惑したりするほか、計略や策略を講じるなど、威力以外の不正な手段を用いることをいいます。
人を欺き、あるいは人の錯誤・不知を利用する「偽計」には、例えば、インターネットの掲示板に虚偽の犯行予告を書き込んだ場合などが挙げられます。
計略や策略を講じるなど威力以外の不正な手段を用いるものとしては、上記の事例のように比較的短期間で多数回の無言電話をかけ続けることなどが挙げられます。
業務」とは、職業その他社会生活上の地位に基づいて反復・継続して行う事務又は事業をいいます。
そして、「妨害」の結果は実際に業務が妨害されることは必要ではなく、業務の平穏かつ円滑な遂行が妨害されるおそれのある行為がされれば、偽計業務妨害罪は成立します。
このように、犯罪の結果が実際に発生しなくても、結果が発生するおそれがあれば犯罪の成立が認められる犯罪のことを抽象的危険犯といい、偽計業務妨害罪の他、現住建造物等放火罪などがあります。
上記の事例では、Aさんは事務所に爆弾を仕掛けたという虚偽の110番通報は「偽計」に該当し、それにより警察の「業務を妨害」しているため、Aさんには偽計業務妨害罪が成立する可能性があります。

2,身体拘束の回避に向けた弁護

偽計業務妨害罪で逮捕され、それに続いて勾留されてしまった場合、最長で23日間、身柄拘束をされて捜査機関による取調べを受けることになります。
被疑者は、身柄拘束期間中、一挙手一投足を厳しく規制・監視される過酷な環境に身を置かれ、また、家族や友人など外部との交流も制限されることになります。
そして、身柄拘束中は、会社員など勤め人であれば出勤できなくなり職を失うことや、自営業者であれば仕事ができなくなり収入を失うなど、さまざまな不利益を被ることが考えられます。
そのため、勾留による身柄拘束の回避に向けた弁護活動を行うことで、そのような不利益を回避することが望ましいと言えます。
被疑者勾留は、検察官の請求に対する裁判官の決定により行われます。
そのため、そもそも検察官に勾留請求させないという働きかけや、裁判官に勾留請求却下させるという働きかけを行い、被疑者勾留を回避するための弁護活動が考えられます。
被疑者勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そのため、被疑者にそれらの要件が認められないことを示す客観的な証拠や事情を、意見書という形で検察官・裁判官に提出することで、被疑者勾留の回避を目指します。
逮捕段階・勾留請求前であれば、勾留請求に対する意見書を提出する機会が2回あるため、身柄拘束からの解放を考えている場合には、少しでも早く弁護士に依頼することをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において偽計業務妨害罪の当事者となってしまった方、あるいはご家族等が偽計業務妨害罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験してきました。
偽計業務妨害罪の当事者となりお困りの方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が偽計業務妨害罪の当事者なり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(職場の同僚女性の水筒などに唾や尿を入れたケース)

2024-10-06

【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(職場の同僚女性の水筒などに唾や尿を入れたケース)

今回は、職場の同僚女性の水筒などに唾や尿などを入れたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:職場の同僚女性の水筒などに唾や尿を入れたケース

福岡市内にある会社で、同僚女性Vさんの水筒などに唾や尿などを折れた疑いで、同会社に勤める従業員Aさんが器物損壊の疑いで逮捕されました。
Aさんは複数回にわたり、Vさんが職場を外出中に、Vさんの水筒やバッグなどに唾や尿を入れて飲めない状態にした疑いが持たれています。
警察によると、Vさんが自分のバッグを触られた形跡があり不審に思い、職場に小型カメラを設置していたところ、AさんがVさんの水筒やバッグなどに唾や尿を入れる姿が映っていたとのことです。
警察の調べに対して、Aさんは「間違いありません」と供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,器物損壊罪について

〈器物損壊罪〉(刑法261条)

前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊罪は、他人の物を損壊し、又は傷害した場合に成立します。
他人の物」とは、刑法の前3条に規定するもの以外のすべての他人の物、すなわち公用文書等毀棄罪私用文書等毀棄罪建造物等損壊罪の客体となる物以外の他人の物すべてが器物損壊罪の客体となります。
土地や動植物が含まれるだけでなく、例えば公職選挙法に反する選挙ポスターなど法律上違法なものであっても、刑法上保護に値するものであれば、「他人の物」に含まれることになります。
損壊」とは、その物の効用を害する一切の行為をいいます。
過去の裁判例で、効用を侵害して「損壊」に当たるとしたものは、食器に放尿する行為(大審院判決明治42年4月16日)や自動車のドアハンドルの内側やフェンダーの裏側に人糞を塗り付ける行為(東京高裁判決平成12年8月30日)などがあります。
上記の事例では、AさんがVさんの水筒やバッグなどに唾や尿を入れた行為は、Vさんの水筒やバッグなど「他人の物」の効用を害する行為である「損壊」に当たるため、器物損壊罪が成立する可能性があります。
また、器物損壊罪における「傷害」とは、傷害罪における「傷害」とは異なり、動物を客体とする場合を指し、動物の肉体や健康を害し、さらに死亡させる場合も含まれます。

2,身体拘束からの早期解放を目指す弁護活動

器物損壊罪逮捕・勾留されると、最長で23日間、身柄を拘束され、捜査機関による取調べを受けることになります。
その間、被疑者は身体の自由を厳しく規制され、家族や友人など外部との連絡を取ることも制限されます。
また、上記の事例のように、被疑者が会社に勤めている場合、身柄拘束中は出勤することが出来なくなりますが、無断で長い間会社を休めば職を失う可能性もあります。
そうなれば、被疑者は収入減を失い、身柄解放後の社会生活に多大な影響が出てしまうことでしょう。
そこで、早期の身柄解放を目指す弁護活動を行います。
そもそも、被疑者に勾留が認められるのは、被疑者が住居不定、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合です。
そのため、勾留の要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集・主張していくことが重要となります。
例えば、被疑者の犯行が映っている防犯カメラが既に捜査機関に押収されているとの事情があれば、被疑者が証拠を隠滅することは難しいといえるため、被疑者による証拠隠滅のおそれを否定し得る客観的な事情となると言えます。
上記のような活動を行い、被疑者の早期の身柄解放を目指します。
ご家族等が逮捕・勾留されてしまい、早期の身柄解放をお求めの場合には、少しでも早い段階で弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において器物損壊罪の当事者となってしまった方、あるいはご家族等が器物損壊罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した法律事務所であり、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験しており、示談交渉についても豊富なノウハウや実績がございます。
器物損壊罪の当事者となり在宅捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が器物損壊罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)をそれぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】強要未遂で逮捕された場合とその弁護活動(被害女性に対して刃物を向けて服を脱ぐよう脅したケース)

2024-10-03

【事例解説】強要未遂で逮捕された場合とその弁護活動(被害女性に対して刃物を向けて服を脱ぐよう脅したケース)

今回は、被害女性に対してカッターナイフを向けて服を脱ぐよう脅したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:被害女性に対して刃物を向けて服を脱ぐよう脅したケース

福岡県警察東警察署は、強要未遂の疑いで福岡市東区に住む会社員Aさんを逮捕しました。
Aさんは、東区にあるコンビニエンスストアの前で、通りがかった面識のない女性に対してカッターナイフを向け、「刺されたくなかったら服を脱げ」と脅した直後、周囲に人がいることに気付いて逃走した疑いが持たれています。
コンビニエンスストアやその周辺の防犯カメラの映像を解析して、Aさんの犯行を特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「間違いありません」と容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,強要罪について

〈強要罪〉(刑法第223条)

第1項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
第3項 前2項の罪の未遂は、罰する。

刑法強要罪は、①生命、身体、名誉若しくは財産に対し②害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、③人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した場合に成立します。
②「脅迫」とは、相手方の生命、身体、名誉若しくは財産に対して害を加える旨を告知することをいいます。
暴行」とは、相手方が恐怖心を抱き、それにより行動の自由が侵害される程度の有形力の行使をいいます。
また、「暴行」は、相手方に直接向けられる必要はなく、物に対する暴行であったとしても、それにより相手方が恐怖心を抱き、行動の自由を侵害されていれば「暴行」に該当します。
③「義務のないことを行わせ」とは、相手方に義務が無いのに一定の行為をすること(作為)や、一定の行為をしないこと(不作為)を受け入れることを強制することをいいます。
例えば、相手方に義務が無いのに土下座や謝罪をすることを強制することなどが挙げられます。
権利の行使を妨害した」とは、公法上・私法上の権利行使を妨害することをいいます。
告訴権者に告訴を行わせないことなどが具体例として考えられます。
また、強要罪は、脅迫または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせる、または権利の行使を妨害するという結果を発生させた場合に成立するため、脅迫・暴行行為と結果との間に因果関係が存在しなければなりません。
そのため、例えば、犯人が暴行・脅迫行為を行ったが、相手方が恐怖心を抱かず、憐みの情から義務のないことを行った場合には、強要罪は既遂とはならず、未遂にとどまります。
上記の事例では、AさんはVさんにカッターナイフを向けて「刺されたくなかったら服を脱げ」と脅迫しているものの、それによりVさんが恐怖心を抱き、実際に服を脱いだとの事情もないため、強要未遂罪が成立することが考えられます。

2,示談成立に向けた弁護活動

強要罪は被害者が存在する犯罪であるため、被害者との示談交渉を試みます。
示談が成立すれば、逮捕・勾留による身柄拘束からの早期解放や、不起訴処分獲得が期待できます。
示談と言っても内容はさまざまあり、事件を当事者間で解決し将来の民事訴訟を予防する単なる示談や、宥恕(加害者に対して刑事処罰を望まないことの意味)付き示談、被害者が刑事告訴や被害届を提出する場合には、刑事告訴の取消しや被害届の取下げを内容に加えた示談などがあります。
もっとも、これらの内容を加えた示談を成立させるためには、刑事事件に関する専門的な知識や経験が要求されるといえるため、示談交渉のプロである弁護士に一任されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において強要未遂罪の当事者となりお困りの方、またはご家族等が強要未遂罪で身柄を拘束されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
強要未遂罪で身柄拘束されずに捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が強要未遂罪で身柄を拘束されてしまった方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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【事例解説】公務執行妨害罪とその弁護活動(近隣住民とのトラブルで駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだケース)

2024-09-14

【事例解説】公務執行妨害罪とその弁護活動(近隣住民とのトラブルで駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだケース)

今回は、近隣住人とトラブルになり、通報を受けて駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:近隣住民とのトラブルで駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだケース

福岡市城南区で、通報を受けて駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだとして、城南区在住のAさんが公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されました。
福岡県警察城南警察署によりますと、Aさんは、近所の住民とゴミの出し方で口論となり、その住人が警察に通報したところ、駆け付けた警察官に対して悪態をつき、胸ぐらを掴んだとのことです。
警察の調べに対し、Aさんは「カッとなってやってしまった」と容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,公務執行妨害罪について

〈公務執行妨害罪〉(刑法95条1項)

公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

刑法公務執行妨害罪は、①公務員が②職務を執行するに当たり、③暴行又は脅迫を加えた場合に成立します。
①「公務員」とは、法令により公務に従事する職員をいいます。
法令とは、法律、命令、条例を指します。
公務とは、国または地方公共団体の事務をいいます。
職員とは、法令上の根拠に基づき国または地方公共団体の機関として公務に従事する者をいます。
②「職務を執行するに当たり」とは、公務の執行の際に、という意味であり、また執行される職務については適法なものであることが要求されます。
仮に違法であっても公務であれば保護されるとなれば、それは公務員の身分や地位を保護することになり、公務執行妨害罪が公務の円滑の執行、すなわち公務を保護するとした趣旨に反すると考えられているからです。
職務」とは、ひろく公務員が取り扱う各種各様の事務のすべてであるとされています。(最高裁判決昭和53年6月29日
③「暴行又は脅迫を加えた」における「暴行」とは、不法な有形力の行使を言い、「脅迫」とは、相手方を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知を言います。
公務執行妨害罪が公務の円滑な執行を保護している趣旨からすれば、暴行または脅迫は、公務員による職務の執行を妨害するに足りる程度のものであれば良いと考えられています。
また、「暴行」は、直接公務員の身体に向けられる必要はなく、職務執行を妨害するに足りる程度の暴行と言えれば、間接的に公務員に向けられた暴行(間接暴行)でも、公務執行妨害罪は成立します。
過去の裁判例では、覚せい剤取締法違反の現行犯逮捕の現場において、警察官に証拠として差し押さえられた覚せい剤入り注射液入りアンプルを足で踏みつけて破壊した事案では、間接暴行により警察官の職務執行を妨害したとして、公務執行妨害罪の成立を認めています。(最高裁判決昭和34年8月27日
また、公務執行妨害罪は、公務員が職務を執行するに当たり、暴行または脅迫が加えられた時点で既遂となり、現実に職務執行が妨害されたことを要しません。
上記の事例で考えると、警察官という「公務員」に対して胸ぐらを掴むという「暴行」を加えた時点で、公務執行妨害罪は既遂となります。

2,身体拘束回避に向けた弁護活動

公務執行妨害罪で逮捕されると、最長で72時間、捜査機関により身柄を拘束されます。
そして、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合、検察官は、担当裁判官に対して、勾留請求します。
そして、勾留請求が認められると、被疑者は勾留されることになり、原則として10日、さらに必要があると判断された場合には10日を超えない範囲で延長が認められるため、最長で20日間、身柄を拘束されることになります。
勾留の最中、被疑者は厳しく行動を規制され、また、家族や友人など外部との接触も制限される可能性があり、身体的にも精神的にも大きな負担や恐怖を抱えることになります。
そして、勾留されれば当然ながら会社に出勤することなどもできなくなるので、職を失い、収入が無くなる可能性もあります。
このように、勾留による身柄拘束にはさまざまな不利益が考えられます。
そこで、勾留による身柄拘束を回避するための弁護活動を行います。
前述したように、被疑者勾留は、被疑者が住居不定、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に、検察官が裁判官に勾留請求し、認められた場合に勾留されることになります。
そのため、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集し、検察官や裁判官に対して勾留の必要性がない旨の意見書を提出し、勾留による身柄拘束の回避を目指します。
例えば、被疑者の家族が被疑者を監督することを約束する身元引受書があれば、それは被疑者の逃亡のおそれを否定し得る客観的な証拠となるため、それを意見書に添付して検察官に提出することができます。
もっとも、勾留に対する意見書は、被疑者が勾留される前に検察官や裁判官に提出する必要があるので、逮捕された場合には、少しでも早く弁護士に依頼することをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内においてご家族が公務執行妨害罪の当事者となり警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験しており、当該分野において高い実績を誇ります。
ご家族等が公務執行妨害罪の当事者となり身柄を拘束されてしまった方のもとの弁護士が面会に赴く初回接見サービス(有料)をご用意しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】傷害罪とその弁護活動(コンビニで他の客と口論になり仲裁に入った従業員を殴って怪我させたケース)

2024-08-26

【事例解説】傷害罪とその弁護活動(コンビニで他の客と口論になり仲裁に入った従業員を殴って怪我させたケース)

事例:コンビニで他の客と口論になり仲裁に入った従業員を殴って怪我させたケース

福岡県警察城南警察署は、福岡市城南区にあるコンビニエンスストアにおいて、男性従業員Vさんに暴行を加えて怪我を負わせたとして、福岡市城南区に住む会社員Aさんを傷害の疑いで逮捕しました。
城南警察署によりますと、Aさんは客としてコンビニエンスストアに訪れ、別の客と口論になり、Vさんが仲裁に入ったところ、Vさんの顔を殴ったとのことです。
Vさんは口から出血する怪我を負いました。
警察の調べに対して、Aさんは「気が高ぶりつい殴ってしまった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,傷害罪について

〈傷害罪〉(刑法204条)

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法傷害罪は、人の身体を「傷害」した場合に成立します。
傷害」するとは、人の生理的機能を侵害することをいいます。
例えば、創傷、打撲傷や擦過傷のような外傷の他に、めまい、失神、嘔吐、中毒などの症状を引き起こさせることや、病気に罹患させたり、PTSDを発症させることなども「傷害」に該当します。
傷害」は、通常、殴る・蹴るなどの有形的方法によってなされますが、「傷害」の結果を発生させるものであれば、無形的な方法によるものでも傷害罪は成立します。
ただし、無形的方法による場合には傷害の故意が必要になります。
傷害の故意とは、人の生理低機能を侵害することへの認識、つまり自分の行為が相手の生理的機能を侵害すること認識しながら行為に及ぶことをいいます。
無形的方法による「傷害」と認められたものとして、無言電話を掛け続けて相手を精神衰弱症に陥らせた場合(東京地裁判決昭和54年8月10日)や、性病に罹患している者が自己の性器を他人の性器に押し付けて性病に罹患させた場合(最高裁判決昭和27年6月6日)などがあります。
上記の事例では、AさんはVさんに対して顔を殴るという暴行を加えて、口から出血させる怪我を負わせており「傷害」しているといえるため、Aさんには傷害罪が成立することが考えられます。

2,身柄拘束の回避に向けた弁護活動

傷害罪で逮捕されると、被疑者は警察で24時間、その後検察に身柄を送検されて48時間、身柄を拘束され、取調べを受けることになります。
そして、検察官が必要があると判断した場合、裁判官に対して勾留請求し、認められれば、被疑者は勾留されることになります。
被疑者勾留は、逮捕に比べて身柄拘束期間が長く、原則として10日、さらに必要があると判断された場合には10日を超えない範囲で延長が認められるため、最長で20日間身柄を拘束されます。
上記の事例のように、被疑者が会社に勤めている場合には、勾留が続いている間は仕事を休まなければなりませんが、10日間も無断で休ませてもらえる会社はなかなか存在しないため、被疑者は職を失う可能性があります。
また、被疑者に養う家族がいれば、収入減がなくなり、経済的に苦しい状況になる可能性もあります。
そのため、弁護士は、検察官・裁判官に対して勾留に対する意見書を提出します。
被疑者勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者に証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そこで、弁護士は、被疑者が逮捕されて勾留を請求されている段階であれば、勾留の必要性がないことを示す意見書を提出します。
それにより検察官の勾留を請求しなければ、被疑者は釈放されることになります。
それでも検察官が勾留請求した場合には、裁判官に対して意見書を提出し、勾留決定しないよう働きかけます。
このように、勾留を阻止する機会は2回ありますが、勾留決定されてからではその機会を失うため、逮捕されてしまった場合にはできるだけ早く弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において傷害罪の当事者となりお困りの方、またはご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
傷害罪の当事者となり身柄を拘束されていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

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