Archive for the ‘暴力事件’ Category

【事件解説】警察官にいたずら行為を行い偽計業務妨害罪で逮捕

2023-06-22

 いたずら行為(偽計)により警察官の職務を妨害したとして、偽計業務妨害罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件概要

 福岡市在住の自営業男性A(23歳)は、警察官へのいたずら目的で、同市内の交番勤務の警察官Vの面前で、小麦粉の入った小さなビニール袋を故意に落とし、慌てた様子で拾って逃走しました。
 Vは、違法薬物を所持したAが逃走を図ったと誤信してAを追跡し、その後Aの所持していたものは小麦粉であると判明しましたが、Aは、偽計を用いて警察官の職務を妨害したとして、偽計業務妨害罪の容疑で逮捕されました。
(過去に起きた実際の事件(判例)に基づき、一部事実関係を変更したフィクションです。)

偽計業務妨害罪の「偽計」とは

 公務員の職務の執行の妨害に対する罪としては公務執行妨害罪(刑法第95条)がありますが、本件AはVに対し、同罪の要件である「暴行又は脅迫」を加えた訳ではないため、偽計を用いて人の業務を妨害した場合に成立する偽計業務妨害罪(刑法第233条)で逮捕されたと考えられます。

 「偽計を用いて」とは、詐欺罪の欺罔行為よりその範囲は広く、人を欺罔・誘惑すること、又は人の錯誤・無知を利用することとされます。

 通常、警察官の面前で白い粉の入った小さなビニール袋を落とし、慌てて拾って逃走すれば、警察官は白い粉を違法な薬物ではないかと誤信することが予想されるため、本件AはV対し、「偽計を用いた」と認定され得ます。

偽計業務妨害罪の「業務」と本件で妨害された業務

 「業務」とは、職業その他の社会生活上の地位に基づき反復継続して行われる事務・事業とされますが、公務員の職務が業務妨害罪の保護する「業務」に該当するかについて、妨害行為を排除する自力執行力を有する「権力的公務」でなければ、「業務」に該当し得るとされます。

 警察官の職務であっても、「権力的公務」でない限り「業務」に該当し得るため、例えば110番へ無言電話を多数行い警察官の通常業務(「非権力的公務」)を妨害した場合は、(威力)業務妨害罪が成立するとされます。

 本件Vの追跡行為は、薬物事犯の取締りという「権力的公務」のため、偽計業務妨害罪は成立しないというAの主張も考えられますが、妨害されたのはあくまで、いたずら行為がなければ本来遂行されたはずの当直等の警察官Vの通常業務(「非権力的公務」)であるとして、偽計業務妨害罪の成立が認定される可能性は高いです(判例同旨)。

警察官に対する偽計業務妨害罪の弁護活動

 偽計業務妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
 通常、被害者が存在する事件で犯罪の成立に争いがない場合、有効な弁護活動として被害者への被害弁償及び示談交渉を行うことが考えられますが、本件被害者は警察官Vであるため、示談成立により不起訴を目指すということはあまり考えられません。
 しかし、そのような場合であっても、反省の態度を示すため、Vに対して誠意のある謝罪を行うことや、被害弁償示談金の代わりとして贖罪寄付を行うことなど、不起訴処分刑の減軽の可能性を高める弁護活動を行うことは可能です。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件に強く、様々な刑事事件において不起訴処分刑の減軽を獲得した実績があります。
 偽計業務妨害罪でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

傷害の共犯事件 手を出していないのに警察から呼び出し

2023-06-03

手を出していないのに警察から呼び出されたという傷害の共犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

高校生A君は、友人が起こした後輩に対する傷害事件の共犯として飯塚警察署に呼び出されて取調べを受けています。
かねてからA君は、友人から「最近、後輩が生意気だ。一度、ヤキ入れてやる。」と聞かされており、事件の日は、友人に頼まれて暴行現場に後輩を連れて来て、その現場に居合わせただけで全く手を出していないA君は、共犯として取調べを受けている事に納得できません。
(フィクションです)

傷害罪

人を暴行して傷害を負わせたら傷害罪となります。
傷害罪の罰則規定は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」なので、起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内で刑事罰を受けることとなりますが、A君は高校生(少年)なので、この法定刑は適用されず、家庭裁判所に送致後は少年法に基づいた手続きが進みます。

共犯

二人以上の者が共謀して犯行に及んだ場合は共犯として刑事罰の対象となります。
共犯が成立するためには

①共謀が行われたこと。
②共謀に基づいて実行行為があったこと。

の2つの要件が必要とされています。
ここでいうところの「共謀」とは、二人以上の者が、特定の犯罪を行うために謀議することをいいます。

今回の事件は、友人に頼まれたA君が、被害者である後輩を暴行現場に連れてきています。
かねてからA君は、友人から「最近、後輩が生意気だ。一度、ヤキ入れてやる。」と聞かされていたので、友人が暴行することを知って、後輩を暴行現場に連れてきましたが、後輩に対する暴行には加担していません。
この様な場合も、傷害罪の共犯が成立するのでしょうか?

まず、暴行の実行行為に加わらなかった者も共犯になるのかという問題ですが、実際に暴行していなくても、事前に暴行する事の共謀があって、後輩を犯行現場に連れて来たのであれば、共犯として認められるでしょう。
また、そもそも共謀があったのかという点についてですが、過去の裁判では

『犯罪の実行について相互に意思の連絡があれば、犯行の手段や、方法等に具体的な謀議がなくても「共謀」があったことになる』

とされています。
また意思の連絡方法については、必ずしも口頭によるものでなくてもいいので、A君と友人の間で「後輩を暴行する」という統一の意思を相互が共有していれば、共謀が認められる可能性は高いでしょう。

まずは弁護士にご相談ください

傷害事件共犯が認められるか否かは、警察の取調べに対して、どのように対応し、どのような内容の調書が作成されるかによります。
福岡県内の暴力事件でお困りの方、傷害事件の共犯で警察の取調べを受けておられる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

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強盗犯に反撃 正当防衛は成立するのか!?

2023-05-25

強盗犯に反撃した事件を参考に、正当防衛の成否について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事例

福岡県八女市に住む会社員のAさんは、会社帰りに夜道を歩いていたところ、大柄の若い男に金を出せと脅されました。

Aさんは、お金を取られたくなかったのもあり出し渋っていたところ、男の内1人が殴りかかってきたので、Aさんは、この男の身体を両手で突き飛ばしました。
そうしたところ、男がバランスを崩し倒れてコンクリートの地面に頭を打ちつけて気を失ってしまいました。
(フィクションです。)

強盗犯に反撃したAさんの行為が正当防衛になるのかを検証!

正当防衛

犯罪が成立するためには、犯罪の構成要件に該当し、違法で、有責といえる必要がありますが、正当防衛が成立すると、この違法性が阻却されるため刑事罰を受けません。

刑法第36条

急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。

正当防衛の成立要件

正当防衛が成立するためには

「急迫不正の侵害」に対して
「自己又は他人の権利」
「防衛するため」
「やむを得ずにした行為」

である必要があります。

「急迫不正の侵害」とは、違法な法益侵害が現に存在しているか、又は間近に押し迫っていることをいいます。
ここでいう「不正」とは、違法であればよく、有責であることまで必要とされません。

「自己又は他人の権利」とは、生命、身体、財産などの法律上保護に値する権利のことをいいます。

「防衛するため」といえるには、防衛の意思が存在する必要があります。
防衛の意思の内容としては、侵害の認識と侵害に対応する意思があれば足り、防衛の意思と攻撃の意思とが併存している場合でも、必ずしも防衛の意思を欠くものではないとされています。
もっとも、積極的加害意思があるような場合は、防衛の意思は否定されます。

「やむを得ずにした行為」とは、防衛行為としての必要性と相当性を有する行為のことをいいます。

必要性とは、侵害を防ぐために必要な行為であることをいいますが、緊急避難のようにそれ以外に法益保全の手段がないことや必要不可欠な手段であることまでは要求されていません。
次に、相当性とは、防衛する手段として必要最小限度のものであることをいいます。これは、武器対等の原則を念頭に、性別、年齢、力量等も考慮して判断されます。

Aさんは正当防衛になるのか?

Aさんは、夜道でいきなり金を要求された後、男の一人から殴りかかられているので、「急迫不正の侵害」は認められるでしょう。

また、Aさんは自らの身を守るために、とっさに反撃しているものの、その行為は相手の身体を突き飛ばしただけなので、積極的加害意思は認められませんので、「自己の権利」「防衛するため」「やむを得ずにした行為」ともいえるでしょう。
以上の状況だけを考慮すると、Aさんの行為には正当防衛が認められる可能性が高いでしょう。

正当防衛を主張するのであれば

正当防衛を主張したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、刑事事件専門の弁護士による法律相談を初回無料で、また逮捕されてしまった方のもとに弁護士を派遣する 初回接見サービス を即日対応しています。
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猫にエアガンを発射 猫を傷付けた場合の刑事責任は

2023-05-07

猫にエアガンを発射して、猫を傷付けた場合の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

福岡県北九州市に住むAさん(20歳)は、大受験に失敗し、浪人生活をしています。
そんな生活を送るAさんは受験勉強でストレスがたまり、たまに近所にある公園で、猫に向けてエアガンを発射してストレスを解消していました。
人目に付かないように夜中に自宅を抜け出してこのような行為に及んでいたのですが、近所では公園で傷付いた猫がよく発見されると噂になっており、住民が福岡県戸畑警察署に届け出たようです。
(フィクションです。)

動物愛護法違反

猫に向けてエアガンを発射して猫を傷付けると、動物愛護法違反に抵触します。
動物愛護法とは「動物の愛護及び管理に関する法律」の略称です。
この法律は主に、動物の虐待を防止したり、動物の飼い主やペット業者に責任や義務を課すための法律です。
動物愛護法の対象となる動物は、犬、猫、牛、馬等の哺乳類だけでなく、鳥類や爬虫類で、犬や猫などの一部の動物においては、特定人物の占有下にあるか問われない、つまり俗に言う「野良犬、野良猫」でも対象となります。
そして、この動物愛護法の第44条第2項で、動物に対する虐待を禁止しています。
これに違反して動物を虐待すれば「100万円以下の罰金」が科せられるおそれがあるので注意しなければなりません。
ちなみに、猫に向けてエアガンを発射する行為自体が、虐待行為に当たるので、実際に発射したエアガンの弾が、猫に命中するか否かは違反が成立するかどうかに関係ないとされています。

器物損壊罪

虐待した動物が人の所有物だった場合は、刑法第261条に規定されている器物損壊罪が適用されるでしょう。
器物損壊罪とは、他人の物を損壊する事を禁止する法律で、罰則規定は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」です。
損壊とは、物そのものの形を変更又は滅失させる場合だけでなく、その物の効用を害する一切の行為が損壊に当たるとされています。
人が植えた植物を引き抜いたり、飲食店の食器に放尿する行為、人が飼っている動物を故意的に死傷させる行為も器物損壊罪に当たるとされています。

器物損壊罪は親告罪

器物損壊罪は、親告罪です。
親告罪は、被害者をはじめとした告訴権者による告訴がなければ、検察官は起訴をすることができません。
また告訴は、一度取り下げると、同じ犯罪事実で再度告訴することができません。
そのため器物損壊罪のような親告罪逮捕された場合は、検察官が起訴するか否かを決定するまでに、被害者が告訴を取り下げれば、絶対に起訴を免れることができます。

福岡県北九州市の刑事事件に強い弁護士

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傷害事件で在宅捜査 在宅事件と私選弁護士について~②~

2023-05-01

~前回からの続き~

在宅事件と弁護士 

何らかの刑事事件で捜査を受ける場合、弁護士による刑事弁護を受けたいとお考えになる方もおられると思います。
しかし、在宅事件の場合、起訴前は国から弁護士(国選弁護人)が選任されることはありません。
つまり、ご自身で弁護士を探して私選弁護人を選任するしかないのです。
今回のような傷害事件では、被害者との示談が必要という場合に、私選弁護人を選任する必要性は高いでしょう。
といいますのは、当事者である加害者が被害者と示談交渉すること非常に困難だからです。
しかし、そのまま示談交渉せずにいると、手続きが進んでしまい、起訴され、刑事場合を受け、結果として何らかの刑罰を受けなけばならなくなるかもしれません。
そうした事態を回避したい場合は、起訴前から私選弁護人を選任する必要があるでしょう。

私選弁護士を選任するデメリット

私選弁護人を選任する最大のデメリットはもちろん、国選弁護人の場合と異なり弁護士費用を負担しなけばならないことでしょう。
弊所でもそうですが、通常、どの法律事務所でも契約時に弁護士費用の一部である「着手金」を支払う必要があります。
この着手金は事件の結果にかかわらず支払わなければならないものです。
つまり、被疑者と示談交渉ができなかった、交渉はできたが示談を成立させることができなかった、などという場合でも支払う必要があります。

まずは相談

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傷害事件で在宅捜査 在宅事件と私選弁護士について~①~

2023-04-28

傷害事件で在宅捜査を受けている事件を参考に、在宅事件と私選弁護士について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

傷害事件の在宅捜査

福岡県宗像市にある運送会社の倉庫で働いているAさんは、1週間ほど前に同じ倉庫で働いている従業員とトラブルになり、相手の従業員の顔面を拳で殴ってしまいました。
その場は、上司が仲裁に入って何事もなくおさまったのですが、相手の従業員が病院で診断を受け、診断書と共に、福岡県宗像警察署被害届を提出したらしく、Aさんは警察署から呼び出しを受けました。
警察官曰く、在宅事件として捜査が進むらしく、今後の刑事罰を避けたいAさんは、私選弁護人を選任することを検討しています。
~フィクションです。~

在宅事件

刑事事件は大きく分けると、在宅事件と身柄事件に分けることができます。
身柄事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留)を受けている事件です。
対して、在宅事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留)を受けていない事件です。

刑事事件というと、身柄事件をイメージされる方も多いでしょう。
確かに、身柄事件の方が社会的耳目を集めやすくマスコミなどによく取り上げられることから、こうしたイメージを抱かれることも致し方ないことかもしれません。
しかし、刑事事件の多くは在宅事件です。
つまり、捜査機関が人を拘束するのはあくまでも例外的措置ですから、身柄事件の数自体は刑事事件の全体の割合からすると少ないのです。

しかし、身柄事件の場合も在宅事件の場合も捜査機関による取調べなどの捜査を受けた後、何らかの刑事処分(起訴、不起訴)を受け、起訴された場合は刑事裁判を受けなければならないという点では全く異なるところはありません。

検挙(逮捕など)→捜査(取調べなど)→刑事処分(起訴、不起訴)→刑事裁判

ただ、身柄事件の場合、身柄拘束があくまで例外的措置であることから法律上時間的制約が設けられています。
つまり、逮捕から刑事処分までは最大で23日しか身柄を拘束することができないとされており、その間、検察が刑事処分を決することができない場合は被疑者を釈放しなければなりません。
対して、在宅事件の場合、こうした時間的制約はありません。
したがって、在宅事件は身柄事件の「後回し」にされることがよくあり、検挙から刑事処分まで数か月、数年を要した、という例も珍しくはありません。

~次回に続く~

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山口県内の刑事事件に即日対応している弁護士

2023-04-25

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山口県の刑事事件(傷害罪)で逮捕

無職のAさん(60代・男性)は、下関市内の国道を運転中に、通行トラブルになった相手の車のドライバーと口論となり、その後、そのドライバーの顔面を複数回殴って、鼻を骨折させる傷害を負わせてしまいました。
目撃者の通報で駆け付けた山口県下関警察署の警察官に逮捕されたAさんは、逮捕の二日後に傷害罪での勾留が決定し、現在は山口県下関警察署勾留されて、警察の取調べを受けています。
現在、国選弁護人がAさんの弁護活動を行っていますが、Aさんの家族は、刑事事件に強い私選弁護人への切り替えを希望しています。
(フィクションです。)

傷害事件の弁護活動

まず傷害罪については

刑法第204条

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

と、刑法に規定されています。
人に傷害を負わせる方法は、暴行によるものがほとんどですが、暴行以外(例えば毒を盛ったり、病原菌に感染させるといった方法)であっても傷害罪は成立します。

Aさんのように、傷害罪で警察に逮捕されて、その後勾留が決定した方の弁護活動は、まずは起訴されないための活動がメインとなります。
そして傷害罪の場合、被害者との示談があるかどうかが、起訴されるかどうかに大きく影響します。
起訴されるかどうかは、勾留の最終段階ですので、勾留期間中に被害者との示談を締結しなければ起訴される可能性が高くなるのです。
ですから弁護士は、この勾留期間中に被害者との示談交渉を行い、示談の締結を目指します。

被害者との示談交渉

被害者との示談交渉は、まず警察や検察庁といった捜査機関に対して被害者情報の開示を求め、開示された連絡先に弁護士から電話をして示談交渉を開始します。
被害者との交渉では、示談金や、示談の条件などを話し合いで取り決め、最終的に書面を取り交わして示談金をお支払いするのですが、電話や書面の郵送で行われることがほとんどとなります。

刑事事件専門の弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件専門に扱っている法律事務所です。
これまで数多くの被害者様と示談を締結してきた実績がございますので、山口県内の刑事事件でお困りの方は、是非一度、ご相談ください。
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福岡市西区の殺人事件 自殺に関するSNSで知り合った高校生が逮捕

2023-03-01

高校生が逮捕された福岡市西区の殺人事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件内容(こちらの記事を引用しています。)

福岡県警は、福岡市西区の海岸で起こった殺人事件で、被害者の男性と事件前までやり取りしていた男子高校生(17歳)を殺人容疑で逮捕しました。
記事によりますと、被害者は砂浜に置かれた1人用テントから上半身を出した状態で発見され、首にはひもが巻き付いていたようで、その後の司法解剖で、死因が頸部圧迫よる窒息と判明しました。
被害者のスマートホンの解析から、逮捕された男子高校生と事件前に自殺に関するSNSで知り合ったことが判明し、海岸近くの防犯カメラに男子高校生の姿が撮影されていたことが今回の逮捕の決め手となったようです。
この事件を報じる別の記事によりますと、逮捕された男子高校生は逮捕後の取調べに対して「一緒に死ぬつもりだった。」と供述しているようです。

少年(17歳)による殺人事件

殺人罪は、数ある刑事事件の中でも凶悪な事件の一つで、犯人が成人の場合は非常に厳しい刑事罰は科せられる可能性が高いです。
ただ非常に稀ではありますが、情状等で酌むべき事情がある場合は、執行猶予が付く場合もあります。
ただ今回の事件で逮捕されたのは17歳の少年です。
警察や検察庁による事件捜査を終えると、その後の手続きは成人事件とは異なる手続きとなります。
検察庁から家庭裁判所送致され、そしてそこで、再び検察庁に送致(逆送)されるかが検討されて、検察庁に送致(逆送)された場合は成人と同じ、刑事裁判で刑事罰が決定することとなります。
17歳による殺人事件は、原則逆送事件ですので、今回逮捕された17歳の少年が、今後、何らかの刑事罰を受ける可能性は高いでしょう。

今後の捜査

逮捕された少年は、被害者がした一緒に自殺する人を募る投稿を見て、それに応じて被害者の男性と合流した後に事件を起こしたとされています。
今後の捜査では、今回の事件が、単なる殺人なのか、それとも同意殺人なのかが問題となるでしょう。
仮に、被害者の男性が、逮捕された男子高校生に対して殺害を嘱託したり、殺害に承諾していた場合は、殺人罪ではなく、嘱託殺人罪や、承諾殺人罪が適用されることになります。

福岡県の刑事事件に強い弁護士

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北九州市の傷害事件 故意がなくても傷害罪は成立するの?~②~

2023-02-23

~昨日のコラムからの続き~

故意じゃなくても傷害罪は成立するの?

今回の事例に挙げた刑事事件は、Aさんが同僚に対して行った行為が、暴行罪・傷害罪・過失傷害罪のどれに該当するかということが問題になります。
暴行行為をしたが相手に怪我がなかった場合は暴行罪となり、暴行行為によって相手が怪我をした場合は傷害罪となります。また、不注意で相手を怪我させてしまった場合は過失傷害罪です。
それぞれの犯罪について規定している条文は、以下の通りです。

暴行罪(刑法第208条)

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

傷害罪(刑法第204条)

人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

過失傷害罪(刑法第209条)

過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。

昨日のコラムで解説したように、犯罪は故意でなければ、特別な規定がない限り処罰されません。
今回、Aさんは警察に対し「殴ったことは認めるが、怪我を負わせるつもりはなかった」と主張しています。
殴った行為は認めているため、Aさんには暴行罪故意はあったとなりますが、怪我を負わせたことに対しては認めていないため、Aさんに傷害罪の故意はなかったとなります。

ただ、傷害罪の故意に関しては、昭和25年11月9日に最高裁で判決された内容で「(傷害罪の)成立には傷害の原因たる暴行についての意思が存在すれば足り、特に傷害の意思の存在を必要としないのである。」と記載されています。

つまり、暴行における傷害罪故意に関しては『暴行罪に対する故意があれば傷害罪は成立する』と解釈されています。
なので、今回の刑事事件では、Aさんは同僚に対する暴行罪の故意は認めて暴行行為を行った結果、同僚に怪我を負わせているので、Aさんに傷害罪の故意がなくても傷害罪が成立することになります。

傷害罪の刑事弁護活動

今回のAのように、故意でなくても傷害罪が成立してしまうと、警察から取り調べを受けた後に検察に送致され、検察官に起訴判断されると公判(裁判)が開かれる可能性があります。
公判が開かれると、実刑判決が下されたり前科がついてしまったりと、今後の生活に大きな支障をきたします。
弁護士に依頼すれば、弁護人として不起訴処分の獲得や判決減刑を目指して活動してくれるので、傷害罪による刑事事件を起こしてしまった際は、弁護士に刑事弁護を依頼することをお勧めします。

刑事事件に強い福岡県の弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、傷害罪による刑事事件で不起訴処分を獲得した実績が数多くある弁護士が多数在籍しています。
ご自身で傷害事件を起こしてしまった方や、ご家族が傷害事件で逮捕されてお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。

北九州市の傷害事件 故意がなくても傷害罪は成立するの?~①~

2023-02-22

故意ではなくても相手に怪我を負わせた場合は、傷害罪が成立するのかということについて、事例を元に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

北九州市八幡東区にある会社で勤務している男性Aさん(27歳)は、同じ職場の同僚のの男性(26歳)に腹を立てて顔面を一発殴打し、同僚に全治2週間ほどの顔面打撲の怪我を負わせました。
同僚は、福岡県八幡東警察署に、医師の診断書と共に被害届を提出し、Aさんは警察から任意の取り調べを受けることになりましたが、「殴ったことは認めるが、怪我を負わせるつもりはなかった」と主張しています。
(フィクションです。)

故意とは?

「故意」を、分かりやすく表現すると「わざと」となりますが、刑法上の「故意」とは、「犯罪事実の認識・認容があること」と解釈されます。

刑法は、故意である犯罪のみを処罰することを原則としています。
これを規定している条文は、刑法第38条1項です。

刑法第38条1項

罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

上記条文に記載されている「罪を犯す意思」故意を指しています。
「罪を犯す意思」とは、犯罪が成立する要件(犯罪事実)に該当することをわかった上(認識)で、犯罪を犯しても構わない(認容)と思う意思のことです。
つまり、前述したように、刑法上の「故意」とは「犯罪事実の認識・認容があること」になります。

また、刑法第38条1項には、例外として故意でなくても処罰される場合もあることを、ただし書きで規定しています。
条文に記載されている「特別の規定」とは、自分の不注意で相手に被害を負わせる「過失」も処罰対象になると規定されている犯罪を指します。
過失傷害罪過失致死罪などが、刑法第38条1項のただし書きに記載されている「特別の規定」に該当します。

~明日のコラムに続く~

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