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【事例解説】電子計算機使用詐欺罪とその弁護活動(電子マネーを不正送金した架空の事例に基づく解説)

2024-01-24

 この記事では、架空の事例を基に、電子計算機使用詐欺罪がどのような場合に成立し、弁護活動がどのように展開されるかを解説します。

事例紹介:電子マネーを不正送金したケース

 北九州市在住の同市職員の男性Aが、同市在住の会社員女性Vのスマートフォン上の電子決済アプリのアカウントから、Vになりすまして虚偽の送金情報を入力し、自身のアカウントに8万円相当の電子マネーを不正送金したとして、電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕されました。
 警察の調べによると、AとVは飲食店で知り合った後にA宅で過ごし、翌日Vが帰宅後に自身のアカウントの電子マネー残高が減っていることに気づき、同署に相談したことから捜査が開始され、送金履歴などからAの不正送金が発覚したとのことです。
Aは、電子計算機使用詐欺の容疑を認めています。
(事例はフィクションです。)

電子計算機使用詐欺罪とは

 人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて、財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、財産上不法の利益を得た者は、10年以下の懲役に処する、と定められています(刑法第246条の2)。

 詐欺罪(刑法第246条)が、人を欺き財物を交付させたり、財産上の利益を得た場合などに成立するのに対し、電子計算機使用詐欺罪は、「電子計算機」(パソコン、スマートフォンなどの電子機器全般)に虚偽の情報を入力することなどにより、財産上の利益を不正に得る場合などに成立します。

 「虚偽の情報」とは、電子計算機のシステムにおいて予定されている事務処理の目的に照らし、その内容が真実に反する情報、とされます。
 電子マネーの送金は、通常本人の意思に基づき行われるものであるため、送金する約束もないのに本人になりすまして入力した送金情報は、真実に反する「虚偽の情報」に当たると考えられます。

 また、「財産権の得喪若しくは変更に係る電磁的記録」について、ネットバンキングの預金残高や電子決済アプリの電子マネー残高は、通常これに該当します。

 本件で、送金する約束もないのにVになりすまして入力した送金情報によって、「不実の電磁的記録」が作出されたといえ、不正送金した金額が、自身のアカウントの電子マネー残高に反映された時点で、Aは当該残高相当の電子マネーを自由に利用することができると考えられるため、「財産上不法の利益」を得たものと通常認められます。

 よって、本件Aの不正送金行為は、電子計算機使用詐欺罪が成立し得ると考えられます。
 なお、AがVの電子決済アプリのアカウントに不正にログインした行為については、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(不正アクセス禁止法)第3条違反が別途成立する可能性があります(法定刑は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金)。

市役所職員による電子計算機使用詐欺事件の刑事弁護

 電子計算機使用詐欺罪は罰金刑の定めがないため、起訴され有罪となった場合、執行猶予が付く可能性はありますが、懲役刑が科せられることとなります。

 Aは地方公務員であることから、起訴され有罪となり懲役刑が科せられた場合、執行猶予が付いたとしても、地方公務員法第16条1号で定める「禁錮以上の刑に処せられた者」に該当し、原則として失職することとなります(同法第28条4項)。

 そのため、不起訴処分の獲得を目指して、早期に被害者に対する謝罪及び被害弁償を行った上、示談成立に向けた交渉を行うことが重要ですが、本件のような詐欺事件では、銀行や電子決済アプリ運営会社がVに被害金額を補填する場合もあり、示談交渉の相手先が必ずしもVとは限らない可能性もあります。
 よって、示談交渉を行うに際しては、事前に十分な検討を要するため、刑事事件に強く、詐欺事件の示談交渉の経験豊富な弁護士への相談をお勧めします。

福岡県の電子計算機使用詐欺事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、電子計算機使用詐欺などの詐欺事件において、示談成立による不起訴処分を獲得した実績が多数あります。
 電子マネーの不正送金などの電子計算機使用詐欺事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事例解説】事件後長期間経過後に性被害を訴えられた事件(元教え子から示談金を請求された架空の事例に基づく解説)

2024-01-21

 元教え子から、在校中に行ったわいせつな行為での示談金の支払いを請求された架空の事件を参考に、令和5年法改正による性犯罪の公訴時効期間の延長や、事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事例紹介:元教え子から強制わいせつの示談金を請求された教員のケース

 久留米市内の高校教員Aは、7年程前に、当時担任していた18歳の女子生徒Vの身体を抑えつけ、身体を触るなどのわいせつな行為を行いました。
 最近になり、VからAに対し、示談金200万円を支払わないと、在校中に受けたわいせつな行為の件で、警察に被害届を出す旨の連絡がありました。
 Aは、7年程前の事件のため既に公訴時効期間が経過しているのではないかと思い、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

旧強制わいせつ罪(現不同意わいせつ罪)の公訴時効

 AがVに対して行った行為は、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をしたとして、旧刑法第176条の強制わいせつ罪に該当し得ると考えられます。

 強制わいせつ罪は、令和5年法改正により、現行法では不同意わいせつ罪となりましたが、AがVにわいせつな行為を行ったのは、現行法の施行前であるため、施行後に被害を訴えられたとしても、旧法の強制わいせつ罪が適用されます。

 公訴時効とは、犯罪から一定期間が経過した場合には、犯人を処罰することができなくなる制度です。
 強制わいせつ罪の公訴時効期間は7年でしたが、令和5年法改正において、性犯罪は、その性質上、恥ずかしさなどの感情から、被害申告が難しい場合もあることなどが考慮され、現行法の不同意わいせつ罪の公訴時効期間は、7年から12年に延長されました(刑事訴訟法第250条3項3号)。

 なお、改正法施行時に公訴時効期間が進行中の事件は、延長された新しい公訴時効期間が適用されることとなるため、強制わいせつ罪であっても、改正法施行時に7年の公訴時効期間が経過していなければ、公訴時効期間が12年に延長となります。

 そのため、本件でAがVに対するわいせつな行為を行った具体的な年月日によっては、強制わいせつ罪の公訴時効期間が12年に延長される結果、公訴時効期間が経過していない可能性があると考えられます。

事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合の刑事弁護

 公訴時効期間が経過していれば、通常、刑事事件化されることもなくなるため、事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合、訴えの内容により成立し得る罪と公訴時効期間の経過について検討する必要があります。

 公訴時効期間は、対象となる罪の法定刑の長短等に応じて大きく変わるため、成立し得る罪の検討は、慎重に行う必要があります。
 例えば、本件において、被害者が、わいせつな行為によりPTSDを発症したと訴える場合、強制わいせつ致傷罪が成立する可能性があり、この場合、公訴時効期間は15年(現不同意わいせつ致傷罪であれば20年)と、大幅に長期化します。

 また、令和5年法改正により、性犯罪の被害者が18歳未満の場合、被害申告が特に難しいであろうことを考慮し、被害者が18歳になるまでの期間が公訴時効期間に加算されることとなりました。
そのため、18歳未満の者に対する性犯罪の場合は、被害者が18歳になってから公訴時効期間が実質進行することにも留意する必要があります。

 以上のことから、事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合、特に性犯罪では公訴時効期間等が大幅に改正されたこともあるため、刑事事件に強い弁護士に相談し、公訴時効期間の経過の可能性、刑事事件化のリスクや取るべき対応などについて、慎重に検討することをお勧めします。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、性犯罪をはじめとする様々な刑事事件における弁護活動の豊富な実績があります。
 事件後長期間経過後に被害を訴えられるなどして、今後の対応についてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事例解説】建造物侵入罪での否認事件の弁護活動(女性用浴場に侵入し逮捕された架空の事例に基づく解説)

2024-01-18

 入浴施設の女性用浴場に侵入したとして、建造物侵入の容疑で逮捕された架空の事件を参考に、建造物侵入罪の成立と故意を否認する事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事例紹介: 入浴施設の女性用浴場に侵入したケース

 入浴施設の女性用浴場に侵入したとして、直方市在住の会社員男性Aが、建造物侵入の容疑で逮捕されました。
 福岡県直方警察署の調べによると、女性客から「男が入ってきた」と相談を受けた従業員が、女性用浴場でAを取り押さえ、警察に通報したとのことです。
 Aは、「女性用浴場に入った事実は認めるが、男性用浴場と間違えて入ってしまった」などと供述し、容疑を一部否認しているとのことです。
(事例はフィクションです。)

建造物侵入罪とは

 正当な理由がないのに、人の看守する建造物に侵入した場合は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する、とされています(刑法第130条)

 「建造物」とは、住居、邸宅以外の建物一般を指します。入浴施設は、人(施設の管理人)が看守している「建造物」にあたるといえます。

 建造物侵入罪における「侵入」とは、建造物の管理権者の意思に反して立ち入ることとされ、入浴施設の女性用浴場に男性が立ち入ることは、通常、施設の管理人の意思に反するものと考えられます。

故意を否認する事件の刑事弁護

 刑法第38条第1項で、罪を犯す意思がない行為は、法律に特別の規定がある場合を除いて罰しない、と規定されています。
 「罪を犯す意思」は「故意」とも呼ばれ、犯罪事実を認識・認容しているときに故意があるとされます。故意がない場合、外形的には犯罪の構成要件に該当する行為を行った場合であっても、過失犯処罰規定などの特別の規定がない限り、罰せられないこととなります。

 本件Aは、女性用浴場に男性用浴場と間違って入ったと供述しており、これは、入浴施設の管理人の意思に反する立ち入りという、建造物侵入罪における「侵入」を行うことの認識・認容、即ち故意がなかったという主張になります。
 建造物侵入罪には、過失犯処罰規定などの特別の規定がないため、故意が認定されなければ、Aは罰せられないことになります。

 故意を否認する事件の場合、弁護活動としては、被疑者の主張に合理性が認められるよう、被疑者や家族、関係者などから、被疑者の生活状況や事件の経緯などを聴き取ったり、客観的な証拠を収集したりした上で、嫌疑不十分による不起訴処分を目指すことが考えられます。

 本件でいえば、Aの入浴施設の利用状況・回数、女性用浴場と男性用浴場の入れ替えの有無や表示の仕方、利用客の多寡、取り押さえられた際のAの様子などの諸般の事情から、男性用浴場と間違って女性用浴場に入ったというAの供述が不合理でなく、故意が認められるか疑わしいことを、検察官に対して、意見書などで的確に主張する必要があると考えられます。

 なお、このような否認事件の場合は、逮捕後に勾留されて、身体拘束が長期化することや、捜査機関による取調べが厳しくなる可能性が高くなることが考えられるため、逮捕後早い段階で、刑事事件に強い弁護士に依頼し、身体拘束からの解放に向けた弁護活動を行ってもらうことや、取調べ対応についてのアドバイスを受けることをお勧めします。

福岡県の建造物侵入事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、否認事件において、嫌疑不十分による不起訴処分や無罪判決を獲得している実績があります。
 建造物侵入罪の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【少年事件解説】19歳の「少年」による強盗事件(架空の特定少年事件に基づく解説)

2024-01-15

 この記事では、19歳の「少年」による架空の強盗事件を基に、少年法における「特定少年」による事件の刑事手続きと弁護活動について解説します。

事例紹介:福岡県の19歳の少年による強盗事件

 福岡県在住の19歳の少年Aが、県内の高齢女性の自宅に押し入り、脅迫を用いて現金を奪ったとして、強盗の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

少年法における「特定少年」とは

 少年法においては、20歳未満の者を「少年」として扱います(少年法2条1項)。この点、民法の改正により成人年齢が満18歳となりましたが、20歳未満であれば「少年」として扱われます。
 少年法では、14歳以上20歳未満の者で、罪を犯した者を「犯罪少年」として取り扱いますが、成人年齢が引下げになったことに伴い、犯罪少年のうち18歳以上の者を「特定少年」とし、18歳未満の犯罪少年による少年事件の場合と取り扱いを区別しています。

原則逆送の対象となる場合

 少年法では、少年が死刑、懲役、または禁錮に相当する罪を犯した場合、家庭裁判所は、その少年を検察官に送致することが定められています(少年法20条1項)。この送致を「逆送」と呼び、少年法における保護処分ではなく、成人と同様の刑事処分が検討されることになります。

 特定少年の場合は、これに加えて、
・故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件(例.殺人、傷害致死)であって、事件のとき16歳以上の場合
・死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件(例.現住建造物放火、強盗、不同意性交等)であって、事件のとき18歳以上の場合を犯した場合
も、原則として逆送されます(少年法62条2項)。
 ただし、犯行の動機、態様、結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状、環境などを考慮し、刑事処分以外の措置が相当と認められる場合には、この限りではありません。

 逆送された後、検察官が捜査を行い、起訴するべき事案であると判断された場合、特定少年は成人の刑事手続きと同様に公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。

弁護士の役割

 原則逆送事件の場合、先述のとおり刑事罰が科せられるおそれがあります。

 そのため、少年事件の弁護人・付添人の経験が豊富な弁護士に依頼をし、少年として保護処分を課すことが相当である事件であることを積極的に主張し、逆送を回避、あるいは逆送後に再送致(逆送を受けた検察官の判断で家庭裁判所に改めて送致する手続き)に付するべき事案であることを積極的に主張していくことが考えられます。

福岡県の少年事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、主に刑事事件や少年事件を取り扱っており、少年事件における弁護活動や付添人活動の豊富な実績があります。
 強盗事件でご家族の少年が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

【事例解説】危険運転致傷罪とその弁護活動(赤信号を故意に無視して歩行者を負傷させた架空の事例に基づく解説)

2024-01-12

 この記事では、福岡県での架空の交通事故を基に、危険運転致傷罪とその弁護活動について、解説します。

事例紹介:福岡県での赤信号無視事故

 福岡市在住のAは、仕事からの帰宅を急ぐあまり、赤信号を故意に無視し、時速約50キロで交差点に進入しました。その結果、横断歩道を渡っていた歩行者Vに衝突し、重傷を負わせる事故が発生しました。
(事例はフィクションです。)

赤信号無視と危険運転致傷罪の成立

 危険運転致死傷罪とは、以下の(1)~(6)の行為を行うことにより人を負傷又は死亡させた場合に成立する犯罪です。(「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下「自動車運転処罰法」)第2条に規定)

(1)アルコール・薬物の影響により正常な運転が困難な状況で自動車を走行させる行為
(2)進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(3)進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
(4)人・車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人・車に著しく接近し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(5)赤信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(6)通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 本事例での赤信号無視は、(5)に該当し、Aに危険運転致傷罪が成立する可能性があります。

危険運転致傷罪の法定刑

 赤信号無視による危険運転致傷罪の法定刑は、15年以下の懲役のため、危険運転致傷罪で有罪になった場合には必ず懲役刑が科されることになります。(自動車運転処罰法第2条)
 危険運転致傷罪の場合、被告人の行為の故意性、危険性、及びその結果が重視され、これらの要素に基づいて刑罰が決定されることとなります。実際の判決では、事故の具体的な状況や被害者の状態、加害者の過去の運転歴などが考慮されることが一般的です。
 このように、危険運転致傷罪は、単なる交通違反を超えた重大な犯罪行為として扱われ、厳しい法的対応が求められます。

過失運転致傷罪との違い

 危険運転致傷罪と過失運転致傷罪は、運転中の行為の意図によって区別されます。
 過失運転致傷罪は、運転者が必要な注意を怠った結果、人に怪我を負わせた場合に成立します。例えば、赤信号を青信号と誤認して事故を起こした場合、これは過失によるものと認定されると、過失運転致傷罪が適用される可能性があります。過失運転致傷罪の法定刑は最大7年の懲役または100万円以下の罰金です。
 一方、危険運転致傷罪は、運転者が意図的に交通法規を無視し、その結果として人に怪我を負わせた場合に適用されます。この罪は、運転者の故意性と行為の危険性が重視され、上記の通り、過失運転致傷罪より重い刑罰が科される可能性があります。

取調べと供述の重要性

 取調べの過程は、危険運転致傷罪の訴訟において極めて重要です。警察や検察官による取調べでは、事故の状況や運転者の意図が詳細に調査されます。
 この過程での供述は、後の裁判での証拠として使用されるため、運転者の発言が法的な結果に大きな影響を及ぼすことがあります。例えば、赤信号を故意に無視したかどうか、事故当時の運転者の状態や意識などが重要な焦点となります。
 誘導された供述や誤解に基づく供述は、運転者に不利な証拠となる可能性があります。したがって、取調べにおいては、運転者が自身の行動を正確に、かつ慎重に説明することが求められます。
 また、弁護士のアドバイスやサポートを受けることは、適切な供述を行い、法的なリスクを最小限に抑える上で非常に重要です。この段階での正確な供述は、適切な法的評価を受けるための基盤となります。

福岡県の危険運転致傷事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、危険運転致傷事件などの交通違反事件における弁護活動の豊富な実績があります。
 福岡県での危険運転致傷事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事例解説】薬物事件での弁護活動における贖罪寄付(麻薬を所持して逮捕された架空の事例に基づく解説)

2024-01-09

 この記事では、架空の麻薬及び向精神薬取締法違反事件を基に、薬物事件での弁護活動における贖罪寄付について、解説します。

麻薬及び向精神薬取締法違反とは

 麻薬及び向精神薬取締法は、麻薬や向精神薬の製造、輸出入、所持、使用、および販売を規制する法律です。この法律の主な目的は、薬物乱用の防止と公衆衛生の保護にあるとされます。
 「麻薬」には、ジアセチルモルヒネ等(ヘロイン)、コカイン、モルヒネなど、76種の薬物が指定されています。麻薬の所持は、ジアセチルモルヒネ等の場合は特に重く10年以下の懲役、それ以外の麻薬の場合は7年以下の懲役に処するとされています(同法第64条の2、第66条)。
 また、麻薬の販売や製造に関与した場合、さらに重い刑罰が科されることがあります。

事例紹介:福岡市の会社員の逮捕

 福岡市在住のAさんは、友人から麻薬を購入し、定期的に自宅で使用していました。
 Aさんの友人が逮捕されたことが契機となり、Aさんの自宅に警察の家宅捜索が行われて麻薬が発見され、Aさんは麻薬及び向精神薬取締法違反の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

薬物事件における贖罪寄付の意義

 麻薬及び向精神薬取締法違反などの薬物事件においては、被疑者(被告人)の過去の犯罪歴、事件の具体的な状況、および被疑者(被告人)の再犯防止可能性など、様々な要素が考慮された上、刑事処分が決定されることとなりますが、贖罪寄付は一定の役割を果たすと考えられます。
 贖罪寄付とは、公的な団体や社会福祉団体などに対して、反省の意を示すために行われる寄付のことです。この寄付は、被疑者(被告人)が自らの行為に対して真摯に反省していることを、捜査機関や裁判所に示す手段として用いられます。

 薬物事件では一般的に、直接的な被害者が存在しないことから、被害者との示談締結による刑事処分の軽減を目指すことが難しいため、贖罪寄付は薬物事件での弁護活動における有用な手段の一つと考えられます。

 当然ながら、贖罪寄付をおこなうだけでなく、薬物依存治療プログラムへの参加やカウンセリングの受講など、再発防止に向けた取組みを行うことも重要です。

贖罪寄付の実施方法

 贖罪寄付の実施には、特定の手順と考慮すべき要素があるため、刑事事件の弁護活動の経験豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。
 弁護士は、寄付先の選定や寄付額の決定において、同種の前例なども考慮しながら、適切なアドバイスを提供することが可能です。
 また、寄付の実施や寄付が行われたことの証明書の捜査機関や裁判所への提出も、通常、弁護士を通じて行うこととなります。この証明書は、被疑者(被告人)が反省していることを示す重要な証拠となり得ます。

福岡県の薬物事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、麻薬及び向精神薬取締法違反事件などの薬物事件における弁護活動の豊富な実績があります。
 福岡県での薬物事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事例解説】詐欺利得罪とその弁護活動(タクシーに無賃乗車して逮捕された架空の事例に基づく解説)

2024-01-06

 この記事では、架空の事例を基に、無賃乗車による詐欺利得罪の成立とその弁護活動について、解説します。

事例紹介:タクシーに無賃乗車して逮捕された事例

 大牟田市在住の男性Aが、タクシーに無賃乗車したとして、詐欺の容疑で逮捕されました。
 福岡県大牟田警察署の調べによると、Aは深夜、福岡市内でタクシーに乗車し、目的地付近の大牟田市内のコンビニでタクシーの停車中に、運賃と高速道路料金の計約1万1000円を支払わず逃走しようとしたところを、運転手Vに発見され警察に通報されたとのことです。
 Aは、「知人に会いに行くためにタクシーに乗車した。所持金はなく、料金を支払わないつもりでいた。」と供述し、詐欺の容疑を認めています。
(事例はフィクションです。)

財産上の利益を得る詐欺罪とは

 詐欺には通常、金品等の「財物」を交付させる刑法246条第1項の詐欺と、役務の提供等の「財産上の利益」を得る同条第2項の詐欺があり、本件は、タクシーの運転という役務の提供を行わせたものであるため、第2項の詐欺罪の適用が考えられます。

 第2項の詐欺罪の成立には、通常、(ア)人を欺く行為により、(イ)相手方が錯誤に陥り、(ウ)それによって、相手方が財産上の利益を供与し、(エ)行為者又は第三者が財産上の利益を得ること、が必要とされます。

 本件Aは、(ア)料金を支払う資力も意思もないにもかかわらず、それを秘してタクシーに乗車し目的地を告げるという、運転手Vを「欺く」行為を行い、(イ)VはAが料金を支払うものと誤信し、(ウ)それによって、目的地に向けてタクシーの運転を開始し、(エ)Aは目的地に向かうタクシーに乗車したという「財産上の利益」を得たものとして、第2項の詐欺罪が成立すると考えられます。

 なお、Aは目的地到着前にタクシーを下車し逃走していますが、タクシーが目的地に向けて走り始めた段階で既に利益を得たものとして、第2項の詐欺罪の既遂犯が成立すると考えられます。

タクシーの無賃乗車による詐欺事件の刑事弁護

 第2項の詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役刑のみであるため、動機や犯行態様の悪質性、被害金額の程度や被害弁償の状況などから、検察官が起訴するべきと判断した場合は、公開の法廷での正式な裁判となります。

 タクシーの無賃乗車事件の場合、詐欺の故意の認定のために、乗車時点で運転手を騙す意思があったのか取調べで追及されることとなりますが、本件Aはこれを認める供述をしています。
なお、料金は支払うつもりだったとして、仮に詐欺の故意を争おうとしても、所持金などが手元になかった上、停車中に逃走したという状況では、故意を争うのは難しいと思われます。

 そのため、起訴猶予による不起訴処分の獲得を目指して、タクシー会社への未払い運賃の弁償を行った上、示談の成立を目指すことが考えられますが、被害者が会社などの場合は、会社の方針等により示談交渉を拒まれる場合が相当数あり、被害者が個人の場合に比べて、示談交渉が難航するおそれもあることから、刑事事件に強く、示談交渉の経験豊富な弁護士への相談をお勧めします。

福岡県の詐欺利得事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、詐欺罪などの財産犯の刑事事件において、示談成立による不起訴処分を獲得している実績があります。
 詐欺事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事例解説】凶器準備集合罪とその弁護活動(金属バットを持って喧嘩に参加して逮捕された架空の事例に基づく解説)

2024-01-03

 この記事では、架空の事例を基に、凶器準備集合罪の成立とその弁護活動について、解説します。

事例:金属バットを持って喧嘩に参加したケース

 対立する不良グループと喧嘩するために凶器を準備して集合したとして、不良グループに所属する男性A(21歳)ら8名が逮捕されました。
 Aらは、対立する不良グループと喧嘩するために、北九州市内の公園で鉄パイプや金属バットなどの凶器を準備して集合していたとみられ、異変に気付いた近隣住民が警察に通報し、駆け付けた福岡県小倉南警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
 Aは、喧嘩に参加するために金属バットを持って集合したとして、凶器準備集合の容疑を認めています。
(事例はフィクションです。)

凶器準備集合罪とは

 2人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する、と定められています(刑法第208条の2第1項)。

 凶器準備集合罪は、他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的(共同加害目的)での集合を処罰の対象とすることで、後に予想される、殺人、傷害、暴行、建造物損壊、器物損壊など、個人の生命・身体・財産に対する危険からの保護とともに、公共的社会生活の平穏を保護するものとされています。

 凶器準備集合罪における「凶器」とは、その性質上、又は使用方法によっては、人を殺傷し得る器具、とされます。
 銃砲刀剣類のように、その器具本来の性質上、人を殺傷する用に供されるもののみならず、ゴルフクラブ等、使用方法によっては、人を殺傷し得る器具も含まれます。

 なお、同罪における「準備」とは、必要に応じていつでも加害行為に使用しうる状態に置くこといい、「集合」とは、2人以上の者が共同の行為をする目的で、一定の時刻、一定の場所に集まることをいいます。

 本件Aは、対立する不良グループとの喧嘩という「共同加害目的」で、身体に殴打すれば人を殺傷し得る「凶器」となる金属バットを準備して「集合」したとして、凶器準備集合罪が成立し得ると考えられます。

凶器準備集合事件で逮捕された場合の刑事弁護

 凶器準備集合罪のように、共犯者や関係者が多数にわたることのある事件では、口裏合わせ等の罪証隠滅のおそれがあるとして、逮捕に引き続き勾留される可能性が高く、さらに、事件の全容解明のための捜査に時間を要することから、勾留が延長されるなど、身体拘束が長期化する可能性もあります。

 弁護活動としては、身体拘束からの早期解放を目指して、検察官や裁判官に対し、勾留の理由(逃亡・罪証隠滅のおそれ等)や勾留の必要性がないことを主張し、勾留請求や勾留決定を行わないよう意見を申述することや、勾留が決定した後でも、その決定に対して不服申し立て(準抗告)を行うことが考えられます。

 また、凶器準備集合事件では、共犯者間の役割等によって刑事責任の重さも変わってくると考えられますが、主導的な役割(凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた)を果たした者には凶器準備結集罪が成立し、3年以下の懲役と刑が加重され得るため、不当に重い責任を負わされることのないよう、弁護士が被疑者との接見に際し、取調べ対応についてアドバイスを行うことも重要になると考えられます。

福岡県の凶器準備集合事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、凶器準備集合などの暴力事件において、身体拘束からの早期解放、不起訴処分や刑の減軽を獲得した実績が多数あります。
 凶器準備集合の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

【事例解説】児童ポルノ提供によるわいせつ物頒布等罪とその弁護活動(SNSで児童ポルノ販売した架空の事例に基づく解説)

2023-12-31

 この記事では、架空の事例を基に、児童ポルノ提供によるわいせつ物頒布等罪の成立とその弁護活動について、解説します。

事例紹介:SNSで児童ポルノ販売したケース

 SNSを通じて児童ポルノをインターネット上で販売したとして、福岡県行橋市の専門学校生の男Aが児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供)とわいせつ物頒布等の容疑で逮捕されました。
 警察の調べによると、Aは昨年11月、児童ポルノの画像データをファイル共有用のサーバーにアップロードし、自身のSNSで購入者を募り、ダウンロード用URLをメッセージ機能で送信して販売したとのことです。
 Aは「児童ポルノであることは認識していた。10回は売っている。」などと供述しています。
(事例はフィクションです。)

児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供)

 「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(児童買春・児童ポルノ禁止法)で、児童ポルノを提供した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する、と定められています(第7条第2項)。
 「児童」とは、18歳未満の者を指し、「児童ポルノ」とは、児童を被写体とする性的な描写のことで、例えば、性的な行為や性器を露出した写真などが該当し得ます。
 なお、不特定若しくは多数の者に「提供」した場合は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金となります(同条第6項)。

わいせつ物頒布等罪とは

 電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する、と定められています(刑法第175条)。

 「わいせつ」とは、「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」とされ、児童ポルノはわいせつ物と通常認められます。

 「頒布」とは、有料・無料を問わず不特定又は多数の者に交付することとされ、パソコンのハードディスクやインターネットのサーバーなどに記録されている画像データを他者にダウンロードさせたことは、電気通信の送信により電磁的記録を頒布した、ものにあたると考えられます。

 よって、本件Aは、「電気通信の送信」により「わいせつな電磁的記録」を「頒布」したとして、わいせつ物頒布等罪(わいせつ電磁的記録等送信頒布罪)が成立する可能性が高いです。

児童ポルノを販売した事件の刑事弁護

 児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供)は児童に対する性的搾取の防止、わいせつ物頒布等罪は善良な風俗、とそれぞれ社会的法益に対する罪とされますが、実務上は被写体となっている者が被害者的な立場で扱われることがあります。
 そのため、弁護士であれば、捜査機関から被写体となっている者の個人情報を教えてもらうことで、示談交渉により不起訴処分や刑の減軽の可能性を高める弁護活動の余地が生まれます。

 本件は被写体となっている者が児童のため、通常は児童の保護者との示談交渉になると考えられますが、保護者が子の被害に対して感情的になり、被害者本人との示談交渉の場合よりも難航する可能性が高いため、刑事事件に強く、示談交渉の経験の豊富な弁護士への相談をお勧めします。

 なお、捜査機関において被写体となっている者の特定が行われないことなどにより示談交渉ができない場合であっても、本人の反省はもとより、家族の協力等により再犯防止の環境を整えたことを申述することや、被害弁償や示談金の代わりとして贖罪寄付を行うなど、不起訴処分や刑の減軽の可能性を高める弁護活動を行うことは可能です。

福岡県の児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供)やわいせつ物頒布等罪に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、被害者との示談成立などによる不起訴処分を獲得している実績が多数あります。

 児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供)やわいせつ物頒布等罪でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事例解説】偽造通貨行使罪とその弁護活動(タクシー料金支払いに偽札を使用した架空の事例に基づく解説)

2023-12-28

 タクシー料金の支払いに偽の1万円札を使用し、偽造通貨行使の容疑で逮捕された架空の事件を参考に、偽造通貨行使罪の成立とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事例紹介:福岡市内でタクシーを利用したAさんのケース

 タクシー料金の支払いに偽の1万円札を使ったとして、福岡市在住の男性Aが偽造通貨行使の容疑で逮捕されました。
 福岡県博多警察署の調べによると、Aは同市内で夜間にタクシーを利用し、乗車料金1千円を支払う際、運転手のVに偽の1万円札を渡し、釣り銭約9千円を受け取ったとのことです。
 Aは偽造通貨行使の容疑を認めており、「カラープリンターを使って自分で偽札を作った」などと供述しているとのことです。
(事例はフィクションです。)

偽造通貨行使罪とは

 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使した者は、無期又は3年以上の懲役に処する、とされています(刑法第148条第2項)。

 同罪における「偽造」とは、通貨(貨幣、紙幣又は銀行券)の発行権者(政府、日本銀行)でない者が、真正(本物)の通貨の外観を有するものを作ることとされ、真正の通貨を加工することによる「変造」と区別されます。
 カラープリンターを使って偽札を作るという単純な場合でも、一般人から見て、真正な通貨と誤認する程度に似ていれさえすれば、「偽造」となります。
 
 同罪における「行使」とは、偽造・変造された通貨を真正な通貨として流通に置くこととされます。
 本件で、Vに乗車料金の支払いの際に偽札を渡した行為は、偽札であることを知らない他者に、料金の支払いとして偽札の占有を移転するものであり、「真正な通貨として流通に置く」もの、即ち「行使」にあたり、Aに偽造通貨行使罪が成立し得ると考えられます。

偽造通貨行使罪以外に成立し得る罪の検討

 Aは、「自分で偽札をつくった」と供述しており、真正な通貨として流通に置くという「行使の目的」を有して偽造したのであれば、通貨偽造罪(刑法第148条第1項)も成立することになりますが、通貨偽造罪と偽造通貨行使罪は、目的と手段の関係にあたる牽連犯(刑法第54条第1項後段)として、その最も重い刑(無期又は3年以上の懲役)により処断されます。

 また、Aに詐欺罪が成立しないかも問題となると考えられますが、詐欺の手段として偽造通貨を行使した場合、詐欺罪は偽造通貨行使罪に吸収されるため、別途成立しないとされます。なお、詐欺の事情は、偽造通貨行使罪の量刑判断に際して考慮され得る場合があると考えられます。

偽造通貨行使事件の刑事弁護

 偽造通貨行使罪は、罰金刑の定めがないため、起訴されると正式な裁判となる上、法定刑に無期懲役を含むことから、裁判員裁判の対象となり、通常の裁判よりも、期間が長期化することや手続きも複雑になることが考えられます。

 そのため、弁護活動としては、起訴され裁判となることを避けるために、行使の目的、回数、態様、悪質性、再犯防止の可能性などから、不起訴処分が妥当であると主張し、検察官と交渉することが考えられます。 

 また、偽造通貨行使罪は、通貨に対する公共の信用といった社会的法益を侵害する罪と考えられていますが、詐欺罪が吸収されている場合は、詐欺の被害者に対する被害弁償や示談交渉を行うことも弁護活動として必要になると考えられます。

 このように、偽造通貨行使罪は、求められる弁護活動が多岐にわたる可能性があるため、刑事事件に強い弁護士への相談をお勧めします。

福岡県の偽造通貨行使罪に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、様々な刑事事件において、不起訴処分や刑の減軽を獲得している実績があります。
 偽造通貨行使事件の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

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