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【事例解説】軽微な暴行事件における弁護活動と微罪処分(口論相手に水をかけた架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の事例を基に、軽微な暴行事件における弁護活動と微罪処分について解説します。
事例紹介:口論相手に水をかけたケース
福岡市在住の会社員男性Aが、知人の女性Vと、市内の飲食店で食事中に口論となり、故意にVの身体にグラスの水をかけました。Vに怪我はありませんでしたが、福岡県博多警察署に被害届を提出し、Aは暴行の容疑で警察の取調べを受けることになりました。
(事例はフィクションです。)
軽微な事件における微罪処分とは
警察が犯罪を認知して捜査をした場合、その書類や証拠物とともに事件を検察官に送致(報道等では「送検」と呼ばれることもあります。)しなければならないとされています(刑事訴訟法第246条本文)。送致された後、検察官が事件を引き継いで捜査の上、起訴するかを最終的に決定します。
しかし、この例外として、捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる、とされています(同条但書、犯罪捜査規範第198条)。
このように、軽微な犯罪の場合に、事件を検察官に送致せず終了させる措置のことを「微罪処分」と呼びます。
微罪処分の場合、被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒める、などの処置をとるものとされています(犯罪捜査規範第200条)。
なお、微罪処分となった事件は、被疑者の氏名や犯罪事実の要旨などが、1月ごとに一括して検察官に報告されるのみであり、起訴され刑罰を科されたり、それによって前科が付くことはないと考えられます。
暴行事件における微罪処分の要件
微罪処分の対象となる「検察官が指定した事件」については、犯罪の内容、被害者の処罰感情や犯人の前科前歴の有無などを考慮して、各地方検察庁において、具体的な基準を定めているとされます。
基準は非公開ですが、暴行事件については、概ね、以下のような基準が定められていると考えられます。
・犯行態様が軽微(共犯事件でない、武器を使用していないなど)であること
・被害者と示談が成立しており、被害者が処罰を望んでいないこと
・素行不良者でない者(粗暴犯の前科、前歴がないなど)の偶発的犯行であって再犯のおそれのないもの
軽微な暴行事件における弁護活動
暴行事件を起こした場合、被害者との示談を成立させ、示談書の中に宥恕条項(加害者の処罰を求めない旨の条項)を入れてもらうことが、微罪処分を受けるためにも重要となりますが、当事者同士では、被害者の被害感情などから示談交渉がうまくいかず、かえって示談の成立が困難になってしまうおそれがあります。
また、微罪処分を得るためには、事件が検察官へ送致される前までに示談を成立させ、その結果を警察へ報告する必要があるため、警察の捜査状況も確認しながら、示談交渉の経過を適時報告しつつ、迅速に示談交渉を進めていく必要があります。
そのため、被害者と知人関係にあるからといって、安易に自ら示談交渉を行おうとすることは避け、刑事事件に強く、示談交渉の経験豊富な弁護士に相談の上、対応を検討することをお勧めします。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、暴行事件において、検察官不送致(微罪処分)を獲得した実績があります。
自身やご家族が暴行事件を起こしてしまい、今後のことでご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部までご相談ください。
【事例解説】不同意性交等罪とその弁護活動(性交後に同意がなかったと主張された架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の事例を基に、性交の同意があったとして不同意性交等罪の成立を争う場合の弁護活動について、解説します。
不同意性交等罪とは
不同意性交等罪は、相手の同意なく性交する行為を処罰するための法律です。
この罪は、暴行や脅迫がなくとも、相手が同意する意思を持てない状態にある場合に成立する可能性があります。
例えば、相手がアルコールなどの影響で意識が不明瞭な状態や、精神的な圧力を感じている状況下での性交がこれにあたります。
令和5年の法改正により、以前の強制性交等罪は不同意性交等罪と名称が変更され、法的な扱いも更新されました。
改正後の法定刑は、5年以上の拘禁刑とされており、「拘禁刑」の施行までは「懲役」とされています。この変更は、性犯罪に対する社会的な認識の変化と法的な対応の必要性を反映しています。
不同意性交等罪の成立要件は複雑で、被害者の内心の状態や、当事者間の関係性、事件の状況など、多岐にわたる要素が考慮されます。
したがって、この罪に問われた場合、専門的な法律知識と経験を持つ弁護士のアドバイスが不可欠となるのです。
事例紹介:性交後に同意がなかったと主張されたケース
福岡市内の会社員Aさんは、あるマッチングアプリを通じて20代の女性Vさんと知り合いました。数回の食事を共にした後、AさんはVさんを自宅に招き、夕食を共にしました。
その夜、二人は性交に及びますが、後日Vさんは「嫌だ」と言ったにも関わらずAさんに強いられたとして、福岡県中央警察署に被害届を提出しました。これにより、Aさんは不同意性交等の容疑で警察の取り調べを受けることになります。
Aさんは「性交は合意の上だった」と主張していますが、Vさんの訴えにより、捜査が進められている状況です。
この事例はフィクションですが、実際の事件では、被害者と加害者の供述がしばしば食い違い、真実が何であるかを見極めることが法律の専門家にとって重要な課題となります。
問われる同意
不同意性交等罪において最も論点となるのは、「同意」の存在です。
このケースでは、AさんはVさんの同意があったと主張していますが、Vさんはその事実を否定しています。法律上、同意の有無は被害者の内心に関わる問題であり、それを証明することは容易ではありません。
事件の真相を解明するためには、当事者間の関係性、当時の状況、そして事件前後の行動など、多角的な視点からの検証が必要となります。例えば、マッチングアプリやメッセージのやり取り、当日の行動パターンなどが、両者の主張を裏付ける証拠として検討されることでしょう。
弁護側は、Vさんが同意する意思を形成できなかった、またはその意思を表明することが困難であったという事実を否定するために、客観的な証拠や証言を集める必要があります。また、AさんがVさんの非同意を知り得なかった、あるいは誤解していた可能性を示すことで、容疑を否認する戦略を立てることが考えられます。
証拠の役割
不同意性交等罪の事件における証拠は、真実を解明するための鍵となります。
架空の事例では、AさんとVさんの主張が対立しており、どちらの言い分に真実性があるのかを判断するには、具体的な証拠が不可欠です。
通常、この種の事件では、通信記録、目撃証言、現場の証拠、医学的所見などが重要な役割を果たします。例えば、事件当日のAさんとVさんのメッセージのやり取りは、同意があったかどうかの状況証拠として検討されることになります。また、第三者の証言や、事件現場の状況を示す写真やビデオなども、事実関係を明らかにするために重要です。
しかし、証拠は常に明確な答えを提供するわけではありません。証拠の解釈は、しばしば主観的な要素を含み、異なる見方が可能です。そのため、弁護士は証拠を慎重に分析し、クライアントに有利な方法で提示するための戦略を練る必要があります。このプロセスは、弁護の成功において決定的な要素となることが多いのです。
法的弁護戦術
不同意性交等罪の容疑に直面した際、弁護士は複数の戦術を駆使してクライアントの権利を守ります。架空の事例においても、Aさんの弁護団は以下のような戦略を展開することが考えられます。
まず、Vさんの主張に矛盾点がないか徹底的に調査します。これには、Vさんの過去の行動パターンや、事件当日の行動、Aさんとの関係性に関する証拠を精査することが含まれます。
また、Vさんの精神状態や、事件に至るまでの経緯を詳細に検討し、同意があったというAさんの主張を裏付ける証拠を集めることが重要です。
次に、Aさんが誠実に同意を得たと信じていたという証拠を提示することで、誤解に基づく行為であった可能性を示唆します。これは、Aさんの認識とVさんの意思表示との間に齟齬があったことを示すことにより、故意ではないことを主張する戦略です。
さらに、第三者の証言や、事件当夜の両者の行動を記録した映像など、客観的な証拠を用いて、Aさんの主張に信憑性を持たせることも考慮されます。これらの証拠を通じて、Aさんの無罪を証明するための弁護戦略を構築することが、弁護士の重要な役割となります。
通信記録の影響
不同意性交等罪の訴訟において、通信記録はしばしば重要な証拠となります。
架空の事例では、AさんとVさんの間のメッセージのやり取りが、事件の解明に役立つ可能性があります。
事件前のメッセージは、二人の関係性や、その夜の出来事に対する期待を示すことができます。例えば、フレンドリーで親密なやり取りがあれば、それは同意が存在したことの指標となり得ます。
一方で、Vさんが不安や疑念を示していた場合、それは同意がなかったことの証拠として解釈されるかもしれません。
事件後の通信は、事件の認識に関する両者の態度を反映します。Aさんが事件後に謝罪のメッセージを送っていた場合、それは罪悪感の表れと見なされる可能性があります。
しかし、これらのメッセージは文脈を考慮せずに解釈されるべきではなく、全体のやり取りの流れの中で評価される必要があります。
弁護士は、これらの通信記録を慎重に分析し、クライアントの主張を支持する証拠として利用する方法を模索します。通信記録は、事件に関する両者の真実の意図を解き明かす手がかりとなるため、その取り扱いには細心の注意が払われるのです。
福岡県の不同意性交等罪に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、法改正前の強制性交等罪の否認事件において、嫌疑不十分による不起訴処分を獲得している実績があります。
福岡県での不同意性交等事件で、自身やご家族が警察の取調べを受けるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。
【事例解説】電子計算機使用詐欺罪とその弁護活動(電子マネーを不正送金した架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の事例を基に、電子計算機使用詐欺罪がどのような場合に成立し、弁護活動がどのように展開されるかを解説します。
事例紹介:電子マネーを不正送金したケース
北九州市在住の同市職員の男性Aが、同市在住の会社員女性Vのスマートフォン上の電子決済アプリのアカウントから、Vになりすまして虚偽の送金情報を入力し、自身のアカウントに8万円相当の電子マネーを不正送金したとして、電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕されました。
警察の調べによると、AとVは飲食店で知り合った後にA宅で過ごし、翌日Vが帰宅後に自身のアカウントの電子マネー残高が減っていることに気づき、同署に相談したことから捜査が開始され、送金履歴などからAの不正送金が発覚したとのことです。
Aは、電子計算機使用詐欺の容疑を認めています。
(事例はフィクションです。)
電子計算機使用詐欺罪とは
人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて、財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、財産上不法の利益を得た者は、10年以下の懲役に処する、と定められています(刑法第246条の2)。
詐欺罪(刑法第246条)が、人を欺き財物を交付させたり、財産上の利益を得た場合などに成立するのに対し、電子計算機使用詐欺罪は、「電子計算機」(パソコン、スマートフォンなどの電子機器全般)に虚偽の情報を入力することなどにより、財産上の利益を不正に得る場合などに成立します。
「虚偽の情報」とは、電子計算機のシステムにおいて予定されている事務処理の目的に照らし、その内容が真実に反する情報、とされます。
電子マネーの送金は、通常本人の意思に基づき行われるものであるため、送金する約束もないのに本人になりすまして入力した送金情報は、真実に反する「虚偽の情報」に当たると考えられます。
また、「財産権の得喪若しくは変更に係る電磁的記録」について、ネットバンキングの預金残高や電子決済アプリの電子マネー残高は、通常これに該当します。
本件で、送金する約束もないのにVになりすまして入力した送金情報によって、「不実の電磁的記録」が作出されたといえ、不正送金した金額が、自身のアカウントの電子マネー残高に反映された時点で、Aは当該残高相当の電子マネーを自由に利用することができると考えられるため、「財産上不法の利益」を得たものと通常認められます。
よって、本件Aの不正送金行為は、電子計算機使用詐欺罪が成立し得ると考えられます。
なお、AがVの電子決済アプリのアカウントに不正にログインした行為については、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(不正アクセス禁止法)第3条違反が別途成立する可能性があります(法定刑は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金)。
市役所職員による電子計算機使用詐欺事件の刑事弁護
電子計算機使用詐欺罪は罰金刑の定めがないため、起訴され有罪となった場合、執行猶予が付く可能性はありますが、懲役刑が科せられることとなります。
Aは地方公務員であることから、起訴され有罪となり懲役刑が科せられた場合、執行猶予が付いたとしても、地方公務員法第16条1号で定める「禁錮以上の刑に処せられた者」に該当し、原則として失職することとなります(同法第28条4項)。
そのため、不起訴処分の獲得を目指して、早期に被害者に対する謝罪及び被害弁償を行った上、示談成立に向けた交渉を行うことが重要ですが、本件のような詐欺事件では、銀行や電子決済アプリ運営会社がVに被害金額を補填する場合もあり、示談交渉の相手先が必ずしもVとは限らない可能性もあります。
よって、示談交渉を行うに際しては、事前に十分な検討を要するため、刑事事件に強く、詐欺事件の示談交渉の経験豊富な弁護士への相談をお勧めします。
福岡県の電子計算機使用詐欺事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、電子計算機使用詐欺などの詐欺事件において、示談成立による不起訴処分を獲得した実績が多数あります。
電子マネーの不正送金などの電子計算機使用詐欺事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。
【事例解説】事件後長期間経過後に性被害を訴えられた事件(元教え子から示談金を請求された架空の事例に基づく解説)

元教え子から、在校中に行ったわいせつな行為での示談金の支払いを請求された架空の事件を参考に、令和5年法改正による性犯罪の公訴時効期間の延長や、事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事例紹介:元教え子から強制わいせつの示談金を請求された教員のケース
久留米市内の高校教員Aは、7年程前に、当時担任していた18歳の女子生徒Vの身体を抑えつけ、身体を触るなどのわいせつな行為を行いました。
最近になり、VからAに対し、示談金200万円を支払わないと、在校中に受けたわいせつな行為の件で、警察に被害届を出す旨の連絡がありました。
Aは、7年程前の事件のため既に公訴時効期間が経過しているのではないかと思い、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)
旧強制わいせつ罪(現不同意わいせつ罪)の公訴時効
AがVに対して行った行為は、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をしたとして、旧刑法第176条の強制わいせつ罪に該当し得ると考えられます。
強制わいせつ罪は、令和5年法改正により、現行法では不同意わいせつ罪となりましたが、AがVにわいせつな行為を行ったのは、現行法の施行前であるため、施行後に被害を訴えられたとしても、旧法の強制わいせつ罪が適用されます。
公訴時効とは、犯罪から一定期間が経過した場合には、犯人を処罰することができなくなる制度です。
強制わいせつ罪の公訴時効期間は7年でしたが、令和5年法改正において、性犯罪は、その性質上、恥ずかしさなどの感情から、被害申告が難しい場合もあることなどが考慮され、現行法の不同意わいせつ罪の公訴時効期間は、7年から12年に延長されました(刑事訴訟法第250条3項3号)。
なお、改正法施行時に公訴時効期間が進行中の事件は、延長された新しい公訴時効期間が適用されることとなるため、強制わいせつ罪であっても、改正法施行時に7年の公訴時効期間が経過していなければ、公訴時効期間が12年に延長となります。
そのため、本件でAがVに対するわいせつな行為を行った具体的な年月日によっては、強制わいせつ罪の公訴時効期間が12年に延長される結果、公訴時効期間が経過していない可能性があると考えられます。
事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合の刑事弁護
公訴時効期間が経過していれば、通常、刑事事件化されることもなくなるため、事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合、訴えの内容により成立し得る罪と公訴時効期間の経過について検討する必要があります。
公訴時効期間は、対象となる罪の法定刑の長短等に応じて大きく変わるため、成立し得る罪の検討は、慎重に行う必要があります。
例えば、本件において、被害者が、わいせつな行為によりPTSDを発症したと訴える場合、強制わいせつ致傷罪が成立する可能性があり、この場合、公訴時効期間は15年(現不同意わいせつ致傷罪であれば20年)と、大幅に長期化します。
また、令和5年法改正により、性犯罪の被害者が18歳未満の場合、被害申告が特に難しいであろうことを考慮し、被害者が18歳になるまでの期間が公訴時効期間に加算されることとなりました。
そのため、18歳未満の者に対する性犯罪の場合は、被害者が18歳になってから公訴時効期間が実質進行することにも留意する必要があります。
以上のことから、事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合、特に性犯罪では公訴時効期間等が大幅に改正されたこともあるため、刑事事件に強い弁護士に相談し、公訴時効期間の経過の可能性、刑事事件化のリスクや取るべき対応などについて、慎重に検討することをお勧めします。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、性犯罪をはじめとする様々な刑事事件における弁護活動の豊富な実績があります。
事件後長期間経過後に被害を訴えられるなどして、今後の対応についてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。
【事例解説】建造物侵入罪での否認事件の弁護活動(女性用浴場に侵入し逮捕された架空の事例に基づく解説)

入浴施設の女性用浴場に侵入したとして、建造物侵入の容疑で逮捕された架空の事件を参考に、建造物侵入罪の成立と故意を否認する事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事例紹介: 入浴施設の女性用浴場に侵入したケース
入浴施設の女性用浴場に侵入したとして、直方市在住の会社員男性Aが、建造物侵入の容疑で逮捕されました。
福岡県直方警察署の調べによると、女性客から「男が入ってきた」と相談を受けた従業員が、女性用浴場でAを取り押さえ、警察に通報したとのことです。
Aは、「女性用浴場に入った事実は認めるが、男性用浴場と間違えて入ってしまった」などと供述し、容疑を一部否認しているとのことです。
(事例はフィクションです。)
建造物侵入罪とは
正当な理由がないのに、人の看守する建造物に侵入した場合は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する、とされています(刑法第130条)
「建造物」とは、住居、邸宅以外の建物一般を指します。入浴施設は、人(施設の管理人)が看守している「建造物」にあたるといえます。
建造物侵入罪における「侵入」とは、建造物の管理権者の意思に反して立ち入ることとされ、入浴施設の女性用浴場に男性が立ち入ることは、通常、施設の管理人の意思に反するものと考えられます。
故意を否認する事件の刑事弁護
刑法第38条第1項で、罪を犯す意思がない行為は、法律に特別の規定がある場合を除いて罰しない、と規定されています。
「罪を犯す意思」は「故意」とも呼ばれ、犯罪事実を認識・認容しているときに故意があるとされます。故意がない場合、外形的には犯罪の構成要件に該当する行為を行った場合であっても、過失犯処罰規定などの特別の規定がない限り、罰せられないこととなります。
本件Aは、女性用浴場に男性用浴場と間違って入ったと供述しており、これは、入浴施設の管理人の意思に反する立ち入りという、建造物侵入罪における「侵入」を行うことの認識・認容、即ち故意がなかったという主張になります。
建造物侵入罪には、過失犯処罰規定などの特別の規定がないため、故意が認定されなければ、Aは罰せられないことになります。
故意を否認する事件の場合、弁護活動としては、被疑者の主張に合理性が認められるよう、被疑者や家族、関係者などから、被疑者の生活状況や事件の経緯などを聴き取ったり、客観的な証拠を収集したりした上で、嫌疑不十分による不起訴処分を目指すことが考えられます。
本件でいえば、Aの入浴施設の利用状況・回数、女性用浴場と男性用浴場の入れ替えの有無や表示の仕方、利用客の多寡、取り押さえられた際のAの様子などの諸般の事情から、男性用浴場と間違って女性用浴場に入ったというAの供述が不合理でなく、故意が認められるか疑わしいことを、検察官に対して、意見書などで的確に主張する必要があると考えられます。
なお、このような否認事件の場合は、逮捕後に勾留されて、身体拘束が長期化することや、捜査機関による取調べが厳しくなる可能性が高くなることが考えられるため、逮捕後早い段階で、刑事事件に強い弁護士に依頼し、身体拘束からの解放に向けた弁護活動を行ってもらうことや、取調べ対応についてのアドバイスを受けることをお勧めします。
福岡県の建造物侵入事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、否認事件において、嫌疑不十分による不起訴処分や無罪判決を獲得している実績があります。
建造物侵入罪の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。
【少年事件解説】19歳の「少年」による強盗事件(架空の特定少年事件に基づく解説)

この記事では、19歳の「少年」による架空の強盗事件を基に、少年法における「特定少年」による事件の刑事手続きと弁護活動について解説します。
事例紹介:福岡県の19歳の少年による強盗事件
福岡県在住の19歳の少年Aが、県内の高齢女性の自宅に押し入り、脅迫を用いて現金を奪ったとして、強盗の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
少年法における「特定少年」とは
少年法においては、20歳未満の者を「少年」として扱います(少年法2条1項)。この点、民法の改正により成人年齢が満18歳となりましたが、20歳未満であれば「少年」として扱われます。
少年法では、14歳以上20歳未満の者で、罪を犯した者を「犯罪少年」として取り扱いますが、成人年齢が引下げになったことに伴い、犯罪少年のうち18歳以上の者を「特定少年」とし、18歳未満の犯罪少年による少年事件の場合と取り扱いを区別しています。
原則逆送の対象となる場合
少年法では、少年が死刑、懲役、または禁錮に相当する罪を犯した場合、家庭裁判所は、その少年を検察官に送致することが定められています(少年法20条1項)。この送致を「逆送」と呼び、少年法における保護処分ではなく、成人と同様の刑事処分が検討されることになります。
特定少年の場合は、これに加えて、
・故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件(例.殺人、傷害致死)であって、事件のとき16歳以上の場合
・死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件(例.現住建造物放火、強盗、不同意性交等)であって、事件のとき18歳以上の場合を犯した場合
も、原則として逆送されます(少年法62条2項)。
ただし、犯行の動機、態様、結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状、環境などを考慮し、刑事処分以外の措置が相当と認められる場合には、この限りではありません。
逆送された後、検察官が捜査を行い、起訴するべき事案であると判断された場合、特定少年は成人の刑事手続きと同様に公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。
弁護士の役割
原則逆送事件の場合、先述のとおり刑事罰が科せられるおそれがあります。
そのため、少年事件の弁護人・付添人の経験が豊富な弁護士に依頼をし、少年として保護処分を課すことが相当である事件であることを積極的に主張し、逆送を回避、あるいは逆送後に再送致(逆送を受けた検察官の判断で家庭裁判所に改めて送致する手続き)に付するべき事案であることを積極的に主張していくことが考えられます。
福岡県の少年事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、主に刑事事件や少年事件を取り扱っており、少年事件における弁護活動や付添人活動の豊富な実績があります。
強盗事件でご家族の少年が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
【事例解説】危険運転致傷罪とその弁護活動(赤信号を故意に無視して歩行者を負傷させた架空の事例に基づく解説)

この記事では、福岡県での架空の交通事故を基に、危険運転致傷罪とその弁護活動について、解説します。
事例紹介:福岡県での赤信号無視事故
福岡市在住のAは、仕事からの帰宅を急ぐあまり、赤信号を故意に無視し、時速約50キロで交差点に進入しました。その結果、横断歩道を渡っていた歩行者Vに衝突し、重傷を負わせる事故が発生しました。
(事例はフィクションです。)
赤信号無視と危険運転致傷罪の成立
危険運転致死傷罪とは、以下の(1)~(6)の行為を行うことにより人を負傷又は死亡させた場合に成立する犯罪です。(「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下「自動車運転処罰法」)第2条に規定)
(1)アルコール・薬物の影響により正常な運転が困難な状況で自動車を走行させる行為
(2)進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(3)進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
(4)人・車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人・車に著しく接近し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(5)赤信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(6)通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
本事例での赤信号無視は、(5)に該当し、Aに危険運転致傷罪が成立する可能性があります。
危険運転致傷罪の法定刑
赤信号無視による危険運転致傷罪の法定刑は、15年以下の懲役のため、危険運転致傷罪で有罪になった場合には必ず懲役刑が科されることになります。(自動車運転処罰法第2条)
危険運転致傷罪の場合、被告人の行為の故意性、危険性、及びその結果が重視され、これらの要素に基づいて刑罰が決定されることとなります。実際の判決では、事故の具体的な状況や被害者の状態、加害者の過去の運転歴などが考慮されることが一般的です。
このように、危険運転致傷罪は、単なる交通違反を超えた重大な犯罪行為として扱われ、厳しい法的対応が求められます。
過失運転致傷罪との違い
危険運転致傷罪と過失運転致傷罪は、運転中の行為の意図によって区別されます。
過失運転致傷罪は、運転者が必要な注意を怠った結果、人に怪我を負わせた場合に成立します。例えば、赤信号を青信号と誤認して事故を起こした場合、これは過失によるものと認定されると、過失運転致傷罪が適用される可能性があります。過失運転致傷罪の法定刑は最大7年の懲役または100万円以下の罰金です。
一方、危険運転致傷罪は、運転者が意図的に交通法規を無視し、その結果として人に怪我を負わせた場合に適用されます。この罪は、運転者の故意性と行為の危険性が重視され、上記の通り、過失運転致傷罪より重い刑罰が科される可能性があります。
取調べと供述の重要性
取調べの過程は、危険運転致傷罪の訴訟において極めて重要です。警察や検察官による取調べでは、事故の状況や運転者の意図が詳細に調査されます。
この過程での供述は、後の裁判での証拠として使用されるため、運転者の発言が法的な結果に大きな影響を及ぼすことがあります。例えば、赤信号を故意に無視したかどうか、事故当時の運転者の状態や意識などが重要な焦点となります。
誘導された供述や誤解に基づく供述は、運転者に不利な証拠となる可能性があります。したがって、取調べにおいては、運転者が自身の行動を正確に、かつ慎重に説明することが求められます。
また、弁護士のアドバイスやサポートを受けることは、適切な供述を行い、法的なリスクを最小限に抑える上で非常に重要です。この段階での正確な供述は、適切な法的評価を受けるための基盤となります。
福岡県の危険運転致傷事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、危険運転致傷事件などの交通違反事件における弁護活動の豊富な実績があります。
福岡県での危険運転致傷事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。
【事例解説】薬物事件での弁護活動における贖罪寄付(麻薬を所持して逮捕された架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の麻薬及び向精神薬取締法違反事件を基に、薬物事件での弁護活動における贖罪寄付について、解説します。
麻薬及び向精神薬取締法違反とは
麻薬及び向精神薬取締法は、麻薬や向精神薬の製造、輸出入、所持、使用、および販売を規制する法律です。この法律の主な目的は、薬物乱用の防止と公衆衛生の保護にあるとされます。
「麻薬」には、ジアセチルモルヒネ等(ヘロイン)、コカイン、モルヒネなど、76種の薬物が指定されています。麻薬の所持は、ジアセチルモルヒネ等の場合は特に重く10年以下の懲役、それ以外の麻薬の場合は7年以下の懲役に処するとされています(同法第64条の2、第66条)。
また、麻薬の販売や製造に関与した場合、さらに重い刑罰が科されることがあります。
事例紹介:福岡市の会社員の逮捕
福岡市在住のAさんは、友人から麻薬を購入し、定期的に自宅で使用していました。
Aさんの友人が逮捕されたことが契機となり、Aさんの自宅に警察の家宅捜索が行われて麻薬が発見され、Aさんは麻薬及び向精神薬取締法違反の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
薬物事件における贖罪寄付の意義
麻薬及び向精神薬取締法違反などの薬物事件においては、被疑者(被告人)の過去の犯罪歴、事件の具体的な状況、および被疑者(被告人)の再犯防止可能性など、様々な要素が考慮された上、刑事処分が決定されることとなりますが、贖罪寄付は一定の役割を果たすと考えられます。
贖罪寄付とは、公的な団体や社会福祉団体などに対して、反省の意を示すために行われる寄付のことです。この寄付は、被疑者(被告人)が自らの行為に対して真摯に反省していることを、捜査機関や裁判所に示す手段として用いられます。
薬物事件では一般的に、直接的な被害者が存在しないことから、被害者との示談締結による刑事処分の軽減を目指すことが難しいため、贖罪寄付は薬物事件での弁護活動における有用な手段の一つと考えられます。
当然ながら、贖罪寄付をおこなうだけでなく、薬物依存治療プログラムへの参加やカウンセリングの受講など、再発防止に向けた取組みを行うことも重要です。
贖罪寄付の実施方法
贖罪寄付の実施には、特定の手順と考慮すべき要素があるため、刑事事件の弁護活動の経験豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士は、寄付先の選定や寄付額の決定において、同種の前例なども考慮しながら、適切なアドバイスを提供することが可能です。
また、寄付の実施や寄付が行われたことの証明書の捜査機関や裁判所への提出も、通常、弁護士を通じて行うこととなります。この証明書は、被疑者(被告人)が反省していることを示す重要な証拠となり得ます。
福岡県の薬物事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、麻薬及び向精神薬取締法違反事件などの薬物事件における弁護活動の豊富な実績があります。
福岡県での薬物事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。
【事例解説】詐欺利得罪とその弁護活動(タクシーに無賃乗車して逮捕された架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の事例を基に、無賃乗車による詐欺利得罪の成立とその弁護活動について、解説します。
事例紹介:タクシーに無賃乗車して逮捕された事例
大牟田市在住の男性Aが、タクシーに無賃乗車したとして、詐欺の容疑で逮捕されました。
福岡県大牟田警察署の調べによると、Aは深夜、福岡市内でタクシーに乗車し、目的地付近の大牟田市内のコンビニでタクシーの停車中に、運賃と高速道路料金の計約1万1000円を支払わず逃走しようとしたところを、運転手Vに発見され警察に通報されたとのことです。
Aは、「知人に会いに行くためにタクシーに乗車した。所持金はなく、料金を支払わないつもりでいた。」と供述し、詐欺の容疑を認めています。
(事例はフィクションです。)
財産上の利益を得る詐欺罪とは
詐欺には通常、金品等の「財物」を交付させる刑法246条第1項の詐欺と、役務の提供等の「財産上の利益」を得る同条第2項の詐欺があり、本件は、タクシーの運転という役務の提供を行わせたものであるため、第2項の詐欺罪の適用が考えられます。
第2項の詐欺罪の成立には、通常、(ア)人を欺く行為により、(イ)相手方が錯誤に陥り、(ウ)それによって、相手方が財産上の利益を供与し、(エ)行為者又は第三者が財産上の利益を得ること、が必要とされます。
本件Aは、(ア)料金を支払う資力も意思もないにもかかわらず、それを秘してタクシーに乗車し目的地を告げるという、運転手Vを「欺く」行為を行い、(イ)VはAが料金を支払うものと誤信し、(ウ)それによって、目的地に向けてタクシーの運転を開始し、(エ)Aは目的地に向かうタクシーに乗車したという「財産上の利益」を得たものとして、第2項の詐欺罪が成立すると考えられます。
なお、Aは目的地到着前にタクシーを下車し逃走していますが、タクシーが目的地に向けて走り始めた段階で既に利益を得たものとして、第2項の詐欺罪の既遂犯が成立すると考えられます。
タクシーの無賃乗車による詐欺事件の刑事弁護
第2項の詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役刑のみであるため、動機や犯行態様の悪質性、被害金額の程度や被害弁償の状況などから、検察官が起訴するべきと判断した場合は、公開の法廷での正式な裁判となります。
タクシーの無賃乗車事件の場合、詐欺の故意の認定のために、乗車時点で運転手を騙す意思があったのか取調べで追及されることとなりますが、本件Aはこれを認める供述をしています。
なお、料金は支払うつもりだったとして、仮に詐欺の故意を争おうとしても、所持金などが手元になかった上、停車中に逃走したという状況では、故意を争うのは難しいと思われます。
そのため、起訴猶予による不起訴処分の獲得を目指して、タクシー会社への未払い運賃の弁償を行った上、示談の成立を目指すことが考えられますが、被害者が会社などの場合は、会社の方針等により示談交渉を拒まれる場合が相当数あり、被害者が個人の場合に比べて、示談交渉が難航するおそれもあることから、刑事事件に強く、示談交渉の経験豊富な弁護士への相談をお勧めします。
福岡県の詐欺利得事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、詐欺罪などの財産犯の刑事事件において、示談成立による不起訴処分を獲得している実績があります。
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【事例解説】凶器準備集合罪とその弁護活動(金属バットを持って喧嘩に参加して逮捕された架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の事例を基に、凶器準備集合罪の成立とその弁護活動について、解説します。
事例:金属バットを持って喧嘩に参加したケース
対立する不良グループと喧嘩するために凶器を準備して集合したとして、不良グループに所属する男性A(21歳)ら8名が逮捕されました。
Aらは、対立する不良グループと喧嘩するために、北九州市内の公園で鉄パイプや金属バットなどの凶器を準備して集合していたとみられ、異変に気付いた近隣住民が警察に通報し、駆け付けた福岡県小倉南警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
Aは、喧嘩に参加するために金属バットを持って集合したとして、凶器準備集合の容疑を認めています。
(事例はフィクションです。)
凶器準備集合罪とは
2人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する、と定められています(刑法第208条の2第1項)。
凶器準備集合罪は、他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的(共同加害目的)での集合を処罰の対象とすることで、後に予想される、殺人、傷害、暴行、建造物損壊、器物損壊など、個人の生命・身体・財産に対する危険からの保護とともに、公共的社会生活の平穏を保護するものとされています。
凶器準備集合罪における「凶器」とは、その性質上、又は使用方法によっては、人を殺傷し得る器具、とされます。
銃砲刀剣類のように、その器具本来の性質上、人を殺傷する用に供されるもののみならず、ゴルフクラブ等、使用方法によっては、人を殺傷し得る器具も含まれます。
なお、同罪における「準備」とは、必要に応じていつでも加害行為に使用しうる状態に置くこといい、「集合」とは、2人以上の者が共同の行為をする目的で、一定の時刻、一定の場所に集まることをいいます。
本件Aは、対立する不良グループとの喧嘩という「共同加害目的」で、身体に殴打すれば人を殺傷し得る「凶器」となる金属バットを準備して「集合」したとして、凶器準備集合罪が成立し得ると考えられます。
凶器準備集合事件で逮捕された場合の刑事弁護
凶器準備集合罪のように、共犯者や関係者が多数にわたることのある事件では、口裏合わせ等の罪証隠滅のおそれがあるとして、逮捕に引き続き勾留される可能性が高く、さらに、事件の全容解明のための捜査に時間を要することから、勾留が延長されるなど、身体拘束が長期化する可能性もあります。
弁護活動としては、身体拘束からの早期解放を目指して、検察官や裁判官に対し、勾留の理由(逃亡・罪証隠滅のおそれ等)や勾留の必要性がないことを主張し、勾留請求や勾留決定を行わないよう意見を申述することや、勾留が決定した後でも、その決定に対して不服申し立て(準抗告)を行うことが考えられます。
また、凶器準備集合事件では、共犯者間の役割等によって刑事責任の重さも変わってくると考えられますが、主導的な役割(凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた)を果たした者には凶器準備結集罪が成立し、3年以下の懲役と刑が加重され得るため、不当に重い責任を負わされることのないよう、弁護士が被疑者との接見に際し、取調べ対応についてアドバイスを行うことも重要になると考えられます。
福岡県の凶器準備集合事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、凶器準備集合などの暴力事件において、身体拘束からの早期解放、不起訴処分や刑の減軽を獲得した実績が多数あります。
凶器準備集合の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
