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ショッピングモールで盗撮、性的姿態等撮影罪で逮捕
ショッピングモールで盗撮、性的姿態等撮影罪で逮捕
性的姿態等撮影罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件
福岡県福岡市に住んでいる会社員のAさんは、市内にあるショッピングモールに訪れていました。
Aさんはエスカレーター(上り)を使う際、スマートフォンの動画機能をオンにし、前にいる女性Vさんのスカートの下にカメラを入れました。
しかし、Vさんはスマホに気付いていたため、エスカレーターを上がり切った際にAさんの腕を掴んで店員を呼びました。
Aさんを引き渡された店員はその後警察に通報し、しばらくして現場に駆け付けた中央警察署の警察官にAさんは性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
性的姿態等撮影罪
性的姿態等撮影罪とは、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」に定められています。
この法律の第2条第1項では「正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為」が禁止されています。
「次に掲げる姿態等」には、わいせつな行為や性交をしている人の姿態の他、人の性的な部位およびそれらを隠すために身に付けている衣服(下着)が挙げられています。
そのため参考事件でAさんは、人が通常衣服を着けているショッピングモールでVさんのスカートの中の下着を撮影しているため、性的姿態等撮影罪が適用されます。
また、参考事件の場面ではまだAさんの撮ったスマホの動画にVさんの性的姿態等が写っているかは確認されていませんが、同条第2項には「前項の罪の未遂は、罰する。」と定められています。
そのため仮にAさんの撮影した動画に性的姿態等が写っていなかったとしても、性的姿態等撮影未遂罪は成立することになります。
性的姿態等撮影罪の法定刑は上記の法律の第2条に「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」と定められています。
以前まで盗撮事件は都道府県ごとに定められた迷惑行為防止条例で処分が決められていましたが、性的姿態等撮影罪が新設されたことで盗撮事件の処罰は全国で同じになり、その内容もより厳しいものになっています。
逮捕後の流れについて
警察に逮捕されると、釈放されない限りは48時間以内に検察官に身柄が送致されます。
そして検察官へ送致されると、検察官は24時間以内に裁判官に勾留請求をするかを決定します。
勾留請求された裁判官が勾留を決定すれば、10日間身体拘束されることになり、勾留が延長されれば最大で20日間身体拘束が継続されます。
つまり、逮捕されると外部との連絡を制限された状態で取調べを連日受ける状態が、最大23日間続く可能性があります。
長期の身体拘束を避けるためには、身体拘束では会社や家庭への影響が大きいと主張したり、逮捕するほど証拠隠滅や逃亡の危険がないことなどを書面にして提出したりといった身柄解放活動が必要です。
逮捕後早期の釈放を目指すのであれば、弁護士に相談し、弁護活動を依頼することをお勧めします。
盗撮事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件と少年事件を中心に扱う弁護士事務所であり、初回無料の法律相談や、逮捕または勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスを実施しております。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」で、24時間ご予約を受け付けております。
盗撮事件を起こしてしまった方、ご家族が性的姿態等撮影罪で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に、是非、ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
刑事事件や少年事件に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
2023年司法試験予備試験受験生アルバイト求人募集

2023年司法試験予備試験受験生アルバイト求人募集
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、2023年の司法試験又は予備試験受験生の方を対象に、全国12都市にある各法律事務所で事務アルバイトを求人募集します。試験の合否は問いません。司法試験合格に向けて勉強やモチベーション維持をしたい方や、弁護士・検察官・裁判官を目指していて刑事事件又は少年事件に興味のある司法試験・予備試験受験生にぴったりの法律事務所アルバイト業務です。
司法試験・予備試験受験生アルバイトについて
司法試験に最終合格するためには勉強環境及びモチベーションの維持が重要な要因になります。長い勉強生活の中で、快適な勉強環境が確保できなくなる時期やモチベーションが低下して勉強に身が入りづらい時期もあるかもしれません。そんな時には、勉強及びモチベーション維持のために、法律事務所でのアルバイトが一つの有効な手段となります。
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司法試験・予備試験受験生アルバイト求人募集情報
【事務所概要】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本では稀有な、刑事事件・少年事件をメイン業務とする全国的刑事総合法律事務所です。刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動に注力し、著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの刑事事件・少年事件及びその関連業務をほぼ全分野にわたって幅広く取り扱っています。全国12都市に事務所を構えており、経験豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元官僚等の専門領域を持ったエキスパートが集まる専門性の高い職場環境となっています。刑事事件・少年事件のリーディングファームとして、プロフェッショナル養成のための所内研修及び業務支援制度を整え、全国に高レベルの弁護サービス普及を目指しています。また、更生支援、犯罪被害者支援や入管事件にも力を入れて取り組んでいますので、当事者の支援や外国人問題に興味のある司法試験・予備試験受験生も歓迎しています。
【募集職種】
・事務アルバイト
・深夜早朝アルバイト
【給与(東京の場合)】
・事務アルバイト:時給1,300円+交通費
・深夜早朝アルバイト:時給1,300円+深夜早朝割増(25%UP)+交通費
※時給は勤務地によって異なり、1,000?1,300円となります。
【勤務地】
福岡支部 博多駅から徒歩4分
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、博多駅から徒歩4分の立地にあり、福岡県及び近隣県の刑事事件・少年事件を中心に取り扱っております。
弁護士1名が所属する小規模な支部ではございますが、その分、弁護士と事務員やアルバイトが綿密に連携し、様々な刑事事件・少年事件の弁護活動を行っております。
専門弁護士による刑事事件・少年事件の弁護活動を間近に見ることができ、司法試験や予備試験の勉強で学んだ法律知識が実際の弁護活動でどのように使われているのかを見ることで、知識の確認と深化定着につながると思います。
司法試験や予備試験合格に向けて、社会経験を積みつつ、勉強環境やモチベーションを維持をしたい方にとって、とても良い環境の職場だと思います。
【勤務時間】
勤務時間:週1日~、1日3時間~
※ご希望に応じて勤務時間は柔軟に対応いたしますのでご相談下さい。
【仕事内容】
・事務アルバイト
事務対応(電話応対、来客対応、書面作成、書類提出、記録整理等)
法律書面準備(リサーチ、資料の収集)
テキスト作成
・深夜早朝アルバイト
電話対応
テキスト作成
※上記仕事以外の時間はご自身の勉強等にあてていただいて構いません
【勤務環境】
・交通費支給
・各事務所とも主要駅近く利便性抜群。
・PC、事務処理環境、インターネット等完備
司法試験・予備試験受験生アルバイト応募方法
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の予備試験受験生向けアルバイト求人募集にご興味のある方は、エントリー・説明会参加フォーム又は電子メールnoritakesaiyou@keiji-bengosi.com 宛で事務所までご応募ご質問下さい。5日間程度のうちに採用担当者からメール又は電話でご連絡させていただきます。

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【事例解説】ひき逃げで逮捕 勾留決定前の弁護士への依頼
道路交通法違反(ひき逃げ)等で逮捕され、勾留決定される前の段階の架空の事件を参考に、勾留決定前の弁護士への依頼について、国選弁護人との比較を交えて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
福岡県久留米市在住の自営業男性Aは、同市内の県道で自動車を運転していたところ、自転車で走行中のVに接触し転倒させ、全治2か月の怪我を負わせたのにそのまま逃走したとして、道路交通法違反(ひき逃げ)と自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の容疑で準現行犯逮捕されました。
Aの逮捕後、福岡県久留米警察署の警察官から、Aの妻BにAが逮捕されている旨の連絡があり、Bは弁護士への依頼をどうするか悩んでいます。
(事例はフィクションです。)
ひき逃げ事件で成立し得る罪
人身事故を起こした場合、直ちに車両の運転を停止して、負傷者の救護を行う義務(救護義務)と警察官に事故を報告する義務(報告義務)があります(道路交通法第72条第1項)。
人身事故を起こし、救護義務と報告義務を怠り逃走することを一般的にひき逃げと呼びますが、本件では、Aの運転によりVが負傷したと考えられるため、Aには、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります(道路交通法第117条第2項)。
また、本件で、Vの負傷が、Aが運転上必要な注意を怠ったことに起因するものであれば、別に「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(自動車運転死傷処罰法)第5条の過失運転致傷罪も成立し、併合罪として処罰される可能性があります。
国選弁護人と私選弁護人について
刑事訴訟法第37条の2により、罪名を問わず、一定の資力を下回る限り、国選弁護人制度を利用し低廉な費用で刑事弁護を受けることが可能ですが、被疑者の場合は、勾留が決定されたことが要件のため、逮捕後、勾留決定前の段階では利用することができません。
逮捕から勾留決定までは最大3日間かかりますが、この間に弁護を受けるには、被疑者本人やご家族が自ら報酬を支払う契約によって弁護人を選任する必要があり、これを私選弁護人と言います。
国選弁護人は、日本司法支援センター(法テラス)に登録している弁護士から無作為に選ばれるため、刑事弁護の経験の少ない弁護士が選任されてしまう場合もあり、変更も原則として認められないのに対し、私選弁護人であれば、その分野での豊富な実績のある弁護士を自ら選任することが可能です。
勾留決定前の弁護活動について
私選弁護人は、検察官や裁判官に対して、勾留の理由(逃亡・罪証隠滅のおそれ等)や勾留の必要性がないことを主張し、勾留請求や勾留決定を行わないよう意見を申述していきます。
具体的には、検察官や裁判官が把握していない、弁護人が被疑者本人や家族や関係者から聴取した被疑者に有利な事情などを提示することで、勾留の理由や勾留の必要性がないこと、又はその必要が低いことを的確に主張し、検察官が勾留請求を行わない、又は裁判官が勾留請求を却下する可能性を高めることを狙います。
このように、道路交通法違反(ひき逃げ)等で逮捕された場合における、勾留阻止による被疑者の身体拘束からの解放を実現するには、道路交通法違反事件における刑事弁護の経験豊富な私選弁護人の選任により、逮捕後直ちに適切な弁護活動を開始することが極めて有効です。
また、私選弁護人の選任には、検察官の起訴・不起訴の判断に重要な影響を及ぼす被害者との示談について、勾留決定前の早い時期に、示談交渉の経験豊富な弁護士による交渉に着手できるという利点もあります。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件に強く、勾留決定前の弁護活動により、勾留阻止による被疑者の身体拘束からの解放を獲得した実績が多数あります。
道路交通法違反(ひき逃げ)事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の初回接見サービスください。


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【事例解説】堕胎罪とその弁護活動(妊娠中の女性が服薬により意図的に堕胎した架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の事例を基に、堕胎罪とその弁護活動について、解説します。
堕胎罪とは
堕胎罪は、妊娠中の女性が自らの意思で胎児を堕胎した場合に適用される罪で、1年以下の懲役に処される可能性があります(刑法第212条)。
堕胎した胎児がどれくらい発育していたかについては特に定めがないため、妊娠を認識していて、胎児を堕胎する目的で何かしらの方法で堕胎した場合、堕胎罪が成立し得ます。
妊婦自身が薬を飲んだり腹を叩いたりして堕胎する場合は勿論のこと、それを他人に手伝わせた場合も含まれると考えられます。
なお、第三者が堕胎させた場合は同意堕胎罪や業務上堕胎罪、不同意堕胎罪など、別の犯罪が成立し得ます。
※医師が行う人工妊娠中絶は、本来であれば妊婦が堕胎罪・ 医師は業務上堕胎罪が成立し得ますが、母体保護法14条等で定められた要件を満たした場合は合法的に行えます。
事例紹介:妊娠中の女性が服薬により意図的に堕胎したケース
福岡県在住の会社員Aさんは、望まない妊娠をしてしまい、誰にも相談できずに悩んでいたところ、インターネットで見つけた薬を使用し、胎児をおろそうとしました。
しかし、薬の副作用で卒倒して救急搬送され、一命を取り留めましたが胎児は死亡していました。病院で、Aさんは医師に服薬の目的を伝えたところ、警察に連絡がいき、Aさんは堕胎罪で警察の捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)
堕胎罪の弁護活動
堕胎罪に関する刑事責任を判断する際、妊娠の経緯、被告人の心理状態、社会的背景、堕胎の方法とその動機など、多くの要因を考慮に入れる必要があります。
また、被疑者(被告人)が、社会的、経済的、心理的な圧力の下で決断を迫られたなどの事情の有無や、適切な医療や支援を受ける機会を持っていたかどうかなども、重要な考慮事項になると考えられます。
弁護士は、法的な知識と経験を活かして、被疑者(被告人)の権利を守り、適切な法的支援を提供します。また、堕胎罪のようなデリケートな事件では、弁護士は個々の事情を理解し、被疑者(被告人)に寄り添った弁護活動を行う必要があります。
具体的には、取調べに際し、適切なアドバイスを提供することで、被疑者が不利な発言をしてしまうリスクを減らすこと、被疑者の状況から、堕胎を選択せざるを得なかった状況を捜査機関や検察官に的確に主張することなどが考えられます。
福岡県の堕胎罪に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、様々な刑事事件における弁護活動の豊富な実績があります。
福岡県での堕胎罪で自身やご家族が警察の取調べを受けるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

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【事例解説】軽微な暴行事件における弁護活動と微罪処分(口論相手に水をかけた架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の事例を基に、軽微な暴行事件における弁護活動と微罪処分について解説します。
事例紹介:口論相手に水をかけたケース
福岡市在住の会社員男性Aが、知人の女性Vと、市内の飲食店で食事中に口論となり、故意にVの身体にグラスの水をかけました。Vに怪我はありませんでしたが、福岡県博多警察署に被害届を提出し、Aは暴行の容疑で警察の取調べを受けることになりました。
(事例はフィクションです。)
軽微な事件における微罪処分とは
警察が犯罪を認知して捜査をした場合、その書類や証拠物とともに事件を検察官に送致(報道等では「送検」と呼ばれることもあります。)しなければならないとされています(刑事訴訟法第246条本文)。送致された後、検察官が事件を引き継いで捜査の上、起訴するかを最終的に決定します。
しかし、この例外として、捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる、とされています(同条但書、犯罪捜査規範第198条)。
このように、軽微な犯罪の場合に、事件を検察官に送致せず終了させる措置のことを「微罪処分」と呼びます。
微罪処分の場合、被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒める、などの処置をとるものとされています(犯罪捜査規範第200条)。
なお、微罪処分となった事件は、被疑者の氏名や犯罪事実の要旨などが、1月ごとに一括して検察官に報告されるのみであり、起訴され刑罰を科されたり、それによって前科が付くことはないと考えられます。
暴行事件における微罪処分の要件
微罪処分の対象となる「検察官が指定した事件」については、犯罪の内容、被害者の処罰感情や犯人の前科前歴の有無などを考慮して、各地方検察庁において、具体的な基準を定めているとされます。
基準は非公開ですが、暴行事件については、概ね、以下のような基準が定められていると考えられます。
・犯行態様が軽微(共犯事件でない、武器を使用していないなど)であること
・被害者と示談が成立しており、被害者が処罰を望んでいないこと
・素行不良者でない者(粗暴犯の前科、前歴がないなど)の偶発的犯行であって再犯のおそれのないもの
軽微な暴行事件における弁護活動
暴行事件を起こした場合、被害者との示談を成立させ、示談書の中に宥恕条項(加害者の処罰を求めない旨の条項)を入れてもらうことが、微罪処分を受けるためにも重要となりますが、当事者同士では、被害者の被害感情などから示談交渉がうまくいかず、かえって示談の成立が困難になってしまうおそれがあります。
また、微罪処分を得るためには、事件が検察官へ送致される前までに示談を成立させ、その結果を警察へ報告する必要があるため、警察の捜査状況も確認しながら、示談交渉の経過を適時報告しつつ、迅速に示談交渉を進めていく必要があります。
そのため、被害者と知人関係にあるからといって、安易に自ら示談交渉を行おうとすることは避け、刑事事件に強く、示談交渉の経験豊富な弁護士に相談の上、対応を検討することをお勧めします。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、暴行事件において、検察官不送致(微罪処分)を獲得した実績があります。
自身やご家族が暴行事件を起こしてしまい、今後のことでご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
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【事例解説】不同意性交等罪とその弁護活動(性交後に同意がなかったと主張された架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の事例を基に、性交の同意があったとして不同意性交等罪の成立を争う場合の弁護活動について、解説します。
不同意性交等罪とは
不同意性交等罪は、相手の同意なく性交する行為を処罰するための法律です。
この罪は、暴行や脅迫がなくとも、相手が同意する意思を持てない状態にある場合に成立する可能性があります。
例えば、相手がアルコールなどの影響で意識が不明瞭な状態や、精神的な圧力を感じている状況下での性交がこれにあたります。
令和5年の法改正により、以前の強制性交等罪は不同意性交等罪と名称が変更され、法的な扱いも更新されました。
改正後の法定刑は、5年以上の拘禁刑とされており、「拘禁刑」の施行までは「懲役」とされています。この変更は、性犯罪に対する社会的な認識の変化と法的な対応の必要性を反映しています。
不同意性交等罪の成立要件は複雑で、被害者の内心の状態や、当事者間の関係性、事件の状況など、多岐にわたる要素が考慮されます。
したがって、この罪に問われた場合、専門的な法律知識と経験を持つ弁護士のアドバイスが不可欠となるのです。
事例紹介:性交後に同意がなかったと主張されたケース
福岡市内の会社員Aさんは、あるマッチングアプリを通じて20代の女性Vさんと知り合いました。数回の食事を共にした後、AさんはVさんを自宅に招き、夕食を共にしました。
その夜、二人は性交に及びますが、後日Vさんは「嫌だ」と言ったにも関わらずAさんに強いられたとして、福岡県中央警察署に被害届を提出しました。これにより、Aさんは不同意性交等の容疑で警察の取り調べを受けることになります。
Aさんは「性交は合意の上だった」と主張していますが、Vさんの訴えにより、捜査が進められている状況です。
この事例はフィクションですが、実際の事件では、被害者と加害者の供述がしばしば食い違い、真実が何であるかを見極めることが法律の専門家にとって重要な課題となります。
問われる同意
不同意性交等罪において最も論点となるのは、「同意」の存在です。
このケースでは、AさんはVさんの同意があったと主張していますが、Vさんはその事実を否定しています。法律上、同意の有無は被害者の内心に関わる問題であり、それを証明することは容易ではありません。
事件の真相を解明するためには、当事者間の関係性、当時の状況、そして事件前後の行動など、多角的な視点からの検証が必要となります。例えば、マッチングアプリやメッセージのやり取り、当日の行動パターンなどが、両者の主張を裏付ける証拠として検討されることでしょう。
弁護側は、Vさんが同意する意思を形成できなかった、またはその意思を表明することが困難であったという事実を否定するために、客観的な証拠や証言を集める必要があります。また、AさんがVさんの非同意を知り得なかった、あるいは誤解していた可能性を示すことで、容疑を否認する戦略を立てることが考えられます。
証拠の役割
不同意性交等罪の事件における証拠は、真実を解明するための鍵となります。
架空の事例では、AさんとVさんの主張が対立しており、どちらの言い分に真実性があるのかを判断するには、具体的な証拠が不可欠です。
通常、この種の事件では、通信記録、目撃証言、現場の証拠、医学的所見などが重要な役割を果たします。例えば、事件当日のAさんとVさんのメッセージのやり取りは、同意があったかどうかの状況証拠として検討されることになります。また、第三者の証言や、事件現場の状況を示す写真やビデオなども、事実関係を明らかにするために重要です。
しかし、証拠は常に明確な答えを提供するわけではありません。証拠の解釈は、しばしば主観的な要素を含み、異なる見方が可能です。そのため、弁護士は証拠を慎重に分析し、クライアントに有利な方法で提示するための戦略を練る必要があります。このプロセスは、弁護の成功において決定的な要素となることが多いのです。
法的弁護戦術
不同意性交等罪の容疑に直面した際、弁護士は複数の戦術を駆使してクライアントの権利を守ります。架空の事例においても、Aさんの弁護団は以下のような戦略を展開することが考えられます。
まず、Vさんの主張に矛盾点がないか徹底的に調査します。これには、Vさんの過去の行動パターンや、事件当日の行動、Aさんとの関係性に関する証拠を精査することが含まれます。
また、Vさんの精神状態や、事件に至るまでの経緯を詳細に検討し、同意があったというAさんの主張を裏付ける証拠を集めることが重要です。
次に、Aさんが誠実に同意を得たと信じていたという証拠を提示することで、誤解に基づく行為であった可能性を示唆します。これは、Aさんの認識とVさんの意思表示との間に齟齬があったことを示すことにより、故意ではないことを主張する戦略です。
さらに、第三者の証言や、事件当夜の両者の行動を記録した映像など、客観的な証拠を用いて、Aさんの主張に信憑性を持たせることも考慮されます。これらの証拠を通じて、Aさんの無罪を証明するための弁護戦略を構築することが、弁護士の重要な役割となります。
通信記録の影響
不同意性交等罪の訴訟において、通信記録はしばしば重要な証拠となります。
架空の事例では、AさんとVさんの間のメッセージのやり取りが、事件の解明に役立つ可能性があります。
事件前のメッセージは、二人の関係性や、その夜の出来事に対する期待を示すことができます。例えば、フレンドリーで親密なやり取りがあれば、それは同意が存在したことの指標となり得ます。
一方で、Vさんが不安や疑念を示していた場合、それは同意がなかったことの証拠として解釈されるかもしれません。
事件後の通信は、事件の認識に関する両者の態度を反映します。Aさんが事件後に謝罪のメッセージを送っていた場合、それは罪悪感の表れと見なされる可能性があります。
しかし、これらのメッセージは文脈を考慮せずに解釈されるべきではなく、全体のやり取りの流れの中で評価される必要があります。
弁護士は、これらの通信記録を慎重に分析し、クライアントの主張を支持する証拠として利用する方法を模索します。通信記録は、事件に関する両者の真実の意図を解き明かす手がかりとなるため、その取り扱いには細心の注意が払われるのです。
福岡県の不同意性交等罪に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、法改正前の強制性交等罪の否認事件において、嫌疑不十分による不起訴処分を獲得している実績があります。
福岡県での不同意性交等事件で、自身やご家族が警察の取調べを受けるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

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【事例解説】電子計算機使用詐欺罪とその弁護活動(電子マネーを不正送金した架空の事例に基づく解説)

この記事では、架空の事例を基に、電子計算機使用詐欺罪がどのような場合に成立し、弁護活動がどのように展開されるかを解説します。
事例紹介:電子マネーを不正送金したケース
北九州市在住の同市職員の男性Aが、同市在住の会社員女性Vのスマートフォン上の電子決済アプリのアカウントから、Vになりすまして虚偽の送金情報を入力し、自身のアカウントに8万円相当の電子マネーを不正送金したとして、電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕されました。
警察の調べによると、AとVは飲食店で知り合った後にA宅で過ごし、翌日Vが帰宅後に自身のアカウントの電子マネー残高が減っていることに気づき、同署に相談したことから捜査が開始され、送金履歴などからAの不正送金が発覚したとのことです。
Aは、電子計算機使用詐欺の容疑を認めています。
(事例はフィクションです。)
電子計算機使用詐欺罪とは
人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて、財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、財産上不法の利益を得た者は、10年以下の懲役に処する、と定められています(刑法第246条の2)。
詐欺罪(刑法第246条)が、人を欺き財物を交付させたり、財産上の利益を得た場合などに成立するのに対し、電子計算機使用詐欺罪は、「電子計算機」(パソコン、スマートフォンなどの電子機器全般)に虚偽の情報を入力することなどにより、財産上の利益を不正に得る場合などに成立します。
「虚偽の情報」とは、電子計算機のシステムにおいて予定されている事務処理の目的に照らし、その内容が真実に反する情報、とされます。
電子マネーの送金は、通常本人の意思に基づき行われるものであるため、送金する約束もないのに本人になりすまして入力した送金情報は、真実に反する「虚偽の情報」に当たると考えられます。
また、「財産権の得喪若しくは変更に係る電磁的記録」について、ネットバンキングの預金残高や電子決済アプリの電子マネー残高は、通常これに該当します。
本件で、送金する約束もないのにVになりすまして入力した送金情報によって、「不実の電磁的記録」が作出されたといえ、不正送金した金額が、自身のアカウントの電子マネー残高に反映された時点で、Aは当該残高相当の電子マネーを自由に利用することができると考えられるため、「財産上不法の利益」を得たものと通常認められます。
よって、本件Aの不正送金行為は、電子計算機使用詐欺罪が成立し得ると考えられます。
なお、AがVの電子決済アプリのアカウントに不正にログインした行為については、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(不正アクセス禁止法)第3条違反が別途成立する可能性があります(法定刑は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金)。
市役所職員による電子計算機使用詐欺事件の刑事弁護
電子計算機使用詐欺罪は罰金刑の定めがないため、起訴され有罪となった場合、執行猶予が付く可能性はありますが、懲役刑が科せられることとなります。
Aは地方公務員であることから、起訴され有罪となり懲役刑が科せられた場合、執行猶予が付いたとしても、地方公務員法第16条1号で定める「禁錮以上の刑に処せられた者」に該当し、原則として失職することとなります(同法第28条4項)。
そのため、不起訴処分の獲得を目指して、早期に被害者に対する謝罪及び被害弁償を行った上、示談成立に向けた交渉を行うことが重要ですが、本件のような詐欺事件では、銀行や電子決済アプリ運営会社がVに被害金額を補填する場合もあり、示談交渉の相手先が必ずしもVとは限らない可能性もあります。
よって、示談交渉を行うに際しては、事前に十分な検討を要するため、刑事事件に強く、詐欺事件の示談交渉の経験豊富な弁護士への相談をお勧めします。
福岡県の電子計算機使用詐欺事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、電子計算機使用詐欺などの詐欺事件において、示談成立による不起訴処分を獲得した実績が多数あります。
電子マネーの不正送金などの電子計算機使用詐欺事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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【事例解説】事件後長期間経過後に性被害を訴えられた事件(元教え子から示談金を請求された架空の事例に基づく解説)

元教え子から、在校中に行ったわいせつな行為での示談金の支払いを請求された架空の事件を参考に、令和5年法改正による性犯罪の公訴時効期間の延長や、事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事例紹介:元教え子から強制わいせつの示談金を請求された教員のケース
久留米市内の高校教員Aは、7年程前に、当時担任していた18歳の女子生徒Vの身体を抑えつけ、身体を触るなどのわいせつな行為を行いました。
最近になり、VからAに対し、示談金200万円を支払わないと、在校中に受けたわいせつな行為の件で、警察に被害届を出す旨の連絡がありました。
Aは、7年程前の事件のため既に公訴時効期間が経過しているのではないかと思い、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)
旧強制わいせつ罪(現不同意わいせつ罪)の公訴時効
AがVに対して行った行為は、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をしたとして、旧刑法第176条の強制わいせつ罪に該当し得ると考えられます。
強制わいせつ罪は、令和5年法改正により、現行法では不同意わいせつ罪となりましたが、AがVにわいせつな行為を行ったのは、現行法の施行前であるため、施行後に被害を訴えられたとしても、旧法の強制わいせつ罪が適用されます。
公訴時効とは、犯罪から一定期間が経過した場合には、犯人を処罰することができなくなる制度です。
強制わいせつ罪の公訴時効期間は7年でしたが、令和5年法改正において、性犯罪は、その性質上、恥ずかしさなどの感情から、被害申告が難しい場合もあることなどが考慮され、現行法の不同意わいせつ罪の公訴時効期間は、7年から12年に延長されました(刑事訴訟法第250条3項3号)。
なお、改正法施行時に公訴時効期間が進行中の事件は、延長された新しい公訴時効期間が適用されることとなるため、強制わいせつ罪であっても、改正法施行時に7年の公訴時効期間が経過していなければ、公訴時効期間が12年に延長となります。
そのため、本件でAがVに対するわいせつな行為を行った具体的な年月日によっては、強制わいせつ罪の公訴時効期間が12年に延長される結果、公訴時効期間が経過していない可能性があると考えられます。
事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合の刑事弁護
公訴時効期間が経過していれば、通常、刑事事件化されることもなくなるため、事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合、訴えの内容により成立し得る罪と公訴時効期間の経過について検討する必要があります。
公訴時効期間は、対象となる罪の法定刑の長短等に応じて大きく変わるため、成立し得る罪の検討は、慎重に行う必要があります。
例えば、本件において、被害者が、わいせつな行為によりPTSDを発症したと訴える場合、強制わいせつ致傷罪が成立する可能性があり、この場合、公訴時効期間は15年(現不同意わいせつ致傷罪であれば20年)と、大幅に長期化します。
また、令和5年法改正により、性犯罪の被害者が18歳未満の場合、被害申告が特に難しいであろうことを考慮し、被害者が18歳になるまでの期間が公訴時効期間に加算されることとなりました。
そのため、18歳未満の者に対する性犯罪の場合は、被害者が18歳になってから公訴時効期間が実質進行することにも留意する必要があります。
以上のことから、事件後長期間経過後に被害を訴えられた場合、特に性犯罪では公訴時効期間等が大幅に改正されたこともあるため、刑事事件に強い弁護士に相談し、公訴時効期間の経過の可能性、刑事事件化のリスクや取るべき対応などについて、慎重に検討することをお勧めします。
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事件後長期間経過後に被害を訴えられるなどして、今後の対応についてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

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【事例解説】建造物侵入罪での否認事件の弁護活動(女性用浴場に侵入し逮捕された架空の事例に基づく解説)

入浴施設の女性用浴場に侵入したとして、建造物侵入の容疑で逮捕された架空の事件を参考に、建造物侵入罪の成立と故意を否認する事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事例紹介: 入浴施設の女性用浴場に侵入したケース
入浴施設の女性用浴場に侵入したとして、直方市在住の会社員男性Aが、建造物侵入の容疑で逮捕されました。
福岡県直方警察署の調べによると、女性客から「男が入ってきた」と相談を受けた従業員が、女性用浴場でAを取り押さえ、警察に通報したとのことです。
Aは、「女性用浴場に入った事実は認めるが、男性用浴場と間違えて入ってしまった」などと供述し、容疑を一部否認しているとのことです。
(事例はフィクションです。)
建造物侵入罪とは
正当な理由がないのに、人の看守する建造物に侵入した場合は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する、とされています(刑法第130条)
「建造物」とは、住居、邸宅以外の建物一般を指します。入浴施設は、人(施設の管理人)が看守している「建造物」にあたるといえます。
建造物侵入罪における「侵入」とは、建造物の管理権者の意思に反して立ち入ることとされ、入浴施設の女性用浴場に男性が立ち入ることは、通常、施設の管理人の意思に反するものと考えられます。
故意を否認する事件の刑事弁護
刑法第38条第1項で、罪を犯す意思がない行為は、法律に特別の規定がある場合を除いて罰しない、と規定されています。
「罪を犯す意思」は「故意」とも呼ばれ、犯罪事実を認識・認容しているときに故意があるとされます。故意がない場合、外形的には犯罪の構成要件に該当する行為を行った場合であっても、過失犯処罰規定などの特別の規定がない限り、罰せられないこととなります。
本件Aは、女性用浴場に男性用浴場と間違って入ったと供述しており、これは、入浴施設の管理人の意思に反する立ち入りという、建造物侵入罪における「侵入」を行うことの認識・認容、即ち故意がなかったという主張になります。
建造物侵入罪には、過失犯処罰規定などの特別の規定がないため、故意が認定されなければ、Aは罰せられないことになります。
故意を否認する事件の場合、弁護活動としては、被疑者の主張に合理性が認められるよう、被疑者や家族、関係者などから、被疑者の生活状況や事件の経緯などを聴き取ったり、客観的な証拠を収集したりした上で、嫌疑不十分による不起訴処分を目指すことが考えられます。
本件でいえば、Aの入浴施設の利用状況・回数、女性用浴場と男性用浴場の入れ替えの有無や表示の仕方、利用客の多寡、取り押さえられた際のAの様子などの諸般の事情から、男性用浴場と間違って女性用浴場に入ったというAの供述が不合理でなく、故意が認められるか疑わしいことを、検察官に対して、意見書などで的確に主張する必要があると考えられます。
なお、このような否認事件の場合は、逮捕後に勾留されて、身体拘束が長期化することや、捜査機関による取調べが厳しくなる可能性が高くなることが考えられるため、逮捕後早い段階で、刑事事件に強い弁護士に依頼し、身体拘束からの解放に向けた弁護活動を行ってもらうことや、取調べ対応についてのアドバイスを受けることをお勧めします。
福岡県の建造物侵入事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、否認事件において、嫌疑不十分による不起訴処分や無罪判決を獲得している実績があります。
建造物侵入罪の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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【少年事件解説】19歳の「少年」による強盗事件(架空の特定少年事件に基づく解説)

この記事では、19歳の「少年」による架空の強盗事件を基に、少年法における「特定少年」による事件の刑事手続きと弁護活動について解説します。
事例紹介:福岡県の19歳の少年による強盗事件
福岡県在住の19歳の少年Aが、県内の高齢女性の自宅に押し入り、脅迫を用いて現金を奪ったとして、強盗の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
少年法における「特定少年」とは
少年法においては、20歳未満の者を「少年」として扱います(少年法2条1項)。この点、民法の改正により成人年齢が満18歳となりましたが、20歳未満であれば「少年」として扱われます。
少年法では、14歳以上20歳未満の者で、罪を犯した者を「犯罪少年」として取り扱いますが、成人年齢が引下げになったことに伴い、犯罪少年のうち18歳以上の者を「特定少年」とし、18歳未満の犯罪少年による少年事件の場合と取り扱いを区別しています。
原則逆送の対象となる場合
少年法では、少年が死刑、懲役、または禁錮に相当する罪を犯した場合、家庭裁判所は、その少年を検察官に送致することが定められています(少年法20条1項)。この送致を「逆送」と呼び、少年法における保護処分ではなく、成人と同様の刑事処分が検討されることになります。
特定少年の場合は、これに加えて、
・故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件(例.殺人、傷害致死)であって、事件のとき16歳以上の場合
・死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件(例.現住建造物放火、強盗、不同意性交等)であって、事件のとき18歳以上の場合を犯した場合
も、原則として逆送されます(少年法62条2項)。
ただし、犯行の動機、態様、結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状、環境などを考慮し、刑事処分以外の措置が相当と認められる場合には、この限りではありません。
逆送された後、検察官が捜査を行い、起訴するべき事案であると判断された場合、特定少年は成人の刑事手続きと同様に公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。
弁護士の役割
原則逆送事件の場合、先述のとおり刑事罰が科せられるおそれがあります。
そのため、少年事件の弁護人・付添人の経験が豊富な弁護士に依頼をし、少年として保護処分を課すことが相当である事件であることを積極的に主張し、逆送を回避、あるいは逆送後に再送致(逆送を受けた検察官の判断で家庭裁判所に改めて送致する手続き)に付するべき事案であることを積極的に主張していくことが考えられます。
福岡県の少年事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、主に刑事事件や少年事件を取り扱っており、少年事件における弁護活動や付添人活動の豊富な実績があります。
強盗事件でご家族の少年が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

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