あおり運転厳罰化後、初の逮捕

2020-08-24

あおり運転厳罰化後、初の逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県筑紫野市に住む会社員のAさんは車を運転して職場から帰宅途中、前方のBさんが運転する車がノロノロ運転し、不必要なところで急ブレーキをかけるなどしたことから「挑発を受けた」などと勘違いし、Bさんの車に対してクラクションを鳴らし続け、さらにはBさんの車を追い越して急ブレーキをかけ、Bさんの車を急停止させました。また、Aさんは車から降り、運転席に乗っていたBさんに対して、「お前、何しとるんじゃ!」「運転なめとっとか!」「いい加減にしろ!」「殺されたくなければ今すぐ車から降りて土下座しろ!」などと言いました。そうしたところ、Aさんは第三者から通報を受け、現場に駆け付けた福岡県筑紫野警察署の警察官に強要未遂罪で逮捕されてしまいました。また、その後、Aさんは強要未遂罪で起訴された後、道路交通法違反(妨害運転罪)で逮捕されてしまいました。
(令和2年8月18日で取り上げられたニュースを基に作成したフィクションです。)

あおり運転の厳罰化、妨害運転罪とは

あおり運転の厳罰化とは、あおり運転道路交通法という法律に列記とした犯罪(妨害運転罪)であることが明記され、かつ、罰則や違反点数が大幅に引き上げられた、ということです。

妨害運転罪のの具体的内容は改正道路交通法の117条の2の2第11号に規定されています。それによると、次の条件を満たした場合に妨害運転罪が成立するとされています。

☑ 他の車両等(車、自転車など(歩行者は含まれない))の通行を妨害する目的 で、
☑ 次の「イからヌに当たる行為(妨害運転)」を行い、
☑ 上記の行為が妨害された他の車両等に道路における交通の危険を生じさせる方法であること

妨害運転」の具体的内容は、

イ 蛇行、逆走、対向車線はみだしなど(通行区分違反)
ロ 不必要な急ブレーキ(急ブレーキ禁止違反)
ハ 後方からの異常接近(車間距離不保持)
ニ 無理な・急な進路変更(進路変更禁止違反)
ホ 左側からの追い越し、無理な追い越し(追い越しの方法違反)
へ 前後方からのハイビーム(減光等義務違反)
ト 不要なクラクション、ベル(警音器使用制限違反)
チ 幅寄せ・急接近など(安全運転義務違反)
リ 高速道路での低走行禁止(最低速度違反)
ヌ 高速道路での駐停車(高速道路等駐停車違反)

です。この点、本件Aさんの行為は「ト」、「ホ」にあたることが分かります。

妨害運転罪の罰則は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
なお、妨害運転は反則行為ではありません。反則行為でないということは、検挙されると交通反則通告制度に基づくいわゆる「青切符」ではなく、刑事手続きに基づき、基本的には「赤切符」の交付を切られるということになります。ご存知のように、青切符を切られた場合、「罰金」ではなく「反則金」を納付すれば手続きが済みましたが、赤切符を切られると上記のとおり、「懲役」あるいは「罰金」の刑事罰を受け前科が付く可能性があります。また、直ちに刑事手続きに移行するということは、最悪の場合、逮捕される可能性もあるという点も注意が必要です。

逮捕から勾留までの流れ

逮捕から勾留までの流れは以下のとおりです。

逮捕から検察官への送致まで

警察に逮捕されると、被疑者(Aさん)は警察署内の留置場に収容されます。
この間、ご家族は被疑者と面会はできないと考えた方がよいです。
他方、弁護士は、いつでも逮捕された方と面会(接見)できます。
また、この段階で、警察に対し被疑者を釈放するよう働きかけることができます。
しかし、それでも検察官へ身柄を送致されることがあります。

検察官送致から勾留請求まで

検察官へ身柄を送致される手続がとられると、被疑者は検察庁へ連れていかれることになります。
そして、検察庁で、検察官の弁解録取をいう手続きを受けます。
検察官が勾留が必要だと判断して勾留請求した場合は、その日、あるいは翌日に、今度は裁判所で裁判官による勾留質問の手続を受けます。
なお、ここでも、弁護士は検察庁においても被疑者と面会(接見)することができますし、検察官に対し、被疑者を釈放するよう働きかけることができます。

勾留質問から勾留まで

検察官に勾留請求された場合、裁判官の勾留質問の手続に移行します。
検察官の弁解録取の手続を受けた日に勾留質問がある場合は、被疑者は検察庁から直接裁判所へ連れていかれることになると思います。
他方、翌日に勾留質問がある場合は、いったん検察庁から留置場に戻り、翌日裁判所へ連れていかれることになります。
弁護人は、この段階でも、裁判官に対して被疑者を釈放するよう働きかけることができます。
また、仮に、勾留決定が出た場合でも、勾留裁判に対する不服申立てをすることによって、被疑者の釈放を求めることができます。
このように釈放活動は様々な段階で可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、あおり運転をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

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