あおり運転厳罰化?

2019-09-26

あおり運転厳罰化?

あおり運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡市中央区に住むAさんは、天神へ向かうため、福岡県内の片側2車線の高速道路において普通乗用自動車を運転中、追い越し車線を走るVさん運転の普通乗用自動車を認めました。Aさんは急いで天神へ向かっていたにもかかわらず、Vさんが追い抜き車線へ車線変更せず前方に進出できないことに憤慨し、V車の後方からヘッドライトを点滅させました。さらに、AさんはV車の後方約1メートル以内に自車をつけ、約500メートルにわたり走行し続けました。そうしたところ、Aさんはパトロール中の警察官に当該行為を現認され、道路交通法違反で検挙されてしまいました。
(フィクションです。)

~ あおり運転に対する現在の法令、罰則、反則金 ~

あおり運転がニュースなどで大きく取り上げられています。
このあおり運転についての明確な定義はなく、現在のところあおり運転そのものを処罰する法令、罰則はありません。

警察庁が公表している、あおり運転の例として、

① 前方の車に激しく接近し、もっと速く走るよう挑発する
② 危険防止を理由としない、不必要な急ブレーキをかける
③ 後方から進行してくる車両等が急ブレーキや急ハンドルで避けなければならなくなるような進路変更を行う
④ 左側から追い越す
⑤ 夜間、他の車両の交通を妨げる目的でハイビームを継続する
⑥ 執拗にクラクションを鳴らす
⑦ 車体を極めて接近させる幅寄せ行為を行う

行為が挙げられています。しかしながら、罰則は

①(車間距離保持義務違反)、②(急ブレーキ禁止違反)、④(追い越しの方法違反)、⑦(安全運転義務違反)については

3月以下の懲役又は5万円以下の罰金

③(進路変更禁止違反)、⑤(減光等義務違反)、⑦(初心者運転者等保護義務違反)については

5万円以下の罰金

⑥(警音器使用制限違反)については

2万円以下の罰金又は科料

と比較的軽い罰則しか規定されていません。

しかも、①から⑦までの行為は全て反則行為とされます。反則行為を行った場合、「刑事手続」ではなく交通反則通告制度により、上記の懲役、罰金ではなく

反則金

が科され、納付をすれば刑事手続によらず事件は終了、ということになります。

つまり、あおり運転の明確な定義はなく、かつ、あおり運転を行って懲役や罰金の刑罰ではなく反則金を科されるのが通常、というのが現行制度なのです。

ちなみに、普通乗用自動車の①(車間距離保持義務違反)、②(急ブレーキ禁止違反)、⑦(安全運転義務違反)の反則金は「1万5000円」です。

~ 違反点数は? ~

違反点数は累積制で、違反点数の合計点数により、免許停止、免許取消しなどの行政処分が決められます。

上記①から⑦のうち、

違反点数が1点のものは、

①(車間距離保持義務違反)、③(進路変更禁止違反)、⑤(減光等義務違反)、⑦(初心者運転等保護義務違反)

違反点数が2点のものは、

②(急ブレーキ禁止違反)、④(追い越し方法違反)、⑦(安全運転義務違反)

です。

~ 暴行罪の適用も? ~

現行制度では、あおり運転に対する罰則が軽いことから、警察は

故意に自車を他人の車に著しく接近させるなどの運転態様、当事者の認識、周囲の道路状況等に照らし、その行為が、相手の運転者に対する有形力の行使と認められる場合には暴行罪(刑法208条)が成立する場合がある(警察庁ホームページから引用)

としています。実際に暴行罪が適用された事例もあります。

刑法208条
 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

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