13歳の少年が女児にわいせつ行為を行った架空の事件を参考に、14歳に満たない者が犯罪に該当する行為をした場合の弁護活動について、前編・後編に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
福岡県大野城市内在住の少年A(13歳)が、小学校から帰宅途中の女児V(8歳)の陰部を下着の上から触るわいせつな行為を行いました。
帰宅したVから事件の話を聞いた母親が警察に通報し、後日、Aは、福岡県大野城警察署から本事件の調査のための呼出しを受けました。
(事例はフィクションです。)
14歳に満たない者が犯罪に該当する行為をした場合の取扱い
刑法第41条で、14歳に満たない者の行為は罰しない、と定めています。
これは、14歳未満の者については、一律に責任能力を否定し、罪を犯し得ないとされているためです。
本件Aの行為は、Aが14歳以上であればVに対する不同意わいせつ罪に該当し得るものですが、Aは行為時において13歳のため、犯罪は成立せず、Aに刑罰が科されることはありません。
しかし、14歳未満の者で、刑罰法令に触れる行為(つまり、犯罪に該当する行為)をした少年(以下、「触法少年」といいます。)は、児童福祉法及び少年法の手続きにより、調査や家庭裁判所の審判(以下、「少年審判」といいます。)の対象となることがあります(少年法第3条など)。
警察・児童相談所の調査について
触法少年が起こした事件(以下、「触法事件」といいます。)の場合、警察は刑事事件として捜査を行うことができず、逮捕・勾留といった身体拘束を行うこともありません。
警察は、事件について調査を行い、少年の行為が一定の重大な罪に係る刑罰法令に触れる場合など、事件を児童相談所に送致します(少年法第6条の2、6条の6)。
事件が送致されると、児童相談所は、少年が再び同じ非行を行わないために、どういった処遇が必要かなどを判断するための調査を行います。
調査は在宅で行われることもありますが、児童の安全の確保や行動観察などのために、児童相談所等に「一時保護」される場合もあります(児童福祉法第33条)。
調査の結果、少年や保護者への訓戒や児童福祉士らによる指導継続、又は児童養護施設等入所といった福祉的措置で終わることもありますが、少年審判に付することが適当と認められる場合は、事件は家庭裁判所に送致されます(児童福祉法第27条、少年法第6条の7)。
次回の後編では、家庭裁判所の調査・審判と触法事件における弁護活動について、解説します。
福岡県の少年事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、主に刑事事件や少年事件を取り扱っており、触法事件における弁護活動の豊富な実績があります。
ご家族が少年事件の加害者となるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。