【少年事件解説】わいせつ行為を行った13歳の少年に警察から呼出し(後編)

 前回に引き続き、13歳の少年が女児にわいせつ行為を行った架空の事件を参考に、14歳に満たない者が犯罪に該当する行為をした場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡県大野城市内在住の少年A(13歳)が、小学校から帰宅途中の女児V(8歳)の陰部を下着の上から触るわいせつな行為を行いました。
 帰宅したVから事件の話を聞いた母親が警察に通報し、後日、Aは、福岡県大野城警察署から本事件の調査のための呼出しを受けました。
(事例はフィクションです。)

前回の前編では、14歳に満たない者が犯罪に該当する行為をした場合の取扱いと警察・児童相談所の調査について、解説しました。

家庭裁判所の調査・審判について

 事件が家庭裁判所に送致されると、少年が非行に至ってしまった原因を探り、どうすれば再非行をせずに立ち直ることができるかなどを探るため、家庭裁判所調査官による調査が行われます。
 調査は在宅で行われることもありますが、少年の心身の状況等の鑑別などのために、「観護措置」として、原則4週間、少年鑑別所に収容される場合もあります(少年法第17条第1項、3項、4項)。

 調査の結果、少年審判が開始され、少年の非行事実があると認められた場合、非行内容や少年の抱える問題性(「要保護性」といいます。)に応じて、処分を決定します(保護処分又は不処分の決定)。

 保護処分は、重い順に、少年院送致、児童自立支援施設・児童養護施設送致、保護観察処分、となっていますが、決定の時に14歳に満たない者の場合、少年院送致は、特に必要と認める場合に限り行われます(少年法第24条第1項)。
 保護観察処分は前2者と異なり、少年を家庭等に置いたまま、保護観察官による指導監督という社会内処遇によって、少年の更生を目指すものです。

触法事件における弁護活動

 事件に関する調査が開始された場合、弁護士は、警察や児童相談所の調査への対応に関するアドバイスを行います。特に、触法少年の場合は、自分が思っていることを上手く表現することができない場合もあるため、警察などへの対応は、慎重に行う必要があります。
 児童裁判所に送致された後、一時保護される可能性のある事案においては、一時保護の必要性があるのかを検討し、回避に向けた取組みを行う必要がある場合も考えられます。

 少年法は、「少年の更生を図る」ことを目的としていることから、少年事件では、「要保護性」をいかに解消できるかが問題となるため、事件が家庭裁判所に送られた後は、弁護士が付添人(少年法第10条)として、少年の更生に向けた活動をし、家庭裁判所に対し適切な処分を求めることが考えられます。
 具体的には、少年の家庭や学校での普段の素行を踏まえ、少年本人への働き掛けや、ご家族と協力して、少年を取り巻く環境を整えるなどし、少年が再び非行を行う危険性がない事情などを説明していくことになります。

 これまで述べたとおり、少年事件、特に触法事件は、児童相談所の関与など成人事件とは異なる点が多く、どのような段階で、どのような対応をしていくべきか専門的な判断を必要としますので、できるだけ早期の段階で、触法事件の弁護活動の経験が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

福岡県の少年事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、主に刑事事件や少年事件を取り扱っており、触法事件における弁護活動の豊富な実績があります。
 ご家族が少年事件の加害者となるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

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