未成年者と交際し性交したことで、福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)で取り調べを受けた事件を参考に、福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
福岡県糸島市の飲食店店長の男性A(27歳)は、アルバイト従業員の女子高校生V(17歳)と交際関係になり、同市内のA自宅やホテルで性行為を複数回行いました。
事実を知って憤慨したVの両親から警察に通報があり、Aは福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)の容疑で警察の呼び出しを受け、取り調べを受けることとなりました。
(事例はフィクションです。)
福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)とは
福岡県青少年健全育成条例第31条は、青少年(18歳未満の者)に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならない、と定めています。
判例によると、「淫行」とは、(ア)青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交等、又は(イ)青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交等、と解釈されています。
福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)で有罪となった場合、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
真剣な交際関係であったことの主張
Aは、Vと真剣な交際関係であったとして、行った性行為は、上記(ア)又は(イ)に該当する性交等ではなく、福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)は成立しないと主張することが考えられます。
本件で、Vの両親は交際を認知しておらず、事実を知った後すぐに警察に通報していることは、真剣な交際関係であったかの判断において不利な事情になると考えられます。
また、過去の裁判例から、当事者の年齢、知り合った際の当事者間の立場の違い、知り合ってから交際するまでの経緯と期間、交際内容、交際してから性行為するまでの期間、性行為してからの交際内容、など様々な要素を勘案して判断されることが予想されます。
福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)の弁護活動
真剣な交際関係にあったことを主張して罪の成立を争うことは容易でないと思われるため、被害者との示談を成立させ不起訴処分を目指すことも、現実的な選択肢の一つとなります。
被害者が未成年者のため、通常、示談交渉は両親等の保護者と行うこととなりますが、本件のように、保護者が子の被害に憤慨するなど感情的になり、被害者本人との示談交渉の場合よりも難航するおそれがあるため、刑事事件に強く、示談交渉の経験の豊富な弁護士への相談をお勧めします。
示談金の支払いと併せて、子と今後一切接触しないことを誓約することにより、示談書に「刑事処罰を求めない」旨の宥恕条項を入れてもらうことで、不起訴処分を得られる可能性を高めることが期待できます。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)事件において、示談締結による不起訴処分を獲得している実績があります。
福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)で自身やご家族が警察の取り調べを受けるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。