わいせつ物公然陳列罪で逮捕

2019-02-17

わいせつ物公然陳列罪で逮捕

福岡県川崎町に住むAさんは,自分の元恋人Vさんに嫌がらせをする目的で,かつて交際していた時に撮影したVさんの全裸の写真データをインターネット掲示板にアップロードしました。そうしたところ,Aさんは,福岡県田川警察署の警察官にわいせつ物公然陳列罪の容疑で逮捕されました。逮捕の通知を受けたAさんの家族は,刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(フィクションです)

~ わいせつ物頒布等罪 ~

刑法175条1項
 わいせつな文書,図画,電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し,又は公然と陳列した者は,2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し,又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も,同様とする。

= わいせつな文書,図画,電磁的記録に係る記録媒体その他の物 =

判例で,「わいせつ」とは,

徒らに性欲を興奮または刺せしめ,かつ,普通人の正常な性的羞恥心を害し,善良な性的道徳観念に反するもの

とされています。

また,ここでいう
・「文書」とは本など文字によって表示されるもの
・「図画」とは写真,絵画など象形的方法によって表示されるもの
・「電磁的記録に係る記録媒体」とはハードディスク,BL・DVD・CD,USBメモリー,フラッシュメモリー,インターネット上のサーバー,ビデオカセットテープなど電磁的記録(情報)が記録・蔵置されているもの
・「その他の物」とは,彫刻物,模擬物など
のことをいいます。

= 頒布 =

「頒布」とは,不特定又は多数人に対して有償又は無償で交付することをいいます。
そのため,特定の人に対して1回限りで交付することは「頒布」には当たりません。
もっとも,特定の1人に対する1回限りの交付であっても,反復継続して交付する意思があれば,「頒布」に当たりうると判断した裁判例があります。
また,「頒布」と言えるためには,現実に交付・引き渡しがされることが必要であり,例えば,わいせつ物を郵送したが,配送途中の事故により相手方に到達しなかったという場合には,「頒布」には当たらないことになります。

= 公然と陳列 =

「公然と陳列」とは,不特定又は多数の者が閲覧することができる状態に置くことをいいます。
そのため,特定少数人のみが閲覧できるという状態にすぎない場合には,原則として「公然と陳列」には当たらないことになります。
しかし,特定少数人のみが閲覧できる状態にすぎない場合であっても,これが不特定多数の者を勧誘した結果,たまたま特定少数人のみが閲覧しただけに過ぎないという場合(例えば,わいせつな映像を上映しようと思い,映画館に不特定多数の者を勧誘したが,結果として小数人しか来ず,小数人しか閲覧しなかったという場合)には,例外的に「公然と陳列」に当たりうると判断した裁判例があります。

= まとめ =

Vさんの全裸の写真データは「わいせつな電磁的記録」に当たります。そして,インタネット上の写真データを記憶・蔵置するサーバーが「電磁的記録に係る記録媒体」に当たるでしょう。インターネット上にアップロードすれば,不特定又は多数の者が閲覧できる状態に置かれるということですから,Aさんの行為は「公然と陳列」したことに当たるでしょう。以上から,Aさんは,わいせつ物公然陳列罪で処罰されるおそれが出てきます。

~ その他 ~

その他,Aさんの行為は,

リベンジポルノ被害防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(以下,法律))の公表罪(法律3条1項)

に当たおそれがあります。法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
ただし,公表罪が成立する場合も様々な要件をクリアすることが必要ですから,詳細は法律を確認するか弁護士にお尋ねください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,わいせつ物公然陳列罪などをはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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