特殊詐欺と保釈

特殊詐欺と保釈

特殊詐欺と保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

北九州市小倉北区に住む大学生のAさん(22歳)は,SNSを通じて知り合った相手から,「キャッシュカードを受け取るだけの簡単なアルバイトの仕事があるけどやってみないか」となどと誘われました。Aさんは、内心「まったく見ず知らずの他人からキャッシュカードを受け取るなんて怪しい仕事に決まっている」と思いましたが、1回の受け取りにつき5000円をもらえるというので引受けました。当日、Aさんは、受け取り場所に指定されたアパートの郵便受けに入れてあった鍵を使って部屋に入りました。そして、Aさんは配達を待っていると玄関が鳴ったのでドアを開け荷物(中身は紙くず)を受け取ると、相手から「警察だ。」「詐欺未遂罪で逮捕する。」と言われ逮捕されてしまいました。相手は福岡県小倉北警察署の警察官でした。その後、Aさんは20日間の勾留期間を経た後、詐欺未遂罪で起訴されてしまいました。Aさんの両親は、何とか釈放してあげたいと思い、弁護士に保釈請求の手続きを依頼しました。
(フィクションです。)

~ 特殊詐欺 ~

特殊詐欺とは、不特定の方に対して、対面することなく、電話、はがき、FAX、メール等を使って行う詐欺のことで、2011年4月の警察庁の発表から正式に呼称されています。特殊詐欺は「振り込め詐欺」と「振り込め類似詐欺」に分けられます。

「振り込め詐欺」は、

・オレオレ詐欺
・還付金詐欺
・架空請求詐欺
・融資保証金詐欺

に分類されます。「振り込め類似詐欺」は

・金融商品等取引名目の詐欺
・ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺
・異性との交際あっせん名目の詐欺
・その他の特殊詐欺

に分類されます。
特殊詐欺は、刑法上の詐欺罪(刑法246条)に当たる立派な犯罪です。

刑法246条1項
 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

~ 逮捕から起訴までの流れ ~

警察に逮捕されると、通常は、警察署内に設けられている留置施設(留置場とも呼ばれています)に収容されます。その後、様々な手続きを経て「勾留」されることになるでしょう。
なお、罪によっては逮捕から勾留までに釈放されることはあります。しかし、特殊詐欺の場合、組織性や悪質性が高いことなどから釈放される可能性は低いでしょう。
勾留されると、まず10日間身柄を拘束され、その後の「やむを得ない事由」がある場合はさらに10日間を限度に勾留期間を延長されます。この勾留期間中にも、特殊詐欺に関与した嫌疑がない、あるいは嫌疑を十分に立証し得るための証拠がないという場合や、弁護人からの不服申し立てが認められることによって釈放されることはありますが、他の罪と比べてその可能性は低いでしょう。
そして、勾留期間を経て、検察官により起訴か不起訴か判断されます。起訴された場合は刑事裁判を受けなければなりません。また、引き続き身柄拘束(勾留)が続きます。

~ 起訴後の釈放(保釈) ~

保釈とは、被告人(裁判にかけられた人)に対する勾留の執行(効力)を停止して、その身柄拘束を解くことをいいます。
起訴後は、起訴前と比べ捜査がある程度終了していますから保釈(釈放)される可能性は上がります。

もっとも、保釈請求したからといって必ず保釈されるわけではなく、保釈のための要件(権利保釈、裁量保釈など)を満たす必要がありますし、多額の保釈保証金を準備する必要があります。また、余罪がある場合は注意が必要です。すなわち、保釈されたとしてもその瞬間、別の事件で逮捕される、という事態も考えられるからです。

保釈をご検討中の方は、一度、弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、特殊詐欺をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。

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