【事例解説】大麻取締法違反とその弁護活動(マンションの一室で大麻を栽培したケース)

【事例解説】大麻取締法違反とその弁護活動(マンションの一室で大麻を栽培したケース)

今回は、マンションの一室で大麻を栽培したというニュース記事に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:マンションの一室で大麻を栽培したケース

マンションの一室で大麻を栽培したとして、九州厚生局麻薬取締部が、福岡市博多区、無職のAさん(40)を大麻取締法違反営利目的栽培)容疑などで逮捕していたことが捜査関係者への取材でわかった。Aさんは同法違反で起訴され、2日に福岡地裁であった初公判で起訴事実を認めた。
捜査関係者や起訴状によると、Aさんは2月上旬頃~7月12日、営利目的で自宅とは別の同区月隈のマンションの一室で、大麻草46株を栽培するなどしたとされる。販売先の看護師の女や郵便局員の男は、同法違反(所持)容疑で逮捕されている。
検察側は冒頭陳述などで、被告が、2017年頃から同所で栽培を始め、自分で吸ったり、知人に販売したりしていたと指摘。他人名義のスマートフォンを使い、これまでに約1100万円を売り上げたと主張した。
読売新聞オンライン 九州発2023/10/03 10:37の記事を一部変更し引用しています。)

1,大麻取締法違反(営利目的栽培)について

〈大麻取締法〉

大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。」(大麻取締法第24条1項

営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。」(同法24条2項

大麻取締法にいう「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品を言います。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除きます。(1条
みだりに」とは、社会通念上正当な理由があると認められないことを意味します。
栽培」とは、播種(植物の種子をまくこと)から収穫までの育成行為を言います。
営利の目的」とは、犯人が自ら財産上の利益を得、又は第三者に得させることを動機・目的とすることを言います。
また、必ずしも反復継続的なものである必要はなく、1回限りの行為であっても良いし、その目的によって犯行がなされたのであれば、現実に利益が得られたか否かは問題となりません。

2,弁護活動

麻薬取締法違反で逮捕・勾留された場合、最長で23日間、身柄を拘束されて取り調べを受け、最終的には検察官により起訴されるか否かが判断されます。
被疑者勾留による身柄拘束は、被疑者に証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合になされます。(刑事訴訟法207条1項本文60条1項各号
また、薬物事件は、薬物の所持量、薬物の入手経路や販売経路、組織的かどうかなど明らかにしなければならない点が多いため、捜査が長期化し、それに伴い被疑者の身柄拘束も長くなることがあります。
そのため、起訴前の段階で早期の身柄解放を実現することは、難しいと言えるでしょう。
しかし、起訴された後、明らかにすべきことが明らかになれば、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを示す客観的な事情や証拠を用いた身柄解放に向けた弁護活動を行うことができます。
例えば、被告人が所持していた大麻の量がそれほど多いとは言えず、所持していた大麻そして大麻を入手するために使用したと思われるスマホやパソコンといった電子端末は全て捜査機関に押収されているなどの事情は、被告人の証拠隠滅のおそれを否定する事情と言えるため、それらを主張することで被告人の早期の身柄解放が期待できるでしょう。
そして、薬物事件は直接の被害者がいない犯罪であるため、被害者と示談交渉して被害届を取り下げてもらうなどの弁護活動を行うことができません。
そのため、例えば大麻取締法営利目的所持違反で起訴された場合には、当該犯罪で得た収益と同額を贖罪寄付するなどの社会貢献活動を行い反省の意を示すなど活動を行います。
贖罪寄付とは、被害者のいない刑事事件や、被害者との示談ができない刑事事件などにつき、刑事手続の対象となっている方の改悛の真情を表すために日本弁護士連合会日弁連)に寄付を行うことです。
その他にも、法テラスが独自で受け付けているものや日弁連交通事故相談センターが交通事故被害者に特化した交通贖罪寄付を受け付けています。
以上のような活動を通じて、少しでも被告人にとって有利な結果を得られるよう尽力いたします。
起訴されてしまったとしても、贖罪寄付や入手元の連絡先を消去し薬物との関わり合いを断ち反省の意を裁判官に示すことで、執行猶予付き判決を獲得できる期待が高まります。
そのため、大麻取締法違反で逮捕・勾留または起訴されてしまった場合には、少しでも早く弁護士に依頼して力を借りることが重要といえるでしょう。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において大麻取締法違反の当事者となってしまった方、または家族・親族が当事者となってしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、薬物事件の刑事弁護の経験や実績が豊富な弁護士が在籍しております。
大麻取締法違反の当事者となってしまった方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、家族・親族が当事者となってしまった方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
お気軽にご相談ください。

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