大麻取締法違反

1.「大麻」とは?

薬物の全般を規制している一般法は存在せず、それぞれの薬物の種類ごとに法律が制定され、取締まられています。

大麻に関しては、「大麻取締法」において規制されています。

2.大麻の作用等

1. 主な薬物名と性状
大麻煙草(マリファナ):大麻草砕断
大麻樹脂(ハシシュ):褐色樹脂
液状大麻(ハシシュオイル):黒色タール状液体

2. 用法
吸煙

3. 薬理作用
知覚・感覚の変化、特に時間・空間の歪み。陶酔、鎮静。

4. 依存性等
精神的依存を形成。幻覚妄想型の精神病様症状を出現

5. 起源
大麻草(アジア、北米、中近東、北アフリカ等世界各地)⇒採取⇒乾燥大麻⇒マリファナ大麻草⇒採取⇒大麻樹脂⇒液状大麻

3.大麻取締法の刑罰について

大麻取締法は、大麻の栽培、輸入、輸出、所持、譲り受け、譲り渡しなどの行為の他、犯罪に必要な資金や場所、原材料を提供する行為などについて、罰則を科しています。

大麻の使用について、覚せい剤取締法などと異なり、刑罰が規定されていません。

もっとも、使用に近接して大麻を所持していたり、譲り受けていたりするため、それらの行為で処罰される可能性は十分あります。

(1) 輸入・輸出・製造

① 単純(営利目的以外)
7年以下の懲役(製造なし)

② 営利目的
10年以下の懲役又は情状により300万円以下の罰金併科

(2) 所持・譲渡・譲受

① 単純(営利目的以外)
5年以下の懲役

② 営利目的
7年以下の懲役又は情状により200万円以下の罰金併科

(3) 栽培

① 単純(営利目的以外)
7年以下の懲役

② 営利目的
10年以下の懲役又は情状により300万円以下の罰金併科

4.具体的検討

(1)量刑に影響を及ぼす事情

同種前科の有無、量や常習性などの再販可能性の有無の他、監督者の存在や薬物犯罪を再びしないような環境が構築されているかが挙げられます。

(2)薬物離脱からの方策

「青年期から大麻を日常的に使用すると大麻への依存症が高くなる」や「青年期から成人期まで日常的に大麻を使用すると知力の発達を妨げる可能性がある」など、比較的幼いうちから大麻を使用すると悪影響が出やすいことが指摘されています。

その他、大麻が引き起こす悪影響として「大麻の影響下で運転すると交通事故を引き起こす可能性が高まること」や「大麻を日常的に使用すると統合失調症などの精神疾患にかかる可能性が高まる」などが挙げられています。

一方、大麻の使用をやめようとする人の多くは不眠症やうつ症状、さらに不安感や食欲の乱れなどに襲われることも指摘されています。

このように、大麻事犯においては、依存症となって使用をやめられないことが多々あり、治療やカウンセリングにつなげ、薬物を止められる環境を作ることが大切です。

カウンセリングには、精神科医や臨床心理士等の専門家によるカウンセリングも考えられます。

また、薬物依存リハビリテーションセンター(例えばDARC)等に通うことも有益です。更に、専門の治療医院に入・通院することも挙げられます。

例えば、早い段階から弁護士をつけて、身体拘束開放活動(保釈)を行い、保釈中から治療を始めることは非常に有益です。

~大麻取締法違反に関する弁護活動~

(1)情状弁護

大麻取締法違反の事実について、犯行を認めて反省の態度を示していること、使用・所持の量が微量であること、薬物使用の常習性・依存性がないこと、家族などの監督により再犯可能性がないこと等を積極的にアピールしてゆき少しでも軽い処分を目指します。

また、薬物犯罪については、専門家等の医療機関を利用することで治療につなげることも重要です。

大麻は依存性の高い薬物なので、再犯を防止するためには、個人の努力のみならず、家族や専門機関を含めた周囲からのサポート体制があることも有利な事情になります。

(2)争いのある事件

薬物事犯では、たとえば中身を知らされず運ばされた場合のように、違法な物とは知らずに行った行為で検挙されることが考えられます。

違法性の認識については、それが大麻であるという明確な認識までは要求されず、大麻を含む違法な薬物であるという程度の認識で足りるとされているため、知らなかったという弁解はなかなか通用しませんが、本当に知らなかったような場合には、犯罪が成立しないのですから、客観的な状況をもとに無実であることをしっかりと主張する必要があります。

また、捜査過程に違法があれば、それをもとに証拠採用について争うことにより有利な結果を得ることができる可能性も広がります。

(3)身柄解放活動

逮捕・勾留されてしまった場合でも、適切な取調べ対応とともに、特に証拠隠滅のおそれがないことや逃亡のおそれがないことを示す事情を示すことで早期の身柄解放につなげます。

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