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【事例解説】詐欺罪とその弁護活動(マッチングアプリで知り合った女性からお金を騙し取ったケース)

2024-09-05

【事例解説】詐欺罪とその弁護活動(マッチングアプリで知り合った女性からお金を騙し取ったケース)

今回は、マッチングアプリで知り合った女性からお金を騙し取ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:マッチングアプリで知り合った女性からお金を騙し取ったケース

マッチングアプリで知り合った女性から現金約100万円を騙し取ったとして、福岡県警察中央警察署は、福岡市中央区に住む会社員Aさんを詐欺の疑いで逮捕しました。
Aさんは、マッチングアプリで知り合った女性Vさんと結婚願望があるかのように装って交際し、「キャッシュカードを止められてしまった。支払いのためのお金がほしい」などと嘘をつき、複数回にわたり現金約100万円を騙し取った疑いが持たれています。
中央警察署がVさんから相談を受けたことで事件が発覚し、捜査を経てAさんの逮捕に至りました。
警察の調べに対し、Aさんは容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,詐欺罪について

〈詐欺罪〉(刑法246条1項)

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

刑法詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させた場合に成立します。
「人を欺」く行為(欺罔行為)とは、欺罔行為の相手方を錯誤に陥らせる行為、すなわち相手方が財物や財産上の利益を交付(処分)しようと判断する際の、その判断の重要な事項を偽ることを言います。
「財物」とは、所有権の対象となり得る物であれば広く保護されますが、経済的にも主観的にも全く無価値な物は保護されません。
過去の裁判例では、メモ紙1枚(大阪高等裁判所判決昭和43年3月4日)やちり紙13枚(東京高等裁判所判決昭和45年4月6日)などが財物性を否定されています。
詐欺罪は、欺罔行為→相手方の錯誤→錯誤に基づく交付(処分)行為→財物または財産上の利益の移転がそれぞれ原因と結果の関係になければなりません。
欺罔行為を行ったが、その相手方が錯誤に陥らず別の理由(例えば、欺罔行為者にお金がないことを知っていて憐みからお金を渡したなど)で交付(処分)行為を行った場合は、詐欺罪は既遂とはならず未遂にとどまることになります。
そして 、詐欺罪は他人の財産を侵害する犯罪であるため、条文上の記載はありませんが成立には財産的損害の発生が必要とされています。
財産的損害が発生したか否かは経済的に評価して損害が発生したかどうかを実質的に見て判断されることになります。
過去の裁判例では、価格相当の商品を提供したとしても、事実を知ればお金を払わないといえるような場合において、商品の性能等につき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させてお金を受け取った場合には、相手方に対する詐欺罪が成立するとしたものがあります。(最高裁判決昭和34年9月28日
上記の事件では、AさんはVさんとの結婚願望があるかのように装い交際し、キャッシュカードが止められて、その支払いのためのお金がほしいなどと嘘をつき、Vさんからお金を騙し取っているため、Aさんには詐欺罪が成立する可能性があります。

2,早期の身柄解放に向けた弁護活動

詐欺罪で逮捕・勾留されると、最長で23日間、身柄を拘束され、捜査機関による取調べを受けることになります。
その間、被疑者は行動を厳しく規制され、家族や友人や恋人など外部との交流も制限されます。
また、逮捕・勾留による身柄拘束中は、当然ですが職場に勤務することができなくなるので休むことになりますが、無断で休ませてもらえる職場などなかなかありません。
そうなれば、被疑者は職を失う可能性が極めて高くなります。
また、被疑者に養う家族がいれば、収入が減り、今まで通りの生活を送ることが厳しくなるかもしれません。
そのため、少しでも早い身柄拘束からの解放を実現する必要があります。
被疑者勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そのため、早期の身柄解放に向けた弁護活動としては、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集・主張していくことになります。
例えば、被疑者が家族と同居しており、その家族が被疑者の監督をすることを約束し、身元引受書を作成すれば、被疑者の住居不定や逃亡のおそれを否定する客観的な証拠となります。
早期の身柄解放を実現するためには、少しでも早い段階からこのような弁護活動を行う必要があるため、逮捕・勾留された場合には少しでも早く弁護士に依頼することをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において詐欺罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が詐欺罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に関する知識・経験が豊富な弁護士が在籍しております。
詐欺罪の当事者となりお困りの方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が詐欺罪の当事者となりお困りの方に対しては、初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】詐欺罪と否認事件における弁護活動(コンサートのチケットをめぐり被害者かお金を騙し取ったケース)

2024-08-05

【事例解説】詐欺罪と否認事件における弁護活動(コンサートのチケットをめぐり被害者かお金を騙し取ったケース)

今回は、コンサートのチケットをめぐり、被害者からお金を騙し取ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:コンサートのチケットをめぐり被害者からお金を騙し取ったケース

「チケットが余っていて、買ってくれる人を探している」などとSNS上でかたり、20代の女性Vさんから現金約50万円を騙し取ったとして、福岡県春日市在住のAさんが詐欺の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、AさんはSNS上で「チケットが余っていて、買ってくれる人を探している」などとかたり、コンサートのチケットの購入を呼び掛けていました。
そこに、Vさんがチケットの購入を希望してきたため、Aさんは、Vさんに宿泊交通費やその他の費用など約50万円を自分の銀行口座に振り込ませ、騙し取った疑いがもたれています。
被害に遭ったVさんが、品物が届かないことを不審に思い、警察に相談して事件が発覚し、被害届を提出しました。
警察の調べに対して、Aさんは「品物はあとで送るつもりだった」などと供述し、容疑を否認しているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,詐欺罪について

〈詐欺罪〉(刑法246条1項)

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪は、刑法に定められた人を欺いて財物を交付させた場合に成立する犯罪です。
人を欺」く行為(欺罔行為)とは、欺罔行為の相手方を錯誤に陥らせる行為、すなわち相手方が財物や財産上の利益を交付(処分)しようと判断する際の、その判断の重要な事項を偽ることを言います。
財物」とは、所有権の対象となり得る物であれば広く保護されますが、経済的にも主観的にも全く無価値な物は保護されません。
過去の裁判例では、メモ紙1枚(大阪高等裁判所判決昭和43年3月4日)やちり紙13枚(東京高等裁判所判決昭和45年4月6日)などが財物性を否定されています。
詐欺罪は、欺罔行為→相手方の錯誤→錯誤に基づく交付(処分)行為→財物または財産上の利益の移転がそれぞれ原因と結果の関係になければなりません。
欺罔行為を行ったが、その相手方が錯誤に陥らず別の理由(例えば、欺罔行為者にお金がないことを知っていて憐みからお金を渡したなど)で交付(処分)行為を行った場合は、詐欺罪は既遂とはならず未遂にとどまることになります。
そして 、詐欺罪は他人の財産を侵害する犯罪であるため、条文上の記載はありませんが成立には財産的損害の発生が必要とされています。
財産的損害が発生したか否かは経済的に評価して損害が発生したかどうかを実質的に見て判断されることになります。
過去の裁判例では、価格相当の商品を提供したとしても、事実を知ればお金を払わないといえるような場合において、商品の性能等につき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させてお金を受け取った場合には、相手方に対する詐欺罪が成立するとしたものがあります。(最高裁判決昭和34年9月28日

2,取調対応

上記の事例において、Aさんは「品物は後で送るつもりだった」と供述し、詐欺罪の容疑について否認しています。
また、Aさんは逮捕により身柄拘束を受けています。
身柄拘束を受けている被疑者は、外部との接触ができなくなることで不安や恐怖を抱え、そのような状態で密室の取調室で捜査官による取調べを受けることになります。
密室で一人きりで取調べを受けることになり不安を抱えた被疑者の精神状態などを考慮すると、冷静に取調べに臨むことが難しいと言えます。
また、容疑を否認しているからと言って、やみくもに黙秘権を行使すれば、取調官の取調べがきつくなったり、「このままじゃ帰れなくなる」などの逮捕に続く勾留を匂わせて被疑者を不安や恐怖をあおって被疑者に供述させるような取調べが行われることも考えられます。
また、取調べにおける被疑者の供述は供述調書となり、その後裁判が開かれる場合には証拠として重要な役割を持つことになるため、取調べにおいては慎重な供述が求められます。
もっとも、被疑者の精神状態や適切な黙秘権の行使については、刑事事件の専門的や知識や経験が要求されると言えます。
しかし、弁護士であれば、被疑者と接見し、適切な黙秘権の行使など取調べの対応についてアドバイスをすることができます。
また、被疑者に対して違法または不当な取調べが行われた場合には、被疑者が黙秘権を行使することが難しくなります。
そのような違法または不当な取調べが行われたことを被疑者から報告を受けた場合には、然るべき機関(警察の場合は捜査官や警察署長)に対して抗議します。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において詐欺罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が詐欺罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に関する知識・経験が豊富な弁護士が在籍しております。
詐欺罪の当事者となりお困りの方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が詐欺罪の当事者となりお困りの方に対しては、初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】特殊詐欺(受け子)とその弁護活動(高齢の女性から現金やキャッシュカードなどを騙し取ったケース)

2024-07-08

【事例解説】特殊詐欺(受け子)とその弁護活動(高齢の女性から現金やキャッシュカードなどを騙し取ったケース)

事例:高齢の女性から現金やキャッシュカードなどを騙し取ったケース

福岡市在住の70代女性Vさんが現金50万円とキャッシュカードなどをだまし取られた事件で、22歳の受け子のAさんが詐欺の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、福岡県北九州市に住む無職のAさんです。
Aさんは何者かと共謀し、福岡市のVさんに息子を装って「お金が必要」とうその電話をかけ、その後、弁護士事務所の職員をかたってVさんの家を訪れ、現金50万円とキャッシュカード1枚、それに預金通帳1通をだまし取った疑いが持たれています。
警察は捜査に支障があるとして男の認否を明らかにしていませんが、共犯者がいるとみて調べています。
(事例はフィクションです。)

1,詐欺罪について

〈詐欺罪〉(刑法246条)

1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪は、人を①欺いて②財物(1項)または財産上の利益(2項)を③交付させた場合に成立します。
①「」く行為(欺罔行為)とは、財物または財産上の利益を得るために、真実とは異なる事実を告げて交付行為者の認識と事実が異なる状態(錯誤)を生じさせる行為を言います。
②「財物」は、有体物のほか、管理可能性があるものであれば「財物」に該当します。
財産上の利益」は、「財物」以外の財産上の利益を言い、債務の免除を受ける行為や財産的価値のある役務の提供を受ける行為(タクシーによる運送サービス等)がこれに該当します。
③「交付させ」る行為とは、被害者の錯誤に基づく財産的処分行為によって財物または財産上の利益を犯人自身または第三者に移転させることを言います。
第三者の範囲には、犯人の道具として行動する者や犯人の代わりに財物または財産上の利益を受領する者などが含まれます。
そのため、上記の事例のように、特殊詐欺の受け子として指示役の指示に従い被害者から財物または財産上の利益を受け取った場合には、詐欺罪が成立し、その刑罰が科されることになります。
そして、欺罔行為→被害者の錯誤→錯誤に基づく交付行為→財物または財産上の利益が、それぞれ原因と結果の関係を有している必要があります。
例えば、お金に困った犯人が欺罔行為を行ったが、被害者がその事情を知っており、錯誤に陥ることなく憐みの感情など別の理由によってお金を渡した場合、欺罔行為と被害者の交付行為には原因と結果の関係を有していないため、詐欺罪は既遂とならず、詐欺未遂罪が成立することになります。
また、詐欺罪は、単に嘘をついたことを処罰するのではなく、嘘をつき被害者の財産を侵害したこと処罰するものであるため、被害者に財産上の損害が発生したことも必要となります。
財産上の損害が発生したと言えるかどうかは、経済的に評価して損害が発生したかどうかを実質的に判断し、判断基準としては、被害者が取引上の交換目的あるいは交付目的を達成できなかった場合に、財産的損害の発生を認めることになります。
過去の裁判例では、価格相当の商品を提供したとしても、事実を知ればお金を払わないといえるような場合において、商品の性能等につき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させてお金を受け取った場合には、財産的損害の発生を認め、相手方に対する詐欺罪が成立するとしたものがあります。(最高裁判決昭和34年9月28日

2,取調対応・接見禁止の一部解除・早期の身柄解放などに向けた弁護活動

(1)取調対応

上記の事例のような共犯事件の場合、捜査機関による取調べにおいて、被疑者が実際にはやっていないことや身に覚えがないことについても、被疑者がやったのではないかと疑われることがあります。
取調べにおいて話した内容は供述調書となり、被疑者が署名すれば、それは重要な証拠となり、裁判になれば大きな役割を果たすことになります。
そのため、弁護士が取調べ対応についてアドバイスを致します。
例えば、やみくもに黙秘権を行使すれば、捜査機関側にあまり良い印象を与えず、厳しい言動で詰問されることや取調べが長引くことが懸念されます。
そこで、弁護士が頻繁に面会に向かい、適切な黙秘権行使の方法や、違法または不当な取調べが行われた際にはしかるべき相手に抗議するといった弁護活動を行うことが考えられます。

(2)接見禁止の一部解除

共犯事件の場合、被疑者に接見を認めた場合、捜査機関が把握していない共犯者や事件関係者が被疑者と面会したり、他の身柄を拘束されている共犯者と面会したりすることで、犯罪の証拠を隠滅したり、他の共犯者と口裏を合わせて供述をして捜査をかく乱させることなどが懸念されることから、被疑者に対して接見禁止処分が付されることがあります。
接見禁止処分とは、被疑者に逃亡または証拠隠滅のおそれがあると判断された場合に、弁護人または弁護人となろうとする者以外との面会ができなくなることを言い、検察官の請求または裁判所の職権ですることができます。(刑事訴訟法81条
接見禁止になった被疑者は、家族や友人、恋人などと面会することができず、一人で取調べに臨むことになるなど、精神的にも身体的にも多大な苦痛を抱えることになります。
そこで、接見禁止の一部解除に向けた弁護活動を行います。
被疑者の接見禁止を行うのは裁判所ですが、裁判所は事件の全体像や捜査機関の捜査状況などを全て把握しているわけではないため、一律に接見禁止にしていることがあります。
そのため、事件について無関係な家族や友人、恋人なども面会することができなくなります。
しかし、捜査機関の捜査状況や被疑者による証拠隠滅のおそれを否定し得る客観的な事情や証拠を収集等の弁護活動が功を奏せば、接見禁止の一部解除の獲得が十分に期待できます。

(3)早期の身柄解放

被疑者段階での身柄拘束が認められるのは、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者による証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合です。(刑事訴訟法207条1項本文60条1項各号
そこで、身柄解放の弁護活動としては、それらを否定し得る客観的な事情や証拠の収集・主張していくことが考えられます。
被疑者と同居している、あるいは身元を引き受けてもらえる家族・親族がいれば、被疑者の住居不定や逃亡のおそれを否定し得る客観的な事情となるでしょう。
また、上記の事例のように、犯罪にスマホやパソコンなどの電子端末を使用しており、それらが捜査機関に既に押収されていれば、証拠隠滅のおそれを否定し得る客観的となるでしょう。
以上のような活動を通じて、被疑者の早期の身柄解放を目指します。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県北九州市において家族・親族が特殊詐欺の当事者となってしまった方、家族・親族が特殊詐欺の当事者となり身柄を拘束されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に対する豊富な実績や経験を持った弁護士が在籍しております。
家族・親族が特殊詐欺の当事者となりまだ警察には発覚していないが自首を検討しているなどの事情がある方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
家族・親族が特殊詐欺の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
お気軽にご相談ください。

【事例解説】事後強盗罪とその弁護活動(リサイクルショップで商品を万引きし、追いかけてきた店員に暴行を加えたケース)

2024-06-20

【事例解説】事後強盗罪とその弁護活動(リサイクルショップで商品を万引きし、追いかけてきた店員に暴行を加えたケース)

今回は、リサイクルショップで商品を万引きし、追いかけてきた店員に暴行を加えたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:リサイクルショップで商品を万引きし、追いかけてきた店員に暴行を加えたケース

福岡市のリサイクルショップで靴など商品3点を盗んだAさんが、逮捕を免れるため従業員Vさんを殴ったとして、逮捕されました。
事後強盗の疑いで逮捕されたのは、福岡市西区のAさんです。
Aさんは、福岡市西区にあるリサイクルショップで、スニーカーなど商品3店(販売価格合わせて3万円)を盗んだ後、店員のVさんに呼び止められましたが、逮捕を免れるため暴れたり、Vさんを殴ったりする暴行を加えた疑いが持たれています。
Aさんの窃盗に気づいた店員のVさんが、店の外に出たAさんを追いかけて取り押さえたということです。
警察の調べによると、Aさんは「生活に困ってやった。」などと供述し、容疑を認めているとのことで、Vさんに怪我はないとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,事後強盗罪について

〈事後強盗罪〉(刑法238条)

窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぐ目的(財物奪還阻止目的)、逮捕を免れる目的(逮捕免脱目的)または証拠を隠滅する目的(罪証隠滅目的)のいずれかの目的で、暴行または脅迫をした場合には、強盗として論ずる、すなわち後述する刑法に定めらた強盗罪が成立することになります。
窃盗が」とは、窃盗犯人、つまり窃盗罪刑法235条)を犯した者を言います。
上記の事例では、窃盗犯人であるAさんは、追いかけてきた店員Vさんに対して、逮捕を免れる目的(逮捕免脱目的)で殴るなどの暴行を加えているため、窃盗罪ではなく強盗罪が成立することになります。
なお 、窃盗罪には、財産上の利益を窃取すること(これを利益窃盗と言います。)を処罰する規定が存在しないため、1項強盗罪が成立することになります。
例えば、初めから無賃乗車するつもりでタクシーに乗れば、運送サービスという財産上の利益を騙し取ったことになり、詐欺罪刑法246条2項)が成立することが考えられます。
しかし、タクシーに乗りしばらくしてお金がないことに気付き、目的地に到着して運賃の支払いを求められたタイミングで運転手の目を盗んで逃走した場合には、財産上の利益を窃取したことになりますが、利益窃盗を処罰する規定が存在しないため、不可罰となります。
ただし、「財布を忘れた。取りに帰りたいからいったん降ろしてくれ。」などと嘘をついて逃走した場合には、その行為は欺罔行為に該当し詐欺罪刑法246条2項)が成立する可能性があります。

〈強盗罪〉(刑法236条)

1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

強盗罪は、暴行または脅迫を用いて、他人の財物(1項)または財産上の利益(2項)を強取した場合に成立します。
強取」とは、相手方(被害者など)の反抗を抑圧させるに足りる程度の暴行または脅迫を加えて財物または財産上の利益を奪取することを言います。
暴行とは、人の身体に対する不法な有形力の行使を言います。
脅迫とは、相手方に畏怖を生じさせる程度の害悪の告知を言います。

2,事後強盗罪における弁護活動

(1)身体拘束の回避・解放

逮捕・勾留による身柄拘束は、最長で23日間続き、その間に捜査機関による取調べを受け、最終的に起訴か不起訴の判断は、検察官によってなされます。
被疑者の勾留が認められるのは、勾留の理由と必要性があると判断された場合です。
勾留の理由は、被疑者が定まった住居を有しないことや、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断されることを言います。(刑事訴訟法207条1項本文60条1項各号
勾留の必要性は、被疑者の身柄を拘束しなければならない必要性と身柄拘束によって被疑者が被る不利益とを比較衡量して、勾留することが相当である場合に認められます。
そのため、例えば、犯罪の証拠物はほとんど押収済みである、あるいは確実な身元引受があれば、被疑者の監督が見込めるといった事情があれば、そもそも勾留の必要性が認められない可能性が高いので、それらの事情を検察官や裁判所に対して意見書として提出するなどの働きかけによって、身柄拘束の回避が期待できます。
身柄拘束をされてしまった場合でも、上記の勾留の理由を否定し得る客観的な事情や証拠が存在すれば、準抗告刑事訴訟法429条1項)や勾留取消請求刑事訴訟法87条1項)を行い、早期の身柄解放を目指します。
被疑者が住居を有しており居住期間も長いといった事情は被疑者の住居不定の要件を否定する方向に働きます。
また、上記の事例のように、犯人は現行犯逮捕されており、加えて捜査機関による捜査がかなり進展していて、その時点において被疑者による証拠隠滅は困難であるといった事情は、被疑者による証拠隠滅を否定し得る客観的な証拠や事情となるでしょう。

(2)示談交渉

事後強盗罪は、被害者が存在します。
また、事後強盗罪は、上記の事例のように、商品を盗まれた、あるいはそれにより商品が売り物にはならなくなるといった財産的な被害と、被疑者により暴行を加えられた被害者の身体的な被害があります。
そこで、それぞれの被害者に対して、場合によっては捜査機関を経由してコンタクトをとり、示談交渉を試みます。
財産的な被害を被ったお店との示談交渉については、そもそもお店側が示談交渉には応じない場合も少なくありません。
そのため、弁護人としては、事件について謝罪・反省の意思を伝えたうえで、商品の買い取りなどの被害弁償や示談金をお支払いする準備がある旨を伝えてお店側に不快感を持たれない程度に粘り強く交渉し、示談の成立を目指します。
身体的な被害を被った被害者との示談交渉については、同じく謝罪・反省の意思を伝えた上で、治療費のお支払いなどの被害弁償や示談金のお支払いの準備がある旨を提示して、示談の成立を目指します。
示談が成立すれば、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれが低いと判断されて早期の身柄解放が期待できます。

(3)不起訴処分獲得

前述の示談が成立していれば、それを検察官に伝えることで、不起訴処分の獲得を目指します。
不起訴処分が獲得できれば、前科がつくことを回避することができるため、その後の社会生活に対する影響を最小限に抑えることができるなどのメリットがあります。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において家族・親族が事後強盗罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件を専門的に取り扱い、刑事事件・少年事件に関する経験・実績が豊富な弁護士が在籍しております。
家族・親族が事後強盗罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
まずはフリーダイヤル0120-631-881まで、お気軽にお問い合わせください。

【事例解説】詐欺罪とその弁護活動(新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったケースとその弁護活動)

2024-05-05

【事例解説】詐欺罪とその弁護活動(新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったケースとその弁護活動)

今回は、国が支給する新型コロナウイルス対策の持続化給付金の受給資格があるかのように装って申請サイトから申請し、自身の口座に100万円の入金を受けだまし取ったというニュース記事を参考にして、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例 :新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったケースとその弁護活動

山口県警山口署は2023年11月20日、福岡市南区、建設作業員のAさんを詐欺の疑いで逮捕した。
逮捕容疑は、国の新型コロナウイルス対策の持続化給付金の受給資格があるかのように装い、2020年7月3日にサイトから申請し、同10日にAさん自身の口座に100万円の入金を受け、だまし取った疑い。
中國新聞 2023/11/20の記事を一部変更し引用しています。)

1,詐欺罪について

〈詐欺罪〉(刑法246条

1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪は、人を欺いて財物(1項)あるいは財産上の利益(2項)を交付させた場合に成立します。
人を欺」く行為(欺罔行為)とは、欺罔行為の相手方を錯誤に陥らせる行為、すなわち相手方が財物財産上の利益を交付(処分)しようと判断する際の、その判断の重要な事項を偽ることを言います。
上記の事例で言えば、Aさんは持続化給付金の受給資格が無いにもかかわらず、それがあるかのように装うことで、給付者たる国の機関はAさんに受給資格があると判断して100万円をAさんの口座に振り込んでいるため、国の機関の交付の判断の基礎となる重要な事項を偽っているため、Aさんの受給資格があるかのように装い給付金の申請を行うことは「人を欺」く行為に該当すると考えられます。
財物」とは、所有権の対象となり得る物であれば広く保護されますが、経済的にも主観的にも全く無価値な物は保護されません。
過去の裁判例では、メモ紙1枚(大阪高等裁判所判決昭和43年3月4日)やちり紙13枚(東京高等裁判所判決昭和45年4月6日)などが財物性を否定されています。
財産上の利益2項)とは、財物以外の財産上の利益を言い、例えば、飲食店で飲食した代金の支払いなどの債務を免れる場合や、サービス・労務などを提供させる場合などがこれに該当します。
また、「財産上不法の利益を得」たとは、財産上の利益の取得手段が不法=違法なことを言うのであって、財産上の利益が違法なものであることではありません。
詐欺罪は、欺罔行為→相手方の錯誤→錯誤に基づく交付(処分)行為→財物または財産上の利益の移転がそれぞれ原因と結果の関係になければなりません。
欺罔行為を行ったが、その相手方が錯誤に陥らず別の理由(例えば、欺罔行為者にお金がないことを知っていて憐みからお金を渡したなど)で交付(処分)行為を行った場合は、詐欺罪は既遂とはならず未遂にとどまることになります。
そして 、詐欺罪は他人の財産を侵害する犯罪であるため、条文上の記載はありませんが成立には財産的損害の発生が必要とされています。
財産的損害が発生したか否かは経済的に評価して損害が発生したかどうかを実質的に見て判断されることになります。
過去の裁判例では、価格相当の商品を提供したとしても、事実を知ればお金を払わないといえるような場合において、商品の性能等につき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させてお金を受け取った場合には、相手方に対する詐欺罪が成立するとしたものがあります。(最高裁判決昭和34年9月28日

2,詐欺罪とその弁護活動

詐欺罪で逮捕・勾留された場合、身柄を拘束されて警察と検察の取調べを受けることになります。
ここで、被疑者が犯罪事実について否認している、あるいは取調べにおいて話したくないことがある、といった事情がある場合、どのように取調べに臨めばよいのかを知ることはとても重要と言えます。
被疑者段階における勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合、証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。(刑事訴訟法207条1項本文60条1項各号
しかし、被疑者が犯罪事実を否認している場合、捜査機関としては、被疑者の身柄を解放してしまえば証拠を隠滅するのではないか、または逃亡を図るのではないかという推測が働くことで、勾留請求がなされてしまい、身柄拘束が長引いてしまう可能性が高くなることもあります。
また、捜査機関の取調べ中の質問に対し、被疑者がやみくもに黙秘権を行使すれば、捜査機関側にあまり良い印象を抱かれません 。
それにより取調官が厳しい言動で問い詰めるような取調べが行われるおそれや、このまま帰したら被疑者が証拠を隠滅するのではないか、または逃亡するのではないかと判断され勾留されてしまうおそれがある、といった不利益を被る可能性があります。
そこで、弁護士に依頼するメリットとして、取調べの対応について適切かつ丁寧なアドバイスを受けることができることが挙げられます。
例えば、どのような質問には黙秘すれば良いのか等適切な黙秘権の行使方法についての説明や、身柄を拘束されている事件の場合は頻繁に接見に向かい取調べ状況を逐一確認し、違法あるいは不適切な取調べを受けたという事情があれば、弁護士はしかるべき相手への抗議を行うことができるなど、その内容は多岐にわたります。
また、詐欺罪は被害者が存在する犯罪です。
そのため、被疑者が罪を認めて反省している等の事情がある場合には、弁護士は被疑者に代わって被害者との示談交渉を行います。
示談といっても加害者側だけに有利な内容での示談の成立は難しく、被害者側の意向をくみ取りつつ宥恕条項(加害者の謝罪を受け入れ、加害者の刑事処罰を望まないことを意味する条項)や被害届の取下げや刑事告訴の取消などの条項を加えた内容での示談成立に向けた交渉が必要となります。
示談交渉は当事者同士でも行うことはできますが、当事者同士での示談交渉は、通常、拗れて上手くいかないことが多いです。
加えて、加害者側が被害者側に示談交渉を持ち掛ければ、捜査機関側は、加害者側が被害者側に不正に働きかけて証拠の隠滅を図ろうとしているのではないかなどと思われることもあり得ます。
そのため、示談交渉は法律の専門家である弁護士に依頼することがよりスムーズな示談の成立のために必要と言えるでしょう。

3,まずは弁護士に相談を

山口県内において詐欺罪の当事者となってしまった方またはご家族等が詐欺罪の当事者となってしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、詐欺罪の当事者となり在宅で捜査を受けている方または被害者の方に被害届や刑事告訴をされてこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、ご家族等が詐欺罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
お気軽にご相談ください。

特殊詐欺事件の役割である受け子について

2024-02-16

特殊詐欺事件の役割である受け子について

参考事件

福岡県福津市に住んでいる大学生のAさんは、インターネット上にあった闇バイト募集に応募しました。
Aさんは「現金を取りに行くと伝えておいたから、職場の同僚を装って被害者の自宅に受け取りに行くように」と指示役から言われました。
伝えられた被害者の家に着いたAさんは、被害者に「職場の同僚です」と言って、被害者の自宅にあがりました。
そして現金を受け取りましたが、被害者はAさんを取り押さえ、事前に警察に通報していたため、その場で警察官に引き渡されました。
そしてAさんは宗像警察署詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

特殊詐欺事件

参考事件のような詐欺事件は特殊詐欺事件と言われ、Aさんは「受け子」と呼ばれる役割を担っていました。
まず、特殊詐欺事件とは電話、手紙、メールなどの被害者と対面しない形で会社の上司や医者などを装い信用させ、口座振込または受け子への手渡しといった方法で不特定多数から財物(現金など)を騙し取る詐欺事件の手口です。
特殊詐欺事件は単独犯の場合もなくはありませんが、主に複数の犯人がそれぞれ役割を担って実行されます。
Aさんの担当した「受け子」は、親族や公人を装って被害者から現金などを受け取る役割です。
直接被害者と対面する立ち位置であるため、参考事件のようにその場で取り押さえられたり、顔を覚えられたりと、特殊詐欺事件の中でも逮捕される可能性が高い役割です。
そのため闇バイトとしてインターネットなどで募集された一般の方が、使い捨てとして利用されていることが多いです。
また、参考事件の指示役は「現金を取りに行くと伝えておいた」という言葉から「架け子」であることがわかります。
架け子」とは被害者に信用できる人間を装って電話をかける役割です。
こちらは被害者と対面しない性質上逮捕リスクは低く、指示役が担っているケースが多いです。

特殊詐欺の弁護対応

特殊詐欺事件は複数人で計画的に実行されるため、悪質性が高いと判断されやすいです。
そのため詐欺グループに使い捨てられる受け子であっても、被害者を騙して現金を奪う実行犯として重く見られます。
刑法に定められた詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」であるため、特殊詐欺事件で逮捕されれば刑務所に服役する可能性が高いです。
実刑判決を避けて執行猶予を獲得するためには、被害者と示談を締結することは必須であり、速やかに示談交渉を進めるためにも特殊詐欺事件について詳しい弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。

特殊詐欺事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件及び少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
初回無料の法律相談や、逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を、フリーダイヤル「0120-631-881」にて受け付けております。
ご予約は土日祝日を含め、24時間体制で承っておりますので、特殊詐欺事件に加担してしまった方、ご家族が詐欺罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に、お気軽にご相談ください。

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