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【事例解説】名誉毀損罪とその弁護活動(インターネットの掲示板に被害者の実名とともに名誉を毀損する書き込みをしたケース)

2024-06-26

【事例解説】名誉毀損罪とその弁護活動(インターネットの掲示板に被害者の実名とともに名誉を毀損する書き込みをしたケース)

今回は、インターネットの匿名掲示板に被害者の実名を書いたうえで被害者の名誉を毀損する書き込みを行ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:インターネットの掲示板に被害者の実名とともに名誉を毀損する書き込みをしたケース

福岡県春日市在住のAさんは、約1年の間、インターネットの匿名掲示板に元職場の同僚であるVさんの実名を含めた個人情報や「Vからお金を騙し取られた」、「Vは会社のお金を盗んでいる」などの虚偽の書き込みを複数回行いました。
Aさんは、その件で警察署に出頭するよう求められています。
(事例はフィクションです。)

1,名誉毀損罪について

〈名誉毀損罪〉(刑法230条)

1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

①公然と②事実を摘示し、③人の④名誉を⑤毀損した場合、⑥摘示された事実の有無にかかわらず、刑法名誉毀損罪が成立します。
①「公然」とは、不特定又は多数人が認識できる状態を言います。
また、摘示の相手方が特定又は少数人であっても、その人たちを通じて不特定又は多数人へと広がっていくときには「公然」性が認められます。(伝播性の理論)
②摘示される「事実」は、人の社会的評価を害するに足りるものであることを要します。
さらに、その「事実」は、必ずしも非公知のものに限られず、公知の事実でも、それを摘示することによりさらに社会的評価を低下させるおそれがあれば、「事実」に該当します。
また、「事実」はある程度具体的な内容を含むものでなければならず、単なる価値判断(例:この本は良いまたは悪い)や評価(例:○○さんは仕事ができるまたはできない)は「事実」に該当しません。
③「」とは、犯人以外の自然人、法人及びその他の団体が含まれます。
そして、名誉毀損罪は、人が円滑な社会生活を行うための前提であるその人に対する積極的評価を保護するものであるから、④「名誉」とは、社会が与える評価としての外部的名誉を言います。
⑤「毀損」行為とは、人の社会的評価を害するに足りる行為がなされればよく、実際に人の社会的評価が害されたことまでは必要となりません。
⑥「摘示された事実」が真実であるか否かにかかわらず、名誉毀損罪は成立します。

2,名誉毀損罪で捜査を受ける前段階の弁護活動

名誉毀損罪は、親告罪であり、公訴の提起には被害者の刑事告訴が必要となります。

〈親告罪〉(刑法232条1項)

この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

この章」とは、刑法230条から231条を指しています。
告訴とは、犯罪の直接の被害者が、捜査機関に対して、加害者が犯した犯罪事実とその処罰を望む意思表示を申し出ることを言います。

〈告訴〉(刑事訴訟法230条)

犯罪により害を被つた者は、告訴をすることができる。

前述の通り、親告罪は被害者の告訴が公訴提起の要件となっているため、弁護活動としては、被害者との示談交渉を試み、示談の成立を目指します。
もっとも、示談と一口に言っても、その内容は多岐にわたります。
被害者に対して反省・謝罪の意を述べ、被害弁償や示談金の支払い等を行うことで示談を成立させるのではなく、宥恕条項(加害者の反省・謝罪を受け入れ、加害者に対する刑事処罰を望まないことを意味する条項)や刑事告訴をしている場合には刑事告訴の取消し等の約定を内容に加えて示談を成立させることが重要となります。
示談交渉は、加害者と被害者の当事者同士でも行うことはできます。
しかし、犯罪の被害者は加害者と直接コンタクトをとることを避けることが考えられ、当事者同士での交渉は拗れて上手くいかないことが十分に予想されます。
そこで、弁護士が間に入り、捜査機関経由で被害者の方にコンタクトをとり、被害者の方に安心して示談交渉に臨んでいただき、冷静かつ丁寧に加害者が反省していること等を説明することで、前述した内容での示談の成立が期待できます。
そのため、名誉毀損罪でこれから捜査機関による任意捜査の対象となっている、あるいは被害者から刑事告訴される可能性がある場合には、少しでも早く弁護士に依頼し、刑事事件化させない、刑事告訴の取消しなどの実現を目指すことが肝要です。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県春日市において名誉毀損罪の当事者となり在宅で捜査を受けている方、あるいはこれから名誉毀損罪で刑事告訴される可能性のある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、名誉毀損罪の当事者となりお悩みの方に対しては、弁護士が直接「無料相談」を行います。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(商業施設の個室トイレの鍵穴に汚物を塗り付けたケース)

2024-05-17

【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(商業施設の個室トイレの鍵穴に汚物を塗り付けたケース)

今回は、福岡市内の商業施設内の個室トイレにおいて、鍵穴に汚物を塗り付けたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:商業施設の個室トイレの鍵穴に汚物を塗り付けたケース

福岡県警察博多警察署は、器物損壊の疑いで福岡市東区在住のAさんを逮捕しました。
Aさんは、福岡市内の商業施設で、トイレの個室ドアの鍵穴に大便などの汚物を塗り付けた疑いが持たれています。
博多警察署によると、これまでに同様の被害が複数回あり、商業施設が被害届を提出していました。
防犯カメラの映像や目撃情報等からAさんの特定に至り、Aさんは容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,器物損壊罪

〈器物損壊罪〉

前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」(刑法261条

器物損壊罪は、刑法の前3条に規定するもの(公用文書等毀棄罪私文書等毀棄罪建造物等損壊罪及び同致死傷罪)のほか、他人の物を①損壊し、又は②傷害した場合に成立します。
損壊」とは、財物の効用を害する一切の行為を言います。
判例では、飲食店の食器に放尿した場合(大審院判決明治42年4月16日)や、争議手段としてビラ60枚を会社事務所の窓や扉のガラスに洗濯のりで貼り付けた場合(最高裁判決昭和46年3月23日)などが「損壊」に当たるとしています。
上記の事例でも、商業施設の個室トイレの鍵穴に大便という汚物を塗り付けた行為は、個室トイレの鍵穴部分及びその周辺部分の効用を害したものとして、「損壊」に該当すると考えられます。
もっとも、仮に商業施設の個室トイレのドアが壁や柱などの建造物と取り外しが損壊しなければ取り外すことができないほどに接合されており、当該建造物における機能上も重要な役割を果たしている等の事情があれば、建造物損壊罪刑法260条)の成立が検討されることになります。
傷害」については、動物を客体とする場合を指し、動物の効用を害する一切の行為を意味します。
例えば、他人が飼っているペットを殺傷したり、勝手に逃がしたりする場合などがこれに該当します。

2,公訴を提起されないための弁護活動

〈親告罪〉

第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」(刑法264条

親告罪とは、被害者の告訴が無ければ公訴を提起することができない犯罪で、被害者の告訴が無い場合は、訴訟条件を欠くものとして検察官は公訴を提起できません。
そのため、器物損壊罪で逮捕されてしまった場合には、被害者に対して、弁護士は加害者の立場として謝罪の弁を述べることや被害弁償を行うことで刑事告訴の取消等の約定を加えたかたちでの示談を成立させることが肝要です。
示談交渉は当事者同士でも行うことはできますが、当事者同士での交渉は、被害者側が感情的になったり、不快な思いをすることもあるため、ほとんどの場合は拗れて上手くいきません。
そこで、弁護士が間に入り、加害者が反省し謝罪の意思を持っていることや、被害に対する弁償を行う準備があることなどを丁寧かつ冷静に説明することで、被害者の方に安心して交渉の場に臨んでいただければ、示談が成立しやすくなる期待が十分に持てます。
また、示談の成立により、被疑者は罪を認めて反省していると考えられ、被疑者による犯罪の証拠隠滅や逃亡のおそれはないと判断され、早期の身柄解放も期待できます。
逮捕されてから起訴されるまでの期間は、最長でも23日間しかなく、その間に宥恕条項加害者の謝罪を受け入れ、加害者に対する刑事処罰を望まないことを意味する条項)や刑事告訴の取消といった約定を加えた内容での示談を成立させることが必要不可欠となります。
以上より、器物損壊罪で逮捕されてしまった、あるいは器物損壊罪で在宅で捜査を受けているまたは刑事告訴されるおそれがある場合には、一刻でも早く弁護士によるサポートを受けることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において器物損壊罪の当事者となった方、あるいはご家族等が器物損壊罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、器物損壊罪の当事者で在宅で捜査を受けているまたは刑事告訴されるおそれがある方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が器物損壊罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
お気軽にご相談ください。

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