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【事例解説】横領罪とその弁護活動(返却期限を過ぎてもレンタカーを返さずそのまま乗り捨てたケース)
【事例解説】横領罪とその弁護活動(返却期限を過ぎてもレンタカーを返さずそのまま乗り捨てたケース)
今回は、返却期限を過ぎてもレンタカーを返さずそのまま乗り捨てたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:返却期限を過ぎてもレンタカーを返さずそのまま乗り捨てたケース
福岡県警は、レンタカーを返却しなかったとして、横領の疑いで福岡市在住のAさんを逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは福岡市内のレンタカー店Vで乗用車1台(60万円相当)をレンタルし、返却期限を1カ月過ぎても返却しなかった疑いが持たれています。
乗用車は、市内のコインパーキングに乗り捨てられているところをコインパーキングの管理会社の職員が発見し、レンタカー店Vに連絡。
その後、レンタカー店Vが警察に被害を届け出、捜査を経てAさんを特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「足代わりに使っていた。」「自分が乗り捨てたことに間違いない」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,横領罪について
〈横領罪〉(刑法第252条)
第1項 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
刑法の横領罪は、①自己の占有する②他人の物を③横領した場合に成立します。
また、窃盗罪や強盗罪など、他人の占有をその占有者の意思に反して自身または第三者の占有に移転する奪取罪とは異なり、横領罪は既に他人の物が自身の占有下にあるため、保護法益は第一次的には所有権であり、第二次的に物を預けた人との信任関係も保護の対象となります。
そのことから、横領罪は、委託信任関係により他人の物を占有している者という身分を持っている人に成立する犯罪と言えます。
①「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力をいい、具体的には、物に対して事実上または法律上支配力を及ぼす状態にあることを意味します。
法律上の支配とは、法律上自身が容易に他人の物を処分し得る状態にある場合を言います。
例えば、不動産の登記名義人は、当該不動産を自由に処分できる地位にあるため、法律上の支配が認められます。
②「他人の物」とは、他人の所有に属する物を言います。
③「横領」行為とは、不法領得の意思を発現する一切の行為をいいます。
不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思をいいます。
「横領」行為は、費消(使い込むこと)、着服(バレないように盗むこと)、拐帯(持ち逃げすること)、抑留(借りたものを返さないこと)などの事実行為だけでなく、売却、貸与、贈与などの法律行為も含まれます。
上記の事例では、Aさんはレンタカー店Vとの賃貸借契約により乗用車を借りており、当該乗用車の所有者はレンタカー店Vです。(②)
また、借りているAさんには当該乗用車に対して事実上の支配力が認められます。(①)
そして、Aさんは、返却期限を1カ月過ぎても当該乗用車を返却することなく足代わりに使い、乗り捨てています。(③)
以上より、Aさんには横領罪が成立することが考えられます。
2,身体拘束の回避にむけた弁護活動
横領罪で逮捕・勾留されると、最長で23日間、身体拘束されて捜査機関の取調べを受けることになります。
その間、被疑者は生活を厳しく管理・規制され、家族や友人など外部との自由な接触も制限され、捜査機関の取調べにも一人きりで臨まなければならないなど、身体的・精神的に多大な負担を被ることになります。
また、身体拘束期間中は当然のことながら職場に出勤することもできなくなるので、そのような長期間を無断欠勤すれば、職場から解雇される可能性もあり、身体拘束前の社会生活を送ることができなくなるかもしれません。
しかし、勾留による身体拘束を回避すれば、そのような不利益を受けずに済むかもしれません。
被疑者に勾留の理由と必要性があると検察官が判断した場合、検察官が裁判所に勾留請求します。
検察官の勾留請求を裁判所が認めると、被疑者は勾留されることになり、最長で20日間身柄を身体拘束されることになります。
もっとも、弁護士であれば、検察官と裁判所に対して、意見書を提出することで被疑者勾留をしないようはたらきかけることができます。
勾留による身体拘束の理由とは、被疑者が住居不定、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合を言うため、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集し、意見書と一緒に提出することで、被疑者勾留の回避を目指します。
以上のような弁護活動は、被疑者勾留が決定する前に行う必要があるため、ご家族等が身体拘束されてしまったら、少しでも早く弁護士に依頼することがオススメです。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内で横領罪の当事者となってしまった方、あるいは横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験してきました。
横領罪の当事者となり捜査機関に捜査されているなど身柄拘束を受けていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
家族・親族が横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。
【事例解説】横領罪とその弁護活動(返却期限が過ぎたレンタカーを返却せずに私的に乗り回したケース)
【事例解説】横領罪とその弁護活動(返却期限が過ぎたレンタカーを返却せずに私的に乗り回したケース)
今回は、返却期限が過ぎたレンタカーを返却せずに私的に乗り回したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:返却期限が過ぎたレンタカーを返却せずに私的に乗り回したケース
レンタカーの返却期限を約1年過ぎても返却しなかったとして、福岡県警は、福岡市に住むAさんを横領の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、福岡市内のレンタカー会社Vで乗用車1台(時価80万円相当)を1カ月の期間を定めて契約しましたが、返却期限を約1年過ぎても車を返却しないまま仕事やプライベートで乗り回し、横領した疑いが持たれています。
返却期限を過ぎても車が返却されないため、レンタカー会社VがAさんに連絡したところ音信不通になり、被害届を提出したとのことです。
車は既に押収済みです。
警察の調べに対して、Aさんは「返却期限を過ぎても車を返さなかったのは間違いない」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,横領罪について
〈横領罪〉(刑法第252条)
第1項 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
刑法の横領罪は、①自己の占有する②他人の物を③横領した場合に成立します。
また、窃盗罪や強盗罪など、他人の占有をその占有者の意思に反して自身または第三者の占有に移転する奪取罪とは異なり、横領罪は既に他人の物が自身の占有下にあるため、保護法益は第一次的には所有権であり、第二次的に物を預けた人との信任関係も保護の対象となります。
そのことから、横領罪は、委託信任関係により他人の物を占有している者という身分を持っている人に成立する犯罪と言えます。
①「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力をいい、具体的には、物に対して事実上または法律上支配力を及ぼす状態にあることを意味します。
法律上の支配とは、法律上自身が容易に他人の物を処分し得る状態にある場合を言います。
例えば、不動産の登記名義人は、当該不動産を自由に処分できる地位にあるため、法律上の支配が認められます。
②「他人の物」とは、他人の所有に属する物を言います。
③「横領」行為とは、不法領得の意思を発現する一切の行為をいいます。
不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思をいいます。
「横領」行為は、費消(使い込むこと)、着服(バレないように盗むこと)、拐帯(持ち逃げすること)、抑留(借りたものを返さないこと)などの事実行為だけでなく、売却、貸与、贈与などの法律行為も含まれます。
上記の事例では、Aさんはレンタカー会社Vとの賃貸借契約により乗用車を借りており、当該乗用車の所有者はレンタカー会社Vです。(②)
また、借りているAさんには当該乗用車に対して事実上の支配力が認められます。(①)
そして、Aさんは、返却期限を過ぎても当該乗用車を返却することなく仕事やプライベートなどで乗り回しています。(③)
以上より、Aさんには横領罪が成立することが考えられます。
2,身体拘束の回避にむけた弁護活動
横領罪で逮捕・勾留されると、最長で23日間、身体拘束されて捜査機関の取調べを受けることになります。
その間、被疑者は生活を厳しく管理・規制され、家族や友人など外部との自由な接触も制限され、捜査機関の取調べにも一人きりで臨まなければならないなど、身体的・精神的に多大な負担を被ることになります。
また、身体拘束期間中は当然のことながら職場に出勤することもできなくなるので、そのような長期間を無断欠勤すれば、職場から解雇される可能性もあり、身体拘束前の社会生活を送ることができなくなるかもしれません。
しかし、勾留による身体拘束を回避すれば、そのような不利益を受けずに済むかもしれません。
被疑者に勾留の理由と必要性があると検察官が判断した場合、検察官が裁判所に勾留請求します。
検察官の勾留請求を裁判所が認めると、被疑者は勾留されることになり、最長で20日間身柄を身体拘束されることになります。
もっとも、弁護士であれば、検察官と裁判所に対して、意見書を提出することで被疑者勾留をしないようはたらきかけることができます。
勾留による身体拘束の理由とは、被疑者が住居不定、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合を言うため、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集し、意見書と一緒に提出することで、被疑者勾留の回避を目指します。
以上のような弁護活動は、被疑者勾留が決定する前に行う必要があるため、ご家族等が身体拘束されてしまったら、少しでも早く弁護士に依頼することがオススメです。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内で横領罪の当事者となってしまった方、あるいは横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験してきました。
横領罪の当事者となり捜査機関に捜査されているなど身柄拘束を受けていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
家族・親族が横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。
【事例解説】アルバイトとして勤務していたお店のお金を持ち帰った場合に成立する可能性がある犯罪とは
【事例解説】アルバイトとして勤務していたお店のお金を持ち帰った場合に成立する可能性がある犯罪とは
今回は、アルバイトとして勤務していたお店のお金を持ち帰ったという架空の事例に基づき、成立する可能性がある犯罪について解説致します。
事例:アルバイトとして勤務していたお店のお金を持ち帰ったケース
福岡市にある飲食店にアルバイトとして勤務していたAさんは、勤務中にお店のレジから現金5万円を持ち帰ったとして、逮捕されました。
レジ締め作業中に5万円の差額が出たことで不審に思った被害店舗関係者が防犯カメラの映像を見返すと、Aさんが現金を取り出してポケットに入れる瞬間が映っていたことから、警察に被害届を提出し、Aさんは逮捕されるに至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「自分がやったことに間違いありません」と容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,成立し得る犯罪について
上記の事例では、Aさんにはいかなる犯罪が成立することが考えられるでしょうか。
お店の現金を持ち帰るという行為は、刑法の窃盗罪(刑法第235条)もしくは業務上横領罪(刑法第253条)に該当することが考えられます。
〈窃盗罪〉
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は、他人の財物を窃取した場合に成立します。
他人の「財物」とは、所有権の対象であれば広く保護の対象となります。
「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己又は第三者の占有に移すことを言います。
〈業務上横領罪〉
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
業務上横領罪は、通常の横領罪(刑法第252条1項)を業務者という身分を有する者が犯した場合に成立する犯罪です。
そのため、まずは横領罪について解説致します。
横領罪は、①自己の占有する他人の物を②横領した場合に成立します。
①「自己の占有する他人の物」にいう、「物」とは財物を意味し、窃盗罪における財物と同じですが、横領罪の場合は不動産も含まれます。
「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力を言い、具体的には、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態を言います。
法律上の支配とは、法律上自己が容易に他人の物を処分し得る状態を言います。
また、その占有は他人からの委託信任関係を原因とすることが必要となります。
仮に、その占有が委託信任関係によらずに開始した場合、その物は誰の占有にも属していない、あるいは偶然自分の占有に属したことになり、その場合は遺失物等横領罪(刑法第254条)が成立します。
そのため、横領罪における占有は他人からの委託信任関係が必要となります。
委託信任関係は委任(民法第643条以下)などの契約に基づく場合のほか、取引上の信義則に基づく場合などがあります。
②「横領」とは、不法領得の意思を発現する一切の行為を言います。
横領罪における不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに、その物の経済的用法に従って、所有者でなければできないような処分をする意思を言います。
横領行為は、費消、着服、拐帯などの事実行為のみならず、売却、貸与、贈与などの法律行為も含まれます。
以上が横領罪の成立に必要な要件となり、業務上横領罪は、業務者という身分を有する者が横領行為を行った場合に成立します。
業務者とは、委託を受けて他人の物を保管・管理する事務を反復又は継続的に行う者を言い、質屋や運送業者などがその典型ではありますが、職務上公金を管理する公務員や会社や団体などの金銭を管理する会社員や団体役員なども業務者に含まれます。
まとめると、窃盗罪は他人の占有を侵害する犯罪で、業務上横領罪は他人の所有権を侵害する犯罪であると言えます。
そのため、両罪は、占有が誰に認められるかにより区別されると言えます。
上記の事例を参考にすると、レジ内の現金の占有がお店に認められるなら、Aさんはお店の意思に反してお店の占有を排除してレジ金の占有を自分に移しており「窃取」しているといえるため、窃盗罪が成立し得ます。
一方で、レジ内の現金の占有がAさんに認められるならば、Aさんは業務としてお店のレジ金を占有していたことになり、レジ金を持ち帰るという行為は横領といえるため、業務上横領罪が成立し得ます。
雇用関係などにより上下関係がある場合、下位にある者が財物を管理していたとしても、その財物の占有は上位の者に認められ、下位の者は占有を補助する者に過ぎません。
上記の事例で言えば、Aさんはただのアルバイトで上位の者(例えば、お店のオーナー、雇用主など)の占有を補助する者に過ぎないということになります。
そのため、Aさんの、レジ金の占有者であるお店のオーナーの占有を、占有者の意思に反して自分の占有に移した行為は、「窃取」に該当するため、Aさんには窃盗罪が成立すると考えられます。
なお、Aさんがただのアルバイトではなく、そのお店の店長であった等の事情があれば、Aさんとオーナーとの間には高度の信頼関係が存在し、Aさんにはレジ金についてある程度の処分権が委ねられているといえるため、レジ金を持ち帰るという行為に業務上横領罪が成立する余地はあると言えます。
2,まずは弁護士に相談を
窃盗罪や業務上横領罪は被害者が存在する犯罪であるため、被害者との示談交渉を行うことが身柄拘束からの解放や不起訴処分を獲得するうえで肝要となります。
示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできますが、被害者は加害者に対して強い処罰感情を有しており、交渉に応じてもらえないことも考えられます。
しかし、弁護士が間に入れば、加害者が反省・謝罪の意思を有していることや被害の弁償等を行う意思があることなどを冷静かつ丁寧に被害者に説明することができ、交渉に応じていただける期待が十分に持てます。
そのため、示談交渉は、交渉のプロである弁護士に依頼することがオススメです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験しており、当該分野において高い実績を誇ります。
身柄を拘束されていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、逮捕・勾留などにより身柄を拘束されてしまった方に対しては、初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。
【事例解説】横領罪とその弁護活動(借りていたレンタカーを返却期限が過ぎても返さず乗り回していたケース)
【事例解説】横領罪とその弁護活動(借りていたレンタカーを返却期限が過ぎても返さず乗り回していたケース)
今回は、借りていたレンタカーの返却期限が過ぎていたにもかかわらず、返却せずに乗り回していたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:借りていたレンタカーを返却期限が過ぎても返さず乗り回していたケース

Aさんは、福岡市にあるレンタカー会社Vからレンタカーを借り、返却期限が過ぎたにもかかわらず、少なくとも1か月以上レンタカーを乗り回していました。
Vが被害届を警察に提出したことで、警察は捜査を開始して、Aさんを横領の疑いで逮捕するに至りました。
警察の調べに対し、Aさんは「間違いありません。」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)
1,横領罪について
〈横領罪〉(刑法第252条)
第1項 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
刑法の横領罪は、①自己の占有する他人の物を②横領した場合に成立します。
また、窃盗罪や強盗罪など、他人の占有をその占有者の意思に反して自身または第三者の占有に移転する奪取罪とは異なり、横領罪は既に他人の物が自身の占有下にあるため、保護法益は第一次的には所有権であり、第二次的に物を預けた人との信任関係も保護の対象となります。
そのことから、横領罪は、委託信任関係により他人の物を占有している者という身分を持っている人に成立する犯罪と言えます。
①「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力をいい、具体的には、物に対して事実上または法律上支配力を及ぼす状態にあることを意味します。
窃盗罪などの奪取罪は、物を自宅で保管しているなど事実上の支配のみが「占有」に該当します。
一方で、横領罪は、法律上の支配、すなわち法律上自身が容易に他人の物を処分し得る状態にある場合にも法律上の「占有」に該当します。
法律上の占有は、不動産や預金の場合に問題となり、不動産の場合は、当該不動産の所有権の登記名義人はその不動産に実際に居住して使用するなど事実上の支配がなくても、当該不動産を売却するなど自由に処分できる地位にあるため、法律上の支配が認められます。
また、他人から預かったお金を自分の口座に入れて管理している場合、そのお金を財布や自宅で保管しているというわけではないので事実上の支配は認められませんが、預金した人は、いつでも自分の口座からそのお金を引き出して自由に処分できる地位にあるため、預金した人に法律上の支配が認められ、他人の物を「占有」していることになります。
「物」とは、窃盗罪などの「財物」と同じで、管理可能性のある有体物(個体・液体・気体)をいい、動産だけでなく不動産も含まれます
②「横領」行為とは、不法領得の意思を発現する一切の行為をいいます。
不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思をいいます。
「横領」行為は、費消(使い込むこと)、着服(バレないように盗むこと)、拐帯(持ち逃げすること)、抑留(借りたものを返さないこと)などの事実行為だけでなく、売却、貸与、贈与などの法律行為も含まれます。
上記の事例では、Aさんは借りたレンタカーを期限が過ぎても返すことなく乗り回している(抑留している)行為は「横領」に該当すると考えられます。
2,横領罪で逮捕された場合に考えられる弁護活動
(1)不起訴処分獲得に向けた弁護活動
横領罪の法定刑は5年以下の懲役刑が定められているのみで、窃盗罪などに定められているような罰金刑がありません。
そのため、起訴された場合には、正式裁判が開かれることになります。
そして、起訴・不起訴を決めるのは検察官です。(起訴便宜主義。刑事訴訟法248条)
不起訴処分獲得に向けた弁護活動としては、被害者との示談交渉を試みます。
弁護士が加害者の立場から、被害者に対して、加害者が反省・謝罪の意思を有していること、被害弁償や示談金の支払いの準備があることを申し入れます。
そして、示談といっても内容は千差万別で、単なる示談の成立(当事者間で紛争が解決したと約束すること)や宥恕付き示談(加害者の反省・謝罪を受け入れ、加害者に対する刑事処罰を望まないことを意味するもの)など多岐にわたります。
そのため、単に示談を成立させるだけでなく、宥恕付き示談や被害届の取下げや刑事告訴の取消などの約定を加えた内容での示談を成立させることが、不起訴処分を獲得するために重要となります。
(2)公判弁護
当事者間で示談が成立したとしても、必ず不起訴処分になるとは限りません。
被告人が行った犯罪の社会に対して大きな影響をもたらしたため、社会秩序を回復させるためなど、検察官が処罰することが相当と判断した場合には起訴される可能性があります。
起訴された場合の弁護活動としては、被告人と入念な打ち合わせを重ね裁判に備えることや、裁判では、示談が成立しており被告人は十分に反省していることなどを主張し、執行猶予付き判決の獲得など、少しでも被告人に有利な結果の実現を目指します。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内で横領罪の当事者となってしまった方、あるいは横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験してきました。
横領罪の当事者となり捜査機関に捜査されているなど身柄拘束を受けていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
家族・親族が横領罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。
【事例解説】業務上横領罪とその弁護活動(事務局の口座から現金を不正に払い出して横領したケース)
【事例解説】業務上横領罪とその弁護活動(事務局の口座から現金を不正に払い出して横領したケース)
今回は、事務局担当者として経理事務と金銭出納などの業務に従事していた町職員が、事務局の口座から現金約63万円を払い出し横領したというニュース記事に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:事務局担当者として経理事務や金銭出納などの業務に従事していた町職員が、事務局の口座から現金約63万円を払い出し横領したケース
松阪署は4日、業務上横領の疑いで明和町、同町職員Aさんを逮捕した。
逮捕容疑は多気郡町村会の令和4年度事務局担当者として町村会経理事務と金銭出納などの業務に従事していた同5年2月28日、同町の金融機関で2回にわたり同事務局口座から払い出した現金合計約63万円を横領した疑い。
Aさんは「私はやっていない」と否認している。
同署によると、令和5年4月の人事異動で新しい担当者が事務を引き継いだ時、使途不明金が見つかったため、同町が同署に同年7月下旬から8月上旬にかけて相談し、10月上旬に告訴、受理された。
同町長職務代理者の下村由美子副町長は「多くの皆さまにご迷惑をおかけしたことをおわびいたします」「捜査に全面協力しますとともに、厳正に対処する」とコメントを出した。
(伊勢新聞 3/5(火) 8:00配信のニュース記事を一部変更し引用しています。)
1,業務上横領罪について
〈業務上横領罪〉
「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。」(刑法253条)
業務上横領罪は、通常の横領罪(刑法252条1項)を業務者という身分を有する者が犯した場合に成立する犯罪です。
そのため、まずは横領罪について解説致します。
横領罪は、①自己の占有する他人の物を②横領した場合に成立します。
また、横領罪は故意犯であるため③故意(刑法38条1項)と、条文上の記載はありませが、④不法領得の意思が必要となります。
横領罪は窃盗罪などとは異なり、既に行為者のもとに他人が所有権を有する物が存在しているため、他人の占有を侵害する犯罪ではありません。
そのため、横領罪の保護法益は、第一次的には所有権であり、また、横領行為は物を預けた人に対する裏切り行為といえるため、第二次的には委託信任関係であると考えられています。
①「自己の占有する他人の物」にいう、「物」とは財物を意味し、窃盗罪における財物と同じですが、横領罪の場合は不動産も含まれます。
「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力を言い、具体的には、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態を言います。
法律上の支配とは、法律上自己が容易に他人の物を処分し得る状態を言い、法律上の支配が問題となる場面は不動産の占有と銀行預金の占有です。
不動産の場合は、不動産の所有権の登記名義人は、当該不動産を実際に居住するなど事実上支配していなくても、売却など自由に処分できる立場にあるため、法律上支配していると言えます。
また、他人から預かった金銭を自分の口座で管理している場合は、金銭を自分の財布に入れて実際に管理しているわけではないため事実上支配しているとは言えませんが、その金銭はいつでも自分の口座から引き出すことができ、自由に処分できる立場にあるため、他人の金銭に対する法律上の支配が認められます。
また、その占有は他人からの委託信任関係を原因とすることが必要となります。
仮に、その占有が委託信任関係によらずして開始した場合、その物は誰の占有にも属していないか偶然自分の占有に属したことになり、その場合は遺失物等横領罪(刑法254条)が成立します。
そのため、横領罪における占有は他人からの委託信任関係が必要となります。
委託信任関係は委任(民法643条以下)などの契約に基づく場合のほか、取引上の信義則に基づく場合などがあります。
②「横領」とは、不法領得の意思を発現する一切の行為を言います。
横領罪における不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに、その物の経済的用法に従って、所有者でなければできないような処分をする意思を言います。
横領行為は、費消、着服、拐帯などの事実行為のみならず、売却、貸与、贈与などの法律行為も含まれます。
以上が横領罪の成立に必要な要件となり、業務上横領罪は、業務者という身分を有する者が横領行為を行った場合に成立します。
業務者とは、委託を受けて他人の物を保管・管理する事務を反復又は継続的に行う者を言い、質屋や運送業者などがその典型ではありますが、職務上公金を管理する公務員や会社や団体などの金銭を管理する会社員や団体役員なども業務者に含まれます。
2,業務上横領罪で逮捕・勾留による身柄拘束を受けた場合における弁護活動
業務上横領罪で逮捕・勾留された場合、最長で23日間 、身柄を拘束されて警察と検察の取調べを受けることになります。
その後、検察官によって起訴されるか否かが判断され、起訴されてしまった場合には公判が開かれることになります。
窃盗罪などの他の財産犯に比べて、業務上横領罪は未遂犯を処罰する規定が存在しないため、業務上横領罪に当たる行為を行った時点で結果が発生していなくとも既遂となります。
未遂犯は既遂犯に比べて刑罰を減軽される可能性がありますが(刑法43条本文)、業務上横領罪はすべて既遂として処罰されることになります。
また、横領行為は信頼して預けていた財物に手を出すという信頼を失墜させる行為であること、「業務上」という反復継続して行う立場でありながら犯行に及んだという点で非難の度合いが高く、起訴されてしまった場合には実刑判決を受ける可能性が高いと言えます。
業務上横領罪の刑罰は10年以下の懲役刑のみであるところ、執行猶予付き判決を獲得するためには、判決によって言い渡される刑罰が懲役又は禁錮3年以下である必要があります(刑法25条柱書)。
そのため、業務上横領罪で逮捕・勾留された場合、それに引き続いて起訴されてしまった場合いは、弁護士による迅速なサポートを受けることが重要となります。
まず、勾留による身柄拘束が認められるのは、被疑者・被告人に証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合です。(刑事訴訟法207条1項本文、60条1項各号)
そこで、弁護士はそれらの事情を否定し得る客観的な事情や証拠を収集する活動を通じて早期の身柄解放を行います。
具体的な活動の一例としては、被疑者・被告人の家族や親族に働きかけて身元引受人となってもらい、被疑者・被告人の裁判所や捜査機関への出頭の機会を確保することができれば、逃亡のおそれを否定し得る客観的な事情となり、早期の身柄解放が期待できます。

次に、業務上横領罪は被害者が存在する犯罪でもあります。
そのため、弁護士が被疑者・被告人に代わって被害者との示談交渉を行い、示談の成立に向けた活動を行います。
示談と一口に言っても内容は種々様々で、加害者側にだけ都合のいい内容で示談交渉を進めると交渉が拗れてしまい、示談が成立する可能性は低くなります。
そのため、被害者側の意向をくみ取りつつ、宥恕条項(加害者側の謝罪を受け入れて、加害者の刑事処罰を望まないことを意味する条項)や刑事告訴取消といった約定を入れた内容で示談交渉を進める必要があります。
また、身柄を拘束されている事件では、逮捕から起訴までの間 に示談を成立させることができれば、証拠隠滅や逃亡のおそれが低いと判断され早期の身柄拘束が、起訴猶予による不起訴処分の獲得がそれぞれ期待できます。
そのため、身柄を拘束されてしまった場合には、短い期間で示談交渉を行い必要があるため、速やかな示談交渉が必要不可欠となります。
もし起訴されてしまった場合でも、示談が成立していれば、執行猶予付き判決を獲得できる可能性が高まるため、示談交渉の成立に向けた弁護活動が重要であることに変わりはありません。
以上より、業務上横領罪など逮捕・勾留により身柄を拘束されてしまった場合には、少しでも早く弁護士に依頼することがとても重要と言えます。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内で業務上横領罪の当事者となってしまった方、もしくは家族・親族が当事者となってしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事弁護の経験・実績が豊富で刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、業務上横領罪で在宅捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、家族・親族が当事者となってしまった方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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