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【事例解説】強要罪とその弁護活動(宿泊しているホテルの従業員に土下座を強要したケース)

2025-03-25

【事例解説】強要罪とその弁護活動(宿泊しているホテルの従業員に土下座を強要したケース)

今回は、宿泊しているホテルの従業員に土下座を強要したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所事務所福岡支部が解説致します。

事例:宿泊しているホテルの従業員に土下座を強要したケース

福岡県警は、福岡市内のホテルで従業員Vさんに対して土下座を強要したとして、市内に住むAさんを強要の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、同ホテルに1人で宿泊していたAさんは、Vさんの接客態度に腹を立てて脅迫し、土下座をさせた疑いが持たれています。
ホテル関係者からトラブルが起きた旨の通報が警察に入った事で事件が発覚。
警察がホテルの防犯カメラを確認し、犯行の様子が映っていたことなどから逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「接客態度に腹が立ったので謝らせたかった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,強要罪について

〈強要罪〉(刑法第223条)

第1項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。

刑法強要罪は、①生命、身体、名誉若しくは財産に対し②害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、③人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した場合に成立します。
②「脅迫」とは、相手方の生命、身体、名誉若しくは財産に対して害を加える旨を告知することをいいます。
暴行」とは、相手方が恐怖心を抱き、それにより行動の自由が侵害される程度の有形力の行使をいいます。
また、「暴行」は、相手方に直接向けられる必要はなく、物に対する暴行であったとしても、それにより相手方が恐怖心を抱き、行動の自由を侵害されていれば「暴行」に該当します。
③「義務のないことを行わせ」とは、相手方に義務が無いのに一定の行為をすること(作為)や、一定の行為をしないこと(不作為)を受け入れることを強制することをいいます。
例えば、相手方に義務が無いのに土下座や謝罪をすることを強制することなどが挙げられます。
権利の行使を妨害した」とは、公法上・私法上の権利行使を妨害することをいいます。
告訴権者に告訴を行わせないことなどが具体例として考えられます。
また、強要罪は、脅迫または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせる、または権利の行使を妨害するという結果を発生させた場合に成立するため、脅迫・暴行行為と結果との間に因果関係が存在しなければなりません。
そのため、例えば、犯人が暴行・脅迫行為を行ったが、相手方が恐怖心を抱かず、憐みの情から義務のないことを行った場合には、強要罪は既遂とはならず、未遂にとどまります。
上記の事例では、AさんはVさんを「脅迫」し、Vさんに土下座する義務が無いのに土下座を強制していることから、「義務のないことを行わせ」たといえます。
以上より、上記事例のAさんの行為には強要罪が成立することが考えられます。

2,不起訴処分獲得に向けた弁護活動

強要罪は、被害者が存在する犯罪であるため、被害者と示談交渉を試みます。
被害者との間で示談が成立すれば、不起訴処分の獲得が十分に期待できます。
示談交渉は、事件の当事者同士でもできますが、被害者は加害者から直接連絡されることに恐怖や不安を感じている場合も多く、加害者に対して強い処罰感情を有していることから示談交渉に応じてもらえない可能性もあります。
しかし、弁護士が間に入り、加害者が反省・謝罪の意思を有していること、被害弁償を行う準備があることなどを被害者に丁寧かつ冷静に説明すれば、示談交渉に応じてもらえる可能性が高まります。
また、示談と一口に言っても内容は様々であり、宥恕(加害者の謝罪を受け入れ、加害者に対する刑事処罰を望まないという意味)付き示談や、被害届の取下げや刑事告訴の取下げを内容に加えた示談などがあります。
これらを内容に加えた示談を成立させるには、刑事事件に関する知識や経験が豊富で、交渉に強い弁護士に依頼することがオススメです。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において強要罪の当事者となりお困りの方、またはご家族等が強要罪で身柄を拘束されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
強要罪で身柄拘束されずに捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が強要罪で身柄を拘束されてしまった方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】強要未遂で逮捕された場合とその弁護活動(被害女性に対して刃物を向けて服を脱ぐよう脅したケース)

2024-10-03

【事例解説】強要未遂で逮捕された場合とその弁護活動(被害女性に対して刃物を向けて服を脱ぐよう脅したケース)

今回は、被害女性に対してカッターナイフを向けて服を脱ぐよう脅したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:被害女性に対して刃物を向けて服を脱ぐよう脅したケース

福岡県警察東警察署は、強要未遂の疑いで福岡市東区に住む会社員Aさんを逮捕しました。
Aさんは、東区にあるコンビニエンスストアの前で、通りがかった面識のない女性に対してカッターナイフを向け、「刺されたくなかったら服を脱げ」と脅した直後、周囲に人がいることに気付いて逃走した疑いが持たれています。
コンビニエンスストアやその周辺の防犯カメラの映像を解析して、Aさんの犯行を特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「間違いありません」と容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,強要罪について

〈強要罪〉(刑法第223条)

第1項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
第3項 前2項の罪の未遂は、罰する。

刑法強要罪は、①生命、身体、名誉若しくは財産に対し②害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、③人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した場合に成立します。
②「脅迫」とは、相手方の生命、身体、名誉若しくは財産に対して害を加える旨を告知することをいいます。
暴行」とは、相手方が恐怖心を抱き、それにより行動の自由が侵害される程度の有形力の行使をいいます。
また、「暴行」は、相手方に直接向けられる必要はなく、物に対する暴行であったとしても、それにより相手方が恐怖心を抱き、行動の自由を侵害されていれば「暴行」に該当します。
③「義務のないことを行わせ」とは、相手方に義務が無いのに一定の行為をすること(作為)や、一定の行為をしないこと(不作為)を受け入れることを強制することをいいます。
例えば、相手方に義務が無いのに土下座や謝罪をすることを強制することなどが挙げられます。
権利の行使を妨害した」とは、公法上・私法上の権利行使を妨害することをいいます。
告訴権者に告訴を行わせないことなどが具体例として考えられます。
また、強要罪は、脅迫または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせる、または権利の行使を妨害するという結果を発生させた場合に成立するため、脅迫・暴行行為と結果との間に因果関係が存在しなければなりません。
そのため、例えば、犯人が暴行・脅迫行為を行ったが、相手方が恐怖心を抱かず、憐みの情から義務のないことを行った場合には、強要罪は既遂とはならず、未遂にとどまります。
上記の事例では、AさんはVさんにカッターナイフを向けて「刺されたくなかったら服を脱げ」と脅迫しているものの、それによりVさんが恐怖心を抱き、実際に服を脱いだとの事情もないため、強要未遂罪が成立することが考えられます。

2,示談成立に向けた弁護活動

強要罪は被害者が存在する犯罪であるため、被害者との示談交渉を試みます。
示談が成立すれば、逮捕・勾留による身柄拘束からの早期解放や、不起訴処分獲得が期待できます。
示談と言っても内容はさまざまあり、事件を当事者間で解決し将来の民事訴訟を予防する単なる示談や、宥恕(加害者に対して刑事処罰を望まないことの意味)付き示談、被害者が刑事告訴や被害届を提出する場合には、刑事告訴の取消しや被害届の取下げを内容に加えた示談などがあります。
もっとも、これらの内容を加えた示談を成立させるためには、刑事事件に関する専門的な知識や経験が要求されるといえるため、示談交渉のプロである弁護士に一任されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において強要未遂罪の当事者となりお困りの方、またはご家族等が強要未遂罪で身柄を拘束されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
強要未遂罪で身柄拘束されずに捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が強要未遂罪で身柄を拘束されてしまった方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

被疑者が正当防衛を主張する場合の弁護活動(電車内で高校生に因縁をつけ土下座させた上に暴行を加えて重傷を負わせたケース)

2024-04-08

被疑者が正当防衛を主張する場合の弁護活動(電車内で高校生に因縁をつけ土下座させた上に暴行を加えて重傷を負わせたケース)

今回は、電車内で喫煙していたAさんが男子高校生Vさんに喫煙を注意されたことに逆上し、Vさんに因縁をつけ土下座させ蹴る殴るなどの暴行を加えたというニュース記事に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:電車内で高校生に因縁をつけ土下座させた上に暴行を加えて重傷を負わせたケース

JR宇都宮線内で喫煙を注意した高校生を暴行し、傷害強要などの罪に問われた元ホストクラブ従業員Aさんの判決公判が19日、宇都宮地裁栃木支部で開かれ、裁判長は懲役2年(求刑懲役3年)の実刑判決を言い渡した。
Aさんは今年1月23日、電車の優先席で寝転んで喫煙。男子高校生Vさんが注意すると、「くそがき、おまえ、俺にしゃべりかけられる分際とちゃうんや」「ぶっ殺すぞ、こら。けんか売ってるんじゃねえぞ」と因縁をつけ、土下座させた。Vさんの頭を踏み付けた上、蹴る殴るの暴行を加え、頬骨(きょうこつ)骨折など全治6カ月の重傷を負わせた。
また、送検後、検察官の取り調べに対して「あんまり人をばかにしたしゃべり方すんなよ」「カメラ関係あるか。俺、暴れるときまじで暴れるぞ」「女には手上げへんけど、男には手上げるからな」と脅迫し、公務執行妨害でも起訴された。
弁護側は「大々的に報道され、社会罰も受けている」と執行猶予を求めたが、裁判長は「感情に任せた犯行で、一方的で執拗(しつよう)。動機、経緯に酌量の余地はない」と量刑理由を説明した。
100万円を準備し、被害弁償の意向を持っていることや、交際相手が更生に協力する意向があることなど、「酌むべき事情を考慮しても、執行猶予は相当ではない」と実刑を選択した。
日刊スポーツ 2022年7月19日13時8分の記事を一部変更し引用しています。)

1, 傷害罪

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」(刑法204条

傷害罪は「人の身体を傷害した」場合に成立する犯罪で、「傷害」するとは、人の身体の生理的機能を侵害することを言います。
簡単に言うと、人に怪我を負わせたりすることで、上記の事例ではAさんはVさんに対して蹴る殴るなどの暴行を加えて骨折の怪我を負わせているため「傷害した」に該当し、傷害罪が成立したと言えます。

2, 強要罪

生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。」(刑法223条1項

強要罪は意思決定の自由を保護法益として、その自由を侵害することを処罰する犯罪です。
➀人の生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対して、②脅迫や暴行を用いて、③人に義務のないこと行わせ又は権利の行使を妨害した場合に成立します。
②の脅迫は「殺すぞ」や「殴るぞ」などの害悪を告知することで、暴行は殴る蹴るなどの人の身体に対する不法な有形力の行使を言います。
③の義務のないことを行わせるとは土下座させる行為などがその典型で、権利の行使を妨害するとは債権の回収をさせないことなどがこれに当たります。

3, 公務執行妨害罪

公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」(刑法95条1項

公務執行妨害罪は、公務の執行を保護法益とし、また抽象的危険犯(現実に結果が発生することは要せず結果が発生するおそれがあれば足りる)であるため、現実に公務の執行が妨害されることを要せず、公務の執行が妨害される危険があれば成立します。

4, 弁護活動

上記の事例ではAさんは正当防衛の成立を主張していますが、正当防衛は成立するのでしょうか。
正当防衛とは、犯罪に該当する行為を行ってしまった場合でも、正当防衛であると認められれば、違法性が排除され犯罪が成立しなくなることを言います。

<正当防衛>

急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」(刑法36条1項

正当防衛とは、①急迫不正の侵害が対して、②自己又は他人の権利を防衛するため、③やむを得ずにした行為である場合に成立します。
➀の「急迫」とは、法益の侵害が現に存在し又は間近に押し迫っていることを言い、過去の侵害行為、例えば一週間前に殴られたことに対して殴り返す場合などには急迫性は否定されます。
また、「不正」とは、違法であることを言います。
②の要件は自分や第三者の権利を「防衛するため」、つまり当該行為は防衛の意思をもってなされる必要があります。
防衛の意思とは、急迫不正の侵害を認識しそれを避けようとする単純な心理状態をいいます。
ここで問題となるのは、防衛者が攻撃の意思を有していた場合に防衛の意思が否定されるのかということです。
判例通説では、行為者が攻撃の意思を持っていたとしてもただちに防衛の意思は否定されないとしています。
それは、攻撃することが防衛になることがあると考えられます。
しかし、侵害行為に対して、その機会を利用して積極的に加害を加える意思で防衛行為に及んだ場合には急迫性が否定され、正当防衛は成立しないことになります。
これは、正当防衛が緊急時に国家機関(例えば警察など)に助けを求めることが難しいなどの事情がある場合に、例外的に私人による自救行為を許容することを趣旨としているため、侵害を予期してその機会を利用して積極的に攻撃を加えることは、もはや防衛の意思から防衛行為に出たとは言えないとえるためです。
③の「やむを得ずにした行為」とは、防衛行為の相当性、すなわち防衛行為が社会的見て必要かつ相当であることを要します。
例えば、素手で一発殴るという侵害行為に対して金属バットで複数回殴り返すなどの行為は、防衛行為としての相当性を欠き正当防衛が成立しません。
なお、防衛行為の相当性を欠くが他の要件は満たすという場合には、過剰防衛刑法36条2項)の成立が別途検討されることになります。
上記の事例で言えば、VさんはAさんに対して電車内での喫煙を注意しただけであり、そもそもVさんのAさんに対する「急迫不正の侵害」が存在しないため、Aさんに正当防衛は成立しないと考えられます。
以上より、被疑者が正当防衛を主張する場合の弁護活動としては、正当防衛の各要件の充足性を示すための客観的な証拠や事情の収集活動が主たる活動になると言えます。
例えば、相手方が攻撃してくることを予想して武器を持たずに相手方が居る場所に向かったが相手が凶器を持っていたなどの場合には、侵害を予期していたとは言えず、急迫性は肯定する客観的な事情と言えます。
弁護士による弁護活動としては、そのような客観的な事情や証拠の収集活動を行うことになります。
また、正当防衛が成立するか否かは判決により決まるため、たとえ自分で正当防衛に当たる行為をしたと思っていても、逮捕や勾留により身柄を拘束されるおそれがあります。
逮捕・勾留による身柄拘束は最長で23日間の間続き、その間に警察と検察による取調べを受けることになります。
逮捕・勾留による被疑者の身柄拘束が認められるのは、被疑者に証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合になります(刑事訴訟法207条1項、60条1項)。
そのため、弁護士による弁護活動としては、それらを否定する客観的な事情や証拠の収集活動を通じて被疑者の早期の身柄解放を目指します。

5, まずは弁護士に相談を

福岡県内において正当防衛の成立を争いたいなどをご希望の方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、正当防衛の成立を争いたい方に対しては初回無料の法律相談や身柄拘束中の方のご家族等の方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
お気軽にご相談ください。

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