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【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(商業施設の個室トイレの鍵穴に汚物を塗り付けたケース)
【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(商業施設の個室トイレの鍵穴に汚物を塗り付けたケース)
今回は、福岡市内の商業施設内の個室トイレにおいて、鍵穴に汚物を塗り付けたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:商業施設の個室トイレの鍵穴に汚物を塗り付けたケース
福岡県警察博多警察署は、器物損壊の疑いで福岡市東区在住のAさんを逮捕しました。
Aさんは、福岡市内の商業施設で、トイレの個室ドアの鍵穴に大便などの汚物を塗り付けた疑いが持たれています。
博多警察署によると、これまでに同様の被害が複数回あり、商業施設が被害届を提出していました。
防犯カメラの映像や目撃情報等からAさんの特定に至り、Aさんは容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,器物損壊罪
〈器物損壊罪〉
「前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」(刑法261条)
器物損壊罪は、刑法の前3条に規定するもの(公用文書等毀棄罪、私文書等毀棄罪、建造物等損壊罪及び同致死傷罪)のほか、他人の物を①損壊し、又は②傷害した場合に成立します。
「損壊」とは、財物の効用を害する一切の行為を言います。
判例では、飲食店の食器に放尿した場合(大審院判決明治42年4月16日)や、争議手段としてビラ60枚を会社事務所の窓や扉のガラスに洗濯のりで貼り付けた場合(最高裁判決昭和46年3月23日)などが「損壊」に当たるとしています。
上記の事例でも、商業施設の個室トイレの鍵穴に大便という汚物を塗り付けた行為は、個室トイレの鍵穴部分及びその周辺部分の効用を害したものとして、「損壊」に該当すると考えられます。
もっとも、仮に商業施設の個室トイレのドアが壁や柱などの建造物と取り外しが損壊しなければ取り外すことができないほどに接合されており、当該建造物における機能上も重要な役割を果たしている等の事情があれば、建造物損壊罪(刑法260条)の成立が検討されることになります。
「傷害」については、動物を客体とする場合を指し、動物の効用を害する一切の行為を意味します。
例えば、他人が飼っているペットを殺傷したり、勝手に逃がしたりする場合などがこれに該当します。
2,公訴を提起されないための弁護活動
〈親告罪〉
「第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」(刑法264条)
親告罪とは、被害者の告訴が無ければ公訴を提起することができない犯罪で、被害者の告訴が無い場合は、訴訟条件を欠くものとして検察官は公訴を提起できません。
そのため、器物損壊罪で逮捕されてしまった場合には、被害者に対して、弁護士は加害者の立場として謝罪の弁を述べることや被害弁償を行うことで刑事告訴の取消等の約定を加えたかたちでの示談を成立させることが肝要です。
示談交渉は当事者同士でも行うことはできますが、当事者同士での交渉は、被害者側が感情的になったり、不快な思いをすることもあるため、ほとんどの場合は拗れて上手くいきません。
そこで、弁護士が間に入り、加害者が反省し謝罪の意思を持っていることや、被害に対する弁償を行う準備があることなどを丁寧かつ冷静に説明することで、被害者の方に安心して交渉の場に臨んでいただければ、示談が成立しやすくなる期待が十分に持てます。
また、示談の成立により、被疑者は罪を認めて反省していると考えられ、被疑者による犯罪の証拠隠滅や逃亡のおそれはないと判断され、早期の身柄解放も期待できます。
逮捕されてから起訴されるまでの期間は、最長でも23日間しかなく、その間に宥恕条項(加害者の謝罪を受け入れ、加害者に対する刑事処罰を望まないことを意味する条項)や刑事告訴の取消といった約定を加えた内容での示談を成立させることが必要不可欠となります。
以上より、器物損壊罪で逮捕されてしまった、あるいは器物損壊罪で在宅で捜査を受けているまたは刑事告訴されるおそれがある場合には、一刻でも早く弁護士によるサポートを受けることをオススメします。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内において器物損壊罪の当事者となった方、あるいはご家族等が器物損壊罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、器物損壊罪の当事者で在宅で捜査を受けているまたは刑事告訴されるおそれがある方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が器物損壊罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
お気軽にご相談ください。
【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(知人の乗用車のタイヤから部品を取り外して脱輪させたケース)
【事例解説】器物損壊罪とその弁護活動(知人の乗用車のタイヤから部品を取り外して脱輪させたケース)
今回は、公務員Aさんが、福岡市早良区在住の公務員Vさんの乗用車のタイヤから部品を取り外して脱輪させたというニュース記事をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:知人の乗用車のタイヤから部品を取り外して脱輪させたケース

福岡市早良区で、知人の乗用車のタイヤから部品を取り外して脱輪させたとして、消防士のAさんが器物損壊の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、公務員Aさんは去年11月、福岡市早良区に住む公務員男性Vさんの自宅敷地内で、車の左後輪からナット4本を外して損壊した疑いが持たれています。
Vさんが出勤のために車に乗った際に脱輪したことから被害に気付き、警察に相談しました。
警察は周辺の防犯カメラの映像などから、Vさんの知人であるAさんが関与した疑いが強まったとしています。
Aさんは、容疑を認めているということで、警察が詳しい動機を調べています。
(KBC 福岡 03/05 17:08の記事を一部変更し引用しています。)
1,器物損壊罪について
〈器物損壊罪〉
「前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」(刑法261条)
器物損壊罪は、①他人の物を②損壊し又は傷害した場合に成立する犯罪です。
①「他人の物」とは、「前3条に規定するもの」(公用文書等毀棄罪、私用文書等毀棄罪、建造物等損壊及び同致死傷罪)の客体として保護されるもの以外のすべての他人の物を言います。
例えば、土地などの不動産、動物や植物、また法令上違法なもの(公職選挙法違反の選挙ポスターなど)であっても刑法的な保護に値するものであれば、器物損壊罪の客体に含まれます。
②「損壊」とは、財物の効用を害する一切の行為(効用侵害説)を言い、財物の効用を害すれば足り、財物を物理的に破壊する必要はありません。
効用とは使い道や用途のことを言うため、飲食店等で使われている食器に放尿した場合には、その後そのお店では洗って他のお客に提供するために使うわけにはいかなくなり、食器という財物の効用を害し「損壊し」たといえるため、放尿した者に器物損壊罪が成立するとした判例があります。(大審院判決明治42年4月16日)
また、「傷害」とは、傷害罪にいうそれとは意味が異なり、動物を客体とする場合を言います。
例えば、他人のペットを殺傷する行為や、勝手に逃がす行為などがこれに当たります。
2,器物損壊罪とその弁護活動
器物損壊罪で逮捕・勾留されると最長で23日間、身柄を拘束され、警察と検察の取調べを受けることになります。
被疑者が取調べで供述したことは調書となり、供述調書は裁判で証拠として使用されるため、取調べには慎重に臨む必要があります。
身柄を拘束されている被疑者は一人きりで検察と検察の取調べを受けることになるため、肉体的・精神的に不安を抱えていることが多く、冷静な態度で臨むことができず、警察や検察の都合のいい供述調書が作られるといったことも珍しくはありません。
弁護士であれば、どのように取調べに臨めば良いかについて法律の専門家として丁寧かつ適切なアドバイスをすることができます。
また、身柄を拘束されている被疑者としてもそのようなアドバイスを受けることができれば、精神的な不安の解消に繋がることが期待できます。
そのため、逮捕・勾留されてしまった場合には、少しでも早く弁護士のアドバイスを受けることが必要といえるでしょう。
また、器物損壊罪は親告罪(刑法264条)であるため、被害者の告訴が無ければ検察官は公訴を提起できません。
被害者に対して謝罪や被害の弁償をすることで告訴を取り消してもらえれば、検察官は起訴できず不起訴処分となり、前科が付くことを回避することができます。
被疑者が身柄拘束されて起訴されるまでは最長で23日間しかないため、その間に被害者との示談を成立させる必要があります。
以上より、刑事事件はスピードが大事であり、少しでも早く刑事弁護について経験や実績が豊富な刑事事件に特化した弁護士したサポートを受けることが重要となってきます。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内において器物損壊罪でお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、器物損壊罪でお困りの方からの法律相談を初回無料で承っております。
お気軽にご相談ください。
器物損壊罪となった放火、放火の罪になる条件とは
器物損壊罪となった放火、放火の罪になる条件とは
参考事件
福岡県北九州市に住んでいる大学生のAさんは、市内にある無人の公園に来ました。
Aさんは持っていたマッチに火を付けると、公園内にあるゴミ箱に火のついたマッチを投げ入れました。
Aさんは公園の外から火に人が集まって消火する様子を眺め、消し止められるとその場を離れました。
その後、小倉北警察署が事件を捜査し、火を付けたのがAさんであることを突き止めました。
そしてAさんは器物損壊罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

放火の罪と器物損壊罪
Aさんは物に火を付けましたが、器物損壊罪で逮捕されました。
参考事件の内容であれば、放火に関する罪が適用されるのではないかと疑問を浮かべる人も多いでしょう。
しかし、放火が行われたとしても事件状況によって問われる罪は変わってきます。
放火の罪とAさんに適用された器物損壊罪は、どちらも刑法に定められた犯罪です。
放火の罪は刑法第108条に「現住建造物等放火罪(人が住居にしている、又は人がいる建造物等に放火する罪)」、刑法第109条は「非現住建造物等放火(人か住居に使用せず、かつ人のいない建造物等に放火する罪)」、刑法第110条に「建造物等以外放火罪」が定められています。
参考事件は建造物に対する放火ではないため、仮に放火事件として扱われたのであれば刑法第110条に「放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。」と定められた建造物等以外放火罪が適用となった可能性はあります。
実際にAさんの逮捕容疑となったのは、刑法第261条に「前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と定められた器物損壊罪です。
損壊とは物理的な破壊だけを意味するものではありません。
これは「物の効用を害する一切の行為」を意味し、隠す、汚すといった行為も損壊に含まれます。
この条文の傷害は、ペット等の他人が所有する動物を傷付けた場合に使われる表現です。
前3条とは、刑法第258条の「公用文書等毀棄罪(公務所で使用される文書または電磁的記録を毀棄する罪)」、刑法第259条の「私用文書等毀棄罪(法的な権利や義務を証明する文書または電磁的記録を毀棄する罪)」、刑法第260条の「建造物等損壊罪及び同致死傷罪(建造物等を損壊する罪)」を指し、ここに含まれない物を損壊するのが器物損壊罪です。
適用される条件
建造物等以外放火罪ではなく、器物損壊罪でAさんが逮捕された理由は、Aさんの放火行為が「公共の危険を生じさせ」ていないことにあります。
公共の危険とは、不特定および多数の人、他の建造物、財産に対する危険を意味します。
参考事件の場合、放火されたゴミ箱の周りに木や木製のベンチ等、延焼する危険性があると判断される物があれば、建造物等以外放火罪が成立した可能性がありました。
しかしAさんの放火したゴミ箱は、周りに何もなかった、もしくは延焼の危険性のあるものがなかったため、器物損壊罪が適用されたと考えられます。
参考事件のように、一般的なイメージや言葉から受ける印象とは違った運用となる事件は多々あります。
そのため刑事事件を起こしてしまった時は、速やかに弁護士に相談し、専門的なアドバイスを受け自身の置かれた状況を正しく把握することが重要です。
刑事事件の専門知識を持つ弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、少年事件を含めた、刑事事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談、逮捕された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約を24時間体制で受け付けております。
ご予約のフリーダイヤルは、「0120-631-881」となっております。
建造物等以外放火罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方、または器物損壊罪事件を起こしてしまった方、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に、お気軽にご相談ください。
