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【事例解説】公然わいせつ罪と弁護活動(路上で通行中の女性に向けて下半身を露出したケース)
【事例解説】公然わいせつ罪と弁護活動(路上で通行中の女性に向けて下半身を露出したケース)
今回は、北九州市の路上で、通行人の女性に向けて下半身を露出したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:路上で通行中の女性に向けて下半身を露出したケース
福岡県北九市の路上で、通行人の女性に向かって下半身を露出したとして、会社員のAさんが公然わいせつの疑いで逮捕されました。
Aさんは、北九州市の路上で、歩いていた女性に向かってズボンを下ろして自分の下半身を露出した疑いが持たれています。
警察によりますと、被害に遭った女性が警察に通報したことから事件が発覚しました。
その後、警察官が現場付近の防犯カメラの映像を解析するなどの捜査を経て、Aさんの犯行を特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「よく覚えていない」などと供述し、容疑を否認しているとのことです。
(事例はフィクションです。)
1,公然わいせつ罪について
〈公然わいせつ罪〉(刑法第174条)
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
刑法の公然わいせつ罪は、公然とわいせつな行為をした場合に成立します。
「公然と」とは、不特定又は多数人が認識することができる状態を言い、現実に不特定又は多数人が認識する必要はなく、認識可能性があれば公然性が認められます。
例えば、不特定多数人が通行する可能性がある場所でわいせつ行為を行った場合に、たとえ実際にその場に通行人が全くいなかったとしても、不特定多数人の認識可能性は存在するため、公然性は否定されません。
「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激または興奮させる行為で、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義的観念に反する行為を言います。
「わいせつな行為」に当たるとされた具体的な行為は、陰部を露出するストリップショーや見物客に覗かせて密室内で性交の演技などがあります。
上記の事例では、Aさんは、路上という不特定多数人が通行する場所で、被害者の女性に対して自分の下半身を露出するというわいせつな行為を行っているため、Aさんの当該行為には公然わいせつ罪が成立する可能性があります。
2,否認事件における取調対応
逮捕により身柄拘束を受けている間に、被疑者は捜査機関から取調べを受けることになります。
被疑者には憲法上黙秘権が認められていますが、取調官との知識量などの力量差や、身柄拘束を受けて不安を抱えているなど被疑者の置かれた精神状態などを考慮すると、適切に黙秘権を行使することが難しい場合もあります。
また、上記の事例のように、被疑者が容疑を否認している場合に、やみくもに黙秘権を行使すれば、取調官の取調べが厳しくなったり、「このままでは帰れなくなる」など逮捕に続く勾留を匂わせて被疑者の恐怖や不安を煽り、被疑者に供述させるような取調べが行われたりすることも考えられます。
そして、取調べにおける被疑者の供述は供述調書となり、後に裁判が開かれた場合には証拠として重要な役割を持つことになるため、取調べにおいては慎重な供述が求められます。
もっとも、否認の際の取調べにおいて慎重に供述することや適切な黙秘権の行使には、刑事事件についての専門的な知識や経験が要求されます。
そのため、家族や親族が犯罪の疑いがあるとして逮捕・勾留されてしまい、かつ、その被疑者となった方が容疑について否認している場合には、刑事事件の専門的な知識や経験を有する弁護士に依頼して、取調べの対応についてのアドバイスを受けることが肝要となります。

3,まずは弁護士に相談を
福岡県北九州市で公然わいせつ罪の当事者となりお困りの方、または家族・親族が公然わいせつ罪の当事者となり身柄を拘束されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験しており、当該分野において高い実績を誇ります。
公然わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、家族・親族が公然わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。
【事例解説】監禁罪とその弁護活動(飲食店で知り合った女性を自宅に連れ込み監禁したケース)
【事例解説】監禁罪とその弁護活動(飲食店で知り合った女性を自宅に連れ込み監禁したケース)
今回は、飲食店で知り合った女性を自宅に連れ込み監禁したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:飲食店で知り合った女性を自宅に連れ込み監禁したケース
福岡市西区にある自宅マンションに、飲食店で知り合った女性Vさんを監禁したとして、福岡県警西警察署は、Aさんを監禁の疑いで逮捕しました。
監禁の疑いで逮捕されたのは、福岡市西区に住む会社員Aさんです。
警察によりますと、Aさんは、飲食店で知り合ったVさんを自宅マンションに連れ込み監禁した疑いが持たれています。
Vさんから「Aさんから部屋から出たら痛い目に合わせると言われている。助けてほしい。」という旨の連絡を受けた友人が警察に通報し、事件が発覚しました。
その後、駆け付けた警察官がAさんから事情を聴き、その場で現行犯逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは「部屋から出たら痛い目に合わせるなどと脅すようなことは言っていない」などと供述し、容疑を否認しています。
(事例はフィクションです。)
1,監禁罪について

〈監禁罪〉(刑法220条後段)
不法に人を…監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
監禁罪とは、不法に人を監禁した場合に成立する刑法の犯罪です。
「不法に」とは、違法にという意味であり、例えば被害者が監禁されることを承諾しているなど違法性が排除される事情が無ければ、当該監禁行為は「不法に」監禁したものと考えられます。
「監禁」とは、一定の場所から脱出できないようにして被害者の場所的移動の自由を奪うことをいいます。
場所的移動の自由とは、逮捕・監禁罪の保護法益であり、被害者が移動しようと思えば移動できる自由をいいます。(可能的自由説)
また、可能的自由説からは、被害者に意思能力は不要であり、被害者に場所的移動の自由が奪われていることの認識も不要であると考えられています。
そのため、被害者が監禁されていることを理解できない幼児や認知症などの精神疾患を患っており意思能力が欠如している場合でも監禁罪は成立します。
一定の場所は、必ずしも壁などによって囲まれた場所であることは必要ではありません。
また、脱出についても、脱出が全く不可能でなくても著しく困難であればいいとされています。
脱出できたか否か、脱出がどの程度困難であったかなどは、物理的障害の有無や程度、被害者の年齢や性別など具体的事情の下で、一般人を基準にして客観的に判断されます。
被害者を自分が運転する第2種原動機付自転車の荷台に乗せたまま1キロメートルほど走行した事件では、後部荷台に外囲いなどはなかったものの監禁罪の成立を認めています。(最高裁判例昭和38年4月18日)
監禁の方法としては、暴行・脅迫を用いて被害者を部屋に閉じ込めるなど被害者を外部への場所的移動を不可能・困難にする場合や、被害者を騙して睡眠薬を飲ませて眠らせることで室内に留め置いた場合などが監禁罪になり得ます。
脅迫による監禁とは、被害者を脅迫することによって被害者に恐怖心による心理的拘束を加えて脱出を不可能または困難にすることをいいます。
上記の事例のように、AさんはVさんに対して「部屋から出たら痛い目に合わせる」などの脅迫し、Vさんに恐怖心による心理的拘束を加えて脱出を不可能または困難にしているため、Aさんに監禁罪が成立することが考えられます。
2,否認事件における弁護活動
上記の事件のように、被疑者が容疑について否認しており、逮捕によって身柄拘束を受けている場合の弁護活動としては取調対応についてのアドバイスをすることが考えられます。
逮捕により身柄拘束を受けている被疑者は、捜査機関からの取調べを受けることになりますが、取調室という密室で一人きりで取調べを受けなければならないこと、家族や友人など外部との接触がとれなくなることなどから不安や恐怖を抱え、冷静な状態で取調べに臨むことが難しくなることがあります。
また、やみくもに黙秘権を行使すれば取調官の取調べが厳しくなったり、勾留を匂わせて被疑者の不安や恐怖を煽り立てて被疑者に自白を誘導するような取調べが行われることも考えられます。
そして、取調べにおける被疑者の供述は、その後裁判が開かれた場合には証拠して重要な役割を果たすことになるため、取調べでは慎重な供述が求められます。
もっとも、先述した被疑者の精神状態や適切な黙秘権の行使については、刑事事件についての専門的な知識や経験が要求されると言えます。
そこで、弁護士が被疑者と接見し、適切な黙秘権の行使など取調対応についてアドバイスいたします。
また、弁護士は身柄拘束を受けている被疑者のご家族などからの伝言を預かり被疑者に伝えることができるため、被疑者との接見は被疑者の不安や恐怖の解消にも繋がります。
もし被疑者に対して違法または不当な取調べが行われた場合には、被疑者が適切に黙秘権を行使することが難しくなります。
そのような違法または不当な取調べが行われたとの報告を受けた場合には、然るべき機関(警察の場合には捜査官や警察署長)に対して抗議します。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内においてご家族等が監禁罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
ご家族等が監禁罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。
【事例解説】詐欺罪と否認事件における弁護活動(コンサートのチケットをめぐり被害者かお金を騙し取ったケース)
【事例解説】詐欺罪と否認事件における弁護活動(コンサートのチケットをめぐり被害者かお金を騙し取ったケース)
今回は、コンサートのチケットをめぐり、被害者からお金を騙し取ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例:コンサートのチケットをめぐり被害者からお金を騙し取ったケース
「チケットが余っていて、買ってくれる人を探している」などとSNS上でかたり、20代の女性Vさんから現金約50万円を騙し取ったとして、福岡県春日市在住のAさんが詐欺の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、AさんはSNS上で「チケットが余っていて、買ってくれる人を探している」などとかたり、コンサートのチケットの購入を呼び掛けていました。
そこに、Vさんがチケットの購入を希望してきたため、Aさんは、Vさんに宿泊交通費やその他の費用など約50万円を自分の銀行口座に振り込ませ、騙し取った疑いがもたれています。
被害に遭ったVさんが、品物が届かないことを不審に思い、警察に相談して事件が発覚し、被害届を提出しました。
警察の調べに対して、Aさんは「品物はあとで送るつもりだった」などと供述し、容疑を否認しているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,詐欺罪について
〈詐欺罪〉(刑法246条1項)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪は、刑法に定められた人を欺いて財物を交付させた場合に成立する犯罪です。
「人を欺」く行為(欺罔行為)とは、欺罔行為の相手方を錯誤に陥らせる行為、すなわち相手方が財物や財産上の利益を交付(処分)しようと判断する際の、その判断の重要な事項を偽ることを言います。
「財物」とは、所有権の対象となり得る物であれば広く保護されますが、経済的にも主観的にも全く無価値な物は保護されません。
過去の裁判例では、メモ紙1枚(大阪高等裁判所判決昭和43年3月4日)やちり紙13枚(東京高等裁判所判決昭和45年4月6日)などが財物性を否定されています。
詐欺罪は、欺罔行為→相手方の錯誤→錯誤に基づく交付(処分)行為→財物または財産上の利益の移転がそれぞれ原因と結果の関係になければなりません。
欺罔行為を行ったが、その相手方が錯誤に陥らず別の理由(例えば、欺罔行為者にお金がないことを知っていて憐みからお金を渡したなど)で交付(処分)行為を行った場合は、詐欺罪は既遂とはならず未遂にとどまることになります。
そして 、詐欺罪は他人の財産を侵害する犯罪であるため、条文上の記載はありませんが成立には財産的損害の発生が必要とされています。
財産的損害が発生したか否かは経済的に評価して損害が発生したかどうかを実質的に見て判断されることになります。
過去の裁判例では、価格相当の商品を提供したとしても、事実を知ればお金を払わないといえるような場合において、商品の性能等につき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させてお金を受け取った場合には、相手方に対する詐欺罪が成立するとしたものがあります。(最高裁判決昭和34年9月28日)
2,取調対応
上記の事例において、Aさんは「品物は後で送るつもりだった」と供述し、詐欺罪の容疑について否認しています。
また、Aさんは逮捕により身柄拘束を受けています。
身柄拘束を受けている被疑者は、外部との接触ができなくなることで不安や恐怖を抱え、そのような状態で密室の取調室で捜査官による取調べを受けることになります。
密室で一人きりで取調べを受けることになり不安を抱えた被疑者の精神状態などを考慮すると、冷静に取調べに臨むことが難しいと言えます。
また、容疑を否認しているからと言って、やみくもに黙秘権を行使すれば、取調官の取調べがきつくなったり、「このままじゃ帰れなくなる」などの逮捕に続く勾留を匂わせて被疑者を不安や恐怖をあおって被疑者に供述させるような取調べが行われることも考えられます。
また、取調べにおける被疑者の供述は供述調書となり、その後裁判が開かれる場合には証拠として重要な役割を持つことになるため、取調べにおいては慎重な供述が求められます。
もっとも、被疑者の精神状態や適切な黙秘権の行使については、刑事事件の専門的や知識や経験が要求されると言えます。
しかし、弁護士であれば、被疑者と接見し、適切な黙秘権の行使など取調べの対応についてアドバイスをすることができます。
また、被疑者に対して違法または不当な取調べが行われた場合には、被疑者が黙秘権を行使することが難しくなります。
そのような違法または不当な取調べが行われたことを被疑者から報告を受けた場合には、然るべき機関(警察の場合は捜査官や警察署長)に対して抗議します。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県内において詐欺罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が詐欺罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に関する知識・経験が豊富な弁護士が在籍しております。
詐欺罪の当事者となりお困りの方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が詐欺罪の当事者となりお困りの方に対しては、初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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【事例解説】特殊詐欺(受け子)とその弁護活動(高齢の女性から現金やキャッシュカードなどを騙し取ったケース)
【事例解説】特殊詐欺(受け子)とその弁護活動(高齢の女性から現金やキャッシュカードなどを騙し取ったケース)
事例:高齢の女性から現金やキャッシュカードなどを騙し取ったケース
福岡市在住の70代女性Vさんが現金50万円とキャッシュカードなどをだまし取られた事件で、22歳の受け子のAさんが詐欺の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、福岡県北九州市に住む無職のAさんです。
Aさんは何者かと共謀し、福岡市のVさんに息子を装って「お金が必要」とうその電話をかけ、その後、弁護士事務所の職員をかたってVさんの家を訪れ、現金50万円とキャッシュカード1枚、それに預金通帳1通をだまし取った疑いが持たれています。
警察は捜査に支障があるとして男の認否を明らかにしていませんが、共犯者がいるとみて調べています。
(事例はフィクションです。)

1,詐欺罪について
〈詐欺罪〉(刑法246条)
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪は、人を①欺いて②財物(1項)または財産上の利益(2項)を③交付させた場合に成立します。
①「欺」く行為(欺罔行為)とは、財物または財産上の利益を得るために、真実とは異なる事実を告げて交付行為者の認識と事実が異なる状態(錯誤)を生じさせる行為を言います。
②「財物」は、有体物のほか、管理可能性があるものであれば「財物」に該当します。
「財産上の利益」は、「財物」以外の財産上の利益を言い、債務の免除を受ける行為や財産的価値のある役務の提供を受ける行為(タクシーによる運送サービス等)がこれに該当します。
③「交付させ」る行為とは、被害者の錯誤に基づく財産的処分行為によって財物または財産上の利益を犯人自身または第三者に移転させることを言います。
第三者の範囲には、犯人の道具として行動する者や犯人の代わりに財物または財産上の利益を受領する者などが含まれます。
そのため、上記の事例のように、特殊詐欺の受け子として指示役の指示に従い被害者から財物または財産上の利益を受け取った場合には、詐欺罪が成立し、その刑罰が科されることになります。
そして、欺罔行為→被害者の錯誤→錯誤に基づく交付行為→財物または財産上の利益が、それぞれ原因と結果の関係を有している必要があります。
例えば、お金に困った犯人が欺罔行為を行ったが、被害者がその事情を知っており、錯誤に陥ることなく憐みの感情など別の理由によってお金を渡した場合、欺罔行為と被害者の交付行為には原因と結果の関係を有していないため、詐欺罪は既遂とならず、詐欺未遂罪が成立することになります。
また、詐欺罪は、単に嘘をついたことを処罰するのではなく、嘘をつき被害者の財産を侵害したこと処罰するものであるため、被害者に財産上の損害が発生したことも必要となります。
財産上の損害が発生したと言えるかどうかは、経済的に評価して損害が発生したかどうかを実質的に判断し、判断基準としては、被害者が取引上の交換目的あるいは交付目的を達成できなかった場合に、財産的損害の発生を認めることになります。
過去の裁判例では、価格相当の商品を提供したとしても、事実を知ればお金を払わないといえるような場合において、商品の性能等につき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させてお金を受け取った場合には、財産的損害の発生を認め、相手方に対する詐欺罪が成立するとしたものがあります。(最高裁判決昭和34年9月28日)
2,取調対応・接見禁止の一部解除・早期の身柄解放などに向けた弁護活動
(1)取調対応
上記の事例のような共犯事件の場合、捜査機関による取調べにおいて、被疑者が実際にはやっていないことや身に覚えがないことについても、被疑者がやったのではないかと疑われることがあります。
取調べにおいて話した内容は供述調書となり、被疑者が署名すれば、それは重要な証拠となり、裁判になれば大きな役割を果たすことになります。
そのため、弁護士が取調べ対応についてアドバイスを致します。
例えば、やみくもに黙秘権を行使すれば、捜査機関側にあまり良い印象を与えず、厳しい言動で詰問されることや取調べが長引くことが懸念されます。
そこで、弁護士が頻繁に面会に向かい、適切な黙秘権行使の方法や、違法または不当な取調べが行われた際にはしかるべき相手に抗議するといった弁護活動を行うことが考えられます。
(2)接見禁止の一部解除
共犯事件の場合、被疑者に接見を認めた場合、捜査機関が把握していない共犯者や事件関係者が被疑者と面会したり、他の身柄を拘束されている共犯者と面会したりすることで、犯罪の証拠を隠滅したり、他の共犯者と口裏を合わせて供述をして捜査をかく乱させることなどが懸念されることから、被疑者に対して接見禁止処分が付されることがあります。
接見禁止処分とは、被疑者に逃亡または証拠隠滅のおそれがあると判断された場合に、弁護人または弁護人となろうとする者以外との面会ができなくなることを言い、検察官の請求または裁判所の職権ですることができます。(刑事訴訟法81条)
接見禁止になった被疑者は、家族や友人、恋人などと面会することができず、一人で取調べに臨むことになるなど、精神的にも身体的にも多大な苦痛を抱えることになります。
そこで、接見禁止の一部解除に向けた弁護活動を行います。
被疑者の接見禁止を行うのは裁判所ですが、裁判所は事件の全体像や捜査機関の捜査状況などを全て把握しているわけではないため、一律に接見禁止にしていることがあります。
そのため、事件について無関係な家族や友人、恋人なども面会することができなくなります。
しかし、捜査機関の捜査状況や被疑者による証拠隠滅のおそれを否定し得る客観的な事情や証拠を収集等の弁護活動が功を奏せば、接見禁止の一部解除の獲得が十分に期待できます。
(3)早期の身柄解放
被疑者段階での身柄拘束が認められるのは、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者による証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合です。(刑事訴訟法207条1項本文、60条1項各号)
そこで、身柄解放の弁護活動としては、それらを否定し得る客観的な事情や証拠の収集・主張していくことが考えられます。
被疑者と同居している、あるいは身元を引き受けてもらえる家族・親族がいれば、被疑者の住居不定や逃亡のおそれを否定し得る客観的な事情となるでしょう。
また、上記の事例のように、犯罪にスマホやパソコンなどの電子端末を使用しており、それらが捜査機関に既に押収されていれば、証拠隠滅のおそれを否定し得る客観的となるでしょう。
以上のような活動を通じて、被疑者の早期の身柄解放を目指します。
3,まずは弁護士に相談を
福岡県北九州市において家族・親族が特殊詐欺の当事者となってしまった方、家族・親族が特殊詐欺の当事者となり身柄を拘束されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に対する豊富な実績や経験を持った弁護士が在籍しております。
家族・親族が特殊詐欺の当事者となりまだ警察には発覚していないが自首を検討しているなどの事情がある方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
家族・親族が特殊詐欺の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
お気軽にご相談ください。
【事例解説】詐欺罪とその弁護活動(新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったケースとその弁護活動)
【事例解説】詐欺罪とその弁護活動(新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったケースとその弁護活動)
今回は、国が支給する新型コロナウイルス対策の持続化給付金の受給資格があるかのように装って申請サイトから申請し、自身の口座に100万円の入金を受けだまし取ったというニュース記事を参考にして、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
事例 :新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったケースとその弁護活動
山口県警山口署は2023年11月20日、福岡市南区、建設作業員のAさんを詐欺の疑いで逮捕した。
逮捕容疑は、国の新型コロナウイルス対策の持続化給付金の受給資格があるかのように装い、2020年7月3日にサイトから申請し、同10日にAさん自身の口座に100万円の入金を受け、だまし取った疑い。
(中國新聞 2023/11/20の記事を一部変更し引用しています。)
1,詐欺罪について
〈詐欺罪〉(刑法246条)
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪は、人を欺いて財物(1項)あるいは財産上の利益(2項)を交付させた場合に成立します。
「人を欺」く行為(欺罔行為)とは、欺罔行為の相手方を錯誤に陥らせる行為、すなわち相手方が財物や財産上の利益を交付(処分)しようと判断する際の、その判断の重要な事項を偽ることを言います。
上記の事例で言えば、Aさんは持続化給付金の受給資格が無いにもかかわらず、それがあるかのように装うことで、給付者たる国の機関はAさんに受給資格があると判断して100万円をAさんの口座に振り込んでいるため、国の機関の交付の判断の基礎となる重要な事項を偽っているため、Aさんの受給資格があるかのように装い給付金の申請を行うことは「人を欺」く行為に該当すると考えられます。
「財物」とは、所有権の対象となり得る物であれば広く保護されますが、経済的にも主観的にも全く無価値な物は保護されません。
過去の裁判例では、メモ紙1枚(大阪高等裁判所判決昭和43年3月4日)やちり紙13枚(東京高等裁判所判決昭和45年4月6日)などが財物性を否定されています。
財産上の利益(2項)とは、財物以外の財産上の利益を言い、例えば、飲食店で飲食した代金の支払いなどの債務を免れる場合や、サービス・労務などを提供させる場合などがこれに該当します。
また、「財産上不法の利益を得」たとは、財産上の利益の取得手段が不法=違法なことを言うのであって、財産上の利益が違法なものであることではありません。
詐欺罪は、欺罔行為→相手方の錯誤→錯誤に基づく交付(処分)行為→財物または財産上の利益の移転がそれぞれ原因と結果の関係になければなりません。
欺罔行為を行ったが、その相手方が錯誤に陥らず別の理由(例えば、欺罔行為者にお金がないことを知っていて憐みからお金を渡したなど)で交付(処分)行為を行った場合は、詐欺罪は既遂とはならず未遂にとどまることになります。
そして 、詐欺罪は他人の財産を侵害する犯罪であるため、条文上の記載はありませんが成立には財産的損害の発生が必要とされています。
財産的損害が発生したか否かは経済的に評価して損害が発生したかどうかを実質的に見て判断されることになります。
過去の裁判例では、価格相当の商品を提供したとしても、事実を知ればお金を払わないといえるような場合において、商品の性能等につき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させてお金を受け取った場合には、相手方に対する詐欺罪が成立するとしたものがあります。(最高裁判決昭和34年9月28日)
2,詐欺罪とその弁護活動
詐欺罪で逮捕・勾留された場合、身柄を拘束されて警察と検察の取調べを受けることになります。
ここで、被疑者が犯罪事実について否認している、あるいは取調べにおいて話したくないことがある、といった事情がある場合、どのように取調べに臨めばよいのかを知ることはとても重要と言えます。
被疑者段階における勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合、証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。(刑事訴訟法207条1項本文、60条1項各号)
しかし、被疑者が犯罪事実を否認している場合、捜査機関としては、被疑者の身柄を解放してしまえば証拠を隠滅するのではないか、または逃亡を図るのではないかという推測が働くことで、勾留請求がなされてしまい、身柄拘束が長引いてしまう可能性が高くなることもあります。
また、捜査機関の取調べ中の質問に対し、被疑者がやみくもに黙秘権を行使すれば、捜査機関側にあまり良い印象を抱かれません 。
それにより取調官が厳しい言動で問い詰めるような取調べが行われるおそれや、このまま帰したら被疑者が証拠を隠滅するのではないか、または逃亡するのではないかと判断され勾留されてしまうおそれがある、といった不利益を被る可能性があります。
そこで、弁護士に依頼するメリットとして、取調べの対応について適切かつ丁寧なアドバイスを受けることができることが挙げられます。
例えば、どのような質問には黙秘すれば良いのか等適切な黙秘権の行使方法についての説明や、身柄を拘束されている事件の場合は頻繁に接見に向かい取調べ状況を逐一確認し、違法あるいは不適切な取調べを受けたという事情があれば、弁護士はしかるべき相手への抗議を行うことができるなど、その内容は多岐にわたります。
また、詐欺罪は被害者が存在する犯罪です。
そのため、被疑者が罪を認めて反省している等の事情がある場合には、弁護士は被疑者に代わって被害者との示談交渉を行います。
示談といっても加害者側だけに有利な内容での示談の成立は難しく、被害者側の意向をくみ取りつつ宥恕条項(加害者の謝罪を受け入れ、加害者の刑事処罰を望まないことを意味する条項)や被害届の取下げや刑事告訴の取消などの条項を加えた内容での示談成立に向けた交渉が必要となります。
示談交渉は当事者同士でも行うことはできますが、当事者同士での示談交渉は、通常、拗れて上手くいかないことが多いです。
加えて、加害者側が被害者側に示談交渉を持ち掛ければ、捜査機関側は、加害者側が被害者側に不正に働きかけて証拠の隠滅を図ろうとしているのではないかなどと思われることもあり得ます。
そのため、示談交渉は法律の専門家である弁護士に依頼することがよりスムーズな示談の成立のために必要と言えるでしょう。
3,まずは弁護士に相談を
山口県内において詐欺罪の当事者となってしまった方またはご家族等が詐欺罪の当事者となってしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、詐欺罪の当事者となり在宅で捜査を受けている方または被害者の方に被害届や刑事告訴をされてこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、ご家族等が詐欺罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)をご提供しております。
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キャンプで使用したナイフをそのままに、銃刀法違反の適用
キャンプで使用したナイフをそのままに、銃刀法違反の適用
銃刀法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福岡県福岡市に住んでいる大学生のAさんは、刃渡り7センチメートルほどのナイフを持ってキャンプに行きました。
キャンプから帰って来た次の日、キャンプに持って行ったバッグそのままで出かけた際に、警察に呼び止められ職務質問を受けることになりました。
その際Aさんは、バッグに入れたままのナイフを警察に見つかってしまいました。
前日にキャンプに言っていたとAさんは説明しましたが、銃刀法違反の疑いで早良警察署にAさんは連行されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)
鉄砲刀剣類所持等取締法

銃刀法は、銃砲、刀剣類等の所持、使用等に関する危害予防上必要な規制について定めているもので、正式名称を「鉄砲刀剣類所持等取締法」と言います。
銃刀法第22条には、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。」と定められています。
ここでいう「業務」とは、社会生活上の地位に基づいて、継続・反復して行う事務又は事業のことです。
そのため職業だけでなくボランティア活動など、非営利な活動でも「業務」にあたります。
「携帯」とは、刃物を手に持っている状態(自宅などの住居以外)や、刃物を身体に帯びるなどして使用できるようにしている状態の他、バッグに入れている状態や自動車などに積んでいる状態も「携帯」と判断されます。
また、「正当な理由」は、刃物の修理や購入して持ち帰る途中、キャンプやイベントで使用する目的での所持などがあげられます。
人に見せるために持ち歩く、護身用に携帯する行為も「正当な理由」になりません。
参考事件のAさんの場合、キャンプに行く途中であれば銃刀法違反になりませんでした。
しかし、キャンプから帰った後のナイフをそのままにし、不必要に携帯していたため、Aさんには銃刀法違反が成立しました。
この場合、Aさんの法定刑は銃刀法31条の18第2項第2号の「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が適用されます。
事情聴取の対策
Aさんのように警察署へ連行されると、警察官の事情聴取を受けることになります。
事情聴取は事件の内容次第で時間が変化し、長時間拘束されたり複数回行われたりすることもあります。
事情聴取でどれだけ適切な対応ができるかで、最終的な処分も変わってきます。
しかし、事情聴取に慣れているという人は多くなく、どのような受け答えが事情聴取で適切かは専門知識がなければわからないでしょう。
事情聴取の前には弁護士に相談し、適切な受け答えをするためのアドバイスを受けることがお勧めです。
銃刀法違反で事件を起こしてしまった場合、刑事事件に詳しい弁護士に相談しましょう。
銃刀法違反に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件および少年事件を中心に扱っている弁護士事務所です。
当事務所は、初回であれば無料でご利用いただける法律相談の他、逮捕された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスを実施しています。
ご予約はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、土日祝含め24時間体制で受け付けております。
銃刀法違反事件の当事者となってしまった方、または銃刀法違反の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に、お気軽にご相談ください。
