『侮辱罪』が厳罰化 インターネット上の誹謗中傷に歯止め
一昨日(13日)の参議院本会議で可決、成立した、『侮辱罪』の厳罰化について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
侮辱罪
一昨日(13日)の参議院本会議で、昨日解説した『拘禁刑』の創設と共に、侮辱罪が厳罰化されることが可決、成立しました。
現在の刑法では
刑法第231条(侮辱罪)
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
と侮辱罪を規定しています。
この内容を分かりやすく解説すると、不特定又は多数の者が認識できる状態で、事実を摘示せずに人を侮辱することです。
事実を摘示すると侮辱罪ではなく、名誉棄損罪となる可能性があります。
ここでいう「事実を摘示」とは、人の社会的評価を低下させるに足りる事実を示すことです。
ちなみに摘示する事実の内容は、真偽であることまで問われないので、例えそれが虚偽の事実であっても侮辱罪が成立することです。
侮辱罪の法定刑
侮辱罪には現在、拘留又は科料の法定刑が定められていますが、改正刑法が施行されると、法定刑は1年以下の懲役若しくは禁錮又は30万円以下の罰金と厳罰化され、公訴時効は1年から3年になります。
拘留とは、30日未満の期間、刑事施設に身柄を拘束される自由刑の一つで、科料とは、1万円未満を納付する財産刑の一つです。
現在は非常に軽い罰則しか規定されていない侮辱罪ですが、改正刑法が施行されれば最長で刑務所に1年間も服役する可能性があります。
厳罰化の背景
侮辱罪がクローズアップされたのは、ネットで中傷された当時22歳の女子プロレスラーが命を絶った事件がきっかけとなりました。
深刻化するインターネット上での誹謗中傷に歯止めをかけて、こういった痛ましい事件を抑止するためにも、今回の法改正は必要かもしれませんが、厳罰化されたことで言論の自由が制限されてしまうのではないかという懸念事項があるのも事実です。
「これぐらいなら大丈夫だろう。」「他の人もしているから大丈夫だろう。」といった軽い感じでしたインターネット状の書き込みが刑事事件に発展する可能性があるので、インターネットへの投稿は、その内容に十分に注意しなければなりません。
また今回の法改正で警察の取締りが強化される可能性も高く、厳罰化されたことで、これまで逮捕されなかったような侮辱事件で逮捕される可能性が出てくるでしょう。
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福岡県内の刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、侮辱罪でお困りの方からのご相談を年中無休、24時間体制で受け付けております。
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