【傷害】傷害罪の示談金と慰謝料

【傷害】傷害罪の示談金と慰謝料について弁護士が解説

傷害罪示談金慰謝料について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が解説します。

~事例~

福岡県久留米市で工場を経営するAさんは,日頃のVさんの勤務態度やVさんの営業成績に不満を持っていました。そして,ある日,AさんはVさんに勤務態度や営業成績について口頭で指導,注意したところ,Vさんから「あんたの指示が曖昧やけん,こっちも困っとるちゃんね」「毎日,2時間も,3時間も残業させられりゃ,そりゃ効率も悪くなりますよ」などと言われました。AさんはVさんの言動に腹を立て、Vさんの胸ぐらをつかんだ上、右拳でVさんの左頬を殴り、さらにVさんの腹部を足蹴にするなどの暴行を加えました。そうしたところ、騒ぎを聞きつけた社員がAさんとVさんを引き離し,なんとか自体は沈静化しました。しかし、Vさんが病院を受診したところ、医師から「加療約2週間の傷害」との診断を受け、福岡県久留米署に傷害罪での被害届を提出しました。そこで、Aさんは後日、久留米警察署から傷害罪の被疑者として事情を聴かれることになりました。AさんはVさんに行ったことを反省し、慰謝料を支払ってVさんと示談したいと考えています。そこで、傷害罪に詳しい弁護士に、傷害罪示談金慰謝料について話を聞きに行くことにしました。
(フィクションです。)

~傷害罪とは~

傷害罪は刑法の204条に規定されています。

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

「人の身体を傷害」するに至る過程としては、

①暴行の故意+暴行行為→傷害
②傷害の故意+傷害行為→傷害

という2つのパターンがあります。つまり、

①は「相手に怪我させるつもりではなかったけど、結果として怪我させてしまった」というパターン
②は「(はじめから)相手に怪我させるつもりで、その予想通り怪我(傷害)を負わせた」というパターン

です。なお、②について、「相手に怪我をさせるつもりだったが、運よく怪我(傷害)を負わせなかった」という場合は傷害罪ではなく暴行罪(刑法208条)が成立します。暴行罪の規定も確認しておきましょう。

刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2 年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

「暴行」は、殴る,蹴る,突く,押す,投げ飛ばすなど直接身体に触れる行為が典型ですが、相手に向かって物を投げつける、衣服を引っ張るなど直接身体に触れない行為も含まれます。傷害の故意がある暴行が傷害行為と考えてください。
そして、①、②と「傷害」との間に「因果関係」が認められることによって傷害罪が成立します。

~傷害罪の示談金と慰謝料~

傷害罪で被害者と示談したいという方にとって、一番関心が高いのは

示談金いったいはいくらかかるのか(示談金の相場は)?
慰謝料はいくらかかるのか(慰謝料の相場は)?

ということではないでしょうか?

=慰謝料は示談金の一部=

まず、前提として慰謝料は示談金の一部であるということです。
示談金は正確には「損害賠償金」のことであり、慰謝料はその損害賠償金の一部です。

暴行・傷害行為は民法上の不法行為に当たり、加害者は暴行・傷害行為によって被害者に生じさせた「損害」を賠償する義務を負います(民法709条)。
この損害については「身体的損害」と「精神的損害」に分けることができます。
身体的損害は、治療費などの積極損害から休業損害などの消極損害まで様々です。
他方、精神的損害に当たるのが慰謝料というわけです。

=示談金を決める要素~示談金の相場=

正直いうと示談金(損害賠償金)の相場というものはありません
なぜなら、示談金は傷害事件で現れた諸情状により変動するからです。
「情状」には

・被害者の怪我の程度
・被害者の処罰感情
・犯行態様(武器使用か否か)
・犯行に至るまでの経緯、動機(計画的か偶発的か)

などがありますが、このうち傷害罪で最も重要視されるのは「被害者の怪我の程度」です。
なぜなら、被害者の怪我の程度が重たければ重たいほど、上記でご紹介した治療費、休業損害、慰謝料も大きくなり、結果として損害賠償金(示談金)も大きくなるからです。

示談とは被害者側との話し合いです。
しかし、傷害罪の場合、加害者が示談交渉に乗り出しても、ほとんどの場合、被害者は示談交渉のテーブルには乗ってくれないでしょう。
また、どこまでの損害を賠償をするのか被害者側とよく話し合わなければなりません。
それには大変な知識と経験が必要ですし、労力・時間もかかります。
傷害罪で示談をご検討中の方は傷害罪に詳しい弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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