強盗傷人罪となった際に開かれる裁判員裁判

強盗傷人罪となった際に開かれる裁判員裁判

強盗傷人罪と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福岡県朝倉市に住んでいる会社員のAさんは、銀行から出てきたVさんの後をつけました。
AさんはVさんが人目に付かない路地に入っていくところを見計らい、持っていたナイフをVさんに突きつけ金を渡すよう脅迫しました。
しかしVさんは抵抗し、AさんはVさんの腕を切り付けました。
Vさんはバッグを落とし、Aさんは落ちたバッグを拾ってそのまま走り去りました。
その後Vさんが警察に通報したことで、朝倉警察署が捜査を開始し、ほどなく犯人がAさんであることが分かりました。
そしてAさんは強盗傷人罪の疑いで逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

強盗傷人罪

Aさんの起こした強盗事件に適用されたのは、刑法第240条に「強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。」と定められた強盗傷人罪(および強盗致傷罪)の条文です。
通常の強盗事件刑法に定められた強盗罪が適用され、この強盗罪とは暴行や脅迫を用いて他人の財物を強取する犯罪です。
その犯行時に人が負傷する結果が生じると、強盗傷人罪または強盗致傷罪となります。
強盗犯が故意に人を傷付ける場合が強盗傷人罪と呼ばれ、強盗犯が故意なく人を傷付けた場合に強盗致傷罪と呼ばれます。
強盗傷人罪強盗致傷罪は適用される条文は同じであるため、どちらも法定刑は「無期又は6年以上の懲役」となります。
また、強盗犯が人を「死亡させたとき」は、故意に人を死亡させると強盗殺人罪、故意なく人を死亡させると強盗致死罪、とこちらも呼称が異なっています。
Aさんはまず、ナイフを示しながら現金を要求しました。
強盗罪となる「暴行又は脅迫」は、相手側の反抗を著しく困難にする強度が必要ですが、凶器を示しての脅迫は反抗を著しく困難にする強度があると判断されるため、この時点でAさんは強盗罪、少なくとも強盗未遂罪になります。
そしてVさんが抵抗したため、AさんはナイフでVさんを切り付けた上でバッグを奪いました。
そのため故意を持って「人を負傷させた」Aさんには、強盗傷人罪が成立することになりました。

裁判員裁判対象事件

Aさんの逮捕容疑である強盗傷人罪の法定刑は「無期又は6年以上の懲役」です。
裁判員裁判対象事件となる条件の1つには、刑罰に無期が含まれる事件があるため、強盗傷人罪では裁判員裁判が開かれることになります。
一般の国民がランダムに裁判員として選ばれ、裁判に参加する制度が裁判員裁判制度です。
裁判に一般の方が参加する都合上、裁判員裁判では通常の裁判とは異なる手続きがとられます。
まず、裁判員裁判では公判前整理手続という、裁判官、検察官、弁護士が公判に先だって事件の争点を事前に整理し、審理の予定を立てる作業を行います。
また、弁護士は裁判員の選任手続にも立ち合います。
これは不公平な裁判を行う可能性がある裁判員が選出されないよう裁判員候補者をチェックするためで、裁判を公平に行えるようにすることが目的です。
その他にも裁判員裁判は様々な手続きがとられます。
そのため、裁判員裁判対象事件を起こしてしまった場合に弁護士と契約するのであれば、裁判員裁判に詳しい弁護士に依頼することが重要と言えます。

裁判員裁判に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談および、逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
24時間体制でお電話をお待ちしておりますので、裁判員裁判対象事件を起こしてしまった方、またはご家族が強盗傷人罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に、是非、ご連絡ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 無料相談予約はこちら LINE予約はこちら