留置場とは?
留置場について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市東区に住むAさん(58歳)は、夫(62歳)、息子2人(長男、会社員、25歳・次男、東京都内に住む大学生B君、21歳)の4人家族です。Aさんは、夕食を作りながら夫の帰りを待っていると、突然、東京都新宿警察署の警察官から電話を受けました。Aさんは電話に出ると、「もしもし、B君のお母さんですか?」「私は警視庁新宿警察署捜査二課の●●と申します。」「先ほど、あなたの息子さんを特殊詐欺で逮捕しました。」「息子さんは新宿警察署にいますから、どうぞご心配なさらないで。」と言われ、一方的に電話を切られました。Aさんは、突然のことでパニックになってしまい、警察官からどんなことを言われたのかはっきりと覚えていません。また、警察に折り返し電話をする勇気もなかったことから、まずは刑事事件専門の法律事務所を探し、新宿警察署の近くに事務所がある法律事務所の弁護士に接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)
~ はじめに ~
ご家族様が逮捕されたという場合、必ずしも留置(拘束)されている留置場がご自宅近くの留置場であるとは限りません。
留置される留置場となる基準は、
・犯行場所がどこであるのか
・被害者がどこにお住まいなのか
・捜査担当警察署はどこなのか
などで異なります。
例えば、今回、B君は特殊詐欺で逮捕されたということですから、B君は新宿警察署の管轄内(新宿区の内、新宿3丁目15番、17番の各一部、18~29番、31番の一部、33~38番、新宿5丁目12~14番の各一部、18番の一部、新宿6丁目、新宿7丁目、歌舞伎町(1丁目1番の一部を除く)、西新宿、北新宿、余丁町8番の一部、大久保、百人町1~3丁目)で特殊詐欺の犯行に関わった可能性が高いと思われます。
今回、Aさん家族とB君は別居していたようですが、仮に福岡市内のご自宅で同居していたとしても、新宿警察の管轄内で特殊詐欺をしたと疑われれば、そのときはやはり新宿警察署の警察官(あるいは警視庁の警察官)がご自宅にいるB君を逮捕して新宿警察署まで移送し、新宿警察署の留置場へ留置することになるかと思います。
~ 留置場に近い法律事務所の弁護士に接見依頼を ~
ご家族等がご自宅から遠方の留置場に留置されたという場合、そのご家族はおろか弁護士であってもすぐに逮捕された方と接見することは物理的に不可能です。そこで、そういった場合は、逮捕された方が留置されている警察署の近くの法律事務所の弁護士に接見を依頼しましょう。
この点、全国主要都市に法律事務所を設けている弊所は、依頼者様から接見の依頼を受けた際、まずご家族がどの留置場に留置されているのか確認し、その留置場に近い法律事務所に近い弁護士を速やかに接見に派遣いたします。したがって、ご自身でご確認いただくのは、ご家族様がどの警察署に逮捕されたのかということだけで構いません。ご家族様が留置されている留置場に近い法律事務所がどの法律事務所であるのかは、依頼を受けた事務員が対応し(探し)、ご家族がその警察署の留置場に留置されているのかどうか確認いたします。
~ 留置場とは ~
ところで、留置場は、全国の各都道府県警察署内に設けられた、主に被疑者の逃走、罪証隠滅行為を防止するための施設です。
一定の場合(運動、診断、入浴等)を除き、8畳ほどの簡素な居室の中で生活することになります。規則正しい生活を強いられ、場合によっては共同で狭い居室の中で生活しなければなりません。また、食事は出ますが、警察署内に調理する場所はなく、専ら外注した弁当を配膳されます。当然、好きなもの、食べたいものが配膳されるわけではありませんし、冷めていて温めることもできません。入浴は、夏場は週に2回、冬場は週に1回とされていることが多いようです。
このよな生活であることから、留置された方にとっては相当な負担となることでしょう。
~ おわりに ~
特殊詐欺で逮捕された場合には、身柄拘束期間が長期化することも予想されます。そうした場合は、釈放を目指す弁護活動の他にも、面会の他、それが物理的に不可能であれば、手紙を送ったり、差し入れをすることもご本人の励みになるかと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は,詐欺罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。