飲み代踏み倒しで強盗致傷

2019-08-11

飲み代踏み倒しで強盗致傷

飲み代踏み倒しと強盗致傷について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県新宮町に住むAさんは、ある日、福岡市中央区内のガールズバーへと飲みに行きました。その後、Aさんは飲み終わって代金を支払おうとしたところ、提示された金額があまりにも高額であったことから、これを不服として店員と口論となりました。口論はますますヒートアップし、Aさんは、店員Vささんの左頬を右拳で1回殴った上、右脇腹付近を左足で数回蹴る暴行を加え、料金を支払わず、そのまま店外へ出て行きました。その後、Aさんは、通報により店付近を警戒していた福岡市中央警察署の警察官に強盗罪で緊急逮捕されてしまいました。また、捜査の結果、Vさんが加療1週間の怪我をしたことが判明したことから、Aさんに対する容疑は強盗罪から強盗致傷罪へ切り替わりました。
(フィクションです。)

~ 2項強盗罪 ~

強盗罪といえば、コンビニ強盗などに代表されるように、ナイフなどで相手方を脅すなどして(暴行、脅迫を用いて)、現金(財物)などを奪う行為が想像されるかと思います。しかし、強盗の態様はそれだけに限られるわけではありません。暴行、脅迫を用いて、現金などの財物に限らず、何らかの利益(債権)を得た、あるいは債務を免れた、サービスの提供をさせたなどという場合はもちろん強盗罪が成立します。

強盗罪の規定されている刑法236条を確認しましょう。

刑法第236条 
1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する
2項
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする

上記で例として挙げたコンビニ強盗の例で適用されるのが1項、暴行・脅迫を用いて何らかの利益、あるいは債務を免れた、サービスを提供させたという場合が2項が適用されます。2項が適用される強盗罪であることから「2項強盗」とも呼ばれています。

2項強盗罪の「前項の方法により」とは、もちろん、「暴行・脅迫」を用いて、という意味です。この暴行・脅迫の程度は、相手方(Vさん)の反抗を抑圧するに足りる程度のものでなければならないとされています。相手方を殴る、蹴るなどすれば、通常、この程度はあるとされるでしょう。
「財産上不法の利益を得」とは、利益が不法であること、ではなく、利益を獲得するための手段が不法であることを意味します。また、「利益を得」とは、利益を得ることのみならず、債務を免れることも含まれます。Aさんとしては、お店側に代金支払債務を負っているにもかかわらず、暴行・脅迫を用いてこの債務を免れているわけですから、「財産上不法の利益を得」たということができるでしょう。

~ 2項強盗罪から強盗致傷罪に ~

本件のように、強盗時の暴行によって相手方が怪我をしたことが判明すると強盗致傷罪が適用されてしまう可能性があります。強盗致傷罪は刑法240条に規定されています。

刑法240条
 強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

なお、強盗致傷罪は結果的加重犯と呼ばれ、相手方が怪我することにつき認識は不要とされています。したがって、「怪我させるつもりはなかった」などと言っても通用せず、強盗致傷罪で処罰されてしまう可能性がありますから注意が必要です。規定からもわかるとおり、強盗致傷罪は非常に重たい罪です。

~ 弁護活動 ~

事実を認める場合は、まずは相手方に謝罪した上で示談交渉を始めることが先決です。示談交渉によって、相手方から宥恕をいただき、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得を目指します。ただし、示談交渉は弁護士に任せましょう。逮捕されている場合は物理的に不可能ですし、逮捕されていない場合でも、直接交渉しようとしても、相手方の処罰感情が厳しいことが通常ですからうまく交渉を運ぶことはできないでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見無料法律相談の予約を受け付けております。

ページの上部へ戻る