国家公務員が透かしカメラで盗撮

国家公務員が透かしカメラで盗撮

国家公務員のAさん(35歳)は、仕事やプライベートで何もかも上手くいかないことにストレスを抱えており、盗撮してストレスを発散しようと思いました。そこで、Aさんは、仕事が休みの日、衣服等を透かして見ることができる機能を有する小型カメラを、カメラレンズ大の穴を開けた手提げバックに隠して天神の警固公園へ行きました。そして、Aさんはベンチに座り、予め起動させた小型カメラを入れたバックを膝に置き、薄着の女性に向けていたところ、警察官から「君、何しているの?」と声をかけられました。Aさんは、穴の空いたバックを持っていたところを警察官に不信に思われたようです。Aさんは近くの交番まで同行を求められました。そして、交番で、警察官と一緒に小型カメラの映像を見ると、女性の下着等が映っており、撮影日時から今さっき盗撮したことが判明しました。そこで、Aさんは、福岡県迷惑行為防止条例違反の被疑者として取調べを受けることになりました。
(フィクションです。)

~ はじめに ~

これから暑くなるにつれ、街には薄着姿の女性が多くなるのではないでしょうか?それに比例して盗撮の件数も増えると言われています。
従来、盗撮と言えば、

衣服で隠されている身体や下着

を撮影したり、あるいはその目的でカメラ等を設置したり、向けたりする行為などをいうとされてきましたが、先日、施行された改正福岡県迷惑行為防止条例(以下、改正条例)では、

新たな行為も処罰の対象

とされたことから、これから暑い季節に向けては注意が必要です。

~ 改正の内容 ~

改正条例では以下の行為が禁止されるようになりました。

 衣服等を透かして見ることができる機能を有する写真機等の当該機能を用いて、衣服等で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着の映像を見、又は撮影すること。

 ※写真機等=写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器

つまり、一般的に言われる「透かしカメラ」を用いての盗撮が禁止されたのです。また、上の目的で

 写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。

も禁止されます。つまり、たまたま身体や下着が映っていなかったという場合でも処罰されることがあるというわけです。

~ 罰則は?? ~

罰則は、通常、

1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

ですが、常習として盗撮を行ったと認められる場合には、

2年以下の懲役又は100万円以下の罰金

が科されることになります。

~ 公務員の懲戒処分 ~

最後に、公務員の懲戒について解説いたします。

国家公務員の場合、国家公務員法82条に懲戒に関する規定が設けられています。

国家公務員法82条1項
 職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。

 1号 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(略)に違反した場合
 2号 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合
 3号 国民全治あの奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合

なお、盗撮をした場合は、この3号に当たる可能性があります。いかなる懲戒処分を決めるかは任命権者(所属する組織の長)の裁量によると思いますが、人事院がある一定の指針を公表しています(人事院総長発「懲戒処分の指針について」)。それによると、盗撮の場合

停職又は減給

とされています。

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