北九州小倉北区での歩行者の交通違反?

2019-07-18

北九州小倉北区での歩行者の交通違反?

北九州市小倉北区に住むAさんは職場から徒歩で帰宅していました。途中、横断歩道を渡ろうとしてところ、信号表示が「赤色」に代わったっことから横断歩道上の手前でいったん立ち止まりました。Aさんは、左右を確認したところ、右側からバイクが交差点に向かって走ってきていることに気づきましたが、「バイクが通過するより先に渡れるだろう。」と考えて横断歩道を渡り始めました。そうしたところ、青色信号に従って右方から交差点に進入してきたバイクに衝突し、バイクの運転手を路上に転倒させるなどして死亡させてしまいました。Aさんは、衝突で加療約1か月間の怪我を負いましたが、赤色信号で横断歩道を渡ったことを重く見られ、小倉北警察署に重過失致死罪の被疑者として立件されてしまいました。
(事実を基に作成したフィクションです)

~ 歩行者は交通弱者 ~

車両との関係で、歩行者は「交通弱者」と呼ばれ、様々な優先権が認められています。
たとえば、道路交通法38条1項では、

横断歩道に近づいたドライバーに対し、横断する歩行者がいないか確認のうえで、現に横断し、あるいは横断しようとしているときは、横断歩道の手前で一時停止しなければならない

などとしています。

~ 歩行者にも義務が ~

しかし、歩行者が交通弱者であるからといって、歩行者に何ら義務・ルールが科されないというわけではありません。例えば、道路交通法7条では、

道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官の手信号等(略)に従わなければならない

としており、車だけでなく歩行者にも

信号機に従う義務

を課しており、違反者には罰則(2万円以下の罰金又は科料)を科すとしています(道路交通法121条1項1号)。その他にも

・歩道を通行する義務(道路交通法10条2項)
・右側を通行する義務(道路交通法10条1項)
・横断歩道を渡る義務(道路交通法12条1項)
・斜め横断禁止の義務(道路交通法12条2項)

などがあります。この機会に歩行者の義務について確認しましょう!

~ 刑法上の罪が適用される場合も ~

歩行者が、単に、信号無視をして警察に青切符を切られたという場合は、反則金を納付すれば事足りることが多いかと思いますが、それによって他の通行者を怪我させたり、死亡させた場合は、刑法に規定されている

・過失傷害罪(刑法209条)
 過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
・過失致死罪(刑法210条)
 過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。
・重過失致死傷罪(刑法211条後段)
 重大な過失により人を死傷させた場合も同様(5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金)とする。
※重過失とは通常の過失よりも過失の程度が大きい、つまり落ち度が大きいことをいいます。

に問われる可能性があります。

* 実際の適用事例 *

・平成31年1月16日、静岡市内の交差点で、歩行者とバイクが衝突し、バイク運転手が死亡した事故(歩行者も怪我)。歩行者は事故に関する詳細を記憶していなかったようですが、複数人の目撃供述から、歩行者の男性が赤信号を無視していたばかりか、バイクに気づいたのに回避措置をとっていなかったことが明らかとなり、歩行者が重過失致死罪で書類送検されています(バイク運転手は「被疑者死亡」のまま過失運転致傷罪で書類送検)。

・平成30年11月15日、北九州小倉北区内で、これも歩行者とバイクの衝突事故。これも歩行者が信号無視したことが明らかにとなっており、歩行者は重過失致傷罪で、バイク運転手が過失運転致傷罪で書類送検されています。

~ おわりに ~

福岡県交通企画課によりますと、福岡県内で発生した車と道路横断中の歩行者の事故(1695件)のうち、信号無視が原因で歩行者が第一当事者になった「乱横断」は12件あったといいます。事故の状況によっては厳しい責任を問われかねませんから、歩行者といえどもしっかりとルールを守る必要があります。

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