博多港付近の自転車窃盗で任意同行 占有離脱物横領罪と窃盗罪の違いとは
20代男性のAさんは、博多港近くの路上に置き忘れられている持ち主不明の無施錠の自転車を見つけたため、自分のものにしようとして持ち去りました。
ある日、Aさんは持ち去った自転車に乗っていたところ、巡回中の福岡県警察博多臨港警察署の警察官に呼び止められ、防犯登録を確認されました。
その結果、自転車がAさんの所有物ではないことが発覚し、Aさんは占有離脱物横領罪で任意同行を求められました。
(フィクションです。)
~占有離脱物横領罪と窃盗罪の違いは~
占有離脱物横領罪とは、遺失物・漂流物など、他人の占有を離れた物を自分の物にする罪のことをいいます。
占有離脱物横領罪の具体的な例としては、下記のようなものがあります。
・電車の網棚にある忘れ物
・間違って多く受け取った金銭
・廃品回収業者が買い取った古紙の中に紛れ込んでいた財布
・誤配された郵便物
などがあり、以上の物は持ち主などの「占有」は無くなっていると解されるため、占有離脱物横領罪となると考えられています。
反対に窃盗罪の場合では、物は持ち主などの「占有」はまだ無くなっておらず、占有状態にあるということになります。
例えば、
・飲食店のトイレ内に、客が忘れた財布
・公衆電話機内に存置された硬貨
・バス待ちの行列に並んでいる人が、途中で置き忘れて約20m程離れた所にあるカメラ
・50m程離れた店に忘れ物を取りに帰るため、無施錠のまま持ち主が路上に停めた自転車
などが考えられます。
今回の上記事例のAさんの場合では、置き忘れられている持ち主不明の自転車を自分の物にしようとしているため、持ち主の占有がなかったとすれば、占有離脱物横領罪になると考えられます。
もし占有離脱物横領罪で起訴されてしまった場合、「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金」の法定刑で処罰を受けることとなります。
過去の量刑をみてみると、前科前歴や犯行の態様によって、処罰の幅はあるようです。
10万円程の罰金処分となることもあるようですが、場合によっては2~3年ほどの執行猶予付き判決あるいは、6月~1年程の実刑判決となってしまうこともあるようです。
処罰を少しでも軽くしたいとお考えならば、刑事事件に強い弁護士に依頼をし、早いうちに情状弁護に動いてもらうことが重要となってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱う法律事務所で、自転車窃盗事件などの相談・依頼も承っております。
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(福岡県警察博多臨港警察署への初見接見費用:36,100円)