福岡県薬物の濫用防止に関する条例①

2019-05-26

福岡県薬物の濫用防止に関する条例①

福岡県みやま市に住むAさんは、特定危険薬物を使用しないよう福岡県知事から警告を受けていたにもかかわらず特定危険薬物を使用したとして、福岡県から福岡県薬物の濫用防止に関する条例違反の件で呼び出しを受けました。今後のことが不安になったAさんは、弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです。)

~ 福岡県薬物の濫用防止に関する条例 ~

薬物の規制といえば、「覚せい剤取締法」、「大麻取締法」、「医療品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、医薬品法)」などが有名かと思いますが、条例で薬物規制されていることはご存知でしょうか?
福岡県では

福岡県薬物の濫用に関する条例(以下、条例)

という条例に薬物の規制等に関する規定を設けています。

~ 条例の特徴 ~

条例の特徴としては、その2条7号で

 大麻、覚せい剤、麻薬等に掲げるもののほか、これらと同等以上に興奮、抑制、幻覚その他これらに類する作用を人の精神に及ぼす物で、それを濫用することにより人の健康に被害が生じると認められるもの

を「危険薬物」とし、通常、私たちが想定する薬物以外の薬物も危険であると宣言していることです。また、条例13条1項では、

 (福岡県)知事は、危険薬物である疑いがある物品が大臣指定薬物として指定されるか否かが確定する前に、当該物品の濫用による県民の生命、健康又は安全に対する危害を防止するため緊急を要すると認めるときは、当該危険薬物である疑いがある物品又はこれを含有する物品を特定危険薬物として指定することができる

としていることも挙げられます。大臣指定薬物とは、医薬品法に基づいて厚生労働大臣が指定した薬物のことをいいますから、

医薬品法でひっかからない薬物であっても条例ではひっかかる(規制の対象となる)可能性がある

ということになります。

~ 条例の罰則 ~

条例17条5号では、特定危険薬物の使用を禁止しています。しかし、条例では特定危険薬物を使用したからといって、直ちに処罰する旨の規定を設けているわけではありません。条例19条1項では

知事は、特定危険薬物に関し次の各号のいずれかに該当する者に対し、第17条各号に規定する行為(特定危険薬物の使用など)をしないよう警告を発することができる

とし、条例19条1項5号で

第17条第5号の規定に違反して特定危険薬物を使用した者

としています。
そして、ここからが罰則に関する規定なのですが、条例26条で

第19条第1項の警告に従わず、第17条第1号から第5号までのいずれかの規定に該当する行為をした者は、5万円以下の過料に処する

としています。

~ 過料とは?? ~

過料とは行政上の義務に違反した場合にその制裁として科される金銭罰のことで、刑罰ではありません。刑罰とは、あくまでも

死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料

のことをいいます。
一番最後の科料(かりょう)と読み方は同じですが、科料は刑事罰(刑罰)であるのに対し過料はそうでない点が大きく異なります。実務では両者を区別するため、科料を「とがりょう」と呼ぶこともあります。
過料は刑罰ではありませんから、違反行為をしたとしても逮捕されたり、過料を科されたとしても前科が付くことはありません。

しかし、条例では懲役刑、罰金刑を設けている規定もあります。この点に関しては次回解説いたします。また、特定危険薬物を使用することはあなた自身の身体だけではなく、社会的にも害悪です。絶対にやめましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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