【福岡県迷惑行為防止条例】
第6条1項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない。
(1)他人の身体に直接触れ、又は衣服の上から触れること。
(2)前号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
(罰則)
第11条第1項
第6条又は第8条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第12条1項
常習として前条第1項の違反行為をした者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
1.痴漢について
一般的に、公共の場所又は公共の乗り物において、女性の身体を触る場合をさすと考えられます。
この場合、各都道府県に規定されている迷惑防止条例に違反することになります。
福岡県の条例では「福岡県迷惑行為防止条例第6条1項」に規定があります。
法定刑は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、常習として行為をした者は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
2.具体的検討
(1)用語の説明
「公共の場所」
迷惑防止条例における公共の場所とは、社会一般に開放され、不特定多数の人が自由に出入りし、利用できる場所を意味します。
「公共の乗物」
迷惑防止条例における公共の乗物というのは、文字通り公共交通機関である電車やバス、船や飛行機を指します。
「卑わいな言動」
迷惑防止条例における卑わいな言動とは、社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいいます。
強制わいせつでいうわいせつな行為よりも広いものと捉えられています。
なお、単なる会話・発言であっても、それが性的道義観念に反するみだらなものと認められれば、卑わいな言動として迷惑防止条例違反の対象となります。
(2)不同意わいせつ罪との違い
実際に不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)が問題となるケースとしては「下着の下にまで手を入れる行為」が考えられます。
一方、着衣の外から触れる行為は迷惑防止条例違反になると考えられます。
不同意わいせつ罪とは、脅迫や暴行などを利用して相手にわいせつな行為をする犯罪です。
痴漢をしたときの態様により、不同意わいせつ罪が成立することがあります。
条例違反よりも重い法定刑が用意されています(罰金刑がない)。
(3)痴漢の処分の内容
行為の悪質性にもよりますが、一般的には初犯で前科がない場合には、示談できれば不起訴になる可能性が高いです。
一方、前科前歴が存在したり、余罪が発覚すると起訴される可能性が高くなります。
但し、示談が成立すると罰金を支払うことによって手続きから解放される略式処分に落ち着く可能性があります。
詳しくは ~ 示談で解決したい ~へ
~痴漢事件における弁護活動~
1.示談活動
初犯であれば、被害者への謝罪や被害弁償を行い、示談することにより不起訴処分となる可能性があります。
不起訴処分になると前科がつかないというメリットがあります。
弁護士を通してであれば、弁護士限りでという条件付き(被疑者には連絡先を教えないという条件付き)で検察官より被害者の連絡先を教えていただける場合が多々あります。
ですので、弁護士に依頼することにより被害者とコンタクトをとりやすくなります。
また、直接、被疑者が被害者と交渉を行うと被害者の気持ちを逆なでして示談交渉が決裂したり、不相当に過大な金額での示談解決になる可能性があります。
弁護士が間に入れば、冷静な交渉により妥当な金額での示談解決が図りやすいです。
2.身体拘束解放活動
仮に身体拘束(逮捕・勾留)がなされても、前述の示談活動及び取調対応を適切にとることで解放されやすくなります。
弁護士による適切なアドバイスを受けることにより、身体拘束解放に向けて大きく前進することができます。
3.情状弁護
早い段階から公判準備をすることにより、少しでも有利な処分を得ることが可能となります。
例えば、依頼者の方と相談しつつ、必要であれば矯正プログラムの検討とともに証拠提出の上、再犯防止に向けてサポートします
4.否認事件
否認事件では、独自に事実調査を行うとともに、不起訴・無罪に向けて活動をします。
痴漢事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へお問い合わせください。
刑事事件を専門に取り扱う弁護士が、直接「無料相談」を行います。
被疑者が逮捕された事件の場合、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。