【少年事件解説】19歳の「少年」による強盗事件(架空の特定少年事件に基づく解説)

 この記事では、19歳の「少年」による架空の強盗事件を基に、少年法における「特定少年」による事件の刑事手続きと弁護活動について解説します。

事例紹介:福岡県の19歳の少年による強盗事件

 福岡県在住の19歳の少年Aが、県内の高齢女性の自宅に押し入り、脅迫を用いて現金を奪ったとして、強盗の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

少年法における「特定少年」とは

 少年法においては、20歳未満の者を「少年」として扱います(少年法2条1項)。この点、民法の改正により成人年齢が満18歳となりましたが、20歳未満であれば「少年」として扱われます。
 少年法では、14歳以上20歳未満の者で、罪を犯した者を「犯罪少年」として取り扱いますが、成人年齢が引下げになったことに伴い、犯罪少年のうち18歳以上の者を「特定少年」とし、18歳未満の犯罪少年による少年事件の場合と取り扱いを区別しています。

原則逆送の対象となる場合

 少年法では、少年が死刑、懲役、または禁錮に相当する罪を犯した場合、家庭裁判所は、その少年を検察官に送致することが定められています(少年法20条1項)。この送致を「逆送」と呼び、少年法における保護処分ではなく、成人と同様の刑事処分が検討されることになります。

 特定少年の場合は、これに加えて、
・故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件(例.殺人、傷害致死)であって、事件のとき16歳以上の場合
・死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件(例.現住建造物放火、強盗、不同意性交等)であって、事件のとき18歳以上の場合を犯した場合
も、原則として逆送されます(少年法62条2項)。
 ただし、犯行の動機、態様、結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状、環境などを考慮し、刑事処分以外の措置が相当と認められる場合には、この限りではありません。

 逆送された後、検察官が捜査を行い、起訴するべき事案であると判断された場合、特定少年は成人の刑事手続きと同様に公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。

弁護士の役割

 原則逆送事件の場合、先述のとおり刑事罰が科せられるおそれがあります。

 そのため、少年事件の弁護人・付添人の経験が豊富な弁護士に依頼をし、少年として保護処分を課すことが相当である事件であることを積極的に主張し、逆送を回避、あるいは逆送後に再送致(逆送を受けた検察官の判断で家庭裁判所に改めて送致する手続き)に付するべき事案であることを積極的に主張していくことが考えられます。

福岡県の少年事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、主に刑事事件や少年事件を取り扱っており、少年事件における弁護活動や付添人活動の豊富な実績があります。
 強盗事件でご家族の少年が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

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