~前回(執行猶予)~の続き~
前回に引き続き、本日のコラムでは、執行猶予中に再犯(万引き)をしてしまった…この場合、執行猶予は取消されるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
執行猶予の取消し
執行猶予というのは、刑務所に行くことを免除したのではなく、あくまで「見送る」こと(猶予すること)にすぎません。
したがって、その執行猶予期間中に万引きなどの犯罪を犯せば、執行猶予が取り消される可能性が非常に高いのです。
刑法は執行猶予が取り消される場合として
②裁量的取消し(取り消される場合がある)
の2つの場合を定めています。
必要的取消しについて
執行猶予が必ず取り消されるのは、執行猶予期間中にさらに罪を犯し、その罪につき
禁錮以上の実刑に処せられた場合(刑法26条1号)
です。
ここで「禁錮以上」とは禁錮のほか懲役を含みますが罰金は含みません。
裁量的取消しについて
執行猶予が取り消される可能性があるのは、執行猶予期間中に罪を犯し、
- 罰金に処せられた場合(刑法26条の2第1号)
- 保護観察の遵守事項を遵守せず、情状が重いとき(刑法26条の2第2号)
などです。
A子さんの場合は?
万引きは窃盗罪にあたります。窃盗罪の罰則は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですから、A子さんが今回の万引きで起訴され刑事裁判で有罪とされれば懲役でも罰金でも処罰される可能性があります。
そして、懲役で処罰された場合は必要的に前の執行猶予が取り消され、罰金で処罰された場合でも前の執行猶予が取り消される可能性がある、ということになります。
もっとも、以上はA子さんが起訴された場合の話ですから、起訴されるまでは執行猶予が取り消されるということはありませんので、まずは不起訴処分の獲得を目指す必要があります。
執行猶予中に再犯(万引き)事件を起こしてしまった方は
執行猶予中に事件を起こしてしまった方は、まず刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
『執行猶予中の犯行=実刑(刑務所に服役)』ではありません。
刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士は、わずかな可能性を信じ、お客様を権利を守るために全力で弁護活動を行っております。
執行猶予中の犯行であっても、諦めずに一度ご相談ください。
刑事事件のご相談は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお問い合わせください。