ダッシュボード内から危険ドラッグが発見!
危険ドラッグについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県古賀市に住むAさんは、車を運転中、後方から走ってきた福岡県粕屋警察署の警察官が運転するパトカーに呼び止められました。Aさんは車を停止させ、警察官の職務質問や所持品検査に応じました。すると、Aさんの車のダッシュボード内から、薬のようなものが発見されました。警察官が薬の成分を簡易検査すると「危険ドラッグ」であることが判明しました。そこで、Aさんは危険ドラッグを所持していたとして薬機法違反(所持罪)で現行犯逮捕されました。Aさんは、警察官や接見に来た弁護士に「危険ドラッグは私のものではない。」「友人か誰かが私の知らないうちにそこに隠したとしか考えられない。」「ダッシュボード内に入っていると知らなかった。」などと話しています。
(フィクションです)
~ 危険ドラッグ ~
危険ドラッグは、おもに、麻薬や覚醒剤の構造を変えた薬物のことをいいます。
危険ドラッグを規制する法律は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、略して「薬機法」と呼ばれる法律です。
薬機法では、
中枢神経の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(以下、略)として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの
を「指定薬物」とし(薬機法2条15項)、指定薬物の
・製造
・輸入
・販売
・授与
・所持
・購入
・譲受
・医療等の用途以外の用途の施用
を禁止しています(薬機法76条の4)。
薬機法が制定される前までは、危険ドラッグは「脱泡ドラッグ」や「違法ドラッグ」などと呼ばれていました。
業として(反復継続する意思で)の、製造、輸入、販売、授与、所持(販売又は授与の目的で貯蔵し、陳列した者に限る)の場合は、
5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金。又は併科(薬機法83条の9)
単なる、製造、輸入、販売、授与、所持(販売又は授与の目的で貯蔵し、陳列した者以外)、購入、譲受、医療等の用途以外の用途の施用の場合は
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科(薬機法84条26号)
です。
~ Aさんの所持罪は成立する? ~
薬機法違反の所持罪が成立するには、「所持」していたことに加えて、危険ドラッグを所持していた「認識」があったことが必要です。
では、Aさんに危険ドラッグを所持していた認識を認めることはできるでしょうか?
Aさんが危険ドラッグの所持の認識を否認していることから問題となります。
この点、確かに、Aさんの車のダッシュボードから危険ドラッグが発見された、という事実は、Aさんの認識を推認させる状況証拠(間接事実)となりえます。
だからといって、それだけでAさんに危険ドラッグの所持の認識があると断定することはできません。
Aさんが言うように、第三者の持ち物である可能性も否定できないからです。
薬物の所持事案では、本件のように薬物の所持の「認識」を否認される方が多くいます。
その際、薬物がどういう経緯で、どこに、どういう形、状況で保存されていたのかがポイントとなります。
これらの事情が「認識」を推認させる事情ともなり得るからです。
捜査機関での取調べでは、上記の点に加えて、交友関係なども厳しく追及されることでしょう。
しかし、その際、どう対応してよいか分からない、という方も多いかと思われます。
そんなときは弁護士に対応を依頼ください。
弁護士でであれば、捜査機関の違法、不当な取調べに対し適切に対処することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。