企業管理者必見~パワハラ指針まとまる

企業管理者必見~パワハラ指針まとまる

パワハラについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県太宰府市の会社経営者であるAさんは、社員のVさんが仕事でミスをすると、「クビにするぞ、土下座してみんなに謝れ」「土下座しなければ減給するぞ」などといって無理矢理土下座させたりしていました。すると、VさんがAさんに謝罪と損害賠償を求め、これに応じなければ、福岡県筑紫野警察署へ行って強要罪での告訴も辞さないと言ってきました。Aさんは、強要罪の容疑で逮捕されるかもしれないと不安を覚えたことから、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(この事案はフィクションです)

~ パワハラ指針まとまる ~

昨年、11月20日、労働政策審議会(厚生労働省の諮問機関)の分科会が、職場での「パワーハラスメント」の防止に向け、企業に求める具体的な対策を盛り込んだ指針をまとめました。
指針によると、

パワハラに該当する例】
・「必要以上に長時間、叱責(しっせき)を繰り返す」
・「新人に高い目標を課し、達成できないと厳しく叱る」

パワハラに該当しない例】
・「ルールを欠いた言動を強く注意する」
・「育成のために少し高いレベルの業務を任せる」

などの一例を示しています。
もっとも、これらはあくまで「一例」で、実際にはどこからがパワハラでどこからがパワハラではないか線引きすることが難しい場合も出てくると思われます。
そこで、厚生労働省は「提示した例がすべてではなく、パワハラかどうかはすべての要素を総合的に勘案して決める」としています。
指針ではパワハラの一例のほか、就業規則でパワハラ防止の方針を示すことや、加害者の懲戒規定を設けること、相談窓口の設置などを盛り込んでいます。

今後についてですが、来年6月に、企業にパワハラ防止を義務付ける改正労働施策総合推進法が施行されます。
厚生労働省は、それまでにパンフレットを作成するなどして指針を周知していくとのことです。

~ 本件事例について ~

土下座をさせることは理由はどうであれ、パワハラに当たる可能性が高いでしょう。
また、パワハラによって、被害者に財産的損害(うつ病などで通院し治療費がかかった、働けなくなり給料が減った)、精神的損害を与えた場合は民事上の損害賠償責任を可能性もあります。
また、この責任を負うのはパワハラを行った個人だけではありません。
その使用者(会社)も使用者責任として、損害賠償責任を負わなければならない場合があります。

また、刑事上の責任としては強要罪で規定されてある刑罰を受けなければならない可能性もあります。
強要罪は刑法223条に規定されています。

刑法223条1項
 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対して害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

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