家庭系ごみの不法投棄は廃棄物取締法違反
廃棄物取締法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県春日市に住む主婦のAさんは、子育てなどで市で決められたゴミ収集日に家庭系ごみを出すことが面倒くさいと思い、通勤途中、近くにあるコンビニエンスストアのごみ箱の中に半週溜まった家庭系ごみを捨てるということを繰り返していました。そうしたところ、ある日、Aさんはいつものようにコンビニで家庭系ごみを捨てようとしたところ、コンビニの店長Vさんに呼び止められ「いつも捨ていらっしゃいますよね?」「処分するのに大変迷惑なのでやめていただけませんか?」と注意を受けてしまいました。それでもAさんは、Vさんの注意を無視し、家庭系ごみを捨てたところ、福岡県春日警察署の警察官に廃棄物取締法違反の被疑者として逮捕されてしまいました。Aさんの行為を現認したVさんが警察に通報したことが逮捕のきっかけとなったようでした。
(フィクションです。)
~ 不法投棄とは? ~
「不法投棄」というと、皆さんはどんなものを思い浮かべるでしょうか?
業者が山奥や河原などに、粗大ごみや廃家電などを捨てていく、大がかりで悪質な行為をイメージする人が多いのではないでしょうか?
不法投棄に関する明確な定義はありませんが、文字通り、ゴミを不法に投棄することが不法投棄であり、上記のような規模の大きいものに限らず、
・ポイ捨て
・家庭系ごみの投棄
など比較的規模の小さいものも含みます。
~ 不法投棄は犯罪 ~
そして、不法投棄は、廃棄物取締法(正式名称、廃棄物の処理及び清掃に関する法律)違反に問われる可能性があります。
法律16条では
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない
と規定されているからです。
ここで「みだりに」とは、分別なく、という意味で、分別がないかどうかは社会通念に従って判断するほかありません。
確かに、コンビニにはごみを捨てるゴミ箱が設置されていることがほとんどです。しかし、そのことは、コンビニで購入したごみやちょっとしたごみならまだしも、日常生活で出た家庭系ごみを捨てることまでを許容した趣旨でないことは、一般人の常識からすれば容易に判断することができます。
家庭系ごみは決められ場所、日時に捨てましょう(廃棄物処理法では、各自治体は「一般廃棄物処理計画」を定めること、定めた計画に従って廃棄物を収集し、運搬し、処分しなければならないことが求められています)。
また、「廃棄物」とは、法律2条1項で、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の不要物(不要物とは、占有者自らが利用し、または他人に有償で売却することができない物)」と定義されています。
~ 不法投棄の罰則 ~
張り紙などでご存じの方も多いのではないでしょうか?
不法投棄の罰則は、
5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はこれらの併科
です(法律25条1項15号)。
~ 「ばれない」と思ってもみつかる不法投棄 ~
各自治体では、不法投棄に対する監視の目を光らせています。
いつ、誰が、どのようにしてみているのかわかりません。
また、最近では、防犯カメラの設置台数も増えてきています。
ごみの中に個人に特定につながるようなものが入っていると、そこから犯人特定に繋がることもあります。
~ 逮捕されたら? ~
不法投棄は立派な犯罪ですから、逮捕されることもあります。
一刻もはやく釈放を目指したい、不起訴処分を獲得したいという方のためにはやめに弁護士へご相談ください。
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