1.「再審」について
裁判に重大な誤りがあったときにこれを放置しては、正義に反することとなるため、刑事訴訟法は、「再審」という判決確定後に裁判を変更できる手続きを設けました。
刑事訴訟法では、一定の事由が存する場合の被告人の利益のための再審のみを認めています。具体的には、主に次の3つに大別されます。
- 確定判決によって原判決の証拠が偽造、変造又は虚偽であることが証明された場合、
- 新証拠が発見された場合
- 確定判決によって関与した裁判官などに職務犯罪のあったことが証明された場合
です。
実際には、再審請求のほとんどが②を理由としたものです。
つまり、「明らかな証拠」(証拠の明白性)と「あらたに発見した」(証拠の新規性)ことが必要となります。
新たな証拠が発見されたというだけで、再審を認めるとすれば、事実上、どのような事件でも「やり直し裁判」ができることになりかねないため、法は「明白性」を要求しています。
なお、明白性の判断基準及び評価の方法については、最高裁は、新証拠と旧証拠とを総合的に評価して判断すべきであるとする総合評価説を採用しています。
2.請求権者について
再審の請求権者は次の者です。
- 検察官
- 有罪判決を受けた人
- 有罪判決を受けた人の法定代理人など
- 有罪判決を受けた人が死亡した又は心神喪失状態の場合、配偶者、直系親族、兄弟姉妹
ここで、重要なのが④でして、有罪のそしりをうけたまま亡くなられた方であっても、ご家族の方(配偶者、直系親族、兄弟姉妹)がその無念をはらすべく再審請求できます。
また、検察官が申立てる再審の多くは、道路交通法違反や自動車による過失運転致傷事件で、氏名詐称や身代わりが後日発覚したという事例です。
3.再審請求には期限があるのですか?
再審請求はいつでもできます。控訴・上告とは異なります。
4.再審の裁判について
この裁判においては、原判決の刑より重い刑を言渡すことはできません(不利益変更禁止の原則といい、控訴・上告の場合と同様です)。
また、無罪の言渡しをしたときは、官報および新聞紙に掲載して、その判決を公示しなければならないと規定されています。
5.非常上告について
判決確定後に裁判を変更できる手続きとして「再審」のほかに「非常上告」があります。
非常上告は、法令の解釈の統一を目的として検事総長が行うものです。
検事総長は、判決が確定した後、その事件の審判が法令に違反したことを発見したときは非常上告を行います。
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