飯塚市の連続放火事件を参考に、放火事件に適用される罪名~建造物等以外放火罪~について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
飯塚市の建造物等以外放火事件
飯塚市に住む会社員のAさんは、職場の人間関係がうまくいかず日常的にストレスがたまっていました。
そんな中Aさんは、そのストレス発散として、自宅近所の公園にある公衆トイレに設置されているトイレットペーパーや、雑草、ベンチ、そして近所の集合住宅の駐輪場にとめてある自転車等に放火してストレスを発散するようになったのです。
福岡県飯塚警察署は、連続発生する不審火に警戒を強めており、ある日の夜中、人気のない路地を歩いていたAさんは、警察官に職務質問されました。
警察官はタバコを吸わないAさんがライターを所持していたことを不審がっており、Aさんは、警察署に任意同行後、建造物等以外放火罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
建造物等以外放火罪
放火に適用される罪名は、何に放火したのかによって適用される罪名が異なります。
今回の事件でAさんに適用された「建造物等以外放火罪」については、条文では「前2条に規定する物以外に放火・・・」とされています。
この「前2条」とは現住建造物等放火罪と非現住建造物等以外放火罪の事ですので、建造物等以外放火罪の客体となるのは、自動車や無人の汽車や電車、門や塀、家具等で、列挙すればきりがありません。
建造物等以外放火罪が成立するには、放火によって「公共の危険」が生じなければいけません。
ここでいう「公共の危険」とは、不特定又は多数人の生命や身体、財産に危険を感じさせる状態を意味します。
建造物等以外放火罪の法定刑
建造物等以外放火罪の法定刑は2種類あります。
まず1つ目が「1年以上10年以下の懲役」です。
この1つ目の法定刑が適用されるのは、自己所有の建造物等以外の物に放火した場合です。
つづいて2つ目の法定刑が「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
この2つ目の法定刑が適用されるのは、自己所有の建造物等以外の物に放火した場合です。
自己所有の建造物等以外の物に放火した場合の法定刑には罰金の規定がないため、起訴されて有罪が確定した場合は、執行猶予を獲得できなければ実刑(刑務所に服役すること)となってしまいます。
建造物等以外放火罪に強い弁護士
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