友達から盗んだバイクをもらった もらうだけでも犯罪~①~

友達から盗んだバイクをもらった場合、窃盗行為に関与していなくても、もらうだけでも犯罪となることを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が解説します。

事例

窃盗事件
Bさんは、福岡市内にあるバイク屋の前にキーが付いたまま止まっていたバイクを盗みました。

盗品等事件
Bさんがバイクを盗んで数か月後、Bさんの友達Aさんは、Bさんから「盗んだバイクだけど、もう乗らないからいるか?」と聞かれ、このバイクをもらいました。
(この事例はフィクションです。)

Bさんの事件(窃盗事件)

Bさんには、窃盗罪(刑法235条)が成立します。

刑法第235条 窃盗罪

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法の規定に従って説明すると、バイク屋が所有するバイクという「他人の財物」を、バイク屋の意思に反して取得、すなわち「窃取」しています。
仮にBさんが「盗むつもりではなく、ただ単に借りたつもりだった。」と主張したとしましょう。
こうした主張は、法律上、「不法領得の意思」がなかったという主張になります。
不法領得の意思とは、権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、利用処分する意思のことです。
そして、この不法領得の意思は、窃盗罪が成立するのに必要不可欠とされているので、Bさんの主張が認められた場合は、Bさんが窃盗罪に問われることはないでしょう。
しかし、今回のような事件で不法領得の意思は肯定されるでしょうから、Bさんは窃盗罪の刑責を負うことになります。

~明日に続く~

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