会社のお金を着服 業務上横領罪の前科を免れるために~①~

会社のお金を着服した事件を参考に、本日は業務上横領罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件~警察未介入の業務上横領事件~

Aさんは、福岡県全域に展開する外食チェーン店の久留米店で店長をしています。
Aさんは、毎日の売り上げを福岡市内の本社にメールで報告し、月末になると、その売り上げを本社の口座に送金して会社に売り上げを納めていました。
そうした中、1年ほど前からAさんは売り上げを毎日数千円から数万少なく会社に報告するようになり、毎月20万円ほどを着服するようになりました。
会社から売上伝票の提出を求められたことはなかったのでバレるはずがないと確信しての犯行でしたが、内部告発があり、Aさんの着服行為が会社に知れてしまうことになったのです。
現在、Aさんは自宅謹慎を命ぜられていますが、会社は過去に遡って調査を行っており、上司からは今後刑事告訴も検討していると言われています。
(フィクションです。)

業務上横領罪

業務上、自身が占有(管理)している金品をような着服すると業務上横領罪が成立します。今回の事件でAさんは、店長の業務として管理していた店舗の売上金を着服していたので、当然のこと、業務上横領罪が成立する可能性が十分にあります。
業務上横領罪は、起訴されて有罪が確定すると「10年以下の懲役」が科せられることになります。
このように業務上横領罪には、罰金刑の定めがありません。
窃盗罪など罰金刑のある罪の場合には、起訴されてしまう場合にも、公開法廷ではなく、書類だけ裁判所に送られるという略式手続というものがあり、負担が少ない方法が選択される場合があります。
これに対し、業務上横領罪起訴されてしまうときには、必ず公判請求、つまりテレビで普段目にするような法廷での裁判となります。
そのため業務上横領罪が事件化されてしまうと、不起訴を目指す必要性が高くなります。

~明日のコラムに続く~

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