【少年事件を解説】オートバイ盗で逮捕された少年の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事例
博多駅前の駐輪場に駐車してあったオートバイを盗んだとして、福岡市内に住む中学生のAくん(15歳)とBくん(14歳)が福岡県中央警察署に窃盗の疑いで逮捕されました。
Aくんは、部活を引退した後、地元の不良仲間とつるむようになり、最近では夜中に出歩いたり、無断外泊を繰り返していたようです。
Aくんは、逮捕されたことを受け、自身の軽率な行動について反省しています。
Aくんの母親は、逮捕を知り大変ショックを受け、すぐに父親に連絡をしました。
逮捕の連絡を受けたAくんの父親は、少年事件に対応してくれる弁護士を探すことにしました。
(フィクションです)
刑法犯少年のうち、最も多いのが窃盗犯です。
なかでも、万引き、自転車盗やオートバイ盗が多く見受けられます。
少年は、単独で行うよりも、複数人と共謀して窃盗を行うケースが多くなっています。
初犯の万引き事件のように比較的軽微な事件であれば、逮捕される可能性は低いでしょう。
しかし、共犯者がいたり、被害金額が多い場合には、少年であっても逮捕され、その後勾留となる可能性はあります。
少年のオートバイ盗での弁護活動
少年によるオートバイ盗事件において、弁護士は主に次のような活動を行います。
1.身柄解放
逮捕された少年については、逮捕後勾留を回避すべく、すぐに身柄解放活動に着手します。
逮捕から48時間以内に、少年は検察庁に証拠や関係書類と共に送られます。
そうでなければ、少年は釈放となります。
少年の身柄を受けた検察官は、24時間以内に、少年を釈放するか、裁判官に勾留(又は勾留に代わる観護措置)を請求します。
検察官からの勾留(又は勾留に代わる観護措置)請求を受けた裁判官は、少年を勾留するかどうかを判断します。
裁判官が勾留を決定した場合には、検察官が勾留請求をした日から10日間、少年の身柄は拘束されることになります。
10日間の身体拘束となれば、その間学校や職場に行くことはできませんので、最悪退学や解雇といった事態に陥る可能性があります。
そのような事態を回避するためにも、勾留を阻止し早期に釈放となるよう関係機関に働きかけます。
具体的には、検察庁に送られたらすぐに、担当検察官に対して、少年について勾留請求をしないよう意見書の提出や電話での面談を通じて主張します。
検察官が勾留(又は勾留に代わる観護措置)を請求した場合には、勾留の要件を満たしていない旨を客観的証拠に基づき主張し、裁判官に対して勾留をしないよう働きかけます。
裁判官が勾留を決定した場合であっても、その決定に対して不服申立てを行い、最初の勾留の決定をした裁判官ではない裁判官らに改めて先の決定が間違っている旨を主張し、釈放するよう主張します。
逮捕から勾留までは、長くとも3日で決まってしまいますので、できる限り早期に弁護士に相談し、身柄解放活動に着手するのがよいでしょう。
2.被害者対応
オートバイ盗は、被害者のいる事件ですので、被害者への謝罪や被害弁償を行うことが重要です。
被害者は経済的損失以上に少年に対して怒りを感じていることもあるため、少年や少年の家族が直接被害者と連絡を取り合い対応するよりも、弁護士を介して行うほうが、被害者との交渉が感情的にならず、円滑に進む場合が多いと言えます。
3.環境調整
少年の審判では、非行事実に加えて要保護性についても審理されます。
要保護性というのは、簡単に言えば、少年が再び非行を犯すおそれのことです。
その再非行のおそれがないと裁判官に認められれば、少年院送致のような重い処分が言い渡される可能性は低くなります。
逆に言えば、軽微な非行であっても、要保護性が高ければ、少年院送致となる可能性もあるのです。
今回のケースで考えると、Aくんの非行の原因のひとつに、不良仲間との関係性があげられるでしょう。
そのため、彼らとの交流関係を断ち切り、Aくんが再び非行を犯すことのないよう周囲の環境をつくる必要があります。
そのためには、単にAくんの不良仲間との縁を切るよう言い聞かせるだけでは足りないでしょうし、大人側から一方的に言われることに対してAくんが反発することもあるでしょうから、Aくんの家族や学校とも協力して、事件を起こした原因を一緒に考え、解決策を見出す手助けをしていくことが重要です。
弁護士は、少年本人、少年家族や学校、裁判所と密に連携をとりながら、少年の更生に適した環境を調整する役割を担います。
以上のような活動は、少年事件に精通した弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様がオートバイ盗で逮捕されてお困りの方は、すぐに弊所の弁護士にご相談ください。
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