【事例解説】不同意わいせつ致傷罪とその弁護活動(被害者がPTSDを発症した架空の事例に基づく解説)

 この記事では、架空の事例を基に、不同意わいせつの被害者がPTSDを発症した場合の弁護活動について、解説します。

事例紹介:不同意わいせつの被害者がPTSDを発症したケース

 知人の20代女性Vにわいせつな行為をし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたとして、久留米市在住の会社員男性A(28歳)が不同意わいせつ致傷の容疑で逮捕されました。
 警察の調べによると、Aは、車に同乗していたVの身体を触るなどのわいせつな行為を行い、事件後、Vは心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断を受けたとのことです。
 Aは、Vにわいせつな行為を行ったことは認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

PTSD発症による不同意わいせつ致傷罪の成立

 不同意わいせつ罪(未遂犯も含む)を犯し、これにより人に「傷害」を負わせた場合、不同意わいせつ致傷罪(刑法第181条第1項)が成立します。
不同意わいせつ致傷罪は、令和5年法改正前の強制わいせつ致傷罪にあたる罪であり、法定刑は、無期又は3年以上の拘禁刑(「拘禁刑」の施行までは「懲役」)です。

 「傷害」とは、人の生理的機能に障害を与えること、又は人の健康状態を不良にすることとされており、外傷のみならず、パニック障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神的な疾患もこれに該当するとされます。

 よって、Aのわいせつ行為とVの心的外傷後ストレス障害(PTSD)の因果関係が認められると、Aに不同意わいせつ致傷罪が成立する可能性があります。

不同意わいせつ致傷事件の刑事弁護

 不同意わいせつ致傷罪は、法定刑に無期懲役を含むため、裁判員裁判の対象となりますが、性犯罪では、裁判員裁判の量刑は一般的に重くなる傾向があり、不同意性わいせつ致傷罪で起訴された場合、実刑となる可能性も十分あります。
 そのため、裁判を回避するために、被害者との示談の成立などにより不起訴処分を目指すことが特に重要だと言えます。
 不同意わいせつ致傷罪は、被害者の告訴がなくとも検察官の判断で起訴できる罪(非親告罪)ではありますが、実務上の運用は、被害者の意思を尊重し、プライバシー侵害が生じないように配慮する観点から、被害者との示談によって告訴の取消しに結びつけることができれば、不起訴処分となる可能性を高めることができると考えられます。

 不同意わいせつ致傷罪の被害者は、加害者に強い嫌悪感や恐怖感などを抱くことが通常であり、加害者が被害者と示談交渉を直接行うことは極めて困難だと考えられますが、弁護士であれば、被害者も話を聞いても良いとなることも多く、示談交渉の余地が生まれ、刑事事件に強く示談交渉の経験豊富な弁護士であれば、十分な内容の示談がまとまる可能性が見込まれます。

 なお、わいせつ行為と傷害の因果関係が疑われる事情、例えば、本件で言えば、被害者が別の要因により、事件前から既に精神疾患を有していた疑いがあるといった事情があれば、そうした事情を取調べの際に供述するなどして、捜査機関にわいせつ行為と傷害の因果関係に疑いを持たせ、捜査を十分に尽くさせることにより、罪名から「致傷」が外れる可能性もあるため、取調べの対応も重要になってくるケースも考えられます。
 不同意わいせつ罪であれば、法定刑は6月以上10年以下の拘禁刑(懲役)と軽くなる上、裁判員裁判の対象外となり、起訴されても実刑を回避する可能性を高めることが期待できます。

福岡県の不同意わいせつ致傷事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、改正前の強制わいせつ致傷事件において、身体拘束からの早期解放や示談成立による不起訴処分などを獲得している実績があります。
 不同意わいせつ致傷事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

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