女子高生とわいせつ行為 未成年と知らなくても犯罪ですか?(年齢不知)

女子高生とわいせつ行為をして淫行事件を参考に、未成年と知らなくても犯罪が成立するのか…年齢不知について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

女子高生とわいせつ行為(淫行事件)

北九州市八幡西区に住むAさんはSNSを通じて高校2年生の女子高生と知り合いました。Aさんと女子高生はSNSでやり取りをする内に仲良くなり、実際に会ってご飯を食べに行くことになったので、念のためにAさんは女子高生に年齢を確認したところ、女子高生からは「18歳」と教えてもらいました。
そして一緒にご飯を食べに行った当日、Aさんは女子高生を誘ってラブホテルに行き、女子高生に手淫してもらいました。
それから数カ月して、Aさんのもとに福岡県八幡警察署から電話があり「淫行の容疑で取調べをしたいので出頭してください。」と言われました。
女子高生が18歳だと思っていたAさんは、自分が行為が犯罪に当たるのか不安で、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

淫行について

福岡県青少年健全育成条例(以下、条例)には、淫行(いん行)の罪に関し次の規定が設けられています。

条例31条1項
 何人も、青少年に対し、いん行又はわいせつな行為をしてはならない。

条例38条 次のいずれかの各号に該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
1項1号 第31条第1項の規定に違反した者

つまり、裁判で、淫行の罪で「有罪」とされた場合は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられることをまず押さえておきましょう。

「淫行」の意義 

次に、「手淫」が淫行に当たるのか検討しますが、最高裁判所は

広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく,青少年を誘惑し,威迫し,欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか,青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為

と解しています。
そして、「性交類似行為」は「実質的にみて、性交と同視し得る態様における性的な行為」をいい、

手淫
・肛門性交
・口腔性交

などがこれに当たると解されています。
したがって、「手淫」は「淫行」に当たる、含まれるということになります。

年齢認識

条例は、青少年との淫行を禁じています。
ここで「青少年」とは「18歳未満の者」をいいます(条例2条1号)から、条例違反に問われるには相手方が青少年、つまり、18歳未満であることの認識していたことが必要です。
この点、Aさんは、女子高生から「18歳」と言われ、相手が18歳未満であることの認識はないように思えます。
しかし条例では、原則、青少年の年齢を知らない、認識していないことを理由として処罰を免れることはできません。
つまり、青少年の年齢認識につき、不注意な点(過失)があっても処罰されるということになります(条例38条8項本文)。

例外もある

ただし、過失がないときは処罰を免れることができます(条例38条8項但書)。
「過失がないとき」とは、社会通念に照らし、通常可能な確認が適切に行われているか否かによって判断されるとされています。
具体的には、単に青少年の年齢、生年月日を尋ねただけ、あるいは身体を外観等からの判断だけでは足りず、自動車運転免許証、住民票等の公信力のある書面で確認するか、又は、保護者に問い合わせるなど客観的に通常可能とされるあらゆる方法を用いて確認している場合をいい、かつ、そのことを裁判で立証する必要があります。

実際は、そこまで行って淫行している方は多くなく、以上のことを要求されてしまうと、結果として無過失責任を問われているのと同じ結果となってしまっています。

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